時代のニーズを捉えた事業を行う注目企業を紹介する本企画。今回は、中小企業に特化したシステム開発を手がける「株式会社みんなシステムズ」にインタビューしました。
株式会社みんなシステムズとは
株式会社みんなシステムズは、2016年5月に創業したシステム開発会社で、中小企業向けのシステム受託開発のほか、実践型プログラミングスクール「ユアスク」をはじめとする自社サービスを展開しています。
クライアントの要望に沿ったスピーディーなシステム開発が評判を呼び、売上が過去3年で倍増するなど急成長していることから、エンジニアの新規採用も強化しています。
会社名 | 株式会社みんなシステムズ |
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住所 | 東京都墨田区緑3-1-14 外山ハイツ502 |
事業内容 | ・システム開発 ・コンサルティング ・プログラミングスクール事業 ・手紙マーケティング事業 |
設立 | 2016年5月 |
公式ページ | https://minna-systems.co.jp/ |
働き方 | フルリモート勤務が可能 |
エンジニアが社員の7割以上を占める株式会社みんなシステムズでは、未経験入社のメンバーでも市場で評価される人材に成長できるようなサポート制度を推進しています。また、柔軟で働きやすい環境づくりを重視しており、地方で暮らしながらフルリモートで勤務する社員もいます。
今回は、代表取締役の野田祐機さんに、企業成長の背景やカルチャーについてお話を伺いました。
中小企業に特化したシステム開発で売上は3年で2倍に
▲株式会社みんなシステムズは「みんなが使いやすいシステムをみんなが喜ぶプライスで提供する」というミッションを掲げている。(公式サイトから引用)
編集部
まずはじめに、みんなシステムズさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
野田さん
私たちは、中小企業様に特化したシステムの受託開発をメイン事業として展開しています。従業員数5人から20人規模のクライアント様を中心に、それぞれのご要望に沿ったシステムをご提案し、開発しています。
編集部
具体的に、どのようなシステムを開発しているのでしょうか?
野田さん
弊社で開発をお手伝いするシステムは、大きく分けて2つあります。ひとつはクライアント様の事業立ち上げに関わるもので、マッチングサイトや民泊などのサービス運営に必要なシステムを開発します。
もうひとつは、業務の効率化などを目的に、クライアント様専用の在庫管理や受注管理システムを開発するサービスです。
編集部
みんなシステムズさんの売上はこの3年で倍増し、新規採用も積極的に行っていると伺いました。何が急成長を支えているのでしょうか。
野田さん
中小企業向けの小規模なシステムをスピーディーに開発する、弊社のビジネスモデルのユニーク性です。
長い期間をかけて大きなシステムを作る企業はたくさんありますが、私たちのように小さなシステムを3〜4ヶ月の短い期間で大量に作ることに特化している企業はあまりないため、需要を取り込むことができるのだと思います。
また、もうひとつの強みとして、私たちが自社サービスを手がけていることがあげられます。弊社は、プログラミングを学ぶ実践型スクール「ユアスク」を運営しています。自社運営サービスの開発を通じて得た知識やデータを受託開発に生かすことで、質の高いシステムを低価格で提供することができるのです。
編集部
DXに取り組む中小企業が増えているので、みんなシステムズさんのようなサービスは今後さらに求められることになりそうですね。
エンジニアの9割が未経験。成長のカギは「経験値」を伸ばすこと
▲エンジニア比率が7割を超える株式会社みんなシステムズは、ほとんどのメンバーが未経験からスタートする。(Wantedlyから引用)
編集部
ここからは、みんなシステムズさんで働くエンジニアの方々について伺いたいと思います。まず、エンジニアの比率について教えていただけますか?
野田さん
弊社の社員25名のうち、エンジニアとして働くメンバーは18名です。また、エンジニアの9割が未経験からのスタートで、元塾講師やパティシエなど前職もさまざまです。
編集部
未経験で入社した人がエンジニアとして活躍できる秘訣は何ですか?
野田さん
小さなシステムに特化して開発する弊社の事業モデルが、エンジニアの育ちやすさにつながっていると思います。
大きなシステムを開発する場合、多くのメンバーが分担して作業することになりますが、小規模システムの場合はひとりのエンジニアが企画要件定義、設計、開発から実装、運用までフルサイクルで関わることができます。一部のパートではなく、プロジェクトの上流から下流まで一貫して経験できることで、エンジニアが成長できるチャンスが飛躍的に高まるのです。
編集部
3〜4ヶ月のプロジェクトを担当するごとに、経験値が大きく上がっていくということですね。会社として、エンジニア育成に込める思いや信念はありますか?
野田さん
はい。実は、みんなシステムズには「エンジニアのスキル評価の新たな基準を作る」という裏のミッションがあります。
私がエンジニアの仕事に関わりはじめた時、「経験年数が3年ないと、仕事はない」と言われることがよくありました。しかし、私は「経験年数」より「経験値」で見てほしいと思っています。みんなシステムズでは、経験値の高い優秀な人材を育成し、彼らが経験年数によらず市場で評価される仕組みを作りたいと考えています。
編集部
経験年数の概念を覆し、本当にスキルのある人が活躍できる環境を目指すからこそ、みんなシステムズさんには未経験でも大きく成長できるチャンスがあるのですね。
ペアプロの推進や研修合宿など活躍を支える制度が充実
▲株式会社みんなシステムズでは、熱海や横浜などで定期的に宿泊研修を行っている。(公式サイトから引用)
編集部
エンジニアの活躍を後押しする具体的な取り組みや研修制度について教えてください。
野田さん
代表的な取り組みとして、ペアプログラミング(※)の文化があります。現在はリモート環境で働いているので、ビデオで繋ぎながらの作業となりますが、毎月ひとり1〜2回はペアプロを行うように呼びかけています。
(※)ひとつのプログラムを、ペアを組んで共同開発すること。一方がコーディングし、もう一方がレビューを行うことで、スキルの向上が期待できる。
ペアプロ文化があると新人エンジニアがわからないことがある時に遠慮なく先輩に尋ねることができ、成長の後押しとなることから、弊社では実施回数を開発部のKPIのひとつに設定しています。
研修としては、泊まりがけの勉強会も定期的に行われています。新規事業の構想や社内体制の強化など、さまざまなテーマについて議論しながら親睦を深める機会になっています。
編集部
ノウハウを社内に共有する仕組みはありますか?
野田さん
お客様とのビデオ会議や社内の打ち合わせをアーカイブ化して社員全員が見られるようにしているほか、資料のドキュメント化も行っているので、過去のさまざまなプロジェクト事例から学ぶことができます。
また、未経験のメンバーを多く受け入れてきたことで、弊社には未経験の人たちに教えるノウハウも蓄積されています。未経験の人たちは、つまずきやすい点や困りやすい点が似ているので、弱点をあらかじめ把握したうえで指導することができます。
編集部
エンジニアは覚えることがたくさんありますが、どのようにスキルの積み上げをサポートしているのでしょうか。
野田さん
エンジニアがノウハウを蓄積できるように、習得することの選択と集中を意識しています。例えば、プログラミング言語には様々な種類があり、その時々の流行りもありますが、弊社ではPHPとLaravelを使って開発することを基本方針としています。こうすることで、スキルが散漫になることを回避しています。
編集部
エンジニアの成長を実現するための戦略を、しっかりと作っているんですね。
成長も働きやすさも叶える、みんなシステムズのカルチャーとは
▲株式会社みんなシステムズでは、スキルアップのための勉強会を定期的に開催している。(Wantedlyから引用)
編集部
みんなシステムズさんでは、様々な前職を持つ方がエンジニアとして活躍しているということでしたが、未経験の方を採用するときに重視するのはどのような部分ですか?
野田さん
弊社では、実行力や素直さを重視しています。素直さを大事にする理由は、分からないことを「分かりません」と言えることが自己成長の助けになるからです。
編集部
みんなシステムズさんのカルチャーについても教えてください。
野田さん
実行する人を称賛し、評価するカルチャーがあります。数年にわたってエンジニアの成長を見てきて気づいたのは、コードを書いた人が一番成長しているということです。座学で学ぶことも大切ですが、とにかく実際にコードを書くことを重視しています。コードに限らず、弊社ではまず行動に移すことができる人を評価します。
先輩たちも多くが未経験からスタートしていることもあり、新しく入ったメンバーに対して「一緒に成長していこう」という姿勢で接してくれます。そのため、何かあれば気軽に相談できる雰囲気があります。
また、成長意欲が高い社員が多いので、自分が読んで参考になった本があれば他のメンバーに紹介したり、技術を共有するための勉強会を自発的に開いたりして、積極的に学ぶ文化があります。
読書を通じたスキルアップに全社で取り組む
編集部
本をおすすめし合うというお話がありましたが、みなさんどのような本を読んでいるのでしょうか。
野田さん
最近は『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』や『7つの習慣』などのビジネス本が人気ですね。
この習慣は、新卒社員など社会人経験が少ないメンバー向けに、働くうえで知っておいた方が良い基本的なことを伝える方法として始まりました。それが全社に広がって、今では社員が集まって読書感想会を開くこともあります。
感想会では、本から学んだことを共有しあって、エンジニアの仕事にどう生かすことができるかを議論しています。
▲株式会社みんなシステムズの読書感想会では、本で得た学びをどのように業務に活かすか議論する。(Wantedyから引用)
野田さん
社員が今どんな本を読んでいるのかを見える化するシステムも、社内で開発しました。読んでいる本を知ることは、その人が興味を持っていることや克服したいと思っていることを知ることにつながるので、コミュニケーション手段としても活用できます。
読書管理システムは、読んだ本や感想を書いて登録するとSlackに自動で投稿される仕組みです。感想が書かれているので、社員はそれを見ながら次に読む本を考えています。
編集部
システム開発までするところに、読書を通じたスキルアップに対する熱意が感じられます。
地方在住の社員も。アウトプット重視だから柔軟に働ける
▲株式会社みんなシステムズでは、子育て社員や地方在住のメンバーが活躍している。(公式サイトから引用)
編集部
みんなシステムズさんでは、働きやすい職場づくりに向けて取り組んでいることはありますか?
野田さん
ライフステージや性別に関係なく働ける職場づくりを推進しており、リモート勤務を導入しているので住む場所も自由です。
編集部
地方に住んでいる方もいるのでしょうか?
野田さん
はい。山梨や福岡の久留米、長崎の佐世保のほか、京都に住んでいるメンバーもいます。静岡で子育てをしながら、時間限定社員として活躍する社員もおります。
編集部
場所にこだわらない働き方を推進する背景には、どのような思いがあるのでしょうか。
野田さん
弊社には、「地方でも働ける仕事を作り出し日本の地域を元気にする」というビジョンがあります。今でも地方は都市部に比べて職業選択の自由が乏しいと言われていますが、私たちは地方でも働ける仕事を創出することで地域の活性化を実現したいと思っています。
編集部
社会課題の解決のためにも多様な働き方を推進しているのですね。時短勤務など、働く時間についても柔軟に対応しているのですか?
野田さん
はい。私が外資系企業の出身ということもあって弊社では時間よりアウトプットを重視しており、それぞれが状況に合わせて柔軟に働いています。
毎日午前10時に数分間のオンライン朝会があり、これには全員が出席するというルールがありますが、それ以外はそれぞれのペースで仕事を進めています。
編集部
アウトプット重視の考えが浸透していると、リモート環境でも目的意識を失わずにメリハリをつけて働くことができそうですね。
みんなシステムズには応募前に社員と交流できる企画あり
▲2023年春は、横浜で研修を行った。(公式サイトから引用)
編集部
最後に、みんなシステムズさんで働くことに興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
野田さん
私たちはまだ25人の組織ですが、右肩上がりの成長を続けており、一緒に働くメンバーをどんどん増やしたいと思っています。弊社には未経験からスタートして活躍している社員がたくさんいますし、スキルが足りないことを不安に感じている方は、弊社が展開するプログラミングスクールで学ぶこともできます。
システム開発の上流から下流まで関わることで経験値を上げ、市場価値の高いエンジニアとして活躍したい方は、ぜひご応募ください。
編集部
求人に応募する前にみんなシステムズさんの雰囲気を知ることができる機会はありますか?
野田さん
はい。未経験でエンジニアとしての就職を考えている方や、弊社に興味をお持ちの方と、焼き肉を食べながら交流するミートアップ企画「焼肉会」を定期的に開催しています。
▲株式会社みんなシステムズは、会社に興味を持つ人と交流する焼肉会を都内で定期的に開催している。(公式サイトから引用)
野田さん
「焼肉会」では、弊社の働き方や未経験からエンジニアになった社員の話など、気になることを遠慮なく質問できますし、参加費は無料です。
また、プログラミングについて黙々と勉強する「もくもく会」も定期的に開催していますので、こちらもお気軽にご参加いただきたいです。
編集部
インタビューを通じて、みんなシステムズさんがエンジニアの育成を真剣に考えていることが伝わってきました。また、柔軟な働き方を取り入れているのでライフステージや住んでいる場所に関係なく挑戦することができそうです。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社みんなシステムズ:https://minna-systems.co.jp/
採用ページ:https://minna-systems.co.jp/hr/