地域に活力を生む先進的な事業を展開する企業を紹介するこの企画。今回は事業承継マッチングプラットフォーム『relay』を運営する株式会社ライトライトにお話を伺いました。
「オープンな事業承継」を進める株式会社ライトライト
▲株式会社ライトライトが掲げる「オープンな事業承継文化をつくる。」というビジョン(公式サイトの会社紹介資料から引用)
株式会社ライトライトは事業承継マッチングプラットフォームを運営する宮崎県発のベンチャー企業です。事業を譲り渡ししたい事業者と、事業を譲り受けたい希望者をweb上でマッチングするサービス『relay(リレイ)』を運営しています。
従来、事業承継業界では売り手情報の非開示が鉄則とされてきました。しかし『relay』では「事業承継をオープンに。」をビジョンとし、オーナーの事業への想い、ストーリーも含めてオープンネームで公募する“新しい事業承継”の形を実現しています。
株式会社ライトライトが特に注力するのは、全国の地方で事業を営む個人事業主・小規模事業者の事業承継です。そのためフルリモートワークの導入により全国的な採用を実施し、新たな形での事業承継のマッチングを全国に広めていっています。
会社名 | 株式会社ライトライト |
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住所 | 宮崎県宮崎市橘通東3丁目3-15若草金城堂ビル2F |
事業内容 | ・事業承継マッチングプラットフォームrelayの運営 |
設立 | 2020年1月6日 |
公式ページ | https://light-right.jp/ |
働き方 | フルリモートワーク |
今回は、株式会社ライトライトの取締役COOを務める齋藤めぐみさんにインタビューを実施しました。株式会社ライトライトの事業内容や、マッチングサービス『relay』の特徴、社会課題解決における意義などについて迫っています。また、宮崎県に本社を構えながら、フルリモートワークを導入し全国採用を進められている意図や思い、さらに創業当初から受け入れているというインターン制度についても詳しくお話を伺いました。
事業承継マッチングプラットフォーム『relay』で地域の望まれない廃業に歯止めを
▲「地域に、光をあてる。」をミッションに事業を展開するライトライトさん(公式サイトの会社紹介資料から引用)
編集部
まずはライトライトさんの事業内容について教えてください。
齋藤さん
ライトライトは「地域に、光をあてる。」をミッションに掲げ、地域で事業を営んでいる、個人事業主を含む事業者様の事業承継のサポートを行う会社です。
今日本は年間50,000社が廃業してしまう「大廃業時代」と言われています。しかもその内の6割が、黒字経営のまま廃業してしまうのです。つまり後継者がいれば事業を存続させていけるにもかかわらず、後継者がいないがために廃業せざるを得なくなっている状況ということです。
地方には大きな利益を上げているわけではなくても、何十年とそこに根ざして価値を提供している方、その場所でしかできない事業を展開されている方など多様な事業者様が存在します。地方の事業が後継者不足によって廃業していくのは、地域の活力創生という観点から見て喫緊の課題といえるでしょう。
我々の事業承継マッチングプラットフォーム『relay(リレイ)』により、地域で望まれないまま廃業してしまう事業を少しでも減らしていきたいと考えています。そしてユニークな日本の地域の持続性・魅力を向上させていくというのが、ライトライトの目標です。
これまでにない「共感型」の事業承継を可能にする『relay』
編集部
『relay』ならではの特徴はどういった点にあるのでしょうか。
齋藤さん
事業承継というのは、従来はM&Aのような形で、売り手情報を非公開にしたクローズな方式で行われることが一般的でした。しかしその方式ですとどうしても資産や売り上げから判断されてしまいます。地域で事業を営む小規模事業者様にとってはハードルが高く、不利に働いてしまうような状況がありました。
『relay』が従来の事業承継の方式と違うのは、ビジョンでも掲げている通り「オープンな事業承継」だという点です。『relay』では事業の強みに加え、想いやストーリー、オーナー様の横顔も含めて記事にしています。その記事を公開し、記事の内容に共感いただいた方に応募いただくという「共感型」の新しい事業承継の形を打ち出しています。
編集部
実際に『relay』に掲載されている記事を拝見しましたが、数字だけでは分からない事業への思いやストーリー、魅力を感じることができました。事業主様にとっても、この記事に共感する人ならば事業を大切に受け継いでくれるのではないか、という希望が持てると思います。まさに「地域に、光をあてる。」というミッションを体現されるサービスだと感じました。
※事業の魅力が伝わる記事を多数公開している『relay』はこちらから:https://relay.town/
「地方からバリューを」宮崎県に本社を置き、全国で採用を進める
▲ライトライトさんはフルリモートで全国どこでも勤務可能。好きな場所、環境で働ける
編集部
ここからは地方採用のテーマに移らせていただきます。ライトライトさんは宮崎県に本社を構えつつ、全国採用をされていますよね。これにはどのようなご意図があるのでしょうか。
齋藤さん
まず宮崎県に本社を構えている理由は代表の出身地が宮崎だからです。そして、ライトライトが「地方を元気にしていきたい」という思いのもと活動をしている会社だということがあります。だからこそ首都圏ではなく宮崎県に本社を置き、「地方からしっかりとバリューを発揮していく」という姿勢を貫いています。
もちろん、宮崎県だけでなく全国の地方に事業者様は存在します。だからこそ我々の事業は日本全国の地方に広げていくことが必要だと考えています。全国にスタッフがいて、それぞれの地方で活動していけるよう、フルリモートワークを導入して全国的な採用を進めています。
編集部
宮崎県の本社で働かれている方と、その他の地域でフルリモートワークをされている方とで、仕事内容や進め方に違いはありますか?
齋藤さん
ライトライトの職種にはセールス、カスタマーサクセスなどがありますが、それぞれの働き方は本社の宮崎県でもフルリモートワークでも全く変わりません。
編集部
フルリモートワークであっても、全国的に同じ動き方ができるんですね。皆さん具体的にどのような地方で働かれているのでしょうか?
齋藤さん
メンバーは福井・新潟・大阪・広島・鳥取・岡山・沖縄など、本当に全国津々浦々の場所で働いています。
働く場所を制限せず、好きな場所、好きな環境でその地方のことを考えながら働ける環境は、ライトライトの事業にとっても、個人の働き方という点でもとても大切なことなのではないかと考えています。実際に、休日にはSAPやサーフィン、バンドなどそれぞれの場所で思い思いの楽しみ方をしているようですよ。
編集部
自由な場所で働くことができるライトライトさんだからこそ、休日も含めて生活を充実させることができそうですね。それと同時に、自分の住むその地方に深い愛着を持って事業に向かうことができるのではないかとも感じました。働き方の自由があるだけでなく、ライトライトさんの事業にとってもとても意義がある取り組みですね。
地方だからこそできる、メディアを活用した認知度アップ
編集部
先ほど「地方からバリューを発揮する」とおっしゃっていましたが、事業を展開していく上で地方だからこそのメリットはありますか?
齋藤さん
東京などの首都圏ですと「たくさんある中の1人」になってしまうと思いますが、例えば宮崎県で活動をすると良い意味で目立つことができるんですよね。
それは宮崎県だけでなく、他の地方でも同様です。ライトライトが進める他の地方での案件も、メディアに取材していただくことは少なくありません。
地方のメディアに取り上げていただくことで、その地方での認知度を上げていくことができます。それはこの事業を全国に展開していく足がかりという意味でもとても重要なメリットだと思っています。
インターン実施のきっかけは学生からの「働きたい」という希望
編集部
ここからはインターンについてお伺いします。ライトライトさんではインターン制度を導入されていると伺いましたが、いつ頃から実施されているのでしょうか。
齋藤さん
2020年の創業間もない時期からインターン制度は導入しています。知人を通してライトライトを知っていただいたり、インターネットで見たことで興味を持ってくださったりした学生さんから働きたいという希望があったことでスタートしました。
編集部
学生の方から問い合わせがあったことでインターン制度が始まったんですね。どのような部分に興味を持ってインターンに参加される学生が多いのでしょうか?
齋藤さん
自分の住んでいる地方、地元が好きだから、そこが抱える課題についてより詳しく知りたいという希望を持つ学生が多いなと感じます。
編集部
なるほど。地方で存在感を発揮されているライトライトさんだからこそ、事業に共感する学生さんが集まってこられるんですね。
自分の住む地方の課題を知り、スタートアップのスピード感も経験できる
編集部
ライトライトさんのインターンでは実際にどのような業務を体験できるのでしょうか。
齋藤さん
インターン生も社員と同様フルリモートで働いてくれているのですが、特に期限は設けず学生の希望に合わせているため、一律でインターン生にお任せしている業務があるわけではありません。ただし基本的には事業者様が後継者を募集するにあたっての記事の作成のお手伝いであったり、SNSの運用であったりがメインになってくるかなと思います。
編集部
ライトライトさんでのインターンではどのような経験が得られるとお考えですか?
齋藤さん
記事の作成を手伝ってもらう中で、地域の事業者様とやり取りをしてもらうこともあります。そのやり取りの中から、その事業の強みや事業を営んできた方の想いなど多くのことを学べるということは大きいのではないでしょうか。
また、元々地方が抱える課題に興味を持ってジョインしてくださる学生の方が多いのですが、外側から見ているだけだと分からない地方の事業が抱える実情を、ライトライトでは身をもって実感することができます。その点も、ライトライトだからこそできる経験であると考えています。
もう1つ言うと、スタートアップ・ベンチャーのカルチャーに身を置くことができるというのもライトライトでのインターンのメリットです。スタートアップやベンチャーは本当に絶えず動き続け、変化し続けるものです。ライトライトにもめまぐるしくずっと走り続けている環境があります。学生の内からこのスピード感の中に身を置くことができるのは、貴重な体験になると思います。
「地方が好き」という気持ちを胸に道を切り拓いていける人を歓迎
編集部
最後に、ライトライトさんに興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
齋藤さん
ライトライトは「地域に、光をあてる。」のミッションのもと事業を進めています。そのためライトライトで働く上で、地方が好き、地域が好きという気持ちは欠かせません。
その上で、「オープンな事業承継」というこれまでにない事業に対して前向きに取り組み、日本中に広めていこうという気概のある方と一緒に働いていきたいと思っています。
先ほども言った通り、ライトライトはベンチャーであるためどうしても変化が激しく、絶えず走り続けていく姿勢が必要となります。変化を楽しみながら一緒に道を切り拓いていける方には、ぜひご応募いただければと思います。
編集部
日本全国のユニークな地方の魅力を持続させていくために、とてもやりがいと意義のある仕事だと感じました。他にない新しい形の事業なので、ここからさらに全国に広めていく過程に携わるという点でも面白さが感じられそうです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社ライトライト:https://light-right.jp/
採用ページ:https://light-right.jp/recruit/