注目企業の成長を支える要因やエンジニアの働きやすさをインタビューする本企画。今回は、地図検索サービスの「Mapion」と電子チラシサービスの「Shufoo!」を2019年4月に統合した「株式会社ONE COMPATH」をご紹介します。
ワンマイルに寄り添う株式会社ONE COMPATH
株式会社ONE COMPATHは「暮らしに新しい文化を創る」というミッションのもと、ワンマイル(日々の暮らしや身近な人)に寄り添ったオリジナリティの高いサービスを通して、新しい価値を提供しています。
会社名 | 株式会社ONE COMPATH(ワン・コンパス) |
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住所 | 東京都港区芝浦3-19-26 トッパン芝浦ビル |
事業内容 | インターネットサービス事業 |
設立 | 1997年1月20日 |
公式ページ | https://onecompath.com/ |
今回は、 株式会社ONE COMPATHの人事部ゼネラルマネージャーの大橋さん、人事部人事グループの山口さんにお話を聞かせていただきました。
日々の暮らしや身近な人に寄り添う事業を展開
▲株式会社ONE COMPATHの事業イメージ。大きく「買いものエンゲージメント領域」と「移動エンターテイメント領域」にテーマを絞っている
編集部
まず最初に、ONE COMPATHさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
大橋さん
弊社は1997年に凸版印刷株式会社(現TOPPAN株式会社、以下同様)とNTTの共同出資により「株式会社サイバーマップ・ジャパン」として誕生し、日本初のインターネット地図検索サービス「Mapion」を提供してまいりました。2009年にサービス名に合わせ、「株式会社マピオン」へ社名を変更しています。
2019年4月には凸版印刷の電子チラシサービスである「Shufoo!」を事業承継し、社名も「株式会社ONE COMPATH」として新たなスタートを切りました。
ONE COMPATHは「暮らしに新しい文化を創る」というミッションのもと、「買いものエンゲージメント領域」と「移動エンターテイメント領域」の2大領域をテーマに事業を展開しています。
生活者と企業の《買いもの》という接点をつなげる「買いものエンゲージメント領域」では、電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を中心に、1つのプラットフォームで店舗の情報を一括管理する「LocalONE(ローカルワン)」や商品の取り扱い店舗検索などができる「MapionBiz」を展開し、多くの企業にご利用いただいています。
また、日々の《移動》を楽しく価値あるものにする「移動エンターテイメント領域」では、地図検索サービス「Mapion」を中心に、スマホを持って歩くだけで地域名産品が当たるウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」を提供しています。
さらに、「ワンマイル新事業」として、ワンマイル(日々の暮らしや身近な人)の領域でチャレンジングなサービスを創出しているところです。例えば、「U-ROUTE(ユールート)」という自転車のポイ活アプリでは、楽天ポイントさんと提携して、自転車で移動するだけでポイントが獲得できる仕組みになっております。
▲「U-ROUTE」の画面イメージ
総ダウンロード数200万を超える「ゆるい」ヘルスケアアプリ「aruku&」
▲「aruku&」の画面イメージ
編集部
すでにある「Mapion」や「Shufoo!」だけにとどまらず、新しいサービスを生み出しているのですね。「aruku&」は歩くだけで地域名産品が当たるとのことで、とても興味があります。もう少し具体的に伺えますか。
山口さん
「あなたの一歩が、宝にかわる」というコンセプトで2016年から提供を開始し、今年で7年を迎えるウォーキングアプリです。累計で約200万ダウンロードいただいており、大変多くのユーザーに利用いただいています。ゲームアプリで7年というのは長く提供していると思いますが、歩くだけで地域の名産品が当たるという基本的なコンセプトは変えず、デザインやルールを少しずつ変えながら拡大を続けてきました。
他のヘルスケアアプリとの違いとしては、健康無関心層を取り込む「ゆるさ」があります。ターゲットはジムに通ったり健康に気遣ったりする方というより、例えば「健康診断の結果が悪かったから何か始めなきゃ」と思っている、これまで健康にあまり関心がなかった方です。
そうした方に継続して利用いただくために、「aruku&」はゲーム性の高さや楽しい仕組みを満載しており、翌月継続率は80%を超えています。一般的なヘルスケアアプリの翌月継続率は概ね10%前後と言われていますから、これは驚異的な数字と言って差し支えないと考えています。
「aruku&」は法人や自治体にも提供をしており、昨今話題の「健康経営」の一環として、あるいは自治体住民の健康施策としてもご活用いただいております。
コロナ禍でも「aruku&」を中心に順調に成長
編集部
さまざまなサービスを展開し、多くのユーザーを抱える中で、ONE COMPATHさんの社員数や売上についてはいかがでしょうか。
大橋さん
現在は140人ほどですが、毎年新卒も順調に入社しておりますし、中途採用も10〜20人くらいの規模で採用しています。
売上に関しては、コロナ禍の期間は皆さん外出や買いものを控えたこともあり、「Shufoo!」に若干影響が出ました。一方で、近場で体を動かす方が増えてきたのと、健康経営が注目されるようになってきたことで、「aruku&」については法人のお客様も含めて大きく売上を伸ばしてきています。
「aruku&」は3〜4年前と比較してユーザー数が倍になっていますし、現在弊社で最も伸びているサービスですね。
チャレンジしやすい文化が会社の成長を支える
編集部
さまざまなサービスがあり、売上も伸びているということですが、ONE COMPATHさんの強みはなんでしょうか。
大橋さん
ONE COMPATHの強みとしては、「Mapion」が地図検索サービスとして市場の中で優位性があり、その「技術力」や「開発力」がある点、それから集客してユーザーに楽しんでもらう「メディア力」といった基礎力だと考えています。
また、新しいものへのチャレンジについても成功体験があるため、これまでのサービスに誇りを持ちつつも、チャレンジングなことにもある程度自信があったり、新しい技術に貪欲な社員が多い印象があります。特に新しいものを積極的に開発していく環境や文化は、ONE COMPATHになってより強くなりました。
編集部
そうしたチャレンジする文化は、どのように生まれたのでしょうか。
大橋さん
新規事業にチャレンジしていくことは、ONE COMPATHになってからとても意識していることです。POM(Plus One Mile)という新規事業創出プログラムを行うなど、会社としておおいに推奨しているところであり、社内で一丸となって取り組んでいます。
また、若手社員や社歴が浅い社員でも手を挙げたり声を上げたりしやすい雰囲気の環境ですので、そうした点も新しいサービスにチャレンジしやすい理由かなと感じています。
編集部
山口さんは入社して間もないということですが、社内文化についてはいかがですか。
山口さん
私が入社したばかりの当事者としていちばん驚いたのは、どれだけ年次の高い方や年上の方でもフラットに私の意見を聞いてくれるところです。まずは業務を教えることだけに集中するということはなく、「山口さんはどう思いますか?」と必ず訊いてくれますし、「気を遣わず、思ったことをどんどん言っていいよ」と発言を促してくれます。
こうした点が徹底されている文化だからこそ、新しいサービスが世に出しやすいのだと感じました。
エンジニアが挑戦マインドを実行しやすい社内環境
編集部
続いて、エンジニアの方々にフォーカスしてお話を伺えればと思います。社内のエンジニアの比率としてはどれくらいなのでしょうか。また、エンジニアの方の働く環境について教えてください。
大橋さん
エンジニアの比率は概ね40%くらいです。ONE COMPATHではサービスが多いので、さまざまなスキルを持ったエンジニアの方が活躍しています。
CTOが新しい技術に貪欲なこともあり、社内では新しい技術を取り入れたサービスを作るのですが、それが社内で完結できるところが特徴的です。社内でぱっとエンジニアを集めてプロジェクトチームを作って、ぱっと開発をしていくという形で、スピードがかなり速い点は弊社の強みのひとつと言えます。
新しいものや面白そうなものを積極的に取り入れているので、エンジニアのモチベーションも高く保つことができるようです。
山口さん
開発スピードが速かったり自社開発のサービスが多い理由のひとつには、複数の技術を担当できるエンジニアが多いことも挙げられます。アプリもやるしサーバーもやるしというように、一人一芸ではなく二芸三芸みたいな形で、フルスタックエンジニアに近いエンジニアが多いです。
編集部
エンジニアが新しいものや複数の分野にチャレンジしやすい環境になっているのですね。
山口さん
チャレンジすること、つまり挑戦マインドに付随することとして、日々更新されていく先端技術を学ぶという姿勢が全社的にあり、開発競争力の強化につながっています。メタバースなど話題になった技術をテーマに、各人が学んだり仕事に活かしたりして、後からどれだけ成果が出たかを振り返るということを行なっています。
IT業界は知識のアップデートが重要なことですが、ONE COMPATHではそれを体現していると感じますし、弊社ならではの強みだと考えています。
▲外部向け技術勉強会「ONE COMPATH Engineer Meetup」のようす
編集部
エンジニアの挑戦マインドを後押しするものとしては、他にどんなものがありますか。
大橋さん
「テックデイ」という社内勉強会をコンスタントに開催しています。テーマをそれぞれが発案し、エンジニアとして自分の考えを発言したり、他のエンジニアや企画メンバーの意見をインプットあるいは意見交換をしたりする機会となっています。また、自己研鑽のサポートとしてUdemyなど複数のオンライン学習ツールが利用可能で、エンジニアからは好評です。
さらに、長年培ってきた開発技術のノウハウや新しい技術を活用した最新事例を積極的に発信するべく、ITエンジニアやITエンジニアを志望する学生・求職者に向けたイベント「ONE COMPATH Engineer Meetup」を開催しています。
シャイな性格のエンジニアが多いことから、登壇者は2Dや3Dのアバターに扮してプレゼンをしています(笑)。プレゼンの場としてメタバース空間で実施しており、このミートアップ自体も最新技術を取り入れるように創意工夫を凝らしながら実施しています。
社会貢献性の高さが入社の決め手
編集部
エンジニアの方がONE COMPATHさんに入社して感じたことなどの声があれば教えていただけますでしょうか。
大橋さん
エンジニア視点でよく聞く声としては、ONE COMPATHへの入社の決め手は社会貢献性が高いという点です。日々の暮らしや自分や家族、大切な人に寄り添うサービスを提供できるところにロイヤリティを感じている方が多いようです。
また社内環境が良いという声も聞かれます。穏やかな社員が多く、仲間意識を持って仕事をする人が多いので、心理的安全性を担保されている中で挑戦マインドに前向きに取り組めるのだと思います。
編集部
自分の意見が大切にされるという確信がないと、なかなか挑戦の一歩は踏み出せないですね。そのあたりが担保されていて、安心して力を発揮する環境が醸成されているのですね。
ONE COMPATHが求める人材は「当事者意識」のある方
編集部
最後に採用について伺えればと思います。ONE COMPATHさんではどのような方がフィットするとお考えですか。
山口さん
当事者意識のある方です。弊社でも求める人材として掲げているところではありますし、実際にそのような社員がとても多いと感じます。自分の担当の仕事だけに集中するのではなく、会社全体の事業発展や一緒に働く仲間の働きやすさなど、周囲にも目を向けながらしっかり考えて、自分から発信したり行動したりということを自然にできる方が弊社にはフィットしますし、活躍しやすいと思います。
編集部
当事者意識を持って自ら行動できる人ですね。大橋さんはいかがですか。
大橋さん
山口さんが「会社や仲間に寄り添う」という視点で話してくれたので、私は「個人の成長力」に着目してみたいと思います。ONE COMPATHでは、自分自身のキャリアの成長と会社の成長をリンクできる方が経済的にもリソース的にも会社からのサポートが得やすいと考えています。
弊社はTOPPANグループという安定感はありつつ、ITベンチャーのスピード感もあります。新しいことにチャレンジしたい方やキャリア構築を進めたい方にとっては、ご自身にとっても会社にとってもWin-Winの関係で働きやすい環境だと思います。
編集部
安心して働ける環境に満足してしまうのではなく、充実したサポート体制の中で自身のキャリアを成長させることで、結果的に会社も成長させる。そうした思いを持つ方が活躍できるということですね。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ONE COMPATH:https://onecompath.com/
採用ページ:https://onecompath.com/recruit/engineer/index.html