エンジニアの活躍や、働きやすい環境づくりに力を入れる企業を紹介するこの企画。今回はweb領域でのビジネス成功を多角的に支援する株式会社コーボーにお話を伺いました。
株式会社コーボーの事業展開:ビジネス成功のオールワンソリューションを目指して
株式会社コーボーは「マーケティング」「クリエイティブ」「ヒューマンリソース」領域で顧客の事業創造を支援する企業です。顧客のwebビジネス成功のための、ワンストップを超える“オールワンソリューション”の提供を目指し多角的な事業展開を進めています。
株式会社コーボーでは創業時から実施しているマーケティング事業を軸に、顧客ニーズに応じて事業領域を拡大してきました。マーケティング支援から派生したLP制作等のニーズを受け、2015年には2つ目の事業であるクリエイティブ事業を開始、2016年にはIT職種人材紹介のニーズを受け、3つ目の事業であるSES(※)事業をスタートしています。
※SES(System Engineering Service)…外部事業者のシステム開発にあたり、エンジニアの技術力や労働力を提供する委託契約の1種。
2018年には4つ目の事業として、自社メディア事業を開始しました。現在は生活トラブルの解決を目的とした情報ポータルサイト「生活トラブル本舗」、そして2020年にローンチしたフリーランスエンジニア向けのポータルサイト「テックタレントフリーランス」の2つのメディアを運営しています。
会社名 | 株式会社コーボー |
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住所 | 東京都渋谷区東3-22-8サワダビル3F |
事業内容 | ・マーケティング事業 ・クリエイティブ事業 ・人材関連事業(SES・人材紹介サービス) ・自社メディア事業 |
設立 | 2011年1月11日 |
公式ページ | https://www.cooboo.co.jp/ |
働き方 | ・ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) ・フレックスタイム制度(コアタイム11:00-16:00/フレキシブルタイム8:00-11:00・16:00-22:00) |
エンジニアが社員の半数を占める株式会社コーボーでは、エンジニアの望むキャリア形成に向けさまざまなサポート体制を充実させています。また、エンジニアに限らずすべての社員の働く環境についても重視し、ハイブリッドワークやフレックスタイムなどの柔軟な働き方の導入に加え、数々のユニークな福利厚生制度を整備し、働きやすい職場づくりを進めています。
今回はそんな株式会社コーボーにおけるエンジニアの活躍の秘訣や、ワークライフバランス施策、そしてその根底にある思いなどについて、人事戦略部部長・梁瀬さんにお聞きしました。
エンジニアとしてお客様と直接つながる“ワクワクした開発経験”が強み
編集部
最初のテーマとして、エンジニア採用についてお伺いします。コーボーさんでは現在どのくらいの数のエンジニアの方が働いていらっしゃるのでしょうか。
梁瀬さん
コーボーは全体で22名の社員が在籍しており、その内のちょうど半分である11名がエンジニアです。所属組織は2つに分かれており、SES事業の所属エンジニアが9名、自社メディア事業の所属エンジニアが2名という状況です。
SES事業に所属しているエンジニアは、取引先企業様のプロジェクト開発を行う常駐エンジニアとして働いています。約6~7割がバックエンド開発、3~4割がフロントエンド開発を担当しています。
中にはバックエンドとフロントエンドの両方を扱ったり、インフラ周りも担当したりする者もいます。また、プロジェクトマネージャー(PM)として統括の役割を担う者もいます。開発環境やポジションに応じて、さまざまな領域を取り扱っています。
編集部
コーボーさんならではのエンジニアのお仕事の特徴などはありますか?
梁瀬さん
1つは、webやゲーム業界に特化していることが挙げられます。Go言語やPythonといった最先端の技術を扱っている者もおり、いわゆるモダンな開発に携わることが多いのが特徴です。
企業向け(BtoB)の開発はもちろん、一般消費者向け(BtoC)サービスの開発に携わる機会も少なくありません。日常的に使用されるサービスや、広く知られているゲームの開発を担当できるのも、コーボーのSES事業のエンジニアならではの特徴です。
もう1つの特徴は、コーボーがエンドユーザーであるお客様と直接つながっている点です。SES業界ではお客様と直接つながることなく開発を進めることも多いのですが、コーボーでは直接お客様とつながり、上流工程から一気通貫で開発を任せていただけるような関わり方ができます。エンジニアにとってもワクワクするような開発経験ができ、当社で描けるキャリアに期待をして入社をするエンジニアも数多くいます。入社後には実際に高い満足度を感じています。
編集部
大きな案件に関わることができることに加え、業務の全体像を見ながら開発に携われるのは、エンジニアにとって大きなやりがいとなりそうです。
エンジニアキャリアファーストの実践:全社的なキャリア形成サポート体制
編集部
キャリア形成について、コーボーさんではエンジニアのキャリア形成にあたりどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。
梁瀬さん
コーボーではSES事業の根本に「エンジニアキャリアファースト」の考え方を置き、エンジニアのキャリアを重んじた案件参画を進めています。
SES業界では一般的に、企業主導でプロジェクト参画を決定するため、エンジニアが望むキャリアを実現しづらい現状があります。
その課題を踏まえ、コーボーではSES事業の立ち上げ当初からエンジニアのキャリアを真に実現していくための営業戦略や運営体制を構築し、改善を重ねてきました。先ほど説明した、お客様と直接つながる体制も、この「エンジニアキャリアファースト」を実現するための戦略の一環です。
コーボーでは約1年半かけてエンジニアの希望する働き方を実現できる環境を整えた上で、2018年からエンジニア採用を開始しました。その際の第1号エンジニアが、2020年に自社メディアのローンチのためにテックリードとして社内に戻ってきたという実績もあります。
編集部
エンジニアキャリアファーストの実現に向けて丁寧に取り組んできた歴史が感じられます。エンジニアの望むキャリアの実現に向けて、具体的にどのような取り組みをされていますか?
梁瀬さん
コーボーではエンジニアが100%プロジェクト選択権を持っています。そのため、まず営業がエンジニアの希望を詳細に聞き取ります。開発環境や働き方など、多角的な希望を把握します。
その後、営業が希望に合ったプロジェクトをエンジニアに紹介します。エンジニアがプロジェクトを選択したら企業様と面談を行い、最終的に参画を決定します。これがコーボーのSES事業の流れです。
営業とエンジニアのコミュニケーションは、入社時だけでなく定期的に行われています。そのため、エンジニアのスキルアップや新しい領域へのチャレンジなど、キャリアの変化に応じて柔軟にプロジェクト参画を調整できます。
さらに特徴的なのが、エンジニアに対して3か月に一度必ず行うキャリア面談です。SES業界最大手企業の創業メンバーである弊社の顧問とエンジニアが面談を行い、中長期的なキャリアプランやそのためのプロセスについて話し合います。
このキャリア面談での希望を踏まえ、エンジニアのキャリアプランに沿ったプロジェクトをアサインします。例えば、バックエンド開発経験のみのエンジニアが「フロントエンドに関わりたい」という希望を持ち、ポートフォリオ作成などの準備を経てReactのプロジェクトに参画できた事例もあります。
自分自身だけでなく、営業や顧問など会社全体で関わり合いながら望むキャリア形成をしていけるのが、コーボーの環境の強みだと考えています。
“職人魂”を体現するための、エンジニアの学習をサポートする制度もたくさん
▲コーボーさんの掲げるDNA(公式サイトから引用)
編集部
コーボーさんではエンジニアとして知識を学んでいくことへの補助やサポートなどもあるのでしょうか。
梁瀬さん
はい、あります。コーボーのDNAと呼ばれる大切な価値観の1つに「職人魂」を掲げている通り、プロフェッショナルとして自己成長する姿勢をコーボーではとても重要視しています。そのため、自己研鑽をしていく仲間たちを応援したいという思いから、いくつもの福利厚生制度を設けています。
具体的には、「レベルアップ手当」という制度があり、書籍代やセミナー費用を会社が負担します。また、「資格取得支援制度」もあり、会社が奨励した資格の取得に対して奨励金を支給しています。
コーボーの特徴として、エンジニアが望むプロジェクトを選択できることに加え、社員自身が能動的に学び、キャリアを形成していける環境が整っていることが挙げられます。
エンジニアの市場価値を反映:単金70%還元の独自評価制度
編集部
コーボーさんでは丁寧な評価制度があるとお聞きしました。その内容について詳しく教えていただけますか?
梁瀬さん
コーボーの評価制度は2018年に一から構築し、2020年にエンジニア向けの部分を大幅にリニューアルしました。最も特徴的なのは報酬制度です。
SES事業では、お客様から月々「単金」と呼ばれる売上をいただいています。その単金の70%を、エンジニアの報酬として還元するのがコーボーの報酬制度です。
自分の市場価値に見合った報酬が確実に還元されることで、成長へのモチベーションにもつながっていると考えています。実際、半年ごとにエンジニアに実施している満足度アンケートでは、100%のエンジニアが「現在の報酬制度や評価制度に満足している」と回答しています。
編集部
なるほど。仕事の成果が直接報酬に反映される仕組みが素晴らしいですね。また、その仕組みが明瞭で分かりやすい点も重要だと感じました。
株式会社コーボーの企業理念:「仲間の健康」を重視した働きやすい環境づくり
▲働きやすい環境づくりの裏に、創業当初からの代表の成田さんの思いあり
編集部
コーボーさんでは働きやすい環境づくりにもとても力を入れられていますよね。会社としてワークライフバランスを重視されるようになった背景などがあれば教えていただけますか?
梁瀬さん
そこには弊社の創業者で代表取締役でもある成田の思いが背景としてあります。成田は大学卒業後、コーボーを設立する前まで、人材業界のメディア責任者やマーケターとしてフリーランスで活動していました。
当時の業界では長時間労働が当たり前で、周囲で体調を崩す人も多く見てきたそうです。また、フリーランスとして活動する中で孤独感を感じ、「仲間たちと喜怒哀楽を共にしたい」という思いからコーボーを立ち上げました。
そういった経験から、「大切な仲間たちと一緒に働くのであれば、仲間たちやその家族の健康を大切にした上で仕事を楽しめるような会社にしたい」という思いを持っていたんです。
そのため、会社立ち上げ当初から、働きやすい環境についての思いは強くありました。コーボーのDNAにある「仲間」「一人ひとりの大切な時間」というキーワードにもそれが表れています。
編集部
コーボーさんの働きやすい環境は、会社創業当時からの思いの上に成り立っているんですね。実際に残業時間などもかなり限定されているそうですが、いかがでしょうか。
梁瀬さん
残業時間は全社的に、月平均20時間未満です。エンジニアに限定すると約14時間くらいですね。
人材関連事業以外にもマーケティングやクリエイティブ制作の事業もあり、これらの業界ではまだまだ長時間労働の環境が多いのですが、当社でこのような働き方が実現できているのは、先ほどお話した思いがあるからこそだと考えています。
柔軟な働き方の実現:ハイブリッドワークとフレックスタイム制度の導入
▲「ワークライフバランス」「健康経営」「人材育成/働きがい」の指標で高い評価を受け、3年連続で『ホワイト企業認定GOLD』を受賞
編集部
コーボーさんでの働き方について伺います。現在はリモートワークを中心とされているのでしょうか?
梁瀬さん
コーボーではリモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークを導入しています。具体的には、週2日出社、週3日リモートワークがスタンダードな働き方となっています。
創業当初からリモートワークができる環境でした。自分の生産性を高く担保できるのであれば、必ずしも会社で働かなくても良いというのがコーボーの考えです。ただし、対面でのコミュニケーションの価値も認識しているため、現在のハイブリッドな形態を採用しています。
編集部
コーボーさんではフレックス制度も導入されているとのことですが、こちらはいつから実施されているのでしょうか。
梁瀬さん
フレックス制度については2018年から導入しました。それまでは固定時間労働制でしたが、子育て中の社員や、セミナーやイベントに参加するエンジニアなど、より柔軟な働き方のニーズがありました。
自律的に働いて生産性を担保できるのであればフレックス制度を導入しても良いのではないかと検討し、導入するに至ったという経緯があります。
編集部
フレックスタイムはどのようなルールで運用されていますか?
梁瀬さん
11時から16時をコアタイムとし、8時から11時、16時から22時をフレキシブルタイムとしています。ただし、「仲間たちと一緒に働き、その中で成果を最大化する」ことを重要視しています。
そのため、完全に自由な勤務時間ではなく、基本的な勤務時間の枠組みがあった上で、個々の状況に応じてフレックスを活用する形になります。これにより、チームワークを維持しながら、個人の生活スタイルに合わせた柔軟な働き方を実現しています。
充実の福利厚生制度。整体や温泉の利用を補助する“ビジネスアスリート手当”も
編集部
エンジニアのキャリア形成に関する話題に続いて、コーボーさんの独自性のある福利厚生制度についてお聞きしたいと思います。特徴的な制度があれば教えていただけますか?
梁瀬さん
コーボーの福利厚生は当社の理念や価値観に深く結びついているものが多く、社員の多くが積極的に活用しています。先ほど触れたレベルアップ手当もその一つです。
もう一つ特徴的なものとして「ビジネスアスリート手当」があります。これは、ビジネスパーソンもアスリートと同様に基礎体力の維持・向上が生産性向上につながるという考えに基づいて作られました。整体や温泉、サウナ、ジムなど体調管理に関する活動に対して月2,000円まで会社が補助をするユニークな制度です。
私自身もこの制度を利用して毎月整体に通っています。また、サウナ愛好家の社員も多く、それぞれが自分に合った方法で心身のコンディションを整えているようです。
編集部
ネーミングも制度の内容もとてもユニークですね。心身をリフレッシュすることで仕事への意欲も高まり、結果的に生産性の向上にもつながりそうです。
株式会社コーボーが求める人材像:自己研鑽と主体性を重視
編集部
最後に採用についてお伺いします。コーボーさんにフィットするのはどのような特徴を持つ方なのでしょうか。
梁瀬さん
大きくは2つあります。まずは当社のDNAにある「職人魂」に表されるように、自己成長、自己研鑽に主体的に取り組める人であることです。これはどの職種でも同様に求められる特徴です。
具体例として、コーボーのエンジニアたちは「LT会」という、技術力の向上や仲間同士の相互理解を深めるような会を自発的に発足し、定期的に開催しています。このように自己成長に対して意欲的に活動できる方は、コーボーにとって非常に魅力的で、一緒に働きたいと考えています。
▲社内では部活動も実施していて、メンバーの交流を深めている(上はeSports部、下3点はバンド部)
梁瀬さん
もう1つは、自分事として主体的に前向きに取り組んでいける方です。コーボーはまだ規模が小さいため、一人ひとりの担う役割がより重要になります。
「誰かがやってくれるだろう」ではなく、「自分がやります。一緒にやっていきましょう」という姿勢で、周りを巻き込みながら改善・改良活動を行える方が求められます。このような取り組みを楽しんで行える方は、コーボーで活躍できると考えています。
編集部
今回のインタビューの中で、社員の方を「仲間」と呼ばれているのがとても印象的でした。エンジニアのキャリア形成への支援も、働きやすい環境づくりも、同じ会社の仲間として尊重する風土が根付いているからこその取り組みだと感じました。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社コーボー:https://www.cooboo.co.jp/
採用ページ:https://www.cooboo.co.jp/recruit/