若手社員の活躍の背景にある企業の取り組みや働き方を紹介するこの企画。今回はベストプラクティスとプロセスオートメーション技術により、日本企業の生産性、人材不足問題を解決する新しい概念の統合基幹システム「RobotERP®ツバイソ」を開発するツバイソ株式会社を取材しました。
ツバイソ株式会社:RobotERP®技術で日本企業の生産性向上と人材不足解消に挑戦
ツバイソ株式会社は、RobotERP®技術により「RobotERP®ツバイソ」を開発するテクノロジー企業です。RobotERP®ツバイソ事業は、2006年からグループ会社でスタートし、2015年1月にツバイソ株式会社を設立。その後、ツバイソ事業に経営資源を集中投下し、事業を拡大させています。
同社が開発した統合基幹システム「RobotERP®ツバイソ」は、革新的な統合基幹業務プラットフォームとして注目を集め、企業の生産性向上に特化したERP製品として高い評価を得ています。会計、業務、内部統制、ITに精通したコンサルタントが、企業が抱える課題を体系的なノウハウに基づいて開発したパッケージシステムと、運用改善、カスタマイズにより、効果的に解決へと導きます。
会社名 | ツバイソ株式会社 |
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住所 | 東京都渋谷区幡ヶ谷2-6-5 梅村ビル幡ヶ谷6階 |
事業内容 |
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設立 | 2015年1月(ブルドッグウォータ株式会社のツバイソ事業を会社分割により設立) |
公式ページ | https://tsubaiso.jp/ |
働き方 | フルリモートワーク |
多くの日本企業が直面する生産性向上や人材不足の本質的問題を、個別対応ではなく体系的なノウハウと技術に基づく仕組みで解決することをミッションとするツバイソ株式会社は、平均年齢30代の先進的な技術集団です。20代の若手社員も活躍する同社の人材育成やワークライフバランスの取り組みについて、取締役の地主晋弥さんにお話を伺いました。
RobotERP®ツバイソ:自律的運用を実現する革新的統合基幹システム
編集部
ツバイソさんのメイン事業「RobotERP®ツバイソ」は、グループ会社でスタートして現在に至っていると伺っております。現在の御社との関係性や沿革についてお聞かせください。
地主さん
当社の設立は、グループ会社のブルドッグウォータが2006年にクラウドコンピューティングやSaaSという言葉がまだ日本では普及していない時期に、「ruby on rails」を使用してクラウドネイティブの統合基幹システム(ERP)を開発し、「ツバイソ事業」を開始したことがルーツとなります。
その後、基幹システム「ツバイソ」の成長を加速させることを目的に、ブルドッグウォータから会社分割という形で、2015年1月にツバイソ株式会社を設立しました。現在は2社でグループ経営を行っています。
編集部
なるほど。分社化後、ツバイソ事業はどのように発展していったのでしょう。
地主さん
分社化後、ベストプラクティスとプロセスオートメーション技術により機能を拡充した「RobotERP®ツバイソ」は、他のERPと大きく差別化され、お客様から高い評価をいただいています。日々進化する最新テクノロジーも継続的に取り入れ、業界をリードしていると自負しています。
「RobotERP®ツバイソ」を導入することで、販売、購買、制作などのプロセスに加え、配員・工数管理、取引先管理、与信管理、原価計算、管理会計、予測、債権債務管理、財務会計、ワークフロー、電子取引(WEB-EDI)など、あらゆる基幹業務プロセスをベストプラクティスに基づいて改善、統合、一元化できます。これにより高い生産性向上を実現し、今後日本でますます深刻になる人手不足の解消に大きく貢献できると考えています。
RobotERP®ツバイソの強み:高度な管理会計機能と柔軟なカスタマイズ性
編集部
統合基幹システム「RobotERP®ツバイソ」は、「ITreview Grid Award(※)」のERPパッケージ部門で、13期連続でアワード受賞という快挙を成し遂げられたと伺っております。システムの優位性や、評価のポイントについてお聞かせいただけますでしょうか。
(※)ITreview Grid Award:アイティクラウド株式会社が運営するITreviewに投稿されたレビューをもとに四半期に一度ユーザーに支持された製品を表彰するアワード
地主さん
強みとして挙げられるのは、まず管理会計機能の充実度です。企業は、実行した経営戦略についてマーケットからの評価を管理会計を用いて分析します。しかし、管理会計の理論体系に基づいて、詳細で多次元な分析を行い、さらに将来の予測値を自動的に生成することは非常に難しく、多くの企業の課題でした。
「RobotERP®ツバイソ」は、社員が通常の業務を行うだけで、システムがバックグラウンドで自動的に管理会計の数字を生成します。また、単にシステム化するだけでなく、効果的な管理会計を生成するためのノウハウも提供しています。これらが高い評価につながっていると考えています。
もう1点の強みが拡張性です。Salesforceプラットフォームを含む「RobotERP®ツバイソ」は、ノーコードやローコードで顧客固有のカスタマイズや自動化を実現できます。多くの企業に有用なベストプラクティスで経営の基盤を固めつつ、各企業の特性に合わせた細かなカスタマイズや機能拡張が可能です。
編集部
なるほど。既存のERPシステムを超える管理会計機能の新規性と、ベストプラクティスと企業ごとの機能へのフィットというジレンマを、「RobotERP®ツバイソ」は解決できるということですね。
若手中心の組織:30代平均年齢で全プロセスを経験し急成長
編集部
著名なアワードを13期連続で受賞するなど、成長著しいツバイソさんですが、現在、どのような組織構成で、どのような役割のメンバーが在籍されているのでしょう。平均年齢と合わせてお聞かせいただけますでしょうか。
地主さん
コンサル部門、システム開発・運用部門、管理部門で構成されています。平均年齢は30代となっており、20代の若手のコンサルタントやエンジニアも多く活躍しています。
編集部
ツバイソさんの若手社員が活躍できる理由とはどこにあると思われますか?
地主さん
基幹システムの導入プロジェクトは、非常に難易度が高く、業界経験、職種経験の長い人材がプロジェクトの主力メンバーとして求められることが一般的です。
その理由はさまざまありますが、例えば、大企業向けのERPの場合、ビジネス要件が複雑で機能追加をすることが多くなります。すると、必然的にプロジェクト規模が大きくなり、数十人、数百人といった関係者がいることも少なくありません。
このような場合、開発する機能範囲や利用モジュールごとに担当が割り振られるため、専門性が特定の領域に偏り、若手がプロジェクト全体に関わることは難しくなります。これに対し、中小・中堅企業を主なターゲットとしている当社はプロジェクト規模が平均的に小さいため、最初からプロジェクト全般を経験することができます。
編集部
なるほど。プロジェクトが小規模だからこそ、若手社員は上流から下流まで、全てのプロセスに携わりながら、専門性の高いスキルを身につけられるというわけですね。
体系的な製品理解を促進する充実の研修プログラム
編集部
御社が提供する統合基幹システム「RobotERP®ツバイソ」は、コンサルティングやシステムエンジニアリングのスキルに加え、ビジネスプロセスや内部統制、会計などの知識も必要になると思われます。そのようなスキルはどのように身につけることができるのでしょうか。
地主さん
当社が提供しているプロダクトへの理解を通して、体系的に重要性の高い専門領域のスキルを早く習得することができます。この環境が、若手社員が活躍しやすい基盤になっていると考えています。
当社のERP関連商品のラインナップが充実してきたことで、最近は半年以内で完了するプロジェクトが増えています。標準機能のみでERPをご利用いただく企業様の場合、導入支援がなくても運用が可能です。そこで当社が力を入れているのが、プロダクトを理解するためのマニュアルやチュートリアルなどのコンテンツの充実です。
研修時にもこれらのコンテンツを活用し、理解度テストを実施しながらプロダクトの全体像を把握することに早くから取り組んでいます。さらに、コンテンツ制作のプロジェクトに参加したり、製品テストを通じて機能やプロセスの理解を深める機会も設けています。
早期登用の実践:入社1年以内の若手がリーダーとして活躍
編集部
若手社員の活躍を表す、具体的なエピソードがあればぜひお聞きしたいです。
地主さん
入社1年以内の20代のメンバー2名のエピソードをお話しします。
1人目は、キャリア採用の社員です。上場企業のプロジェクトに参加し、稼働前の重要なデータ移行作業を担当しました。経験豊富なメンバーの指導のもと、メインメンバーとしてタスクを完遂しました。
前職はSESでしたが、現場で実務経験を積みたいという意欲から当社に入社し、その前向きな姿勢が急速な成長につながりました。
2人目は、新卒でSIerに入社後、2年程度の経験を経て当社に転職した社員です。最近始まったソフトウェア開発企業のプロジェクトでは、実質的なリーダーとして進捗管理やミーティングの進行を任せています。
編集部
入社1年以内の若手社員が実質的にリーダーとして活躍しているように、ツバイソさんでは若手にどんどん責任あるポジションを任せていく方針なのでしょうか?
地主さん
はい、その通りです。例えば、コンサル部門ではプロジェクトの増加に伴い、マネジメントや進行を担当できるリーダークラスの人材が必要になっています。
私が責任者を務める開発部門では、チームを取りまとめる人材が不足していたため、入社1年の20代前半の若手エンジニアをシニアクラスのポジションに抜擢しました。この社員はマネジメントの資質があると判断しました。
当社はまだ小規模な組織のため、責任あるポジションが空いていることも、成長意欲の高い社員にとって魅力的な環境だと考えています。
編集部
稼働前から実際の運用まで一貫してプロジェクトに携われるツバイソさんの業務は、若手にとって非常に魅力的であり、やりがいにもつながっていると感じました。
Salesforce認定資格の早期取得:顧客信頼とプロ意識の醸成
編集部
先ほど伺ったキャリア採用の3名の社員も含め、ツバイソさんにジョインしたメンバーから率直な感想など、地主さんの耳に届いていることがあればお聞かせいただけますでしょうか。
地主さん
毎月面談を行っていますが、社員の方々からは入社前と後でのギャップはないと聞いており、楽しみながら業務に取り組んでいるように感じます。
当社の製品はSalesforce上で提供しているため、Salesforce社の認定資格の取得を会社からも推奨しています。実際に、入社数ヶ月で合格する社員もおり、資格学習に対する積極性には頼もしさを感じます。この資格は社外でも認知度が高く、スキル保有の裏付けとなります。コンサルタントやエンジニアとしてお客様から信頼を得るための重要なツールの一つです。
このような資格取得はキャリア形成にもつながり、プロフェッショナルとして仕事をする上で自信にもなると考えています。
フルリモートワークの実現:オンラインツールを駆使した新しいビジネススタイル
編集部
続いて、ツバイソさんのワークライフバランスへの取り組みについて伺います。御社の勤務スタイルはどのようになっているのでしょうか。
地主さん
ほぼ全ての社員が在宅勤務となっています。管理部門に関しては月に2回ほど郵便物の対応で出社することがありますが、それ以外の全ての業務はフルリモートワークができる環境を整えています。
地主さん
このような体制になったのはコロナ禍がきっかけではありましたが、コロナ禍以前に外国籍のエンジニアを採用した際、自国への帰国の際にリモートワークをしたいという要望を受け、一部の開発部門に関してはリモートワークを導入していました。結果、在宅でも業務に支障がないことがわかり、現在は全面的にリモートワークに切り替えています。
編集部
ミーティングや顧客との打ち合わせも、基本的には全てリモートで行っているのでしょうか?
地主さん
コンサルチーム、開発チーム、管理部門など、チームごとに常設のWeb会議室を用意しており、以前の出社勤務同様、いつでも関係者と口頭で会話ができる環境で業務にあたっています。
お客様に関してもリモートワークでの対応を前提としており、オンラインツールを活用することで全国のお客様に対してサービス提供が可能となりました。
編集部
フルリモートワークの場合、業務の進捗具合やタスク管理などはどのような工夫をされているのでしょう。
地主さん
オンラインのコミュニケーションに加えて、各自が集中を切らすことなく個々のタスクに取り組めるよう、タスク管理ツールやチャットツールなど、さまざまなビジネスアプリケーションを活用してテキストベースのコミュニケーションも積極的に図っています。
地域を問わない採用:全国からのジョインで多様な人材が活躍
編集部
フルリモートワークを導入されているツバイソさんでは、クライアントと同様に、求職者も全国から応募可能なのでしょうか。
地主さん
はい、その通りです。社員は全国どこにいても勤務可能なので、居住地の制限がなく、全国からの入社が可能です。採用もリモートで行っているため、実際に対面で会っていないメンバーも増えています。現在の社員の居住地を見ると、宮崎や富山などの地方都市はもちろん、以前は中国・上海在住のメンバーを採用したこともあり、現在も台湾在住の社員がいます。
編集部
日本全国はもとより、世界中から入社できる環境は、自分らしくキャリアを磨くことができる、素晴らしい機会ですね。
実践的インターンシップ:ビジネスの最前線で活躍できる人材育成
編集部
次に、インターンシップ制度について伺います。ツバイソさんではブルドッグウォータさんと合同でインターン生を受け入れていると伺っております。インターン生を受け入れるに至った背景についてお聞かせいただけますでしょうか。
地主さん
当社では、社員個々の優れたパフォーマンスだけでなく、チームとしての高いパフォーマンスを重視しています。インターン生を社員がアシスタントとして教育・指導することで、チームとしての仕事の仕方、マネジメントの力を伸ばすことを目的にインターンシップ制度を導入しました。これは当社のバリューにも明確に表れています。
■ツバイソ株式会社のバリューはこちら!
https://tsubaiso.jp/company/corporate-philosophy.html
インターン生には、入社時に目標をヒアリングし、それに沿った経験ができるよう支援しています。主にアプリケーション開発や製品テストなどの業務を担当していただき、その成果と目標の振り返りをインターンレポートとしてブログで発信しています。
■ツバイソ株式会社のインターンレポートはこちら!
https://tsubaiso.jp/news/internship/
編集部
ブログを拝読すると、マニュアル制作やテストなど、インターン生でもしっかり業務に関わっていることが伺えます。単なるお仕事体験ではなく、責任ある業務をインターン生に任せるのはどのような狙いがあるのでしょう。
地主さん
当社のビジネスは会計、内部統制、ITの活用が重要であり、これらの専門性で勝負しています。これらの分野はビジネスパーソンとして極めて汎用性の高いスキルが求められるため、学生のうちからこのような業務に関わることは、キャリア形成に非常に有益であると考えます。
優秀な学生は純粋に戦力として貢献してくれることも期待できますが、ビジネスの第一線で活躍できるプロフェッショナルな人材を育成することは、社会貢献としても大きな意義があります。将来、このような学生たちと何らかの形で一緒にビジネスができることは、当社としても喜ばしいことです。
SIKUMI化された業務環境:インターン生の活躍を支援する仕組み作り
編集部
ツバイソさんのインターンシップに参加する方の特徴と、インターン生への支援について教えてください。
地主さん
学生を含め、優秀で意欲的な方が多いですね。中には仕事効率向上のために自ら資格取得にチャレンジする方もいます。そういった方々には、資格取得に必要な費用を当社で支援しています。また、Salesforce社が提供する無料のオンライン学習「Trailhead」の受講を推奨したり、ツバイソ製品の理解度テストの結果に応じて仕事を任せるなど、段階的な育成を行っています。
当社は"「SIKUMI」で「?(はてな)」を「!(かんたん)」にする"をミッションに掲げています。これは、世の中でまだ解決できていない問題や課題、あるいは問題として認識されていないことに対し、「SIKUMI(しくみ)」を生み出して解決することを目指すという意味です。このミッションに基づき、仕事の仕組み化や標準化を徹底し、「誰がやってもできるようにしよう」を合言葉に取り組んでいます。
そのため、インターン生でもスムーズに仕事ができるよう、作業手順をリスト化し、チェックしながら進められるようにしています。このようなプロセスを通じて、インターン生も自然と必要なスキルや効率的な仕事の進め方を身につけることができます。
求める人材像:技術力とマネジメント力の向上に意欲的な方を歓迎
編集部
若手が活躍できるツバイソさんの職場環境や、居住地を限定しないフルリモートワークに興味を持った読者は多いと思います。最後に、転職を検討している読者に向けて、御社にフィットする人材や求める人物像など、採用に関するメッセージをお願いします。
地主さん
私自身、学生時代に業務管理がビジネスのプロセスと密接に関わっていることを知っていれば、もっと早い段階でキャリア形成におけるステップアップができたのではないかと考えることがあります。そのため、当社の業務を若い方に経験してもらうことは、将来のキャリアに必ず役立つはずです。
そのようなチャンスを仕事を通して提供できるのがツバイソという会社です。ここで培った経験を当社内で活かしていただくことはもちろん、インターンシップなどを通してプロフェッショナルを目指す人材のスキルアップにも貢献していきたいと考えています。
編集部
仕事の進め方やマネジメントも含め、プロジェクトの全体像を実践で学ぶことができるツバイソさんは、未来を担うコンサルタントやエンジニアにとって、理想の環境であることを今回の取材を通して実感しました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
ツバイソ株式会社:https://tsubaiso.jp/
採用ページ:https://tsubaiso.jp/recruit/