さまざまな企業の魅力や取り組みを紹介していくこの企画。今回は、企業向けに動画配信サービスを提供する「株式会社Jストリーム」を取材しました。同社は、企業のニーズに合わせた高品質な動画配信ソリューションを展開しており、多くの企業から信頼を得ています。
株式会社Jストリーム:動画配信のパイオニアとしての歩み
▲株式会社Jストリームの事業概要(会社紹介資料から引用)
「株式会社Jストリーム」は、企業向けに動画ソリューションを提供する会社です。主にエンタープライズ領域(医療・製薬、金融、製造業など)とメディア・エンターテインメント領域(放送局など)に向けてサービスを展開しており、動画配信プラットフォームの提供や映像・Webサイト制作など、幅広いサービスを手がけています。
1997年の創業以来、国内の動画配信事業におけるパイオニアとして活躍しています。テレビ局のオンデマンド配信、Webサイトの構築、株主総会のライブ配信など、多様なサービスを提供しています。
会社名 | 株式会社Jストリーム |
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住所 | 東京都港区芝2-5-6芝256スクエアビル6F |
事業内容 | 動画配信を主軸としたインターネット上における通信インフラ事業 ・会員情報管理・決済処理などの受託業 ・出版物の企画・販売及び賃貸業 ・ハードウェア・ソフトウェアの企画・開発・輸出入など ・コンサルテーション、調査、分析、研究など |
設立 | 1997年5月29日 |
公式ページ | https://www.stream.co.jp/ |
働き方 | ハイブリッド(ポジションによって異なる) フレックス |
株式会社Jストリームの特徴は、「ワークスタイルとキャリア形成の多様性」です。場所や時間に縛られない柔軟な働き方が可能な環境を整備し、全社的にテレワークを推進しています。
キャリアパスについては、マネジメントラインとプロフェッショナルラインの2つを用意し、中長期的なキャリア形成を支援しています。さらに、2021年からはエンジニア向けのTech人事制度を導入し、従業員一人一人が働きがいを持って活躍できる環境づくりに力を入れています。
本日は、これらのトピックについて人事部の北野さんと、ロケーションフリーワーク制度を利用して働くエンジニアの小室さんにお話を伺います。
Jストリームの強み:BtoB動画配信におけるワンストップソリューション
編集部
御社はインターネット黎明期から動画サービスを開始したパイオニア企業として、時代に応じた事業を幅広く手掛けていらっしゃいますね。
北野さん
「株式会社Jストリーム」は動画配信を目的に設立された会社で、主に一般企業様へ動画ソリューションを提供しています。主力の動画配信サービスの活用シーンとしては、例えば製薬メーカー様が主催するオンラインセミナーの配信や、企業の株主総会などにもご利用いただいています。
また、エンタメ・メディア系の企業様ともお取り引きがあります。例えば放送局様には、インターネットを通じた動画配信やOTT配信(※)で、収益化を促進するソリューションサービスを提供しています。お取り引きのある企業様は年間でトータル約1,200社にのぼります。
(※)OTT配信:インターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービス(動画配信サービスや音楽配信サービスなど)
3つの事業軸で時代のニーズに応える:Jストリームのビジネスモデル
▲動画配信を手がける企業のため、従業員の中には元テレビ局のディレクターなど即戦力となる方も多く在籍する
編集部
Jストリームさんは多種多様な事業を展開されていますが、なかでもビジネスの軸となる事業を教えていただけますでしょうか。
北野さん
弊社が提供するサービスは大きく3つに分類されます。
1つ目が自社のプロダクトです。動画配信のプラットフォームサービスやCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)の負荷を分散するサービスを提供しています。自社でサーバーを保有しているため安定した配信が可能で、テレビ局様などには弊社のCDNプロダクトをご提案しています。
2つ目がライブ配信サービスです。例えば株主総会をオンラインで配信される場合に、現地へ出向いて円滑に配信ができるようにサポートをしています。
3つ目が受託制作・開発です。小室が在籍しているのがこのSI(システムインテグレーション)部隊ですね。映像やWebサイトの制作、アプリケーション開発などをワンストップで受託しています。
編集部
プロダクトの提案やコンテンツ制作など、お客様にとって最適な動画の活用法をご提案しているのですね。
北野さん
そうですね。どの企業様からも、ただ静的なWebサイトの制作だけを依頼されるということはほぼありません。動画を使用してより伝えやすいコンテンツが求められているという印象です。弊社では、自社プロダクトの提供のみならず、Webサイトや映像制作などの多様なニーズに対応できます。
動画にまつわる企業課題を、網羅的かつワンストップでサポートできる点は弊社ならではの強みですね。同業他社は多いですが、ここまでトータルで対応できる会社は実は少ないのではないかと思います。
編集部
そうなんですね。多くの人々が気軽に動画メディアを利用する時代において、Jストリームさんは動画事業を長く手がけられてきただけあって、一貫して仕事を任せられるという信頼性があるのだと感じました。
Jストリームの働き方改革:時間と場所の制約を超えて
編集部
Jストリームさんでは、テレワークの働き方を取り入れているかと思います。独自のロケーションフリーワーク制度は、いつ頃から導入したのでしょうか?
北野さん
2022年4月から導入しました。ロケーションフリーワーク制度とは、オフィスがある東京・大阪・福岡の通勤圏外からでも、フルリモートを前提として働くことができる制度です。現時点では、フルリモートとの親和性が高いポジション限定で適用しています。この制度により、全国から人材を募集できるようになりました。
編集部
全国どこからでも働けるというのは時代に合っていますね。小室さんは、どのような流れでJストリームさんへ応募したのでしょうか?また、実際にロケーションフリーワーク制度を活用してみての感想をお聞かせください。
小室さん
2022年9月に入社しましたが、転職活動を始めたのは同年6〜7月頃です。前職はインフラエンジニアで、同業を探していましたが、キャリアを活かせる求人が見つからず苦労していました。
家庭の事情もあり、故郷の新潟から勤務できる企業を探していたところ、偶然ロケーションフリーワーク制度を採用している「株式会社Jストリーム」の求人を見つけました。テレワークで働けることで家庭とキャリアの両立が可能だと考え、応募しました。この求人との出会いは運命的に感じました。
北野さん
他にも、既存の従業員が北海道に移住して仕事を続けている事例もあります。居住地を問わない多様な働き方を導入したことで、高いスキルを持つ人材の確保に効果的だと実感しています。
リモートワーク下のコミュニケーション戦略:オンライン交流の工夫
▲社内にはコミュニケーションを円滑に図れるよう、フリーアドレスエリアも設置されている
編集部
現在、どれくらいのメンバーがリモートで勤務されているのでしょうか。
北野さん
エンジニアに限れば、80~90%はテレワークを活用しています。
編集部
リモートで働く中で、やりづらさを感じる点はありますか?
小室さん
システム開発はチームプレーなので、プロジェクトの立ち上げ時などは、お互いの顔と能力を知らないとやりづらさを感じます。また、実機に触れる機会が少ないことも課題です。オフィス勤務なら検証室で触れる機会がありますが、リモートだとほぼありません。
コミュニケーション不足を防ぐため、月1回の出張時にはなるべく対話を心がけています。また、チャットでのコミュニケーションにも工夫をしています。対面での会話に比べ、文字だけでは感情が伝わりにくいことがあるためです。
そのため、喜びや感謝の気持ちを明確に伝えるために、絵文字などを意図的に使用しています。特に事務的な作業を依頼した際は、「助かりました」「教えてくれてありがとう」といった気持ちを強く表現するよう心がけています。
編集部
企業として、従業員の親睦を深めるために何か取り組みをされていますか?
北野さん
雑談会や相談会、もくもく会(※)などを実施しています。会話を通じて、頼みごとや相談がしやすくなります。チャットでも、面識のない方に唐突に依頼するのはハードルが高いですが、出身地などの些細な情報を知るだけでもハードルが下がります。
(※)もくもく会:同じスペースに集まって、それぞれが自由に作業を行う任意の勉強会
また、ミーティングで会話をする機会も設けているので、交流なしに個人で黙々と作業することはありません。時には、リモートで働くエンジニアもオンライン音声をつないで作業しています。関東近郊に住むメンバーは、定期的に出社日を合わせて同じ部屋で開発を行っています。
編集部
リモートワークでのコミュニケーション課題に対して、オンラインやオフラインでの交流機会を多く設けているんですね。これから入社されるエンジニアの方も安心して働くことができそうです。
ライフイベントに寄り添う福利厚生:Jストリームの従業員支援
編集部
御社では、「ライフステージに合う働き方をしてほしい」という方針だと伺いました。小室さんの他にも多様性のある働き方をしている方はいらっしゃいますか?
北野さん
はい、多くの社員が多様な働き方を実践しています。リモートワークを中心に据えることで、子育てと仕事を両立している例は数多くあります。
また、フレックスタイム制度も導入しているため、例えば、保育園の送迎を行ってから仕事を始めるなど、柔軟な働き方を実現している社員が多く在籍しています。さらに、家庭の事情で一時的にUターンしなければならなくなった従業員にも、仕事を継続できるようリモートで働いてもらっています。
以前、働く母親の面接を担当した際に、「前職は片道1時間半かかったので、体力的につらかった」とおっしゃっていたのが印象的でした。キャリアと子育てを両立するには、テレワーク主体で働ける環境が求められていると実感しましたね。
編集部
テレワーク以外にも、多様な働き方を支える制度はあるでしょうか。
北野さん
11時から15時をコアタイムに設定したフレックス制があるので、お子さんのお迎えなどで一時的に業務を中断することができます。また、勤務制度だけでなく、リザーブ休暇や産後パパ育休などの福利厚生も充実しているため、様々なライフイベントがあっても働きやすい環境を整えています。
柔軟性を持った制度を用意しているので、多様な背景を持つ方々に当社で働いていただきたいという願いがあります。
Jストリームの企業文化:「お客様第一」の精神と従業員の姿勢
▲ロケーションフリーワーク制度を利用して働く、新潟県在住のエンジニア・小室さん。故郷の暮らしと仕事を両立
編集部
次に、御社で働く人や社内の雰囲気について率直な感想をお聞かせください。
小室さん
社内の雰囲気については、どの従業員も「お客様のために」という熱意が高いです。入社してまだ半年で対面する機会は少ないですが、どの現場でも部署の垣根を超えて課題を乗り越えていこうという気概を感じます。
編集部
企業全体のモチベーションの高さが伺えますね。北野さんは社内の雰囲気やカルチャーについて、どう感じますか?
北野さん
小室と同じく、お客様のために何ができるかという点を重視する社員が多いと感じます。もっと砕けた言い方をすると、不快な人があまりいない会社ですね。お客様からは「真面目な人が多いね」「誠実ですね」と言っていただけることが多いです。
弊社のビジネスがインフラからスタートしているため、リスクを慎重に管理し、堅実かつ確実に取り組むという風土が根付いたのかもしれません。
Tech人事制度:エンジニアのキャリア多様性を支える仕組み
編集部
Jストリームさんでは、エンジニアのキャリアの多様性を広げるために「Tech人事制度」というものを用意していると伺いました。
北野さん
はい。この制度は、管理職のキャリアパス以外に、プレイヤーとして技術を極める選択肢があって当然という思いから設けたものです。組織が指示するのではなく、個人の嗜好性やスキルに応じてキャリアや働き方が選べます。
Tech人事制度を採用したことで、エンジニアとして技術を突き詰められる環境が整ったという自負があります。多くの会社では、エンジニアとしてスキルを積んでも、出世すると管理職に進まざるを得ないケースが多いのが現状です。せっかく技術力を培ったのに、技術職から離れてしまうのは、エンジニアのキャリア形成において矛盾だと感じていました。
そのため、当社に応募していただける方には、入社にあたりキャリア形成への明確な意識を持っていてほしいですね。面接では弊社でやりたいことを具体的に教えていただきたいです。そうすることで、その時点で希望に添えるかどうか判断でき、入社後のギャップも最小限に抑えられると考えています。
Jストリームが求める人材像:変化に対応できる主体性とチャレンジ精神
▲「新しいことにチャレンジし、技術をリードして欲しい」と話す北野さん
編集部
採用について伺いたいです。全国に採用の場を広げていますが、御社ではどんな方がフィットすると考えていらっしゃいますか?人事と現場、それぞれの目線からお聞かせください。
小室さん
マインド面で言えば、リモートワークが浸透しているので、自発的に行動できることが重要です。指示待ちでは業務が進まないでしょう。
「仕事はありませんか?」「今空いているので仕事を振ってください!」など、積極的なコミュニケーションを取るマインドが必要だと感じます。私自身、分からないことがあれば躊躇せずに質問しています。
動画配信業界は需要が高まっており、当社は変革期にあります。そのため、与えられた作業をこなすだけでなく、新しいことに挑戦する精神が必要だと考えています。
北野さん
確かに、小室さんのような能動的で主体性のある方は弊社に適していますね。
また、時代の流れに柔軟に対応できる方も求めています。インターネット業界や動画業界は変化が激しいので、ビジネスも柔軟でなければ生き残れません。他社と差別化できるサービスを作れるような、技術をリードできる方に入社していただきたいですね。
変化に柔軟に対応できず頑固になると、仕事がやりづらくなります。素直さと柔軟性を持つ姿勢が大切だと考えています。
編集部
今回のお話を通じて、「株式会社Jストリーム」様が時間や場所にとらわれないワークスタイルを積極的に推進していることがわかりました。また、個々のキャリアデザインを尊重し、自分に合った働き方を選択できる点に多様性を感じます。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社Jストリーム:https://www.stream.co.jp/
採用ページ:https://recruit.stream.co.jp/
株式会社Jストリーム公式 ITエンジニア情報ページ「Voice」:https://voice.stream.co.jp/