ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、長野県小諸市に本拠地を置き、「最高のシングルモルトジャパニーズウイスキーを造る」という目標に向け邁進中の軽井沢蒸留酒製造株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
軽井沢蒸留酒製造は全社員の50%が20代、70%が30代以下という若手中心の組織が特徴です。化学系のバックグラウンドを持つ人材は多いものの、ウイスキー製造に関しては未経験の人材が活躍しており、世界トップクラスの技術者から直接学べる独自の育成環境が整っています。
今回は、軽井沢蒸留酒製造株式会社の若手育成や働き方について、共同創業者でマスターブレンダーのチャンさんと人事担当の荒井さん、未経験から製造に携わる澁谷さんにお話を聞かせていただきました。
若手活躍:20~30代がベテランの技術と経験を受け継ぎ成長中
▲異分野の研究者から、ウイスキー製造業界へ飛び込んだ澁谷さん
編集部
最初に、軽井沢蒸留酒製造の年齢構成について教えてください。
荒井さん
当社の特徴的な点として、社員の年齢層が非常に若いことが挙げられます。21名の正社員の中で50%が20代、70%が30代以下という構成です(2024年12月取材時点)。
設立時はさらに若く、80%以上が20代というチームで蒸留所の立ち上げを行いました。若手中心ではありますが、チャンさんをはじめとする経験豊富なシニア層の指導のもと技術と経験を磨いており、バランスの取れた組織となっています。
なお、代表のイアン・チャンは故ジム・スワン博士(※)に師事し、台湾のウイスキーブランド「KAVALAN」が世界的な評価を得るようになるまで成長させた人物です。そのようなプロフェッショナルから日々学んでいけるというのも、当社の大きな魅力なのではないかと思います。
(※)チャン代表の師匠であり、世界の著名な蒸留所の立ち上げ等に関わった人物。スコッチウイスキー界の伝説とも呼ばれている。
理系の研究者がウイスキー造りに挑戦。独自性の追求がやりがいに
編集部
澁谷さんは全くの未経験からウイスキーの製造に携わっていると伺いました。まずは入社のきっかけについてお聞かせいただけますか。
澁谷さん
私は元々、大学の研究室で魚類の免疫について研究していました。博士号を取得後、引き続き同じ研究を続ける中で自身のキャリアについて考えるようになり、ちょうどその時期に当社の研究員募集を見つけて応募しました。プライベートでウイスキーにも興味を持っていたことも影響しています。
編集部
現在の業務内容や、やりがいについてお聞かせください。
澁谷さん
現在は品質管理部門で、各工程でのサンプル分析やパラメータの測定、レポート作成などを担当しています。研究は基本的に1人で完結する仕事だったので、最初はチームで動くことや、自分の仕事内容を開示していくことには慣れていませんでした。ただ、次第に仕事の本質を理解していく中で、自然とこの働き方に順応していきました。
いまは、立ち上げ期の会社に関われることに大きな魅力を感じています。そしてジム・スワン博士からチャンさんへ、チャンさんから私たちへと受け継がれたスピリットとして、日々の業務の改善に取り組んでいます。
特に小諸ならではの特色を出すため、日々試行錯誤を重ねながらオリジナリティを追求しており、そこにやりがいを感じています。
編集部
ほかにも特徴的な若手社員の方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。
チャンさん
東京農業大学で醸造を専攻し、卒業後に当社へ入社した女性社員がいます。最初は蒸留チームに配属され、その後、彼女の細部への注意深さが評価されて発酵チームへ異動しました。ウイスキー製造には蒸留と発酵の2つのチームがありますが、どちらでも優れた成果を上げています。
現在は勤勉さと実績を買われて分析業務も担当しています。ウイスキーの製造の重要なステージを全て経験したジェネラリストとして成長してくれているので、将来的に新しい蒸留所ができた際にはインストラクターとして、次の世代へ技術を教えていくようなポジションに就いてもらいたいと考えています。
働き方:蒸留所は3交代制で残業も10時間未満
▲「ウイスキーアカデミー」などの取り組みも行っている小諸蒸留所
編集部
御社における具体的な働き方について教えていただけますか。
荒井さん
小諸蒸留所は3交代制で24時間稼働しています。東京オフィスは基本的に全員出社の形態で、9時から18時まで勤務しています。特に現在は若手が多いこともあり、在宅勤務は導入していません。
編集部
残業の状況はいかがでしょうか。
荒井さん
東京オフィスの平均残業時間は20時間弱です。これには始業前の分単位の準備時間なども含まれているため、実質的な残業は月10時間程度です。一方、工場の方はさらに少なく、月10時間未満の残業時間となっています。
チャンさん
蒸留所は熱湯や蒸気を使用する、非常に危険な作業場です。疲労による集中力低下は重大な事故につながる可能性があるため、社員の安全を第一に考えて残業は極力控えています。
また、トラブルが発生した場合は3交代制を活かし、次のシフトに引き継ぐ形で対応しています。最近では大麦麦芽の粉砕機に不具合が発生したことがありましたが、問題発生時のシフトチームは定刻で退勤し、引き継いだシフトチームで無事に解決することができました。これは交代制を活かしたチームワークの良い例だと考えています。
社内交流:東京オフィスと小諸蒸留所の交流あり。全社イベントも開催
編集部
東京オフィスと小諸蒸留所で社員同士の交流はありますか。
荒井さん
定期的な交流があります。私のような人事部門をはじめ、総務や施設管理など、多くのスタッフが両拠点を兼務しています。そのため、ほとんどの東京オフィスの社員が月に1回は小諸へ出張しています。
また、年に1、2回は全社的な集まりがあり、それ以外にも個別に交流している社員たちもいます。このほか、マーケティングの一環として様々なイベントに参加する機会があり、そこで東京のスタッフが製品の試飲を行うなど、業務を通じた交流の機会は多くあります。
求める人材像:未経験でもOK。情熱とチームワークを重視
編集部
御社が求める人材像についてお聞かせください。
チャンさん
製造部門については、化学系のバックグラウンドを持つ方が多く在籍していますが、ウイスキー製造の経験は問いません。これは理想とする製品を造るためには、未経験者に一から教育する方が望ましいという、ジム・スワン博士の教えに基づいています。
編集部
人物面では、どのような方が特に適性が高いとお考えですか?
チャンさん
何より重要なのは、ウイスキーに対する情熱です。社長は「最高のシングルモルトジャパニーズウイスキーを造る」ことを目標にしていますが、私個人としては「最高」という到達点はなく、常に改善し続けることが重要だと考えています。
ウイスキー造りには非常に長い時間がかかり、日々同じ工程を繰り返す必要があります。それを支える情熱と我慢強さが品質の向上に繋がっていきます。さらにその中で、イノベーティブな思考から改善や品質向上のために積極的に質問をしたり、改善案を提案したりできる方を求めています。
また、チームスピリットも非常に重要視しています。ウイスキー製造では麦汁作り、発酵、蒸留、熟成の各部門が密に協力し合うことが欠かせないことから、協調性の高い方が適しています。
転職希望者へのメッセージ:一人ひとりが活躍・成長できる環境
編集部
最後に、転職を考えている読者の方へメッセージをお願いいたします。
チャンさん
軽井沢蒸留酒製造株式会社では、個人のスキル成長を重視しており、一人ひとりが不可欠な存在として活躍することができます。性別や年齢は問いません。情熱があり、革新的な考えを持ち、チームワークを大切にできる方であれば、どなたでも歓迎いたします。
当社は、革新、協働、継続的な改善を大切にする会社です。限界に挑戦し、並外れたものを創造することに情熱を持っている方なら、きっと一緒に成長できるでしょう。
私たちは皆さんに成長の機会を提供することはもちろん、すべてのチームメンバーに「刺激的な旅と物語」の重要な一員だと感じてもらえることを確信しています。恩師であるジム・スワン博士から学んだ知識を受け継ぎ、さらに発展させていける方との出会いを楽しみにしています。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
企業の特徴 |
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働き方の特徴 |
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社風・組織文化 |
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人材育成・キャリア |
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求める人物像 |
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軽井沢蒸留酒製造株式会社の基本情報
住所 | 【本社】 東京都港区虎ノ門1-3-1 東京虎ノ門グローバルスクエア5階 【小諸蒸留所】 長野県小諸市甲4630-1 |
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事業内容 | 酒類製造(ウイスキー) |
設立 | 2019年12月 |
公式ページ | https://karuizawadistillers.com/ |
採用ページ | https://karuizawadistillers.com/ recruit/ |
募集職種 | ・製造担当 ・バックオフィス ・観光業対応 |