京都府や民間企業への研修派遣も!亀岡市役所における若手職員の成長機会に迫る

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、亀岡市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。

亀岡市役所では、自治体や民間企業への派遣制度を設け、若手職員に多彩な成長機会を提供しているのが特徴です。京都府や地元サッカークラブの「京都サンガF.C.」、さらには大手広告代理店の博報堂など、さまざまな組織への研修派遣を実施し多くの学びを得ています。

また、民間企業経験者の採用に積極的で、面接を重視した「かめおか方式」によって様々な経歴・資格を持つ方に門戸を開いていることも大きな特徴。2025年3月時点では専門職(特に土木技術職)の採用に注力しており、民間企業での一定の経験を有している場合は学歴・資格不問となっています。

今回は、亀岡市役所の特徴的な派遣制度や働き方、採用について、人事課の太田さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
亀岡市役所の太田さん

太田 百美さん

亀岡市役所 市長公室人事課・主査。複数の部署を経験後、2024年に京都府の自治振興課への派遣で人事系業務や選挙管理業務を担当し、現在はその経験を活かして同市役所の人事業務に携わる。

亀岡市役所の若手育成:民間企業を含む外部への研修派遣で成長を支援

「サンガスタジアム by KYOCERA」の風景と亀岡市役所から京都サンガに派遣された職員
▲「サンガスタジアム by KYOCERA」と、亀岡市役所から京都サンガに派遣された職員

編集部

亀岡市役所では、若手職員の成長支援に注力されているとお聞きしました。特徴的な取り組みについて教えていただけますか。

太田さん

京都府や民間企業といった外部への研修派遣を積極的に行い、若手職員の成長を促していることが大きな特徴です。

私の場合は2024年に、京都府の自治振興課へ1年間の研修派遣に行かせていただきました。自治振興課は市町村との窓口となる部署で、私は主に人事系の業務を担当したんです。私以外にも様々な自治体からの派遣職員が在籍しており、もともと京都府に所属している職員と派遣職員の割合は半々くらいでしたね。

1年間の経験を通じて、国・都道府県・市町村の行政の流れを体系的に理解することができました。特に人事行政に関する情報収集の方法や、業務全体を見渡す視点について学べたことが大きな収穫だったと感じます。また、研修を通じて築いた人脈は、現在でも何かあれば相談できる心強いネットワークとなっています。

編集部

民間企業への派遣制度もあるそうですね。

太田さん

はい、亀岡市役所は民間企業への派遣にも力を入れており、例えばJリーグに所属するプロサッカークラブ「京都サンガF.C.」を運営する株式会社京都パープルサンガや、広告代理店の株式会社博報堂などへの派遣実績があります。他の自治体でも民間企業への派遣制度はありますが、当市役所ほど積極的に実施している例は少ないのではないかと思いますね。

編集部

派遣先はどのように決まるのでしょうか。

太田さん

ケースバイケースです。亀岡市は職員の積極性を重視しているので、自ら手を挙げる職員も多いですが、上司から声がかかることもあります。

私の場合は前の部署で5年ほど勤務した後、上司から声をかけていただき、京都府への派遣が決まりました。

外部の知識や意見を積極的に取り入れることが、新しい取り組みに繋がる

亀岡市役所の施策紹介コーナー
▲市役所内の施策紹介コーナー。環境に関する取り組みを活発に行なっているのが亀岡市の特徴

編集部

研修派遣制度を積極的に行っている理由について、太田さんはどのようにお考えですか?

太田さん

外部の知識や意見を積極的に取り入れたい狙いがあるからでしょうか。

亀岡市は日本初のセーフコミュニティ認証都市(※)であり、様々な分野で先進的な取り組みを行っていく中で、京都府の考えを知ることが大切であると考えています。例えば、プラスチックごみの削減に力を入れ始めた際は京都府との職員交換研修を実施し、京都府の職員が亀岡市役所で学び、逆に亀岡市の職員は京都府の環境部門で学びました。
(※)セーフコミュニティ認証都市:安全で安心なコミュニティを築くために、国際的な基準に基づいて認証される市町村のこと

また、従来の方針で同じことをただ続けるだけでは自治体運営が難しくなってきていることから、民間企業との連携によってふるさと納税にも注力しています。

上層部も「これからの市町村運営には民間の考え方を積極的に取り入れていく必要がある」と考えており、そういった想いが派遣制度に反映されているのではないかと、一職員として感じています。これからの亀岡市役所の職員は新しい取り組みに携わるケースも増えてくるのではないでしょうか。

勉強会や資格取得補助などで主体的な学びをサポート

亀岡市役所の研修風景
▲外部講師を招いた研修風景

編集部

研修派遣のほかに、若手の成長をサポートする取り組みがあればご紹介ください。

太田さん

亀岡市役所には職員の「学びたい」という気持ちを内部で応援する風土があり、例えば語学を学びたい職員がいれば、英語が得意な職員に相談して勉強会を開くといった取り組みが行われています。

こうした学びの機会があることは周囲からも注目されており、先日は教育委員会から「外国人住民との文化的な理解を深めたい場合にどのようなことを行ったらいいか」といった問い合わせが入ったほどです。

また、資格取得時には互助会から助成金が出る制度もあり、資格にチャレンジしやすいことも若手の成長につながっていると思います。

亀岡市役所の働き方:ワークライフバランスを整えやすい環境

亀岡市役所の太田さん
▲取材にご対応いただいた太田さん

編集部

太田さんは亀岡市役所の職場環境について、どのように感じていらっしゃいますか。

太田さん

休暇を取得しやすい環境だと率直に思いますね。もちろん計画的に業務を調整する必要がありますが、申請しづらいような雰囲気は全くありません。同じ部署の方たちも「この日にお休みします」と伝えると快く協力してくれるため、ワークライフバランスを整えやすい職場だと感じます。

また、夏休み期間には全庁的に連続休暇取得を推奨しており、1週間程度の長期休暇も取得しやすいです。窓口業務に支障が出ないよう配慮しながら、各職員が時期をずらしながら取得している形ですね。実際の年次有給休暇の取得状況としては、平均で年間13日ほどです。

さらに、お子さんの授業参観や看護のための休暇など、子育てに関連した特別休暇も充実しています。

編集部

残業の状況についてはいかがでしょうか。

太田さん

年間を通してみると、適度な水準だと思います。確かに確定申告時期の税務課や人事異動時期の人事課など、部署によって繁忙期はありますが、年間ではきちんとバランスが取れていますね。

また、長時間勤務に関する基準もしっかりと設けられており、各部署で徹底されているため、どの職員も不安なく勤務できていると感じます。

亀岡市役所の風土:部署間の連携がしやすく、交流機会も豊富

亀岡市役所の職場の雰囲気

編集部

職場の雰囲気についても教えていただけますか。

太田さん

亀岡市役所の雰囲気としては、部署間の連携がしやすいことが特徴ですね。

私は2024年に京都府での勤務を経験しましたが、規模の大きな組織においては部署同士の壁を感じることが多くありました。一方、亀岡市役所はコンパクトな組織である分、各部署との繋がりが深く、困ったことがあれば気軽に相談に行けるような雰囲気があります。

編集部

社員同士の交流を深めるための取り組みがあればご紹介ください。

太田さん

入庁1~3年目の職員同士の交流を深める機会として、「3期会」を実施しています。平たくいえば飲み会ですが、単なる懇親会ではなく、若手職員同士のネットワークづくりの場としてしっかりと機能していますね。

もちろん業務効率化のためのチャットツールなども導入していますが、人と人の直接的なコミュニケーションも大切にしている職場です。

亀岡市役所の採用:経歴&人柄重視!民間からの転職者も多数

編集部

続いて、亀岡市役所の採用に関してお話を伺っていきます。まず、独自の「かめおか方式」という採用制度について教えていただけますか。

太田さん

「かめおか方式」は面接を重視した採用方式です。一般的な公務員試験では教養試験が重視されますが、当市役所では応募者の経歴や人物像をしっかりと見させていただきたいため、1次試験を面接にし、筆記試験は2次試験で実施しています。

様々な経歴や資格を持つ方、多様な想いを持った方々に門戸を開きたいという考えから、この方式で採用を行っているんです。

編集部

民間企業出身の転職者も多いそうですね。どのような分野で民間での経験を活かせるのでしょうか。

太田さん

例えば新しい制度を考える際に、民間での経験を活かした提案をしてくれることが多いですね。私が所属する人事課にも民間経験者が在籍していますが、特にプロジェクト企画などの場面で、私たちがハッとさせられるような発想を提供してくれています。

編集部

現在募集に力を入れていらっしゃる土木技術職については、2023年度から応募要件を大きく緩和されたそうですね。

太田さん

はい。土木技術職については、民間企業での一定の経験があれば学歴や資格要件を問わないことになりました。

公務員の仕事は民間企業とは異なる面がありますが、市全体を見渡す規模の仕事や、市民の生活に直接関わる業務など、違ったやりがいを感じていただけると思います。私たちとしても、民間企業での経験や知識を持った方々にぜひ応募していただきたいと考えています。

亀岡市役所から転職希望者へのメッセージ

亀岡市役所の共有スペース入口と内観
▲亀岡市役所内の共有スペース

編集部

最後に、転職を検討中の方々へメッセージをお願いできますでしょうか。

太田さん

私たち職員は皆、「市民の生活をより良くしたい」という想いを持って働いています。

様々なバックグラウンドを持つ方々が加わることでさらに魅力的なまちづくりができると考えており、「民間企業での経験を活かして働きたい」とお考えの方も大歓迎です。新しい視点から刺激を受けながら、ぜひ私たち既存の職員も共に成長していきたいと考えています。

また、亀岡市は都会にも近く、かつ自然豊かな環境がある「トカイナカ」で、バランスの取れた住環境が整っていることもおすすめポイントです。水道水をそのまま飲めるほど水質が良いほか、食材の豊かさも特徴的で、例えばふるさと納税では亀岡牛や京野菜などが人気です。

2022年には「子どもファースト宣言」を発表して様々な子育て支援施策を実施していたり、サッカーの試合がある日はまち全体が賑わったりと多彩な魅力がありますので、できれば職場としてだけでなく、住む場所としても選んでいただけたら大変嬉しく思います。

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

2020年のサンガスタジアム by KYOCERA(府立京都スタジアム)開業、2022年の「子どもファースト宣言」など、さまざまな面から魅力的なまちづくりを進める亀岡市役所。今回の取材からも、キャリア支援を含め、職員のチャレンジを促し支援する姿勢が伝わってきました!

亀岡市役所の働き方のまとめ

研修制度
  • 府庁への1年間の研修派遣制度あり
  • 民間企業への派遣も積極的に実施
  • 研修を通じた人脈形成を支援
採用の特徴
  • 面接重視の「かめおか方式」を採用
  • 民間企業経験者の採用に積極的
  • 土木職は経験者なら資格不問
職場環境
  • 年間平均13日の有給取得実績
  • 子育て関連の特別休暇が充実
  • 部署間の連携が取りやすい
  • 若手向け交流会「3期会」を実施
求める人材
  • 民間での経験を活かせる方
  • 市民生活向上に意欲的な方
  • 新しい視点を持ち込める方

亀岡市役所の基本情報

亀岡市役所のエントランスに設置されている水槽
▲市の魚である「アユモドキ(絶滅危惧種)」が展示された市役所のエントランス

市役所名 京都府 亀岡市役所
住所 京都府亀岡市安町野々神8番地
事業内容 亀岡市の行政業務全般
公式ページ https://www.city.kameoka.kyoto.jp/
採用ページ https://www.city.kameoka.kyoto.jp/site/saiyo/
募集職種 専門職(特に土木技術職)
※民間企業での一定の経験を有している場合は学歴・資格不問
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。