企業の魅力ある働き方や、社員活躍の秘訣を紹介するこの企画。今回はカスタマーサクセスの視点からスタートアップのサポート等を行うアディッシュ株式会社にインタビューを実施しました。
アディッシュ株式会社とは
▲ミッション「つながりを常によろこびに」、ビジョン「情報社会をあなたの居場所に」を掲げ、新たなコミュニケーション手段による「つながり」によって発生した課題の解決を目指す
アディッシュ株式会社は、後に代表取締役になる江戸浩樹さんが情報社会で発生するネット犯罪やネットいじめなどを解決すべく立ち上げた「モニタリング事業」や「ネットいじめ対策事業」をベースに、2014年に設立されました。
デジタルエコノミー(※)に特化し、カスタマーサクセスや戦略的カスタマーサポートによるスタートアップの成長支援事業、誹謗中傷・炎上対策、ネットいじめ対策などのソーシャルグッドな事業を提供しています。
※デジタルエコノミー…デジタル技術やデータを基盤とした経済活動のこと。
「つながりを常によろこびに」をミッションに、「情報社会をあなたの居場所に」をビジョンに掲げ、インターネット上で人と人がつながるからこそ発生する課題を「カスタマーサクセス」の視点から解決するソリューションを提供しています。
会社名 | アディッシュ株式会社 |
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住所 | 東京都品川区西五反田1-21-8 ヒューリック五反田山手通ビル6階 |
事業内容 | ■グロース支援サービス ・カスタマーサクセス総合支援「CS STUDIO」 ・カスタマーサポート「SOCIAL APP SUPPORT」 ・リスクモニタリング「INTERNET MONITORING」 ■アダプション支援サービス ・ネットいじめ対策コンサルティング「School Gurdian」 ・AIチャットボット「hitobo」 ・AIによる不適切投稿再考アラート「matte」 ・炎上対策SaaS「Pazu」 |
設立 | 2014年10月1日 |
公式ページ | https://www.adish.co.jp/ |
アディッシュ株式会社は創業以来成長を続けており、従業員数は633名(2022年12月末時点/臨時従業員含む)と組織も大きく拡大しています。それに伴い社内環境整備にも力を入れており、これまでにウーマンエンパワー賛同企業アワードの受賞など、社外からも高い評価を受けているのが特徴です。
今回は、産休・育休からの復帰率100%(※)という高い数字を裏付ける、働き続けられる環境づくりへの取り組み、また社員のキャリアデザインへのサポート体制などについて、経営戦略本部エンプロイーサクセス部の村山さんに詳しくお話を伺いました。
※2023年5月取材当時
新しいテクノロジーの活用を「グロース」と「アダプション」の両面から支援
▲「グロース(成長)」と「アダプション(適応)」の2軸で展開するアディッシュさんのサービス
編集部
はじめに、アディッシュさんの事業内容について簡単に教えてください。
村山さん
アディッシュは、デジタルエコノミーに特化し、新しいテクノロジーやサービスを活用したコミュニケーションがもたらす新たな課題の解消を目指している会社です。「グロース(成長)支援サービス」と「アダプション(適応)支援サービス」の2軸で事業展開をしています。
「グロース支援サービス」はスタートアップの成長を支援します。シェアリングエコノミーやメタバース(仮想空間)などの新領域は、スタートアップによって生み出され続けています。そんなスタートアップの成長を、個々のユーザーの課題を解決して顧客の成功を最大化する「カスタマーサクセス」の視点からサポートしています。
「アダプション支援サービス」は直接スタートアップを支援するのではなく、スタートアップが生み出したサービスやテクノロジーによって新たに発生する課題の解決をサポートするのが目的です。
新しいテクノロジーはどんどん生み出されていますが、事業者や学校がすぐに対応するのはなかなか難しい面もあるでしょう。例えば、キャッシュレス決済サービスが増加したことで、不正決済やなりすましなどの社会課題も生じています。そういった課題に対して、新たなテクノロジーやサービスの活用方法を支援していくのがこの「アダプション支援サービス」です。
▲アディッシュさんの提供するサービスラインナップ
伴走型サービスでカスタマーサクセス領域での独自性を保つ
編集部
「カスタマーサクセス」の職種は近年注目を集めていますが、アディッシュさんのカスタマーサクセスの特徴はどういうものなのでしょうか?
村山さん
アディッシュのカスタマーサクセスの業務は、クライアントのプロジェクトの成功のため、エンドクライアントの利用増加や解約防止等につながる施策を立案・実行するのがメインです。具体的には、KPI設計から業務設計、業務フローの整備等のコンサルティング、一部業務代行などを通じて総合的な支援を行います。
編集部
アディッシュさんのカスタマ―サクセスはお客様先に常駐して行うのでしょうか?
村山さん
常駐するかどうかは、クライアント企業によりさまざまです。常駐はオンラインの場合もオフラインの場合もありますが、クライアント企業のいちメンバーとして業務を行いながら課題を特定し、解決に向けて伴走する形で進めています。
常駐する期間が終わった社員に対して、クライアントから「もう少しいてほしい」と言っていただくことも少なくありません。そういう意味では、アディッシュの持つ人の力に、クライアントから信頼をいただいているのだなと感じます。
編集部
本当に伴走しながら支援をしてもらえるというのが、アディッシュさんのカスタマ―サクセスならではの特徴なんですね。アディッシュさんの人間力がクライアント様の信頼を支えているのも良く分かりました。
産休・育休からの復帰率100%を支える「休業ウェルカムバック制度」
編集部
アディッシュさんの女性活躍の取り組みについてお聞きします。男女問わず育児休業を取られている社員の方が多いとのことですが、復帰率についてはいかがでしょうか?
村山さん
アディッシュでは現在、産休・育休からの復帰率は100%です。高い復帰率を支える制度として、「休業ウェルカムバック制度」というものがあります。これは産休・育休などの休業を取得中の社員が、休業中でも社内イベントに参加できたり、復職についての相談ができたりと、会社とのコミュニケーションをはかることができる制度です。
特に休業中でも遠慮なく相談できる窓口があるというのは大きいのではないかと思います。やはり仕事から離れていると会社の現状がわからなくて不安が生じることもありますよね。そういう場合に会社と気軽にコミュニケーションが取れることで、復職に対するモチベーションの維持などフォローができているなと感じます。
編集部
お仕事から離れている間も、会社と継続的につながることができるのは、産休中・育休中の方からするとありがたいですよね。皆さんどれくらいの頻度で、どのような内容を相談されているのでしょうか?
村山さん
頻度などについては特別にルールがあるわけではなく、間口広く、希望する頻度で、「何かあったら連絡してくださいね」という形にしています。内容については、休業前に所属していた部署の様子や、復職後の働き方の希望、子育てに関する話などいろいろですね。
他にも希望に応じて、四半期毎に開催している全社ミーティングや不定期開催のイベントに参加できるので、オンラインでお子さんと一緒に参加してくれることもあります。お子さんの顔が見えると、こちらもすごく和むんですよね!
編集部
他の従業員の方にとっても、育休中の方とそのお子さんのご様子が分かるのは嬉しいと思います。休業中でも会社とのコミュニケーションが途切れることなく、社内の状況がわかることで、不安なく復職することができているんですね。
“時間単位有給”で中抜け可能。柔軟さと社内の理解が助ける「働き続けられる環境」
編集部
その他にも、アディッシュさんで産休・育休からの復帰率100%を保つことができている理由はありますでしょうか?
村山さん
やはりパパママの経験者が多いために、“先輩”の話を聞くこともできますし、「復帰後どのように働けるのか」というイメージを持てるのは大きいと思います。
また、柔軟に働ける環境があるというのもポイントです。入社のタイミングから時短で働いているメンバーもいますし、私自身も現在は在宅で働いています。
部署やチームによって少し状況は異なりますが、アディッシュにはリモートワークも活用しながら働ける環境があると思います。また「時間単位有給休暇制度」もあるため、お子さんの用事がある方も中抜けのような形で対応できています。
編集部
お子さんの用事で中抜けをされるというのは、アディッシュさんでは普段からよくあることですか?
村山さん
そうですね。アディッシュではコミュニケーションツールのSlackで社員同士がやり取りをしているのですが、「今日は子どもの病院があるので何時から何時まで抜けます」というメッセージがポンっと上がってきて、それに対して皆「お大事に」「気を付けてね」という反応を返しています。
編集部
フレキシブルな働き方ができる環境と、それを当たり前に受け入れる雰囲気があることが、復職後の働きやすさにもつながっていることが分かりました。
働きやすさをボトムアップでつくり出す!副業の制度化も発案した「働き方検討委員会」
編集部
アディッシュさんには働きやすさを支えるユニークな制度がたくさんあると感じましたが、これらの制度はどのように考えられているのでしょうか?
村山さん
アディッシュには男性だから、女性だからと区別せず、あくまでその人のキャリアを見据えてやりたいことや意欲を尊重し、「自分自身でキャリアをつくる」という考え方が根本にあります。そのため、働き方に関しても「自分たちで働きやすい会社をつくっていく」というのがアディッシュの考え方です。
具体的には「働き方検討委員会」という委員会があります。アディッシュには多国籍のメンバーも多くいるため、女性や男性の働き方改革という括りにとどまらず、外国籍メンバーも含めすべての人の働きやすさにつながる取り組みについて検討しています。
この委員会は有志のメンバーで構成されているのが特徴です。「こういう会社にしていきたい」という意志を持ったメンバーが集まって、働きやすくなる企画の立案や、育児・介護と仕事の両立についてのディスカッション会の開催なども行っています。ランチ時間を使ったりしながら、フランクな雰囲気で話し合っていますね。
編集部
有志で、というのが素晴らしいですね。働き方検討委員会にはどのようなメンバーがいらっしゃるのでしょうか?
村山さん
管理部のメンバーもいれば、運用担当や拠点のメンバーなど、さまざまなメンバーで運営していますね。卒業していくメンバーもいれば、新たに参加するメンバーもいたりと活気のある委員会です。沖縄にある子会社のメンバーもたまに参加してくれています。
アディッシュには「副業制度」があるのですが、それはこの働き方検討委員会から生まれた制度です。新しい制度をつくったりする発案の場となっていますね。
編集部
多様なメンバーで構成されているからこそ、いろいろな視点で制度設計を考えられる場となっているんですね。
社員のキャリア形成を大切に。「エンプロイーサクセス」の取り組み
編集部
アディッシュさんでは精力的に採用活動を進められていると思います。新しいメンバーに対してはどのような教育体制を取っていらっしゃいますか?
村山さん
アディッシュでは、会社全体のことを知ってもらう「ミッション・ビジョン・スタンダード研修」をはじめ、カスタマーサクセスを実現できる考え方を身につけるアディッシュ独自の教育プログラム「カスタマーサクセスプライムラーニング(CSPL)」など様々な研修や教育を行っています。一方で中途入社のメンバーが多いため、実際にはOJTで学んでいくことのほうが多いかもしれません。
従業員のサポート体制としては、今年から立ち上がった「エンプロイーサクセス部」という部署があります。いくつかのチームに分かれ、採用から研修教育、オンボーディング、キャリアプラン設計まで、「従業員の成功をサポートする」をミッションに、様々な施策やサポートを行っています。
先ほどもお話しした通り、アディッシュでは「自分自身でキャリアをつくる」という考え方を大切にしているため、社員のキャリア形成をとても重視しています。「その人がどのようにキャリアを築いていきたいか」という部分を軸に1、2週間に一度、上長との1on1ミーティングを行い、目標や達成度、困っていることについて、密にコミュニケーションを取るようにしています。
編集部
社員の方のキャリアに軸を置いたコミュニケーションに力を入れているというのは珍しいと思います。村山さんご自身の経験に合わせて、どのようなフォローがあったのかお伺いしてもよろしいでしょうか?
村山さん
私は元々別の会社で採用人事や研修・教育を行っていたのですが、もっと採用にコミットしたい、採用マーケティングを深めたいという思いがありアディッシュに入社しました。しかし、アディッシュでは積極的に採用活動をしており、毎日の時間の大部分がその業務に割かれてしまうため、採用マーケティングを深めるためにどうプラスアルファの時間をつくり出していくか、課題になっていました。
それを相談したところ、人が足りないのであれば人員補強やオペレーションの変更など、私自身の時間をつくっていくためにはどうしたらよいのかを、とても親身になって考えてくれました。私のキャリア形成を大事にしてくれる環境があると、入社してすごく感ましたね。
社内留学制度に意思表明制度。重要なのは「実際に行動する」姿勢
編集部
アディッシュさんでは「自分自身でキャリアをつくる」という考えを大切にされているということですが、実際に自身のキャリア形成のために行動されている社員の方の実例があれば教えてください。
村山さん
アディッシュには「社内留学制度」という、他の部署に興味があって経験してみたい場合に応募できる制度があるのですが、この制度を使って他部署を短期間経験した社員がいます。
また、「意思表明制度」という、中期的なキャリア計画を実現するために意思を表明できる制度があります。社内公募に対して意思表明制度を使い、別部署に異動するメンバーもいますね。最近では、カスタマ―サクセスの部署にいたメンバーが、スクールガーディアンという学校向けの事業に、自ら手を挙げて異動しました。
編集部
若手社員の方であっても、自身のキャリアをしっかりと考えて、行動に移せる制度なんですね。会社としても社員の方の意思を尊重する風土が醸成されているのでしょうか?
村山さん
はい。「課題に対して理想を描き、現実を直視し、その理想や未来に向かって実際に行動していく」という社内風土なので、課題解決や理想を実現するための行動に対して、NOと言われることはほとんどありません。
例えば私はWantedlyでコンテンツを発信しているのですが、内容について上長から否定されたことはありません。任せてもらえる部分が多いですね。
アディッシュでは自分の将来なりたい姿に対して必要な学びの機会があれば、それに対して背中を押してもらえます。女性だから、若手だからこうしなければいけないというのではなく、1人の人間としてキャリアを築く上で必要なことがあれば、それを会社としてサポートしてくれる環境があるのが魅力ですね。
編集部
会社として「これをやるべき」と一律に当てはめるのではなく、その人のキャリアに合わせて支えていけるサポートがあるのは素晴らしいと思います。
多様なカスタマーサクセスに関わることで自身の市場価値も高められる
▲「アディッシュならカスタマーサクセスで自身の市場価値を高められる」と語ってくれた村山さん
編集部
最後に、村山さんから求職者の方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
村山さん
アディッシュはカスタマーサクセスにより企業の成長を支援するという、あまり見かけない業種だと思います。規模も業種・業界もさまざまなクライアントのカスタマ―サクセスに携われるという、他社ではなかなかできない経験を積むことが可能です。
多種多様なカスタマーサクセスの形を経験することで、幅広いカスタマーサクセスのスキルを身につけることができます。アディッシュでカスタマーサクセスを学ぶことで、自身の市場価値も高めていただけるのではないかと思います。
カスタマ―サクセス未経験から入社し、活躍しているメンバーもいます。カスタマ―サクセス領域に興味があり、自身を高めていきたい方はきっと楽しめる環境だと思いますので、関心がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
編集部
他の会社では味わえない幅広い体験ができるアディッシュさん。社員のキャリアデザインを非常に大切にし、サポートしてもらえる環境があるところも魅力的だなと感じました。本日はありがとうございました!
■取材協力
アディッシュ株式会社:https://www.adish.co.jp/
採用ページ:https://www.adish.co.jp/recruit/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/adish