ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、鹿児島県姶良(あいら)市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
姶良市役所では、イオンなどの民間企業と連携した研修制度を設け、若手職員の育成に注力。若手職員の意見を積極的に取り入れる取り組みも進んでおり、公式LINEの立ち上げやeスポーツイベントの企画など、大きなプロジェクトにも若手が参画しています。
また、制度面においては手厚い子育て支援制度が設けられており、女性にとっても働きやすい環境が整備されていることも魅力のひとつ。2024年4月には新庁舎が完成し、物理的な面でも働きやすさがアップしています。
今回は、姶良市役所における若手活躍事例やサポート体制、職場の特徴について、人事課の鈴木さん、子どもみらい課の山下さん、 市民課の濵田さんにお話を聞かせていただきました。
姶良市役所の若手育成:イオンでのコミュニケーション能力アップ研修など成長機会が豊富
▲新規職員向けの研修風景
編集部
姶良市役所では、若手職員の育成に力を入れているとお聞きしています。活躍をサポートするための制度で特徴的なものがあれば教えてください。
鈴木さん
各種研修制度が充実しており、新規採用職員向けの研修では民間企業とタイアップしていることが特徴です。例えば、大型のショッピングモールの「イオン」と提携し、職員が現場に出向く形での研修も行っています。
研修場所はサービスセンターや催事場、調理部門など多種多様で、基本的には職員の希望に合った部門にて2週間ほど業務を体験できる内容です。現場での様々な業務を通じて、接客マナーの向上やサービス業の視点を学び、市民サービスの向上につながることを期待しています。
また、研修の時期がちょうどお中元・お歳暮の時期で、先方の繁忙期にもなるため、お互いにメリットのある取り組みとなっています。
編集部
若手職員に限らず、全職員向けに行っている研修にはどのようなものがありますか。
鈴木さん
全職員向けには、自治研修センター主催のスキルアップ研修を案内しています。内容としては接遇やクレーム対応、企画立案、業務改善など様々なテーマがあります。研修情報は庁舎内で共有するネットワークにて各職員が確認できるシステムで周知し、希望者は人事課に申し出て、研修を受けることができます。
その他にも、入庁してからの新規採用職員研修に始まり、年数・役職に応じて受講する定期的な研修や、市独自の研修もあり、定期的にスキルアップを目指していただける環境です。
濵田さん
私は教育委員会にいた時期にデジタル関係の研修を受け、実務において大きく役立ちました。というのも、姶良市では小中学校全体で500台近くパソコンが入っているのですが、エラーメッセージが表示された際に、先生方から「どうしたらいいですか?」とご相談をいただくことが多いんです。研修を受けたことで、そういった状況において適切な対応ができるようになりましたね。
姶良市役所の若手職員の声:新規プロジェクトに立候補して参画も
▲濵田さんの業務風景
編集部
濵田さんは大学新卒入庁4年目だそうですが、お仕事のどのようなところにやりがいを感じていますか。
濵田さん
若手が積極的に意見を発信できる場所が多いことでしょうか。姶良市役所では2024年度に公式LINEを立ち上げたのですが、「どのような機能をつけるか」を検討するプロジェクトに手を挙げて参画したんです。
また、2024年12月には「eスポーツフェスタ」というeスポーツのイベントを大規模に開催しましたが、そのときのイベント運営方法や委託業者の選定においても若手の意見を求められ、私も意見をさせていただきました。このように若手が積極的に意見を発信できる場が、姶良市役所では少しずつ増えてきていると感じています。
▲若手発信のプロジェクトでは、同市出身の国家公務員ユーチューバー「白石優生さん」のオンライン講演も実施!
鈴木さん
姶良市役所が掲げる人材育成基本方針でも「時代の変化に対応できる創造性豊かな職員」を目標の一つに挙げており、これからも若手職員の意見・アイデアを行政の中に活かしていけたらと思います。
やりがい:市民と直接触れ合い、力になれること
編集部
現在所属されている戸籍係でのやりがいについても教えてください。
濵田さん
戸籍係では結婚や離婚、赤ちゃんの出生やご親族のご逝去など、様々な状況下における戸籍関連のご相談を多く受けていますが、市民と直接触れ合える仕事であることに大きなやりがいを感じています。
戸籍の届出に関してはすべて法律に則って行う必要があり、複雑な部分も多いのですが、そこをひとつひとつ丁寧に説明して無事に届出が完了できたときに「力になれた」と嬉しく感じますね。市民から「ありがとう」といった言葉をかけていただくことも多く、そんなときはこの仕事に携われている喜びに包まれます。
私は生まれてからずっと姶良市在住で、小中学校、高校、大学も地元の鹿児島大学に通っていました。大学時代、「生まれ育った姶良市の役に立てる仕事がしたい」という想いが芽生えました。20歳のときには成人式実行委員会に参加し、市職員の働き方や、地域に還元できる仕事の話を聞き、市役所への入庁を志しました。
いまその夢が実現し、姶良市民の力になれたり、笑顔にできたりするこの仕事に誇りを持っています。
編集部
戸籍係に配属される前は教育委員会の教育総務課にいらっしゃったそうですが、そちらでのやりがいについてはいかがでしょうか。
濵田さん
教育総務課においては、学校内の備品を購入したり、学校の消防設備や警備体制、グラウンドなどの整備を図ったりしていました。自分たちが整備した備品やグラウンドで子供たちが楽しく学校生活を送れていたり、学校の先生方が働きやすい環境を提供できたりしていることが働きがいになっていましたね。
異動直後は先輩職員が一緒に窓口に立ってくれるなど、安心のサポート体制
編集部
教育委員会から市役所の市民課という業務の異なる課に異動された際に、特に役立ったサポートはありましたか。
濵田さん
先輩方が一緒に窓口に立ち、親身にサポートしてくださったことです。
教育委員会にいるときと市民課では、仕事の進め方が違うと個人的に感じています。教育総務課では起案を上げたら上長に確認を取り、ゆっくり確実に進めていくスタイルでしたが、市民課では市民が抱える問題について窓口で聞き、その場で解決していく場面が多いです。
そのため、配属されたばかりの知識が薄い状態では自分で判断することが難しく、不安も大きかったのですが、業務に慣れる3ヶ月くらいの間は先輩方が伴走してくださったので、大変助かりました。
編集部
周囲の方に相談しやすい雰囲気があったのですね。
濵田さん
おっしゃる通りです。また、私は市役所職員で構成する消防団に所属しているのですが、その消防団の先輩がちょうど同じ係にいたり、同期がたまたま同じ係にいたりということもあり、質問をしやすい人が身近なところにいたことも大きかったですね。
消防団や部活動での活動で人脈が広がり、業務がよりスムーズに
▲野球部は市役所内の部活動のひとつ
編集部
濵田さんは消防団のほか、部活動もされているそうですが、それぞれどのような活動内容なのでしょうか。
濵田さん
消防団では、勤務中でも火災があった際に消防署員の活動支援を行ったり、姶良市内で行方不明者が出たときには警察や消防署員と協力しながら姶良市内を捜索したりする活動を行っています。
また、部活動においては市役所内の野球部に所属しており、定時退庁日である水曜日に2時間ほど練習に励んでいますね。また、シーズン中には週末に大会に出場することもあり、官公庁が出場する大会では県大会で優勝し、全国大会に出場するなど、チームとして好成績を残せていて嬉しく感じています。
編集部
部活動や消防団の活動は、仕事においてどのように活きていますか。
濵田さん
消防団や部活動を通じて職員同士の交流が深まり、業務での連携がスムーズになることでしょうか。
市役所は定期異動がある職場ですが、異動した先に知り合いがいるとわからないことを聞きやすく、スムーズに業務を進められます。また、市役所では他の課と調整したり、協力したりしながら進める業務が多いので、そういった面でも顔見知りの職員が多くいることのメリットを実感しています。
姶良市役所の女性活躍:休暇制度が整い、仕事を長く続けやすい
▲子どもみらい課の業務風景。女性職員が多く活躍している
編集部
姶良市役所では職員の約30%が女性で、女性の活躍やワークライフバランスを支える制度も充実しているそうですね。具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。
鈴木さん
子育てや介護なども含め、働きやすい職場環境づくりに向けた制度の整備を行っています。現在は子どもの看護休暇の取得条件や出産時の付き添い休暇の日数の見直しなど、現行の条件を拡充する方向で検討を進めているところです。
また、男性の育児休業取得も推進しており、声掛けを行って積極的な取得を促しています。現在の育休取得率は約6割ですが、8割取得を目指して各種取り組みを強化していきたいと考えています。
なお、現在のところ時差出勤制度は試行的に「業務上必要な場合」のみ利用できる状況ですが、今後は子どもの幼稚園・保育園の送迎や介護を要する親の病院の付き添いなどでも利用できないかトライアルを実施しているところです。さらに休暇取得のマニュアルも整備し、職員がより休暇を活用しやすい環境を整えていきたいと考えています。(取材時:2025年1月)
編集部
山下さんはお子さんが2人いらっしゃるそうですが、姶良市役所の休暇制度についてどのように感じていますか。
山下さん
育児関連の休暇制度が非常に充実している職場だと感じます。私には小学校4年生と小学校1年生の2人の子どもがいるのですが、妊娠中に休暇を取って妊婦健診などを受けたり、また、産前産後の休暇や育児休暇もしっかり取得できたりと、手厚い休暇制度に大変助けられました。
また、子どもが保育園で発熱して急遽迎えに行く際には看護休暇を利用できるほか、学校行事のときにも時間単位で休暇を取得することもできるなど、職場復帰してからも多種多様な休暇制度に助けられています。周りの先輩方もそういう制度を上手く活用されており、まさに育児との両立がしやすい職場ですね。
▲「育児との両立がしやすいです!」と語る山下さん
編集部
休暇を取得しやすい雰囲気や親身なフォローがあるからこそ、制度の活用が浸透しているのですね。
山下さん
そうですね。急な休暇の際には担当業務を代わって行うなど、お互いにフォローし合う環境だと感じます。また、育児休暇を取得した際には定期的に上司が連絡をくれて職場の状況を知ることが出来たり、復帰時に色々と配慮してくださったりしたことも非常にありがたかったです。
編集部
その他に、女性向けの特徴的な制度があれば教えてください。
鈴木さん
女性管理職の比率アップを目指しており、その一環で女性職員向けのスキルアップ研修などを独自に行っています。具体的にはリーダー育成に向けた内容で、外部から講師を招いて実施している形です。
姶良市役所の職場環境:相談しやすく、和気あいあいとした雰囲気
編集部
職場の雰囲気についてもお聞かせください。
山下さん
私は保健師なので割と女性が多い職場ですが、非常に和気あいあいとした雰囲気の中で仕事に臨めています。上司や同僚に相談しやすい環境があり、不安や悩みなどをその都度解消しながら業務を進められていますね。
濵田さん
私が経験した教育総務課や戸籍係も仲が良く、ときには冗談を交じえながら仕事をしているような雰囲気です。繁忙期には自然と協力し合いながらうまく業務をこなせており、とても働きやすい環境ですね。
姶良市役所から転職希望者へのメッセージ:保健師(経験者)大歓迎!
▲姶良市役所の庁舎外観
編集部
最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いします。
山下さん
現在、姶良市役所では保健師の方の応募を歓迎しています。業務は地区ごとの担当制で実施しており、担当地区のお子さんの成長を見守っていけたり、保護者の方々とともに成長を共有できたりする点に大きなやりがいを感じます。ぜひご応募いただければ嬉しいです。
鈴木さん
姶良市は2010年に姶良町・加治木町・蒲生町の3町による新設合併によって誕生したまちで、鹿児島県の中では一番新しい市です。
交通やお買い物の利便性が高く、子育て支援にも力を入れていることから住環境としての魅力にあふれており、住宅会社などが提供する「住みここちランキング」や「街の幸福度ランキング」などでは常に県内トップクラスの人気を誇ります。若い方の移住・定住も非常に進んでおり、これからますます発展し続けるまちだと考えておりますので、まちの行政を支える場として大変働きがいがあると思います。
▲「重富海岸」や「蒲生の大クス」などの観光スポットが多いことも魅力
鈴木さん
また、2024年4月には新しい庁舎が完成し、教育委員会も含め様々な部門が一つの建物内に収まったことで、職員同士の連携がさらにしやすくなりました。休憩中に食事や会話を気兼ねなく楽しめるバックヤードも新設されるなど、職員が働きやすい環境も整備されています。私たちと一緒にこれからの姶良市を創っていきましょう!
▲姶良市役所の新庁舎。バリアフリー設計&姶良市産材をふんだんに使用したデザインが特徴!
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
この記事のまとめ
職場環境 |
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若手の活躍 |
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研修制度 |
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ワークライフ バランス |
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職場の 人間関係 |
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姶良市役所の基本情報
自治体名 | 姶良市役所 |
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住所 | 鹿児島県姶良市宮島町25番地 |
事業内容 | 姶良市の行政業務全般 |
公式ページ | https://www.city.aira.lg.jp/ index.html |
採用ページ | https://www.city.aira.lg.jp/gyosei/ jinji/index.html |
募集職種 | 一般事務、土木技師、保健師(資格保有者)、学芸員(文化財) |