【未経験から施工管理技士に】株式会社落合組の手厚いOJT&資格取得支援に迫る

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社落合組にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

創業して80年以上の歴史を持つ落合組は、少数精鋭の組織でありながらも年商22億円を達成している建設会社です。本社を構える静岡県菊川市と近隣の自治体において多くの工事を手掛け、地域の信頼を積み重ねてきました。

組織面に目を向けると、未経験者でも着実に成長できる環境が整っており、15名ほどの現場監督のうち2名が未経験からのスタート(2025年1月時点)。ベテラン社員によるOJT(On the Job Training)と充実した資格取得支援制度を二本柱に、一人前の現場監督として活躍できるキャリアパスが確立されています。

今回は、落合組の未経験採用や働き方の特徴について、取締役の落合さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社落合組の取締役である落合さん

株式会社落合組 取締役

落合大泰さん

落合組の組織:未経験からスタートした現場監督も!

株式会社落合組の社員が現場でコミュニケーションをとっている様子

編集部

まずは、御社の組織の特徴についてご紹介いただけますか?

落合さん

未経験入社の社員が多いことが大きな特徴です。2025年3月時点では総勢23名、その中で土木・建築施工管理技士として勤務している現場監督は15名いるのですが、そのうち2名が未経験からスタートしています。

そういった少数精鋭の組織でありながら年商22億円を達成しており、来年の目標は30億円です。何より「人財」を大切にし、未経験の若手社員がのびのびと活躍できる環境づくりによって会社の成長にもつなげていきたいと考えています。

編集部

未経験で入社された若手社員の方の活躍事例をお聞かせいただけますか?

落合さん

例えば2021年に入社した若手社員の場合は、営業代理店出身でコミュニケーション能力が高い点を魅力に感じて採用しました。彼は入社後、ずっとベテラン社員についてOJTで学んできましたが、31歳で今年初めて一人で現場を担当し、施工管理業務を全てしっかりと完結させたんです。最初は小さな改修工事などから始め、入社4年目で一人で責任を持てるレベルまで成長しました。

建設の現場は二つとして同じものがなく、環境も条件も毎回異なります。そのため、分からないことは先輩社員や他の現場担当者に相談しながら進めていく形でしたが、一つの現場を責任者として完遂したのは大きな成長ですね。

編集部

若手が早い段階から一人で現場を任されるというのは、建設業界では珍しいことなのでしょうか?

落合さん

業界全体としては、「責任者になるのは現場で10年修行を積んでから」といった傾向があります。しかし、人材不足や高齢化という業界課題の中で、若手の早期戦力化は避けて通れません。そこで、当社ではしっかりとしたサポート体制を整備することで、入社から数年で現場責任者を任せられるレベルまで育成できています。

もちろん、いきなり大規模な現場を任せるわけではありません。難易度や規模に応じて段階的にステップアップさせていき、小さな成功体験を積み重ねていってもらいます。その間はベテラン社員がバックアップする体制を整えていますので、安心して挑戦できる環境があることも特徴ですね。

「ベテラン社員によるOJT研修」と「資格取得支援」で若手の成長をサポート

株式会社落合組の社員たちが現場で話している様子

編集部

未経験者を含め、若手社員をサポートする制度や取り組みについて詳しく教えてください。

落合さん

当社では「OJT研修」と「資格取得支援」の二本柱で若手のサポートを行っています。

まず、入社後4〜5年はベテラン社員によるOJTで経験を積み重ね、建設業の基礎知識や現場のノウハウを身につけていきます。昭和や平成の時代の建設業ではいきなり一人で現場に立つケースも多かったのですが、当社ではOJTでしっかり基礎を固めてから徐々に責任を任せる方針を取っているんです。

というのも、現場監督はプロジェクトリーダーのような役割で、業者との交渉、工程管理、安全管理など様々な責任を担うため、先輩社員とともに小さな成功体験を積んでからチャレンジするほうが効率的に一人前を目指せると考えられるからです。ちなみに、当社には高い能力と豊富な現場経験を持つ社員が多く、そういった頼もしいメンターからノウハウをしっかりと学べる環境があることも若手の成長を促していると感じますね。

また、社員の資格取得は会社の成長に直結することから、資格取得支援制度も充実させています。教材費から試験費用まで全て会社負担で支援し、合格すれば報奨金も出している形です。未経験の場合は、まずは施工管理技士2級の取得を目指していただき、その後は1級や、様々な分野の資格取得にチャレンジしていきます。

資格を取れば給料アップや裁量拡大につながりますので、意欲の高い社員は自主的に勉強を進めていますね。外部のスクールで講習を受けたり、他の社員から過去問を共有してもらったりして取得を目指すケースが多いです。

落合組の業務効率化施策:各社員にiPad Pro&高スペックPCを支給

株式会社落合組の女性社員がパソコンで勤務している風景

編集部

落合組では、働きやすい環境づくりの一環で「業務効率化」にも注力されていると伺いました。具体的な取り組み内容を教えていただけますか?

落合さん

従来時間がかかっていた作業を効率化するため、社員全員に一人一台iPad Proを支給しています。これにより、iPad1台で写真撮影とデータ管理ができるようになりました。使い方に慣れてもらうために、プライベートでも積極的に使っていただいています。

また、測量においても改革を進めています。従来の測量ではカメラを持つ人が1人と、打ち合わせをする人が2人必要でしたが、自動追尾型の「快測ナビ」という機器の導入によって1人での測量作業が可能になりました。

編集部

社員の意見を参考にして導入された機器もあるのでしょうか。

落合さん

たくさんありますよ。上層部が意思決定をし、現場の従業員に指示を出すトップダウン形式ではなく、現場の声を吸い上げ、現場で本当に必要なものを取り入れることが大切だと考えています。

例えばiPad Proも、社員から「同業他社の現場監督が使っている」との声があって支給を決めました。また、当社では3Dデータに対応した高スペックのゲーミングPCを整備しているのですが、これも他社の監督がそういったPCを使用している様子を見た社員の声がきっかけだったんです。

意見を出しやすい雰囲気が業務効率化に繋がっている

編集部

業務環境を整えて働きやすくするために、現場の声を大切にされているのですね。

落合さん

はい。とても風通しの良い会社で意見が出しやすいですから、それが業務の効率化にも繋がっていますね。

社内には最新の技術や機器が好きな社員もたくさんいますし、関係各社からも情報を集めています。最新の機器を導入すれば業務効率化になることはもちろん、仕事に面白みを持って取り組んでもらいたい想いもあります。

ただ、そういうものに慣れないベテラン社員もいますので、そういった方々には「今までのやり方でもいいですよ」と伝え、一気に変えないようにしています。これまで落合組の企業文化を作ってくださった方々を大切にしたいと思っているので、「最新機器は必要ない」という方には今まで通りのやり方で続けていただいています。

なお、業務に関することもそれ以外も、基本的に先輩に相談しやすい雰囲気がありますね。建設業はどうしても予期せぬトラブルが発生しがちですが、そういった時に一人で抱え込まず、すぐに先輩や同僚に相談できる風土が根付いています。

落合組の福利厚生:長期休暇が取得でき、会員制ホテルも利用可

株式会社落合組の社員たちが業務について話し合っている様子

編集部

ワークライフバランス休暇の取得しやすさについてはいかがでしょうか。

落合さん

何より現場をしっかり収めることが一番大切ではあるものの、それができれば長期休暇もまったく問題なく取得できます。工期の長い現場は半年~1年ほど要しますが、一つの現場が終わり、次の現場に行くまでの間に少し休暇期間があるんです。その期間を使って1週間などまとまったお休みを取ることができます。

ちなみに、当社は福利厚生の一つとして、全国のリゾート地にある会員制ホテルの会員になっているので、休暇中にはそういった保養地でご家族との時間を過ごす方も多いですね。

編集部

休暇の他に、特徴的な福利厚生があればご紹介ください。

落合さん

子どもの父親が生後8週間以内に最大4週間の育休を取得できる「産後パパ育休」制度を導入し、若手社員の育児参加も推進しています。実際の活用事例もあり、今後さらに増やしていきたいです。

また、ご家族の行事や諸事情によって、時間単位の有給休暇も取得できるフレックスな働き方を実現できる環境も整えています。

落合組が求める人材像:学ぶ姿勢&コミュ力がある方

株式会社落合組の現場での勤務風景

編集部

土木・建築施工管理技士の採用にあたり、どのようなことを重視されていますか?

落合さん

未経験でも資格がなくても、人間性を重視した採用を行っているのが一つの特徴です。特に「学ぶ姿勢」と「コミュニケーション能力」に注目しており、分からないことを素直に質問できる姿勢や、現場で職人さんたちと円滑にコミュニケーションを取れるかどうかが重要ですね。

これからの時代に求められるのは、受け身の姿勢ではなく、自ら道を切り拓く力。建設的な思考を持ち、前向きに知恵を絞りながら、柔軟に工夫し、成長を続ける姿こそ、未来の創造につながると考えております。個々の主体性を尊重し、長所を思う存分に発揮できる環境を大切にしています。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

「仕事に面白みを持ってもらう」という言葉に会社の姿勢が凝縮されているように感じます。また、ボトムアップで新しい機器導入に応えている点をはじめ、資格取得サポートや長期休暇の取りやすさなど、未経験で飛び込んでも安心できる要素がそろっている職場環境だと思いました。

株式会社落合組の働き方のまとめ

未経験採用の特徴
  • 現場監督15名中2名が未経験からのスタート
  • OJTと資格取得支援の二本柱で育成
  • 未経験でも数年で現場責任者に成長
  • 資格取得費用は全額会社負担で報奨金あり
若手の成長環境
  • 段階的な責任移譲で着実に成長
  • 先輩に気軽に相談できる文化
  • 異業種経験者の強みを活かせる環境
DX・技術活用
  • 全社員にiPad Proを支給
  • 高スペックゲーミングPCの導入
  • 自動追尾型測量機器の活用
  • 現場提案で最新技術を積極導入
働きやすさ
  • 現場完了後の長期休暇取得が可能
  • 高級リゾート施設の利用制度
  • 産後パパ育休制度の導入
  • 風通しの良い会社風土
求める人物像
  • 学歴より人物重視の採用方針
  • 学ぶ姿勢がある人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • チームワークを大切にできる人

株式会社落合組の基本情報

株式会社落合組の本社外観

企業名 株式会社落合組
住所 静岡県菊川市本所1244
事業内容 菊川市、およびその周辺市町における官庁・民間等の様々な建設工事を施工
設立 1960年11月(創業:1943年4月)
公式ページ https://ochiaigumi.com/
採用ページ https://ochiaigumi.com/saiyou/
募集職種 土木・建築施工管理技士
※未経験も可
※経験者採用の場合は施工管理技士免許、現場経験必須
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。