新しい働き方を推奨し実践を進めている企業にインタビューをしていくこの企画。今回は「社員満足なくして顧客満足は成しえない」をミッションに掲げ、企業のデジタル化ニーズに合わせた人材派遣の新たな形を追求しているコクー株式会社さんにお話を聞かせてもらいました。同社は、IT人材の派遣を通じて、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。
コクー株式会社:人財×デジタルで社会課題に挑む
▲コクー株式会社の事業内容(公式サイトから引用)
コクー株式会社は「人財」と「デジタル」の2つを軸に、労働人口減少による人手不足問題の解決を目指しています。企業の成長・発展と、よりよい社会への貢献を目標に、様々な革新的なサービスを創造・提供しています。現在は主に「ITインフラ事業」「EXCEL女子事業」「デジタルマーケティング事業」「RPA事業」「REALVOICE事業」の5つの事業を展開しています。
2019年の設立以来、2023年まで5年連続で『ベストベンチャー100』に選出されており、創業わずか4年で社員数は500名を超える急成長を遂げました。「魅力あるチーム。新しい働きかた。」というビジョンの実現に向けて、常に進化を続けながら新しいサービスを生み出し続けています。
会社名 | コクー株式会社 |
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住所 | 【東京本社】 東京都千代田区神田神保町3-29帝国書院ビル5階 |
事業内容 | 人財×デジタル事業(ITインフラ事業・EXCEL女子事業・デジタルマーケティング事業・RPA事業・REALVOICE事業) |
設立 | 2019年2月6日 |
公式ページ | https://cocoo.co.jp/ |
今回は、コクー株式会社の執行役員CHROである青山真実子さんにお話を伺いました。若手社員や女性社員の活躍推進、"アメーバ"と呼ばれる独自のチーム配置の仕組みなど、同社の特徴的な企業文化について詳しく語っていただきます。
生産人口減少に挑むコクーの5つの主要事業
編集部
まず最初に、コクーさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
青山さん
私たちは「人財×デジタル」をキーワードに、5つの事業を展開しています。
現在は、次の5つの事業がメインとなっています:
1. ITインフラ事業:クライアントのIT基盤構築に特化
2. EXCEL女子事業:Excelやマクロなどを活用した高度な事務サービス
3. デジタルマーケティング事業:デジタルマーケティング業務の伴走支援
4. RPA事業:無料RPAツール「マクロマン」の提供と関連サポート
5. REALVOICE事業:不動産仲介会社向けクチコミプラットフォーム
※RPA(Robotic Process Automation):ソフトウェアのロボットを利用して業務を自動化するシステム。ルーティン作業を効率化し業務効率化を図ることができる。
編集部
これらの事業をスタートした背景を教えてもらえますか?
青山さん
日本が抱える課題の中でも、少子高齢化による生産人口の減少という課題解決に取り組んでいることがバックボーンにあります。現状として、2030年には人手が644万人不足すると推計されています。
青山さん
デジタルの力で一人ひとりの生産性を上げていくこと、そして既存の人財を活用すること。コクーではこの2つの軸の下で様々なサービスを提供しながら、課題解決に取り組んでいます。
編集部
なるほど。コクーさんが展開されている事業は、社会的に大きな意義を持っていると感じました。
コクーの特徴:「圧倒的当事者意識」が生み出す企業文化
編集部
コクーさんの現在の社員数はどれくらいですか?
青山さん
約600名です。そのうち8割近くが女性ですね。弊社の女性活躍推進の取り組みは外部からも高い評価を得ており、日本最大規模の女性アワード「Forbes JAPAN WOMEN AWARD」では、2021年に企業部門第3位(従業員規模別300名以上1,000名未満の部)を受賞しました。さらに2022年には、女性従業員の活躍実感度ランキング第2位(従業員規模101名以上1,000名以下の部)も受賞しています。
編集部
素晴らしい実績ですね。まさに女性が活躍できる環境が整っているということでしょうか。
青山さん
実は、女性ならではのカルチャーということはあまり意識していないんです。コクーは企業理念として「一人ひとりが会社をつくる」を掲げており、この理念に共感できる人を厳選する「理念共感型採用」を重視しています。
この「一人ひとりが会社をつくる」という考えを、コクーでは「圧倒的当事者意識」と呼んでいます。これが文化となり、カルチャーとなっていくことに賛同する多くの仲間が集まった結果、女性が中心になったというわけです。つまり、性別に関係なく社員一人ひとりがこの意識を持っていることが、コクーの最大の特徴だと考えています。
編集部
女性を採用することが目的ではなく、社員一人ひとりが自立して活躍できる環境を整えた結果、多くの女性社員が集まり、そういった人材で社会を変えていこうという流れなのですね。
女性活躍推進:性別に関わらず能力を発揮できる環境づくり
▲コクー株式会社の理念(公式サイトから引用)
編集部
女性社員を支援するための具体的な制度はありますか?
青山さん
コクーには「女性活躍推進委員会」という5、6人の社員で構成される委員会があります。最近の議題は、月経や妊娠・出産など、女性特有の生理的な要因による仕事の生産性低下をいかに軽減するかということです。
これらの要因による影響を最小限に抑えることで、性別に関係なく一人のビジネスパーソンとして能力を最大限に発揮できる環境を整えることを目指しています。今後、そうした取り組みを強化していく予定です。
編集部
「女性活躍推進委員会」は、公式ホームページに掲載されている「ままさぽ」とは別の組織ですか?
青山さん
はい、別の組織です。「ままさぽ」は、子育て中の社員が仕事と育児を両立するための制度・環境整備に取り組むプロジェクトです。
一方、「女性活躍推進委員会」は、すべての女性社員がいきいきと活躍できるよう、正確なニーズを把握し、課題を分析した上で、環境・働き方・キャリア・制度の整備に取り組んでいます。ただし、これらの取り組みの根底には、男女問わず全社員の活躍を支援するという、コクーの理念「for me , for you.」という一人ひとりを大切にする想いがあることをお伝えしたいと思います。
"アメーバ"での活動が成長や成果に繋がる
▲コクー株式会社のミッション(公式サイトから引用)
編集部
コクーさんのワークライフバランスについても伺ってよいでしょうか?
青山さん
コクーのワークライフバランスの特徴は、配置の仕組みにあります。1チームを"アメーバ"と呼んでいて、アメーバ個々に決定権や裁量権を持たせています。会社の組織を10名程のチームに分割することで、一人ひとりの当事者意識を高めています。
また、似たような環境の人が集まって助け合うことで生産性が高まり、成果にも直結します。例えば、子育て中の社員であれば"ママ社員のアメーバ"のようなチームを組んで互いにフォローし合い、目標を達成していけるような組織作りに注力しています。
編集部
その場合、働き方のルール設定はどうしているのでしょうか?
青山さん
常駐先のクライアントの方針によって、リモートや出社など働き方は異なります。ただ、アメーバの活動については、アメーバごとでルールを決めているところが多いです。月に一度はリアルで活動する、オンラインで活動するなど、それぞれのチームの状況に応じて柔軟に対応しています。
編集部
つまり、出産や育児などのライフイベントで一時的に仕事から離れても、アメーバの中での支援を通じて復帰しやすい環境が整っているということですね。
フラットな組織文化:オープンコミュニケーションの実践
編集部
コクーさんの社内の雰囲気についてお聞かせいただけますか?
青山さん
最も感じているのは、オープンコミュニケーションな雰囲気です。役職や事業部の垣根を越えて、自分の考えを誰に対してもフラットに発信できるようなカルチャーがあります。
かなりフランクにコミュニケーションをとっている印象があります。私も元々オープンな性格なので、非常に居心地がいいです。
編集部
上層部、ひいては社長に対しても同じような感覚で接することができるのでしょうか?
青山さん
はい。「こういう取り組みをしたいです」と提案すると、「いいね!どうしたら実現できるかな?」と、肯定的な反応をもらえる環境があります。却下されることはあまりありません。それが、社員誰もが意見を出しやすい雰囲気につながっているのだと思います。
また、キャビンアテンダントやブライダル、医療系、美容系、アパレルなど、多様なバックグラウンドを持つ社員が集まっているのがコクーの特徴でもあり、様々なスキルや経験が活かしやすい環境にもつながっていると思います。
編集部
コクーさんでは部活動がかなり活発だと聞いています。現在はどれくらいの数の部活があるのですか?
青山さん
写真部・軽音部・ゴルフ部など、合わせると現在(2023年3月時点)は30以上の部があります。趣味を通じて部門を越えての交流がたくさん生まれています。部長や副部長は企画立案などの責任もありますが、皆さん楽しんで取り組んでいます。
編集部
横のつながりも強固になり、上下関係問わずにコミュニケーションを取れる雰囲気があるのは素晴らしいですね。
未経験者歓迎:コクーが目指す人材育成と社会貢献
編集部
コクーさんのメンバーの平均年齢は31.5歳と、かなり若い印象があります。新しい人材が次々と加わっているようですが、採用の際に特に意識していることはありますか?
青山さん
コクーでは未経験採用を非常に重視しています。これは社会に不足している人材をコクーから輩出していこうという考え方に基づいています。
未経験者ではありますが、接客業など人と関わる仕事の経験者が多く、コミュニケーション能力に優れた社員が集まっています。入社時は「自分にできるだろうか」というワクワクと不安が入り混じった気持ちでしょうが、クライアント先での問題解決を通じて成功体験を積み重ね、自信につながっているようです。
新入社員が成長し、チームリーダーやグループリーダーへと昇格していくことで、さらに仕事の幅が広がっていきます。このような成長の循環が、社内外に良い影響を与えていると感じています。
編集部
若手や未経験者の社員のスキルアップのためのサポート体制はいかがでしょうか?
青山さん
入社後の2日間は人財開発本部で基礎研修を行います。コクーのビジネスパーソンとしての心構えや行動についてインプットとアウトプットの研修を受けた後、各事業部に配属されてスキル研修に入ります。部門によって多少の違いはありますが、約2ヶ月間、同期と切磋琢磨しながら研修を受けるシステムになっています。
柔軟なキャリアパス:個人の適性と希望を尊重した成長支援
編集部
成長した社員の皆さんの、その後のキャリアパスについても聞かせてください。
青山さん
コクーは全ての部門が技術職であるため、その道でエキスパートになっていきたい人が多いです。月の時間の10%を自由に使って、自分の能力ややりたいことを見定めて高めていけるクリエイティブワークや、社員同士で知識を共有するアカデミーという講座などに参加してキャリアを積み重ねていく流れになります。
近年は組織が急成長しているので、マネジメントにチャレンジしたい社員や、メンターとしてサポート側に回る社員もいます。さらに部門を越えてフリーエージェントとして新しい技術を身につけ、事業部の異動をするメンバーもいます。
編集部
個人の希望が叶うようにキャリアパスも設定されているんですね。
青山さん
はい、その通りです。コクーは社員が自ら提案していく文化があるので、事業に関わらず制度や仕組みも基本的に社員発信で作っています。
編集部
「こうした方がみんな働きやすいのでは?」といった提案も、柔軟に受け入れられて改善されていく形なんですね。
コクーが求める人材:自発的な発信力と成長への覚悟
編集部
コクーさんにフィットしやすい人物像を教えてください。
青山さん
一番は自分から発信をしていけるか、そして自分が会社を作っている一員であることを自覚できるかどうかです。自らの言葉で話せる人を採用したいと考えています。また、自分も他者もいきいきと働けるように努められる人が、私たちが重視しているポイントです。
編集部
スキルよりもポテンシャルを重視されているということでしょうか?
青山さん
はい、その通りです。スキルを身につけて社会や会社、自分にプラスを生んでいく覚悟があるかどうかも、理念の次に重視している点です。
編集部
では最後に、コクーさんに魅力を感じた読者の方へメッセージをお願いします。
青山さん
パソコンすら触ったことがない未経験の方がコクーに入社し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、VBA(Visual Basic for Applications)、BI(ビジネスインテリジェンス)などのスキルを習得して、お客様先で貢献している実績があります。覚悟がある人は必ず活躍できる会社であると自信を持って言えます。
コクーは一言でいえば、「会社という概念が変わり、人生が変わる」場所です。
編集部
本日はありがとうございました!
■取材協力
コクー株式会社:https://cocoo.co.jp/
採用ページ:https://recruit.cocoo.co.jp/