サントリーウエルネス株式会社のカルチャーに迫る。社員の挑戦を支える会社の協力体制とは

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、サントリーウエルネス株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

同社はサントリーホールディングスが100%出資している企業で、ヒット商品「セサミンEX」をはじめとする健康食品や美容商品を手掛けています。社員はホールディングス籍で、125年以上の酒類・飲料の研究開発の歴史で培われた「やってみなはれ」精神を色濃く受け継いでいます。

また、健康食品の分野では40年以上にわたる研究開発の歴史に裏打ちされた品質へのこだわりが特徴的です。昨今では商品だけでなく、健康行動促進アプリ「Comado(コマド)」といったサービスもあわせて提供し、顧客のウエルネスライフにトータルに貢献することにも挑戦しています。それを背景に、中途採用比率が約4割と高く、グループ内での異動機会も豊富なため、転職者のキャリア形成の可能性も広がっています。

今回は、サントリーウエルネスの企業文化やキャリアパスなどについて、人財組織グループ部長の小山さんとサービス事業部課長の小林さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
サントリーウエルネス株式会社の小山さん

小山 正嗣さん

サントリーウエルネス株式会社の経営企画本部部長として、採用や組織開発、人事領域などを担当している。

サントリーウエルネス株式会社の小林さん

小林 俊太郎さん

サントリーウエルネス株式会社のサービス推進部課長。新卒で大手人材紹介会社に入社し、2022年5月にサントリーホールディングスにジョイン。現在はサントリーウエルネスのDX分野において新規サービス開発等を手掛けている。

サントリーウエルネスのカルチャー:「やってみなはれ」精神が浸透

サントリーウエルネス株式会社の小林さん
▲取材にご対応いただいた小林さん

編集部

まず、2022年に中途採用で入社した小林さんから、サントリーウエルネスで働いていて率直に感じる魅力をお教えいただけますか?

小林さん

サントリー創業者の「やってみなはれ」精神が強く根付いているのか、チャレンジを推奨するし、チャレンジする人を全力で支える風土があることはすごく魅力的です。実際に、「やってみなはれ」という言葉も社員の口から頻繁に出てきますよ。

象徴する出来事としては、私が入社して1〜2ヶ月くらいのことが思い浮かびます。サントリーウエルネスにも商品の購入や日々の健康活動でポイントが貯まる制度があったほうが良いと感じていたので、経営層に対して導入を提案したんです。

難しい挑戦でしたし、経営層からすると、採用時に面接はしているものの転職してきたばかりの社員からの提案にすぎなかったはずですが、それにもかかわらず「全力でやろう」と言ってもらえました。すごく懐の広い会社だなと感じましたね。

しかも、意思決定の後は社長・役員クラスがすぐにプロジェクトを自分ごととして捉えていたことにも驚きました。役職にかかわらず同じ目的に向かう仲間として、機能面の議論から進捗管理まで一緒になって進めていくんです。

編集部

歴史ある企業文化が、飾りごとではなく社内に浸透しているんですね。その他に挙げるとすればどんな点がありますか?

小林さん

品質に対するこだわりについては、この会社ならではだと感じましたね。

サントリー本体が創業してぶどう酒の販売を始めたのが1899年と、口に含めるものの販売・研究を100年以上手掛けているだけに、本当に胸を張って世に出せる商品なのかどうかをとことん追求する姿勢が確立されています。

サントリーウエルネス株式会社の商品の一部▲代表的な商品の数々。サントリーが長年にわたり研究・開発してきた成果が商品に結実している

小林さん

ITサービスやWebプロダクトであれば、リリース段階のクオリティを追い求めるというよりは、スピード感を大事にして、品質はリリース後に改善するという考え方もあります。一方で、サントリーでは商品リリース時の品質や安全性を非常に重視しているので、サントリーならではのサービス開発やその品質への考え方は手探りで進めてきたところはありますね。

例えば、サントリーウェルネスでは自社の「生命科学研究所」でライフサイエンス分野の研究開発を行っているのですが、私が携わっているお客様の日頃の健康行動を促進するアプリ「Comado」でお客様にお届けしている情報も、研究所が過去の論文と照らし合わせた上でミスリードすることがないよう発信しているんです。お客様に届く情報にもこだわりがあるのは、私たちの特徴であり強みだと思います。

プロジェクト立ち上げから1ヶ月で協力体制が構築される!

サントリーウエルネス株式会社の小山さんと小林さん

編集部

小林さんの入社後の業務についてもお教えいただけますか?

小林さん

私は、お客様とできるだけ長くお付き合いさせていただき、本当の意味でウエルネスライフに貢献できるようにするために、サービスを強化するというミッションを持って着任し、さまざまな新しいプロジェクトの立ち上げに携わってきました。

最初に起案したのは先ほどお伝えした「サントリーウエルネスクラブ」というポイントが貯められる会員制度で、その他には会員様向けの健康行動促進アプリ「Comado」の開発にも大きく関わりました。現在、サービス推進部の課長という役職で、同部署だと約15人、その他のプロジェクトを含めると30〜40人をマネジメントしています。

編集部

印象に残っているエピソードはあるでしょうか。

小林さん

私が担当してきたのは既存のビジネスに新しい仕組みを埋め込んでいく、難易度が高いプロジェクトで、特にポイントの仕組みを実用化するまでには2年半くらいかかることも覚悟していました。でも、最初に数人で立ち上げた後、1ヶ月くらいで全社を巻き込んだ協力体制が構築されたんです。

結果、制度を作り上げていくのに必要な課題であったり、留意すべきポイントなどが、1〜2週間で数百個集まってきました。プロジェクトメンバーだけでは絶対にこのスピード感は出せませんでしたね。

しかも、集まった情報に対して問い合わせると、社員から「ここも見といたほうがいいよ」「これなら◯◯さんが詳しいから聞いてみたら」などと非常に手厚くサポートしてくれる。会社にとって初めてのチャレンジだからということもあるかもしれませんが、圧倒的な協力体制を肌で感じたとき、このプロジェクトはうまくいくなと思いました。

グループ全体で人を大事にする。新入社員に「教えたがる」人が多い

サントリーウエルネス株式会社の小山さん
▲取材にご対応いただいた小山さん

編集部

経営企画本部部長で、人財組織グループなどをマネジメントしている小山さんからも、御社の特徴的なカルチャーについてお聞きしたいです。

小山さん

小林がお話しした、挑戦を重んじる風土については私も同感です。サントリーウエルネスは、グループ全体の中でも比較的ベンチャー気質が強くて、新しいプロダクト開発に力を入れて取り組んできた会社なので、よりそう感じるのかもしれません。

それ以外だと、サントリー全体に共通する要素ではありますが「人」を大事にするところは特徴的だと思いますね。実業務においてもお互いを尊重しながらチームで働くということを重視しているほか、創業から今に至るまで中長期で人を育てるということを大事にしているんです。

実際、二代目社長の佐治敬三は「人を育てるということはウイスキーの原酒と同じ。原酒が若いうちは思ったように熟成しなくても、しばらく寝かせて栓を開けると想像もしないような素晴らしい酒になっていることもある。人も同様に長い目で見なければならない」という趣旨の言葉を当時の人事に伝えています。

各部署を見ていても、新入社員が入ってくるとOJTを担当する社員以外にもみんなが教えたがっていて部門全体で育てている印象です(笑)。その結果、支えられて長いキャリアを歩み成長した社員が次の世代を教えるというように、良い循環が自然とできているのでしょうね。

キャリアパス:ジョブローテーションで会社・部門を横断した異動も

サントリーウエルネス株式会社の小山さんと小林さん

編集部

若手の転職検討者が気になる点として、入社後のキャリアパスが挙げられると思います。サントリーグループの中で異動するようなこともあるのでしょうか?

小山さん

はい。さまざまな経験を積むことで成長を導くという考え方があるので、プロパーも中途採用の方も共通して事業・部門を横断したジョブローテーションを推奨しています。

例えば、サントリーウエルネスに配属となった後、数年後に本社で飲料事業を担当し、その経験をまた別のグループ企業で活かすようなことも十分に考えられますね。

編集部

異動はどのようにして決定されるのかが気になります。本人の意志も反映されますか?

小山さん

要望が100%叶うわけではありませんが、キャリアの話をする機会は豊富にあるので、そこで意志を伝えることが可能です。

サントリーおよびサントリーウエルネスでは、年1回「キャリアビジョン」面談を実施しています。これは本人・上司が中長期のキャリアについて真剣に話し合い、そこから逆算して今後の成長やキャリアパスを考えていく場です。その内容はすべて人事部に共有され、人事部はそれを年2回の定期異動等に活かしています。自分の意志を伝える場はしっかりと用意されています。

編集部

小林さんは、面談などの場面で自身のキャリアについてどんな希望を伝えていますか?

小林さん

未来のお客様やサントリーにとって、本当にこのサービスや仕組みがあって良かったと思えるようなプロジェクトの立ち上げを担っていきたいということは話していますね。

自分たちが手掛けてきたデジタル・DX分野でのプロジェクトは、グループを横断して関わっていけるものだと感じています。だからこそ自分たちで環境を作っていって、さらにインパクトの大きい事業に携わりたいです。

なお、サントリーウエルネスにはかなりオープンな文化があって、多事業と意見交換することも多いんです。その中でプロジェクトの種が生まれることもあって、例えば「Comado」もサントリーの他事業と連携するような話が出てきています。なので、私にとってキャリアの目標が叶えやすい環境だといえるかもしれません。

社内イベント:全社員でキャンプを実施し、ビジョンについて熱く語り合う

サントリーウエルネスの社員で行ったキャンプのようす
▲サントリーウエルネスの社員のキャンプ風景

編集部

社内でのコミュニケーションを深めるような機会はあるのでしょうか?

小山さん

社員全員でキャンプに行っています。2024年は富士山の見えるキャンプ場で、サントリーウエルネスのビジョンなどについて熱く話し合いました。

研究開発、マーケティング、経営企画など全ての部門のメンバーがいくつかのチームに分かれて一緒になって対話します。普段と違う場所・違う社員と交流することで新しい気付きも生まれているようです。

サントリーウエルネスは近年中途採用が増えているので、このようなインナーコミュニケーションの機会、一体感を創出していけるような施策をもっと増やしていきたいと考えています。

年末には表彰イベントを実施。社員のモチベーションアップにつながっている

編集部

その他に、特徴的なイベントは実施されているでしょうか?

小山さん

サントリーウエルネスでは、年末に「Suntory Wellness AWARDs」という社内イベントを開催しています。その年に素晴らしい成果を残した社員やチームの努力をみんなで称えて表彰するのが目的で、エントリーした担当チームが自ら手掛けた仕事についてプレゼンして、投票制で決定します。

このイベントも大事なインナーコミュニケーションの機会ですし、社員のモチベーションアップにもつながっています。ちなみに、開催場所として六本木にあるサントリーホールを使用できているのは当社ならではですね。

編集部

2024年末のアワードでは、どんな方が受賞されたのでしょうか。

小林さん

このときは、ウエルネスの商品を定期購入いただいている方に向けた会報誌「美感遊創」のリニューアルを手掛けた社員がグランプリを受賞しました。

この会報誌は、商品を定期購入いただいているお客様に同梱してお送りしているもので、当社のメインターゲットであるシニア層のお客様にとっては紙媒体のほうが馴染みがあるので、すごく楽しみにしてくださっている人も多いんです。

リニューアルでは、コストを抑えながらもお客様の満足度を上げたことや、冊子を通してお客様とのコミュニケーションの質を引き上げたことが評価されましたね。一方通行で情報を伝えるだけではなく、次の企画立案につなげるなど、CRM(顧客関係管理)の面からもビジネス上の可能性を作ってくれたと感じています。

サントリーウエルネスの採用方針:挑戦する姿勢や誠実さを重視

オフィスエントランスに立つサントリーウエルネス株式会社の小山さんと小林さん

編集部

サントリーウエルネスの採用方針として、スキルや経歴を除き、大事にしているポイントはありますか?

小山さん

冒頭でお伝えしたとおり、この会社にはチャレンジする姿勢が根底にあるので、新しい取り組みに対して抵抗感なく前向きに行動できるかどうかは重視しています。

特にウエルネス事業は、小林が担当したようなデジタル領域にもグループ内でいち早く着手してきたので、なおさら挑戦する姿勢が求められますね。

あとは、当社ではグループの他事業と比較してお客様と直接コミュニケーションを取り、向き合う機会が多いため、一人ひとりのお客様に真摯に向き合う誠実な人柄・姿勢も大事な要素です。

編集部

採用に関するトピックはあるでしょうか?

小山さん

当社の特徴でいうと、事業の成長に伴い、2020年以降に社員を急激に増やしたため、中途採用の比率がグループ内でもおそらく一番高いことが挙げられます。だからこそ、先ほどお伝えしたように社内の一体感をつくるような施策に力を入れているんです。

編集部

転職される方が御社を選ぶ理由としては、どのようなものが多いですか?

小山さん

手前味噌ではありますが、面接の場面やカジュアル面談を通して「一緒に働きたいと思った」とおっしゃっていただけることは多いです。転職エージェントの方からも、社風や雰囲気が入社の決め手だったと聞くことは結構ありますね。

小山さん・小林さんから転職検討者へのメッセージ

編集部

最後に、サントリーウエルネスに興味を持った転職検討者にメッセージをお願いいたします。

小山さん

私たちは、「ひとりひとりの『生きる』を輝かせる~体と肌と心のつながりを通じて~」というミッションを掲げています。これはもちろんお客様のことでもあるのですが、私の立場から言うと社員個人が輝いていないと達成することはできないと考えています。

ミッションに共感しながら、ウエルネス事業に誇りを持ってモチベーション高く働いていただける方には、充実した日々を送っていただけるのではないかと思います。

小林さん

前職の在職中のとき、私はこの会社を普通の健康食品メーカーだと思っていたんですね。でも、採用時にいろいろな人に話を聞いて感じたのは「本当にお客様の健康に真剣に向き合っている」ということでした。

単に健康食品や美容商品を提供することだけでなく、シニア層を中心としたお客様の豊かな生活全体に貢献していきたいという大きなビジョンがあって、すごく面白そうだと感じました。元々、健康のように人間にとって本質的なテーマに関する仕事がしたいという想いがあったので、実際に働いていて本当に楽しいです。

大きなビジョンとチャレンジできる環境の中でやりがいを持って働きたいという方は、この会社が向いていると思います。ぜひ一緒に働きましょう!

編集部

小山さん、小林さん、本日はありがとうございました!

サントリーウエルネス株式会社の働き方のまとめ

社風
  • 「やってみなはれ」精神が根付く
  • チャレンジを全力でサポート
  • 品質へのこだわりが強い
  • 人を大切にする文化
仕事の特徴
  • 新規事業の立ち上げに積極的
  • 全社的な協力体制が整っている
  • 顧客と直接向き合う機会が多い
キャリアパス
  • グループ間の異動あり
  • 年1回のキャリアビジョン面談
  • 本人の希望を考慮
社内文化
  • 新入社員への手厚いサポート
  • 部門を超えた意見交換が活発
  • 全社キャンプなどの交流行事
  • 年末の表彰制度あり
採用の特徴
  • 中途採用比率が約4割
  • 挑戦する姿勢を重視
  • 顧客志向の高さを評価

サントリーウエルネス株式会社の基本情報

企業名 サントリーウエルネス株式会社
住所 東京都港区台場二丁目3番3号
事業内容 健康関連事業
設立 2009年4月
※サントリー本体がホールディングス体制に移行する際に、健康関連事業を担当する形で設立された
公式ページ https://www.suntory-kenko.com/
採用ページ https://www.suntory.co.jp/recruit/
募集職種 マーケティング、DX、生産研究など
※事業戦略にあわせて随時変更
取材・編集
保科有伽のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

保科 有伽

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、サッポロビールやYahoo! JAPAN、キヤノンマーケティングジャパンなど、これまでに約500件の取材を実施。人事・採用の現場で15年以上の経験を持ち、国家資格キャリアコンサルタント、有料職業紹介責任者、メンタルヘルスマネジメントII種などの資格を有す専門家。