ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、高橋カーテンウォール工業株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
高橋カーテンウォール工業は、主に高層建物の外装材として利用されるPCカーテンウォール(※)分野において国内No.1のシェアを誇ります。1951年創業の老舗企業で、1990年に東京店頭市場(現東証スタンダード市場)に上場。設計から製造、取り付けまでを一貫して行う高い技術力が強みで、東京都庁やスカイツリーといった誰もが知る有名建築物も多数手がけています。
(※)PCカーテンウォール:内部と外部の空間をカーテンのように仕切る、建築構造上取り外し可能なコンクリート製の外壁のこと。耐震性に優れる、高いデザイン性を誇る等の特徴がある。
同社は若手育成に力を入れており、5ヶ月間のジョブローテーション研修制度や定期的な若手社員へのヒアリングを実施。入社 1年目の終わりから2年目の初め頃に自分の担当物件を持てることも多いため、早い段階から実践的なスキルが身につく環境です。
今回は、高橋カーテンウォール工業株式会社で若手が活躍する背景や働き方、採用情報について、人事総務課の松本さん、第二営業部の高橋さんにお話を聞かせていただきました。
高橋カーテンウォール工業の若手活躍:入社1~2年目で物件を担当も
▲設計部の仕事風景
編集部
高橋カーテンウォール工業では、若手の育成に力を入れているそうですね。まずは具体的な活躍事例について教えていただけますか?
松本さん
部署にもよりますが、例えば設計職であれば入社1年目の終わりから2年目の初め頃に自分の担当物件を持つようになり、大きな裁量権を持って業務を進められます。
一例として、2024年4月に入社したとある社員は、5ヶ月間の研修期間を経て9月に設計部に配属され、現在オフィスビルのプロジェクトを任されて奮闘しているところです。もちろん上司や先輩のサポートは常にありますが、お客様とのやり取りや他部署との連携、構造的な課題への対応など、実践的なスキルを早い段階から身につけている社員が多いですね。
編集部
高橋さんは、御社において工場での製造業務や設計、営業と多彩な職種を経験されていますが、どのようなところにやりがいを感じていますか?
高橋さん
3階建ての住宅から20階建ての大学キャンパスまで、規模も用途も多岐にわたる建築物を手がけていることでしょうか。そのため、様々なゼネコンや設計事務所と仕事をする機会があり、建築の知識やPCカーテンウォールの可能性について幅広く学べることに大きなやりがいを感じています。
なお、各案件は「こういったデザインの建物にしたい」「このような形状のカーテンウォールを使用したい」というご要望に応じてオーダーメイドで手がけるため、同じ建物は一つとしてありません。その分苦労も多いのですが、完成した建物への愛着も強く、いわゆる「地図に残る」建築物を手掛けられることにも毎回大きな感慨を覚えます。
また、社内の各部門に豊富な知識を持つベテラン社員が複数在籍しており、技術面や施工面など、「この人に聞けば何でも分かる」という頼れる先輩がいることも当社で働く魅力だと思いますね。ベテラン社員は快く教えてくれるため、早いスピードで成長してこれたと感じます。
松本さん
ちなみに、ベテラン社員が若手社員に最初から手取り足取り教えるというよりは、まず自分なりにやってもらい、自ら積極的に質問する姿勢がある方に対して、しっかりと教えるというイメージですね。主体的に学ぶ意欲はどの部署でも必要となります。
5ヶ月間のジョブローテーションやOJTで若手社員の成長をサポート
▲施工管理の新入社員研修
編集部
入社後のサポートや教育体制についてはいかがでしょうか。
松本さん
新卒入社の方向けの制度として特徴的なのが、5ヶ月間のジョブローテーション研修です。工場、設計部、営業部、工事部(施工管理)など、各部署を数週間ずつ経験することが可能で、この研修を通じて自分に合った部署を見つけられるだけでなく、各部署間の連携の仕方や体系的な仕事の繋がりなども学ぶことができます。
研修内容も実践的で、例えば営業部では文系出身者でも建築構造を理解できるよう模型作成を行ったり、実際の積算計算も経験したりします。工場研修では現場作業も体験し、他の研修でも座学だけでなく実際の施工物件を見学しながら街歩きをするなど、体験型の学習機会を多く設けています。これは私の入社後に始まった制度なので自分は経験できませんでしたが、若手社員からは非常に評判の良い制度となっていますね。
ちなみに、入社3年目までの新卒社員を対象として定期的に面談を行い、若手が働きやすいと感じる職場づくりに注力していることも大きな特徴です。
▲営業の新入社員研修
松本さん
また、中途入社の場合はOJTが主体で、その方の知識レベルや経験に合わせて周囲の社員が教えていく形式をとっています。
高橋カーテンウォール工業の働きやすさ:提案制度で環境を改善!
▲本社オフィス
編集部
高橋カーテンウォール工業は、福利厚生が充実している点も特徴のひとつだと伺っています。具体的にどのような制度があるのでしょうか。
松本さん
当社の自慢の一つとして、「なんでも提案」制度があります。入社1年目の若手社員から部長職まで、会社に関することであれば誰でも提案できる制度となっており、この制度をきっかけに様々な制度が導入され、福利厚生の充実にもつながってきました。
この制度を通じて、育児・介護中の社員向けの時差勤務や在宅勤務の導入、有給休暇の取得単位を1時間単位に細分化するなど、ワークライフバランスの向上に繋がる改善が実現しています。特に時間休については、例えば「銀行や市役所、病院などの用事で少し遅めに出社・早めに退社したい」という際に気軽に取得できるため、利用している社員が多いですね。
また、2024年の猛暑時には、若手社員数名から工場での作業における服装規定についての提案があり、安全面も考慮した上でポロシャツ着用が許可されました。また、3〜4年前には新卒2年目の社員が単独で行った提案が採用されたケースもありましたね。
このように、提案の有効性や妥当性があれば、役職などの階級に関係なく意見を積極的に取り入れる風土が根付いています。
編集部
他に、特徴的な福利厚生制度があればご紹介ください。
高橋さん
ユニークな制度として「アートホリデー休暇」があります。これは有給休暇の取得推進と文化・芸術に触れる機会の創出を目的としており、平日に美術館や展示会に行く際、有給休暇の取得に加えて、入場料を会社が一部補助してくれます。ちなみに、今話題の大阪・関西万博も、社長の一声でつい先日正式にアートホリデーの対象となりました。
私自身も、上野の美術館でモネ展やキリコ展など、いくつか活用させていただきました。仕事だけでなく、人間性を高める機会を提供してくれる点がとても良い制度だと感じています。
高橋カーテンウォール工業の事業:技術力&ワンストップサービスに強み
編集部
御社は建築に欠かせないカーテンウォールの分野で、長年シェアトップを走り続けていらっしゃいますね。その理由はどこにあるとお考えでしょうか。
高橋さん
高橋カーテンウォール工業における最も大きな強みは、設計者の意図や意匠に寄り添った製品を形にできる技術力だと考えています。これは、設計から取り付けまで一気通貫で行っている当社ならではの特徴だと思いますね。
松本さん
特につくば工場では、複雑な形状の製造が可能な設備を整えており、お客様からの多様な要求に対応することが可能です。これも当社が選ばれている大きな理由であり、営業活動をしなくてもお客様からのご依頼が絶えない状態が続いています。
過去には東京都庁や横浜ランドマークタワー、スカイツリーのほか、大学の校舎も多数手がけました。
▲スカイツリーや東京都庁の部材も同社が担当
独自の技術を活かしてプールの建築事業も手掛ける
編集部
建築の外壁とは異なるプールの建築も手がけていらっしゃいますね。『AQUA』というブランドで展開されているそうですが、具体的にどのような事業なのでしょうか。
松本さん
プール事業は、もともと取引のあったタイル会社を吸収合併したことがきっかけでスタートしました。当初はタイル製プールでしたが、現在は主にステンレス製のプールを手がけています。少数精鋭のチームではあるものの、これまでにホテルや学校、さらには水泳連盟公認の本格的な競技用プールまで、数百件の施工実績を重ねてきました。
なお、当社の持つ特徴的な技術として「可動床」という仕組みがあります。小学校低学年から高学年まで対応できるよう水深を変えられたり、夏はプールとして、冬は床を上げて体育館として使用できたりするんです。この可動床のプールは、当社の目玉製品として注目をいただいています。最近ではスケートリンクなどにも採用されたりしているんですよ。
また、通常は外壁とプールは別々の案件となりますが、虎ノ門ヒルズやザ・ペニンシュラ東京(ホテル)のように、建物の外壁とプール(あるいは水景)の両方を当社が手がけたケースもあります。そういった意味では、両事業の“共演”という形で、当社の総合力を発揮できる機会もありますね。
高橋カーテンウォール工業の採用方針:3つの要素を重視
▲代表取締役社長の高橋武治さん
編集部
高橋カーテンウォール工業では、2025年3月時点では技術職の採用に注力されているそうですね。求める人材像について教えていただけますか?
松本さん
採用状況によって多少変動はありますが、「コミュニケーション能力」、「継続力があること」、「ものづくりが好きであること」という3つの要素を重視しています。お客様や職人さん、社内の他部署といった様々な方々とコミュニケーションを取る機会が多く、時には取りまとめ役を担うこともあるため、コミュニケーション能力の高さは特に見ていますね。
編集部
継続力に関しては、カーテンウォールの案件は設計から施工まで長期間かかるため、そういった面でも必要とされるということでしょうか。
松本さん
設計に関して言えば、図面を書く作業自体は案件にもよりますが、短いもので2〜3ヶ月、長いもので1年程度です。各部署が関わる期間はそれほど長くありませんが、自分が書いた図面が実際の建物として形になるまでには1〜2年のタイムラグがあります。
また、一度図面を提出しても、現場の意向でデザインが変更になることもあり、それに伴って関連する図面もすべて書き直すといった作業が発生することも少なくありません。そういった意味で、継続力や地道な作業を続けられる力が重要になってきますね。
編集部
ちなみに、中途採用の選考はどのような流れで行われるのでしょうか。
松本さん
中途採用の選考フローについては、基本的に原則2回の面接、そして作文提出と適性検査(SPI試験)を実施しています。
松本さん・高橋さんから転職希望者へのメッセージ
編集部
最後に、高橋カーテンウォール工業への転職を検討されている方へメッセージをお願いします。
松本さん
面接の際には、ぜひ素の自分を出していただきたいと思います。当社は個性を尊重する社風があり、社員一人ひとりの得意・不得意や性格に合わせて配属先や接し方など柔軟に対応することも多々ありますので、お互いにとって良い関係を築くためにも率直な姿をお見せいただけたら嬉しいです。
このような相互尊重の文化があるからこそ、若手社員からは「周りの人が良い人ばかり」「建設業のイメージと(良い意味で)全然違った」という声をよく聞きます。ぜひ安心して、リラックスして当社にお越しいただきたいですね。
高橋さん
私からは、「前向きな姿勢を持った方にお越しいただきたい」とお伝えしたいですね。例えば、お客様から難しい要望をいただいた際に「できない」で終わらせるのではなく、どうすれば実現できるのか、お客様に寄り添って解決策を見出せるようなポジティブな方とぜひ一緒に働きたいです。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
高橋カーテンウォール工業株式会社の働き方のまとめ
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求める人材 |
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高橋カーテンウォール工業株式会社の基本情報
企業名 | 高橋カーテンウォール工業株式会社 |
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住所 | 東京都中央区日本橋本町1-5-4 |
事業内容 | ・プレキャストコンクリートカーテンウォールの設計・製造・施工 ・建築用プレキャストコンクリート部材【N認定】の設計・製造・施工 ・水施設・水空間・水環境の企画・提案・設計・施工 |
設立 | 1965年1月 |
公式ページ | https://t-cw.co.jp/ |
採用ページ | https://t-cw.co.jp/entry/company/ |
募集職種 | 技術職(設計、積算、施工管理、製造・品質管理)、営業職など ※採用状況は随時変更される可能性がございます。最新情報はお問い合わせにてご確認ください。 |