企業で活躍する若手エンジニアにスポットを当て、魅力を探るこの企画。今回は日本と中国に事業基盤があり、企業のIT業務基盤開発やAI分野の研究開発、サービス開発を展開するHOUSEI株式会社を取材しました。
新聞制作業務システムの国内トップレベルのシェアを誇るHOUSEI株式会社
HOUSEI株式会社は、ルーツを北京大学に持つDX推進企業です。中国北京大学方正グループの日本法人として1996年に設立した同社は、企業のIT業務基盤開発や大手新聞社・通信社の新聞制作にかかわる業務システム開発を主軸に事業を展開。IT化が目覚ましい中国にも子会社やグループ企業を有し、日中両国に事業基盤があることを強みとしています。
また、AI分野の研究開発やサービス開発に尽力するHOUSEI株式会社は、顔認証端末「WelcomID」を2020年にリリース。高品質かつ信頼性はさまざまな業界から高く評価されています。
会社名 | HOUSEI株式会社 |
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住所 | 東京都新宿区津久戸町1番8号 神楽坂AKビル9階 |
事業内容 | 情報システム事業、越境EC事業 |
設立 | 1996年3月15日 |
公式ページ | https://www.housei-inc.com/ |
中国をはじめ、世界中から先進技術を取り入れ、DXを実現しているHOUSEI株式会社の開発を担うエンジニアは、若手が多く活躍しています。なかには知識ゼロ、未経験からチャレンジする社員も。
そこで本記事では、人事総務グループ 採用担当の方に若手活躍の背景にある研修制度や支援制度についてお話を伺い、HOUSEI株式会社の魅力を深く掘り下げ、お伝えします。
2年目エンジニアがPMに抜擢。HOUSEIの若手活躍のカルチャー
編集部
HOUSEIさんでは若手エンジニアが多く活躍されていると伺っております。どのような年次の方が活躍されているのでしょう。具体的なプロジェクトなどがあればお聞かせください。
A・Tさん
ホットな話題としては、2年目の社員がプロジェクトマネージャー(PM)としてプロジェクトを牽引した事例があります。
2023年4月にいくつかの子会社を設立した当社は、教育系のシステム開発を教育業界向けに提供する方針を掲げており、その1つであるAIチャットボットで英語の発音を判定するアプリ開発を、2年目の若手が担当しました。
編集部
入社2年目の若手をプロジェクトマネージャーに抜擢したのはどのような理由からなのでしょう。
A・Tさん
デザイン能力・資料整理分類能力・コミュニケーション力が高かったことが一番の理由です。入社前のインターンシップや入社後の研修で、視覚情報を使ってお客様とコミュニケーションを取ることを想定して、デザインツールを活用してきたメンバーです。ちょうど1年目の社員が入ってきたタイミングということもあり、マネジメントを含め任せてみようということで抜擢しました。
チームメンバーは入社1、2年目の若手3名に、技術系の役員やプロダクト部署の室長もメンバーに加わり、フォローできる体制を整えました。現在、プロジェクトは完遂され、すでにお客様に納品させていただいております。
リサーチ能力に長けていたのは未経験の1年目社員
編集部
プロジェクトに参加した若手メンバーは、大学や専門学校などで専門分野を学ばれたなど、知識がベースとしてあったのでしょうか?
A・Tさん
専門学校卒業のプロジェクトマネージャーの2年目のメンバーは、インターンシップに参加する時点ですでにITに関する知識を持っていました。一方、1年目のメンバーは全く異なる分野を専攻していたので、入社後に研修と実践で知識を身に付けていきました。
若手の中には大学院卒でIT系の経歴のある者もメンバーに加わったので、それぞれの良さが相乗効果を生み、プロジェクトを成功に導くことができたと感じます。
編集部
それぞれの良さは、プロジェクトにどのように活かされたのでしょうか。
A・Tさん
例えば本プロジェクトでは、社内で知見がない開発言語を使用したため、開発とリサーチの同時進行で進みました。その際、リサーチ能力に一番長けていたのがIT未経験者のメンバーだったと聞いています。足りない部分をそれぞれが持つ能力で助け合いながら、プロジェクトを進めることができたと思われます。
成功のカギはベテラン社員のフォローと円滑なコミュニケーション
編集部
若手とベテランが同じチームで開発を行うにあたって、コミュニケーションはどのように取っていたのでしょう。
A・Tさん
若手だからこそ、相談のしやすさがあったと感じます。特に新卒で入社した1年目の者は4月に入社し、OJT研修の期間中の案件だったこともあり、なんでも気軽に相談できる関係だったと思われます。
また、1年目、2年目共にインターンシップを経ての入社だったことも、円滑なコミュニケーションの理由の1つと感じます。
編集部
チームにジョインしたベテランの役員や室長は、どのようなサポートをされていたのでしょうか。
A・Tさん
お客様と進捗確認をする定例会への同席はもちろん、技術的な助言などもベテラン技術者が対応しました。開発中、どうやって進めたらよいのかわからないという状況に陥ったこともあるようですが、ベテラン技術者がしっかりサポートすることで解決したと聞いています。
編集部
若手を見守りつつ、ベテランエンジニアがしっかり支えることで、プロジェクトを無事、完遂されたのですね。
プロダクトの上流から下流までを学べるHOUSEIの実践的研修
編集部
HOUSEIさんの若手社員の多くは、インターン生からの入社ということで、即戦力として活躍されていることが伺えます。若手中心のチームにはベテラン社員がフォローするとのことですが、他に、プロジェクトを完遂できた要因はどこにあると思われますか?
A・Tさん
当社の実践的な研修が功を奏していると思われます。例えば3ヶ月のSE研修では、実際のプロダクトの開発をどんどん任せる内容となっており、フロントエンドからバックエンド、インフラ領域と、プロダクトの上流から下流まで、幅広い知識を身につけることができます。
実際の業務と同じことを研修で学ぶことができるので、プロダクトを任された際も即戦力として活躍している者が多いです。
編集部
なるほど。HOUSEIさんの実践的な研修は、どのようなシステムになっているのでしょうか。
A・Tさん
研修を担当するマネージャーが、メンバーのレベルに応じてタスクを振り分けます。そのなかでできると判断されたメンバーが、先ほどお話したプロジェクトマネージャーやチームのメンバーにアサインされました。
多くの上流工程に携わり、フルスタックのエンジニアを育成
編集部
若手エンジニアが多く活躍するHOUSEIさんでは、入社1、2年目のメンバーに重要なポジションを任せる機会は多いのでしょうか?
A・Tさん
チャンスがあれば若手にどんどん任せていくカルチャーが根付いていると感じます。例えば、昨年の金融系の会員様向けのサイトを更新する案件では、要件定義など上流工程から2年目、3年目のメンバーをアサインしました。
その背景には受託開発や自社プロダクトに限らず、上流から下流までを一貫して担えるフルスタックのエンジニアを目指してほしいという思いがあります。そのため、若いうちから経験を積ませる方針で、若手メンバーを積極的にアサインすることを心がけています。
コミュニケーション能力が求められるHOUSEIのエンジニア
編集部
HOUSEIさんでエンジニアとして活躍するためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
A・Tさん
オフショア開発を導入している当社は、詳細設計やプログラミングなどは中国の子会社に委託しています。
われわれはお客様と直接コミュニケーションを取ることを任されているので、営業が獲得した案件に対し、具体的なシステムの提案を当社ではエンジニアが担当しています。そのため、お客様の内情なども考慮した会話術など、コミュニケーション力を求められることが大きな特徴です。
編集部
受注した案件は、どのように進んでいくのでしょう。
A・Tさん
プライム案件が多い当社は、お客様から指名されるプロジェクトマネージャーが数名います。そのため、すでに信頼を得ており、次の案件についても情報をもらえることがあります。このように、プロジェクトマネージャーに権限委譲している状況のなか、お客様の期待以上の成果を挙げられるよう、各種プロジェクトが進んでいます。
編集部
HOUSEIさんのエンジニアは、お客様が求めていることを的確に理解し、提案する能力に長けている方が多く、顧客からの信頼が厚いことがよくわかりました。
画像・顔認証技術が進む中国とオンライン勉強会ができる
▲若手エンジニアは中国のメンバーとオンライン勉強会を開催し、スキルを磨いている
編集部
HOUSEIさんのエンジニアとして働くうえで、御社だからこそできる経験があればお聞かせください。
A・Tさん
IT技術の発展が進む中国との関わりが強い当社は、中国のメンバーとオンライン勉強会をしたり、最新情報を入手したりすることができます。日進月歩のIT業界において、エンジニアは常に勉強をし続けることが求められるなか、このような機会を得られることは、スキルアップにもつながると思われます。
編集部
中国とのオンライン勉強会で得た最新情報は、どのようなかたちで開発に活かされているのでしょう。
A・Tさん
具体的な例としては、中国で研究開発が進んでいる画像認証や顔認証の技術を日本で商品化した自社プロダクトの「WelcomeID」という、顔認証と検温を高速対応、電子錠との連携もできる複合型端末があります。
最新情報の中にはまだ未成熟なものも多く、すぐに開発に直結するものではありませんが、お客様との会話のなかで求められることが多いように感じます。加えて、スキルアップや知識の蓄積にも活かされています。
HOUSEIエンジニアのやりがいはリリース&顧客からの直接の声
編集部
成長機会が多く得られるHOUSEIさんのエンジニアは、どのようなシーンでやりがいを感じる方が多いと思われますか?
A・Tさん
若手のエンジニアに人気のプロダクト開発では、自分が携わったものがリリースされ、ユーザーの反応がわかることにやりがいを感じている者が多いように感じます。
受託システム開発においても、プライム案件では直接お客様とやり取りをするので、「あなたがやってくれて助かった」など、声をかけてもらえることもやりがいにつながっているように思われます。
資格取得費用負担とお祝い金でスキルアップを支援
編集部
中国とのオンライン勉強会の他、エンジニアのスキルアップを支援するHOUSEIさんの支援制度などがあればお聞かせください。
A・Tさん
資格取得に関する支援としては、1回目は合否に関わらず、受験料を会社で全額負担しています。2回目以降は合格した者のみ、会社が負担する仕組みになっています。
資格手当に関しても月次で定額支給される手当の他、合格のお祝い金として資格の種類に応じ、1万円から10万円までを支給しています。
K・Yさん
費用やお祝い金の支給に該当するのは、ITパスポート、プロジェクトマネジメントの資格、情報セキュリティなど情報系の国家資格となっています。
また、AWS認定資格やオラクル認定資格などITの知識に関する資格には一時金が支給されます。このような技術系の資格の他、管理部門では社会保険労務士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーなどの資格支援も行っています。
編集部
エンジニアだけではなく、バックオフィスを担うメンバーのスキルアップも支援されているのですね。
職級に応じ、最大5万円分のポイントを支給
編集部
資格支援以外でのHOUSEIさん独自の支援制度があればお聞かせください。
K・Yさん
「スキルアップマイレージ制度」という当社独自の制度を設けています。30歳までの社員に年間ポイントを支給するこの制度は、職級に応じて1ポイント100円、最大5万円分のポイントが支給されます。
ポイントは当社が定める資格取得支援制度に当てはまらない民間資格の受験料や、教材費、セミナーへの参加費などにも活用することができます。
編集部
HOUSEIさんが定めた資格以外でもスキルアップに挑戦する若手社員を、ポイント支給というかたちで幅広く支援されているのですね。
未経験者も参加できるHOUSEIのインターンシップ
編集部
HOUSEIさんにジョインするメンバーは、インターンシップ経験者が多いとのことですが、インターン生はどのような業務を担っているのでしょう。
A・Tさん
インターン生と社員の異なる点は、学業優先のみであり、基本的には社員とほぼ同じ業務をお任せするかたちです。イメージとしては入社後の研修をインターン生の時に前倒しで受けるような内容となっています。
そのため、実際にプロダクトの開発の上流から下流までを設計やコーディング、テストの他、フロントエンドやバックエンドなど、インターンシップでも幅広い領域を実践的に指導することを意識しています。また、当社のインターンシップは勉強時間も含まれているので、未経験者の参加も可能となっているのが特徴です。
フレームワークに重点を置き、実践的な技術を指導
編集部
幅広い領域を実践的に指導されているとのことですが、インターン生は具体的にどのような勉強法で学ぶことができるのでしょう。
A・Tさん
当社のインターンシップに参加することで、学校で習うことと、実際の開発現場との違いを学ぶことができます。当社としても実践的に使える技術を指導することを心がけています。
1つの言語を習得するのに何ヶ月もかかると思っている学生さんもいると思われますが、基礎部分は2、3日で枠組みを理解し、それ以外の時間をフレームワークに充て、今ある知識で実際に手を動かし、試行錯誤していくことが最も早い習得につながることを指導しています。
この習得法は新しい言語を習得する際にも応用が可能です。実際にタスクで触れる幅が増えたり、こなす量が増えることで自分ができることを実感、自身の成長を感じることができます。
編集部
なるほど。おっしゃるように、未経験者にとってはハードルが高いプログラミングの習得も、習得のコツをつかむことで知識ゼロからでも成長を実感できるというわけですね。
リモート参加OK。地方からのジョインも可能
編集部
HOUSEIさんのインターンシップは、リモートでの参加も可能と伺っております。
A・Tさん
全国からの応募に応えるため、当社ではリモートでのインターンシップを導入しています。希望する学生にはパソコンを貸与し、わからないことがあったらWebツールのチャット機能を使いながらコミュニケーションを取って進めていくことになります。
編集部
参加希望者が全国にわたるHOUSEIさんのインターシップは、それだけ学生にとって魅力的であることが伺えます。その理由はどこにあると思われますか?
A・Tさん
長期インターンシップを実践していることが理由として挙げられます。期間は最低でも3ヶ月、長い方だと1年、インターン生としてジョインしています。また、地方在住の学生にとっては、リモートで参加できることも参加理由になっていると思われます。
自走し、主体的かつ、意欲的にチャレンジできる方を歓迎
編集部
入社1、2年目の若手社員がプロジェクトマネージャーとして活躍しているHOUSEIさんの若手育成のカルチャーや、多彩なスキルアップ支援に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、御社が求める人物像やフィットする人材について、採用に向けたメッセージをお願いします。
K・Yさん
当社は、自分で考え、自走できるといった、主体的に動ける人がチャンスをつかめる会社です。チャレンジ精神を持って成長していきたいという方を歓迎します。
やりたいことが現実的には難しい場合もあるかもしれませんが、基本的にはチャレンジを応援する環境が整っているので、ぜひ、自己成長を望まれる方はお問い合せいただければ幸いです。
A・Tさん
当社はこれからこうしていきたいという意志を自分から発信した人にチャンスがある会社なので、まずは自分がやりたいことをいろいろイメージしてみてください。そのイメージを具体化し、将来につなげていけることが当社の魅力だと感じます。
このようなカルチャーが根付くHOUSEIで共に成長をしたいという方からのお問い合せ、ご応募をお待ちしています。
編集部
若手が活躍するカルチャーの背景には、チャレンジを応援する企業姿勢があることを今回の取材を通して実感することができました。エンジニア経験者はもちろん、未経験者を育成するフレームワークを中心とした研修も魅力的に感じました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
HOUSEI株式会社:https://www.housei-inc.com/
採用ページ:https://www.housei-inc.com/recruit