ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、栗田工業株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
同社は産業用水処理装置、水処理薬品、およびメンテナンスサービスに関する製品・技術サービスを駆使したソリューションを提供する大手メーカーです。特に近年は生成AI向けのデータセンターなどで半導体需要が高まるなか、その製造に必須となる「超純水」を生み出す同社の技術に注目が集まっており、売上高は10年で倍増と堅実な成長を続けています。また、日本に加えアジア、欧州・中東、北南米の世界各地にグループ会社を展開するグローバル企業でもあります。
働き方では、社員一人ひとりが主体的にキャリアを描ける環境づくりを推進。また週1日以上のサテライト・在宅等のリモートワークを基本とし、業務特性や各人の職務遂行力に応じて部課単位で働き方を決められます。そのほか、時間単位で取得できる看護休暇などによって、柔軟な働き方を実現しています。
今回は、栗田工業株式会社の女性活躍の取り組みや働き方改革について、人事の佐々木さん、設計の山口さん、営業の関山さんにお話を聞かせていただきました。
栗田工業の女性活躍:新制度開始でキャリアの選択肢が広がる
▲女性活躍推進法に基づく取り組みについて語ってくださった佐々木さん
編集部
御社の女性社員の比率について教えていただけますか?
佐々木さん
2024年3月時点で、総合職における女性比率は17.1%であり、管理職の女性比率は4.2%です。現在は女性活躍推進法に基づき、2028年3月期までに女性管理職比率を10%程度まで引き上げることを目標に掲げ、様々な取り組みを進めています。
例えば、女性の採用比率を高めること(総合職採用の女性割合(新卒・経験者):3~4割程度)はもちろん、配属後の活躍支援にも力を入れています。具体的には、キャリア形成支援ワークショップの実施や、本部長との座談会などを行っています。大きな制度改革というよりも、既存の取り組みを着実に進めていっている形ですね。
編集部
異動や転勤などを含めた、キャリアに関する制度についても教えていただけますか?
佐々木さん
2023年度から「キャリア登録制度」を導入しています。これは性別に関係なく全社員が対象ですが、自身の望むキャリアを自律的に切り開こうとする社員をサポートする仕組みです。社員が今後チャレンジしたいキャリア情報を登録すると、人事部を通じて関係部署へ情報が共有されマッチングするといった仕組みです。
編集部
具体的な女性のキャリアパスについて、詳しくお聞かせください。
山口さん
総合職のキャリアパスは、専門職と管理職の二つの道があります。私はキャリア形成支援ワークショップに参加したことで、自分のキャリアについてじっくり考える機会を得られ、目指したい方向性を定めることができました。現在は主任(管理職)への昇進を目指しています。
設計・営業を担当する社員が語る「働きがい」とは
▲育休を経て、管理職への道を進もうとしている山口さん
編集部
山口さんのキャリアの変遷について教えていただけますか?
山口さん
私は2010年に入社し、最初の5年間は水処理プラント全体の設計を担当していました。その後、結婚・妊娠を機に設計効率化を検討する部署に異動し、2度の育休を経て、現在の部署に着任して2年目になります。
弊社の事業は、水処理装置と水処理薬品およびメンテナンスサービスを主軸としており、私は水処理装置の事業を手掛ける部署にいます。私の部署では大規模な水処理プラントの製造を手掛けており、仕事を進める上では社内の様々な職種の方と連携します。
設計職の中でも分業制を採用しており、私は、製缶・機器に関する設計および手配業務や、サプライヤーとの調整を担当しています。
編集部
関山さんのキャリアについてもお聞かせください。
関山さん
私は入社から3年間、地方営業所でメンテナンスの営業をしていました。営業所では基本的に水処理装置やメンテナンスなどの小規模案件を扱っていて、1人で提案から設計、工事、試運転までを一貫して担当していました。現在の部署では大規模案件の営業を担当しており、設計チームや工事チームと協力して業務を進めています。
弊社の営業は、いわゆる技術営業として、製品の仕組みや性能について専門的な知識を持ってお客様に貢献できるような提案活動を行っています。
水処理プラントには大きく3種類があります。水を限りなく理論純水まで磨き上げる超純水/純水製造プラント、工場から出てくる使用した排水を排水基準以下まで処理する排水処理プラント、あとは排水を回収して処理し、もう一度使えるようにする排水回収プラントです。
環境のルールや基準は地域ごとに異なり、随時変わっていきますし、お客様の工場の製造品目によって使う純水の純度も違ってくるので、案件ごとに違った様々な知識が必要になります。
▲技術営業として、日々学び続けている関山さん
編集部
実際に働いていて、やりがいを感じる瞬間はどんなときでしょうか?
山口さん
設計部署では、先輩からのサポートは受けつつも、基本的には入社当初から1人で案件を任せてもらえます。最初は戸惑うこともありましたが、お客様と一緒により使いやすい装置を作り上げていく過程にやりがいを感じております。あとは単純に、自分の図面が最終的に実際の装置になっているところを見ると感慨深いです。
関山さん
今担当している大規模案件では社内外含めて100人規模の関係者との調整が必要になります。お客様の要望を社内に伝え、時には反対意見もある中で、最終的に全員が同じ方向を向いて進められるようになったときに、大きなやりがいを感じます。
栗田工業の社員サポート:未経験からでも成長できる研修制度
編集部
専門的な知識やスキルの習得について、どのようなサポート体制がありますか?
山口さん
会社には専門技術講座の制度があり、技術を学ぶ機会が用意されています。また、社内の設計基準などの資料も充実しているので、それらを活用しながら知識を深めていくことができます。
佐々木さん
人事部では経験者採用で新たに入社された方々が、クリタに早く馴染み、安心して活躍できるようオンボーディングプログラムを実施しています。昭島市にある研究開発や共創の中核拠点「Kurita Innovation Hub」などで3日間かけて、実際の装置を見学したり、会社の歴史を学んだりします。さらに、配属2ヶ月後を目安に人事部で個別ヒアリングを行い、しっかりとフォローアップする体制を整えています。
編集部
その他、何か特徴的な人材育成の取り組みはありますか?
佐々木さん
今年からグローバルなビジネスシーンで活躍し、クリタの事業に貢献できる人材の育成を目的に海外トレーニー制度を開始し、現在10名程度の社員が参加しています。期間は半年から1年で、東南アジア、欧州、北南米など、様々な地域に派遣しています。
この制度は単なる業務経験だけでなく、異なる文化や視点を吸収し、グローバルなビジネス環境で成果を出せるマインドとスキルを身につけることを狙っているため、コンサルティング会社や派遣先のクリタの海外グループ会社とも連携しながら、参加者一人ひとりの希望に沿ったプログラムを組んでいます。
フラットな社風と裁量のある仕事で、若手も主体的に活躍
▲「個人の裁量が大きく、スピード感がある」と語る関山さん
編集部
社員の皆さんが活躍するためには、社内風土も重要になってくるかと思います。どのように感じていますか?
関山さん
入社6年目の社員として日々感じているのは、1949年設立のメーカーとして想像していた伝統的な日本企業のイメージとは異なり、「良い意味でドライかつフラット」な職場だということです。もちろん報告や連絡は必要ですが、個人の裁量が大きく、主体的に仕事を進められます。
例えば、出張も1人で任されることが多く、その点でとても働きやすいです。承認プロセスも、Teamsを活用して効率的に行えるなど、上司陣の考え方も柔軟でスピード感があります。
山口さん
私が特徴的だと思うのは、役職に関係なく「〇〇さん」と呼び合う文化があることですね。部長職の方でも、肩書きを付けずに呼ぶことが一般的です。このような文化のおかげで、とても話しやすい雰囲気があり、自分の意見も伝えやすい環境だと感じています。
栗田工業の働き方:リモート×週1日出社。育児支援も充実
▲リモート会議の風景。基本的にはリモートワークが定着している
編集部
栗田工業の勤務体系について教えてください。
佐々木さん
当社はリモートワークを積極的に取り入れており、現場への訪問がない場合は週1日以上の出社を推奨しています(例:現場訪問が週0日の場合、在籍拠点 週1日~週4日もしくはサテライト・在宅 週1日~週4日が可能)。さらに、事業所であればどこに出社しても良いという柔軟な体制です。具体的な運用は各チームの裁量に任されているので、自由度は高いと思います。
関山さん
私は営業職で出張が多いので、全国各地で打ち合わせを行った際に、近くの事業所に寄って仕事をすることが多々あります。時間を有効に使えるだけでなく、普段会わない事業所の方とコミュニケーションが取れるのも嬉しいポイントです。
編集部
実際に働いていて、特に働きやすさを感じる点はどこでしょうか?
山口さん
子育て支援制度が充実していることですね。私自身も育児短時間勤務を活用させていただいています。
特に便利なのが時間単位で取得できる看護休暇制度です。子どもの通院や急な発熱での早退などの際、以前は半日単位でしか休暇を取れませんでした。今は必要な時間だけ取得できるので、たとえば終業の2時間前に看護休暇を使って早退するといった柔軟な対応が可能です。
編集部
残業時間についてはいかがでしょうか?
佐々木さん
残業については、2021年のエンゲージメント調査で課題として挙がったことから、全社を挙げて改善に取り組んでいます。
社長をはじめとする経営陣が主導し、人事部がサポートする形で各本部での具体的な施策を進めています。その結果、着実に効果が出てきています。まだ道半ばですが、社員一人ひとりの負担を減らすための取り組みを、継続的に推進しています。
採用メッセージ:ものづくりに興味を持つ人は経験・性別問わずぜひ応募を!
▲解放感のあるABWを採用した本社オフィスの様子
編集部
最後にあらためて、栗田工業株式会社に興味を持った転職活動中の皆さまへ、メッセージをお願いいたします。
佐々木さん
一般的に製造業は、女性活躍の面で遅れているというイメージを持たれているかもしれません。しかし、当社では他社との情報交換を重ねながら、働きやすい環境づくりを積極的に進めています。特に昨年度からは、各組織における人員構成にも配慮しながら自己申告制度の改定やキャリア登録制度の運用開始など、一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考えられる仕組みづくりに力を入れています。
また、当社では個人の裁量権が大きく、かつ周囲からのサポート体制も充実しています。このように、経験者の方も未経験の方も安心して活躍いただける環境が整っていますので、ぜひ就業をご検討いただければと思います。
山口さん
私たちは、様々なことに興味を持ち、新しいことにチャレンジできる方を歓迎します。特にものづくりに関心があり、工場見学なども楽しめる方は、当社の仕事に向いていると思います。
関山さん
女性ならではの働きやすさがある一方で、男性社員と全く同じように活躍できる環境があることも大きな魅力だと考えています。理系バックグラウンドを持つ女性の方には、特に技術営業職に挑戦していただきたいですね。
編集部
男女を問わないフラットな働きやすさ、また子育てをしながらの働きやすさの両面から、次々と改善される働き方や具体的なキャリアについて語っていただきました。本日はありがとうございました。
この記事のまとめ
働き方の特徴 |
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職場環境・社風 |
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キャリア開発支援 |
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女性活躍推進 |
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入社後のサポート体制 |
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栗田工業株式会社の基本情報
住所 | 東京都中野区中野4丁目10番1号 中野セントラルパークイースト |
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事業内容 | 「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」という企業理念のもと、長年培ってきた水処理などの技術や知見を活用した幅広いソリューションの提供を通じ、お客様や社会の水や環境に関する課題解決に貢献しています。 |
設立 | 1949年7月13日 |
働き方 | 週1日以上のサテライト・在宅等のリモートワークを基本とし、業務特性や各人の職務遂行力に応じて部課単位で設定。 |
公式ページ | https://www.kurita-water.com/ |
採用ページ | https://www.kurita-water.com/career |
募集職種 | 営業やバックオフィスなど幅広く募集中 ※広報や財務会計等は経験必要 |