業界の壁を打ち破る株式会社ハイパーソフトで20~30代のリーダーが次々に誕生する理由

業界でいち早く新しいサービスを展開し、若手が活躍することで成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、美容サロン向けの顧客管理・売上管理・経営分析システムなどを展開している株式会社ハイパーソフトにお話を伺いました。

美容業界を進化させる株式会社ハイパーソフト

株式会社ハイパーソフトのサービスイメージ画像
▲美容業界向けのDX支援サービスを展開している(公式ページより)

株式会社ハイパーソフトが手掛けているのは、美容業界や医療業界のDX支援サービスです。主力事業である美容業界のDX支援サービスでは独自のPOSシステムやセルフレジ、会員カードアプリなどを展開しています。

会社名 株式会社ハイパーソフト
住所 東京都港区三田4-1-27 FBR三田ビル6階
事業内容 美容業界向けPOSシステムをはじめ、業務管理システムや業務用パッケージソフトの自社開発、その販売・導入およびサポート全般
設立 1994年12月
公式ページ https://www.hypersoft.co.jp/

株式会社ハイパーソフトの特徴は、業界で先駆けて新しいサービスを展開している点です。若手をはじめとした社員が常に新しい情報を収集し、その知見を生かしています。

同社が成長した要因や若手が活躍できる理由について、美容事業部副部長マーケティンググループの木透真悟さんと同部セールスグループの吉田乃々華さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社ハイパーソフトの木透さん

株式会社ハイパーソフト
美容事業部副部長マーケティンググループ

木透 真悟さん

株式会社ハイパーソフトの吉田さん

株式会社ハイパーソフト
美容事業部セールスグループ

吉田 乃々華さん

美容業界向けDX支援サービス「Salon de Net」を展開

株式会社ハイパーソフトが展開しているPOSシステム「Salon de Net」のイメージ画像
▲レジや顧客管理の機能が備わったPOSシステム「Salon de Net」を展開している

編集部

初めに、ハイパーソフトさんの事業内容について伺わせてください。

吉田さん

ハイパーソフトは、美容業界や医療業界のDX支援サービスなどを手掛けています。美容業界向けに展開しているのが、独自のPOSシステム「Salon de Net」(サロン・ド・ネット)です。

Salon de Netにはレジとしての機能はもちろん、年齢やサロンで提供したメニューなど、来店客に関するあらゆる情報を収集、分析する機能も備わっています。

木透さん

Salon de Netのコンセプトは「お客様のためのコンピューター」です。美容サロンに来店されたお客様のユーザー接点に注目しています。

先ほどご説明した年齢などの基礎的な情報だけでなく、来店客の趣味やどんな価値観を持っているのかなども、ワンクリックで分析できるのです。

接客でヒアリングした内容をシステムに打ち込んでもらうほか、Salon de Netには来店客にアンケートに回答してもらい、そのままダイレクトに同期できる機能もあります。

サロンさんは来店客の分析データから、マーケティングや接客の戦略を立てます。例えば「パーマをかけたのが2ヶ月前なので、そろそろ来店してかけ直すことを提案してみよう」といったアプローチが可能になるのです。

編集部

システムを導入することで、美容サロンさんが来店客に適切な提案を行えるようになるのですね。ほかにどんなサービスを展開されているでしょうか?

吉田さん

ハイパーソフトではほかに、POSシステムと連動したセルフレジや電子カルテシステム、LINEと連動した予約システムなどを展開しています。また、美容サロンの業務的な部分のみではなく、スタッフのエンゲージメントを高めるサービス「Salon Engagement」も手掛けております。

Salon Engagementはエンゲージメント低下によるスタッフの離職を防ぐために開発されたアプリです。サロンの健康経営のために、感謝のメッセージを添えたサンクスカードをスタッフ間でやり取りするなど、社内コミュニケーションを促す機能が備わっています。

編集部

顧客との接点だけでなく社内向けのものなど、美容業界にとって必要なあらゆるDX支援サービスを展開されているのですね。

株式会社ハイパーソフトが手掛けている「Salon Engagement」のイメージ画像
▲美容サロンのスタッフのエンゲージメントを高める機能が備わっている「Salon Engagement」

業界に先駆けてサービスを展開できていることが成長要因

取引先サロンの代表者と集合写真を撮る株式会社ハイパーソフトの社員たち
▲取引先サロン「KANGOL SALON TOKYO CENTRAL」の代表者と社員たち。既存取引先サロンからの売り上げが年間売り上げの8割を占めるという

編集部

現在、Salon de Netはどれくらいのサロンさんが導入しているのでしょうか?

木透さん

Salon de Netは、現在約4,000店舗のサロンさんに導入いただいております。ハイパーソフトの特徴の一つなのですが、年間の売り上げのうち8割以上がすでに取引させていただいているサロンさんによるものです。

新店舗のオープンなど、サロンさんが事業拡大されるタイミングで新たなオプションを追加するというケースが多いですね。これはなかなか珍しい成長の形なのではないかなと思っています。

編集部

ここまでお客様に愛されるサービスを作り、成長できている要因は何でしょうか?

吉田さん

ハイパーソフトが成長できている要因としては、美容業界に今までなかったシステムをいち早く展開してきたという点が挙げられます。先ほどご説明したセルフレジや、LINEと連携した予約システムは、美容業界でまだ浸透していなかった時点で展開したサービスです。

業界のトレンドや今後流行りそうなものをつかみ、美容業界に生かせるものはないかと考える文化があります。社員それぞれがSNSなどを活用して、日常的に情報をアップデートしていますね。

編集部

常に新しいチャレンジを続けてきたことが成長の要因として挙げられるのですね。

セルフレジは美容業界初、批判を恐れず時代を読んでサービスを展開する

株式会社ハイパーソフトが展開している「VCA Wallet for Staff」と「Smooth Self」
▲電子カルテアプリ「VCA Wallet for Staff」とセルフレジ「Smooth Self」。セルフレジは美容業界で初めて展開したという

編集部

Salon de Netはいつから展開されているのでしょうか?

木透さん

Salon de Netについては2007年からですが、前身のサービスとして「エンジェルPOS」というPOSシステムを2000年から展開しています。

前身のシステムは、顧客情報や売り上げ情報を全てパソコンのハードディスクに保存する「スタンドアローン型」でした。一方、Salon de Netはクラウド型のシステムになります。

実はクラウド型に移行するとなった際に、業界内ではかなりの批判があったそうです。来店客の個人情報は美容サロンにとって資産なので、業界的にクラウドに情報を上げることがご法度のような文化があったのです。

私は2010年にハイパーソフトに入社しましたが、そのころでも懸念を示されるサロンさんが多かったですね。

編集部

そんな状況が信じられないほど、今や多くのサロンさんがSalon de Netを利用していますが、苦しい状況を突破できた要因は何でしょうか?

木透さん

クラウド型のシステムが受け入れられた背景としては、ほかの業界ではクラウドが受け入れられていたということが大きかったと思います。「今後は絶対に美容業界でもクラウド型のシステムが広がっていく」と私たちも信じていたので、時代を先読みしてサービスを展開できましたね。

編集部

先ほどのお話にもあったように、先進的な取り組みをしていこうという姿勢が強いということですね。

木透さん

やはりハイパーソフトの特徴は、新しい取り組みを積極的に進めていく点にあります。セルフレジシステムについては、実は美容業界で弊社が初めて展開しました。

セルフレジはほかの業界では当たり前のものとなっていますが、美容業界ではまだ普及していません。やはり「丁寧な接客」というのを強みにしているサロンさんが多いので、セルフレジによってその強みが半減してしまうという懸念があるようです。

ただ、最近になって業界大手の会社さんがセルフレジをリリースしたので、業界的にも今後広がっていくと予想されます。

編集部

大手さんが出されたということは、セルフレジの需要が高まっていることが伺えます。この分野でもハイパーソフトさんが業界をリードしていきそうですね。

異業種からも学ぶことで先見性を磨く、学びを実行できるボトムアップ型組織

打ち合わせをする株式会社ハイパーソフトの社員たち

編集部

先見性を持ってサービスを展開されているハイパーソフトさんですが、先を読む力はどのように培われているのでしょうか?

木透さん

先を読む力については、先ほど申し上げた通りSNSを活用するなど最新のトレンドをつかむ努力を続けることで身に付けています。SNSのほかにも、トレンドを集めた展示会には積極的に足を運ぶようにしています。

展示会は美容業界だけでなく、さまざまなものに参加するようにしています。異業種でトレンドになっているサービスを美容業界にも応用できるのかという視点を持つことを大切にしていますね。

また、私個人の話になりますが、オンラインセミナーにも業界を限らず積極的に参加するようにしています。よく参加しているのはIT系の営業やマーケティングのオンラインセミナーですね。

編集部

全社的に新しい情報を集める意識が高いことが伺えますが、なぜそこまで意識を高く保てるのでしょうか?

木透さん

情報を集める意識が高い理由としては、やりたいことを比較的すぐに実行できるボトムアップ型の組織であることが挙げられます。

ハイパーソフトは2019年度から、組織が事業部制に変わりました。以前はトップダウンで各部署が取り組むことが決まっていたのですが、裁量権が各部署に渡されたのです。

年間予算を各部署で持って、目標達成のためにどうすれば良いかを事業部ごとで決められるようになりました。

事業部制になったことで、新しい情報を得て何か始めたいとなったときにすぐ動ける組織になったと感じています。

30代で部長、20代でもチームリーダーなど若手が活躍

大阪営業所があるシェアオフィスで仕事をする株式会社ハイパーソフトの吉田さん

編集部

ハイパーソフトさんの社員の年齢構成について教えてください。

木透さん

ハイパーソフトの社員の平均年齢は35歳前後です。上の年齢層は40代が中心ですが、最も多いのは20代のメンバーです。最近は20代の方を多く採用していることもあり、平均年齢は下がりつつあります。

私たちが所属している美容事業部になると、平均年齢はもっと下がりますね。

編集部

若い方を多く採用している理由は何でしょうか?

木透さん

ハイパーソフトで若い方を多く採用している理由は、美容サロンをターゲットにしているサービスを展開しているためです。やはり美容サロンがお客様になりますので、若い方の方が相性が良いのかなと考えています。

編集部

若手の方がどのように活躍されているのか事例をお聞かせください。

吉田さん

ハイパーソフトでは木透さんをはじめ、30代半ばで部長になっているケースがあります。また、20代や3年目といった入社歴の浅い方がチームリーダーを務めていることも多いですね。

編集部

年齢に関係なく、スキルに応じて適切なポジションが与えられるということですね。

若手の活躍を促す先輩社員のサポート、不安なことをすぐに聞ける環境

打ち合わせをする株式会社ハイパーソフトの社員たち

編集部

若手のうちから役職やリーダーを任せられる環境にありますが、顧客との接点でも年次は関係ないのでしょうか?

木透さん

ハイパーソフトでは年次に関係なく、規模の大きいサロンさんの担当を任せられます。

弊社の平均販売単価が1店舗で50~300万円ぐらいなのですが、複数店舗を展開されているサロンさんですと500~1,000万円の売り上げになることがあります。そんなサロンさんでも、入社して2~3年目の社員が担当することがありますね。

編集部

年次が浅い社員さんだと、規模の大きい顧客に対応するなかで難しい場面も多々出てくると思うのですが、そこをサポートする体制はあるのでしょうか?

吉田さん

ハイパーソフトは基本的にチームで協力しながら動いています。若い社員には必ず先輩がサポートで付いていますので、不安なことがあればすぐに聞きに行ける雰囲気があります。

例えば、提供しているシステムの仕組みは入社したばかりの社員からすれば難しい部分があります。複雑なところをしっかり教えてもらえますね。普段からプライベートのことなどを話せる関係性があるため、仕事のことを聞きにくいということもありません。

編集部

社員間でしっかりコミュニケーションが取れているからこそ、若手の方が伸び伸びと活躍できるのですね。

フレックス勤務制やリモートワークなど働き方も裁量権が与えられている

株式会社ハイパーソフトのWEB会議の様子
▲コロナ禍以降リモートワークが導入されており、場所を問わず働ける

編集部

社員の活躍のためには働く環境も重要になりますが、その点はいかがでしょうか?

木透さん

ハイパーソフトではコアタイムありのフレックス勤務制を採用しています。コアタイムは部署によって少し異なりますが、平均して正午から午後3時の間となっております。コアタイムも長くないので、自分のスタイルに合わせて働ける点が魅力です。

例えば前日遅くまで仕事をしなければならなかったとなった場合は、翌日は昼前に仕事を始めるということも可能です。自分の裁量で勤務時間を決められます。

また、弊社ではコロナ禍以降リモートワークも導入しました。全員がオフィスに出社するというのは基本的に1カ月に1度あるかないかです。リモートワークを導入以降、これまで発生していた出社に伴う移動時間を業務に充てることができ、会社としてもより成果を上げる事に重きをおくようになりました。

編集部

非常に自由な勤務スタイルを採用しているのですね。フレックス勤務制について、入社して何年目からといったルールはあるのでしょうか?

木透さん

1年目はやはり研修のスケジュールが多いので、フレックス勤務制については基本的に入社2年目から適用されます。

編集部

1年目にしっかり出社して学べる環境があるというのも、若手社員からすると安心できる要因だと感じました。

美容業界で新しいサービスを作っていきたいという人材を歓迎

資料を持つ株式会社ハイパーソフトの吉田さん
▲「サロンの経営に携わりたいという方はやりがいを感じられる」と話す吉田さん

編集部

最後に、ハイパーソフトさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

吉田さん

美容業界や美容サロンの経営に興味がある方、美容サロンに関する数字を分析してみたいという方は、ハイパーソフトに向いていると思います。

サロンのオーナーさんと数字を見ながら経営について考えたり、アドバイスを求められたりといった機会が多いので、サロンの経営に携わりたいという方はやりがいを感じられるのではないでしょうか。

会社全体としてこれからもどんどん成長していきたいと思っていますので、一緒に会社を良くしていきたいという思いがある方を歓迎します。

木透さん

「自分でビジネスをしていきたい」という思いを持った若い方は、最近本当に多いと感じています。ハイパーソフトは、努力次第で自分でサービスを作っていくことも可能です。

大変な道のりだとは思いますが、チャンスは多くある会社だと思います。起業意識を持った方には、ハイパーソフトは魅力的な会社でしょう。

弊社は今、世代交代に差し掛かっている時期です。若い方の挑戦を歓迎します。

編集部

常に新しいことに挑戦するマインドを持ったハイパーソフトさんだからこそ、多くの若手の社員さんが思い切り挑戦できる環境にあるのだと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社ハイパーソフト:https://www.hypersoft.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/company_184008