企業成長の背景にある要因を探ると共に、若手社員の活躍や、特徴的なインターンシップ制度を紹介するこの企画。今回は解体工事業を主軸にDX事業や不動産事業、再生可能エネルギー事業などを全国に展開する、株式会社オアシス・イラボレーションを取材しました。
解体業界のトップランナー株式会社オアシス・イラボレーション
※BIM:Building Information Modeling。コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を構築する手法
また、DX事業や不動産事業、再生可能エネルギー事業など多角化経営も行っており、その成長ぶりはあらゆる業界から注目されています。
社員教育に注力する株式会社オアシス・イラボレーションは、各種技能やマナーの向上に努め、従来の解体業の「きつい・汚い・危険」という負の3Kイメージを、革新的な経営戦略によって新3K「給与・休暇・希望」に変化させています。
その背景にあるのが「大家族主義」というカルチャーや、「一生懸命な社員を大切にし、お客様中心主義に徹します」という経営テーマです。
会社名 | 株式会社オアシス・イラボレーション |
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住所 | 【東京本社】 東京都中央区銀座8-13-1 銀座三井ビルディング3F 【大阪本社】 大阪府大阪市中央区本町4-4-6 プラチナ御堂筋本町ビル10F 【高知本店】 高知県高知市針木東町26-54 |
事業内容 | ・建造物解体工事 ・土木工事 ・産業廃棄物収集運搬 ・3次元測量 ・大型建設機械&敷鉄板レンタル ・運送業 ・不動産業 ・IT・DX事業 |
設立 | 1960年2月15日 |
公式ページ | https://www.oasis-1.co.jp/ |
3代目社長・川渕誉雄氏の経営手腕が光る株式会社オアシス・イラボレーションは、解体施工会社としては初となる上場を目指しており、川渕社長のカリスマ性に魅了されたインターン生や若手社員が成長を支えています。
そこで今回は、兄弟で株式会社オアシス・イラボレーションにジョインしている兄の社長室室長の吉川幹太さんと、インターン生の弟、吉川健斗さんにお話を伺い、同社の成長要因やビジョン、カルチャー、インターンシップ制度についてお話を伺いました。
強みは全国展開と国内有数の超大型重機の保有
編集部
「うるおい社会の実現のために」をミッションを掲げ、解体工事で都市再生のファーストステップを担っているオアシス・イラボレーションさんですが、事業の特徴についてお聞かせください。
吉川幹太さん
多くの解体業者があるなか、当社の最大の特徴は全国展開をしていることが挙げられます。解体業界は各拠点を中心に商圏を持つのが一般的で、当社も高知で設立した当時は、高知エリアをいわゆる”縄張り”としていました。
3代目となる川渕誉雄が社長に就任、東京を皮切りに大阪、岡山と展開を図ったことで、全国の解体案件を受注できるようになったのが当社の強みです。
編集部
オアシス・イラボレーションさんが受注する解体案件は、どのような建物が多いのでしょう。
吉川幹太さん
全国からは一般的な家屋の解体ももちろんありますが、それ以上に引き合いが多いのが特殊建物の解体業務です。当社は世界で13台ほどしかない超大型解体建機「SK2200D」をはじめとした超大型の重機を保有していることがその理由です。
また、発電所や燃料タンク、清掃工場などの解体実績があり、アセット的な総合優位性を持っていることも強みとして挙げられます。
編集部
保有重機の他、オアシス・イラボレーションさんの技術的観点からの特徴についてもお聞かせいただけますでしょうか。
吉川幹太さん
解体現場を安全にマネジメントするため、当社では事前に計画を立案し、最適な資機材や工法を選択することに取り組んでいます。2次元でのCADを用いた工事計画をはじめ、BIMを用いた3次元モデリングや構造解析ソフトを使用することで、より正確かつ建築工学的に解体手順を決定しています。
編集部
オアシス・イラボレーションさんにしかできない解体がゆえに、一貫して御社に解体依頼が入るというわけですね。
ITを活用した先見的取り組みで、業界初の上場を目指す
▲元K-1世界チャンピオンの魔裟斗氏が株式会社オアシス・イラボレーションの公式アンバサダーを務めている
編集部
アセット的に重機を保有されるだけでなく、解体工事における安全性確保と周辺環境への配慮にも尽力されているオアシス・イラボレーションさんですが、その背景にはどのような目的、戦略があるのでしょう。
吉川幹太さん
当社は2年後の上場に向けて事業展開を図っております。当社のように重機を保有し、解体する職人が所属する施工会社で上場している企業は現段階ではありません。重機を保有し、それを扱える技術力があることに加え、最先端のIT技術をいち早く解体事業に活用する先見的な取り組みをし、上場を目指す方針です。
従業員数132名、売上36億円が示す成長の推移
編集部
2026年の上場を目指しているとのことですが、そこに至るまでには売り上げや従業員数などの成長があったかと思われます。オアシス・イラボレーションさんの成長を表す従業員や売り上げの推移をお聞かせいただけますでしょうか。
吉川幹太さん
東京と大阪に進出したことを機に、従業員数が95名から132名までになりました。売上推移については、2019年が29億円、そこから少し右肩上がりで伸び、現在は約36億円となっています。
今後の中期経営計画の作成もあるなか、売り上げは上場までにはかなり上がることが予測されます。戦略のところではしっかり落とし込めているので、あとは営業活動のクオリティを上げ、どう集中していくかが現在のフェーズです。
MBA取得の経営陣と解体業務の内製化が成長を後押し
編集部
最先端IT技術を活用したアーキテクト集団でもあるオアシス・イラボレーションさんは、自社で蓄積したノウハウによるDX事業や、不動産事業、再生エネルギー事業などグループ事業を幅広く展開されています。どのようなスキルを持った方が活躍されているのでしょう。
吉川幹太さん
人材に関しては2つの軸があり、1つは解体業界未経験の経営陣です。代表の川渕は長く解体事業に従事していますが、社長を支える経営陣は、暗号資産事業等で独立もしている元大手銀行のバンカーや、オートリースの元社長など経営者としての経験を持つ者が経営陣に名を連ねるのは解体の施工会社において非常に珍しいケースと思われます。また、代表とCOOはMBAを取得しており、業界に対し俯瞰的な経営の視点を持っていることが特徴として挙げられます。
2つ目は従業員の質です。施工会社の中では日本トップクラスの技術を持つスタッフは、外注を抑えて、自分たちで多くを担います。外注費用としてのコストを抑えられるので、お客様にとっても費用面でのメリットがあります。
編集部
業界の常識にとらわれない視点を持った経営陣や、解体業務を社内で全て行うことができるスタッフのスキルの高さが、オアシス・イラボレーションさんの成長を支えているのですね。
MVVCを冊子にまとめて可視化し、社員への浸透を図る
編集部
MBAを代表自らが取得することで、進歩を止めない姿勢を示されているオアシス・イラボレーションさんですが、社員のみなさんは御社のミッション、ビジョン、バリュー、カルチャー(以下、MVVC)をどのような方法で学び、実行されているのでしょう。
吉川幹太さん
MVVCはまさにわれわれが主導となって可視化に取り組んできました。63年にわたって事業を運営するなか、MVVCが可視化されていないものがあることが当社の課題でした。
■オアシス・イラボレーションのMVVCはこちら!
https://www.oasis-1.co.jp/company/mission/
そこで取り組んだのが、代表の思いやMVVCをわかりやすくまとめ、上場を目指すうえで重要な規制関係、災害時のBCP(※)などを記した冊子の作成です。
※BCP:Business Continuity Planning。災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画
これらに対し、全従業員が1日1回は必ず意見を述べる場を設けており、アナログではありますが浸透していると感じます。
「楽しそうに働く兄がうらやましかった」ことがジョインのきっかけ
▲現在、長期インターン生として活躍している吉川健斗さん
編集部
吉川幹太さんの実弟である吉川健斗さんは、インターン生として在籍されているとのことですが、インターンシップへの応募はお兄様の影響が大きいのでしょうか?
吉川健斗さん
誘われて応募したわけではないのですが、きっかけとしては兄の影響です。実は兄はもともとネパールにある会社への入社が決まっており、アメリカに勤務する予定でした。「海外に行くんだ、すごいな」と思っていたのですがある日、「俺、やばい人に会った。ネパールには行かない」と言うのだから驚きです。
結果、それがオアシス・イラボレーションと兄の出会いだったのですが、兄のキラキラした目と、毎日楽しそうに仕事に行く姿を見て、「うらやましいな」と思ったことがインターンシップに応募した大きな理由です。また、小学生の時から兄弟で会社をやりたい、一緒に働きたいという夢があったことも、応募のきっかけになりました。
編集部
幹太さんが楽しそうに仕事に向き合う姿を家族として間近で見てきたことで、オアシス・イラボレーションさんへの関心が強くなっていったのですね。
間近で見た重機の迫力。インターンシップでは役員へのプレゼンも経験
編集部
オアシス・イラボレーションさんのインターンシップではどのようなことを学ばれているのでしょう。
吉川健斗さん
最初のインターンシップは3日間という短期間でしたが、濃厚な時間を過ごすことができました。東京本社で企業説明などを受ける他、現場にも足を運び、実際に重機で建物の基礎部分を解体する、迫力ある作業を目の当たりにしました。その衝撃は大きく、この業界はやっぱり面白いと感じました。その後は高知本店に移動し、社員からさまざまな話を聞いたり、美味しい食事をご一緒したりしました。
また、インターンシップでは自分たちで資料を用意し、役員にプレゼンをする機会があり、経営視点で学ぶこともできました。
編集部
経営の中枢にいる役員の方の話を聞くと共に、社員と触れ合うことでオアシス・イラボレーションさんに魅力を感じ、入社を志望されたのですね。
吉川健斗さん
はい。また、目標である兄と一緒に働くことで、学べることが多いと思ったことも志望の大きな理由です。現在は長期インターン生というかたちで、まもなく1年を迎えようとしています。
16歳から複数の事業を起業。大学4年生で海外からのオファーを受ける
▲社長室室長として川渕社長を支えると共に、多くのことを学んでいる吉川幹太さん
編集部
幹太さんはネパールの企業に就職、勤務地もアメリカに決まっていたとのことですが、それを蹴ってオアシス・イラボレーションさんへの入社を決めたのは、どのような理由からなのでしょう。心境の変化など、経緯と共にお聞かせいただけますでしょうか。
吉川幹太さん
高校生だった16歳の時に1度起業しているわたしは、マンパワーの会社の事業をビジネス体系でやってきました。さまざまな方からのお力添えや、出資の話をいただいたこともあったのですが、「それでは本当の起業とは言えない」という思いがあり、なかなか雲の上をつかみきれない感覚を持っていました。
しかし、起業への思いは強く、大学は経営学部に進学。4年生の時にDX関係のスタートアップにコンサルタントとして就職しました。その傍らで起業した自分の会社で仲間と共に切磋琢磨しながら働いていた時に、IT分野を海外で頑張りたいという思いが生まれました。そんな時にネパールの会社からアメリカに支社を出すのでそこで働いてほしいというオファーがありました。
川渕社長に惚れ込み、入社を決意した若手社員の心境の変化
編集部
海外で働くことは非常に魅力的のように思われますが、それ以上に幹太さんを魅了する出会いがあったのですね?
吉川幹太さん
おっしゃる通りです。ちょうど同じタイミングで現在、当社で最高人事責任者を務める林から「ちょっと会って欲しい社長さんがいる」という連絡をもらいました。
当時、渡米するまでのつなぎで別の会社を作っていたので、てっきりクライアントを紹介してもらえると思って出向いたのですが、まさかの面接だったというのがオアシス・イラボレーションとの出会いです。
編集部
オアシス・イラボレーションさんでの面接では、どのような話をされたのでしょう。
吉川幹太さん
これまでの自分のあゆみについてお伝えしました。将来、本物の企業家になりたいという想いも伝えさせてもらいました。代表の川渕の話を聞いているうちに、直感的に自分に足りないもの、得るべきものがここにあると感じました。30分ほど話した時でしょうか、川渕に「自分で起業して成功したいなら、俺の背中を見て勉強しろ」とはっきり言われたんですね。
「俺は今からIPO(上場)をして世界を取りに行くぞ、その背中をお前は隣で見てろ」と発言した川渕にすっかり惚れ込んでしまい、気がつくと固い握手を交わしていました。この頃にはネパールの事はすっかり頭から消えてました。「社長、惚れました。一緒に獲りにいきましょう。」この一言です。
社長の人柄、高い志に強く共感し、「隣にいるぞ」という今の心境を思うと、当社にジョインした決め手は川渕本人のカリスマ的存在でした。
編集部
わずかな時間で幹太さんを夢中にさせる、川渕社長の経営手腕と信念がいかに素晴らしいかを表しているエピソードですね。
社長の感性に一番近いことを武器に広報活動に尽力
編集部
現在、幹太さんは社長室室長で広報も担当されているとのことですが、入社2年目での抜擢はかなり早いタイミングと思われます。室長として川渕社長を支えるなか、ご自身の役割をどう分析されていますか?
吉川幹太さん
自信をもって言えるのは、社長の感覚や感性に一番近い感覚を持っていることです。社長とつながっていることを活かし、魅力発信を含めて広報自体も力を入れたいことを提議しました。
パブリシティに関しては同じ業界で行っている会社は皆無ですが、経営と広報は背中合わせという感覚を私自身が強く持っていたのと上場とその先を見据えてかなり必要な要素と感じていましたので、川渕に「広報をやりませんか?」と提案したことで、本格的な広報活動が始まりました。
広い視野で周囲を見渡せるようになったことが成長の証
編集部
健斗さんにお聞きします。川渕さんのもとでアグレッシブに活躍される幹太さんの姿を見て、変わったと感じることはありますか?
吉川健斗さん
学生の頃から起業している兄は、高校生の時は特に尖っていました。ところが、オアシス・イラボレーションに入社してからの兄は、良い意味で“丸くなった”と感じます。広い視野で周囲を見るようになり、代表の川渕の隣で経営者のリアルな部分を知ることで、今まで以上に意欲的に学んでいるように思います。
私自身も川渕に惚れ込んでいるのですが、その理由を言葉にするのは難しく、“この人は何か持っている”という感覚がすごくあります。
編集部
幹太さんに伺います。「良い意味で丸くなった」とのことですが、組織や事業を全体を通してを見れるようになったということでしょうか。
吉川幹太さん
これまではフロントからバックオフィスまで1人でやっていたという経験しかなかったので、当社にジョインすることで全体を見渡せるようになったことは大きな変化だと自分でも感じます。
同時に、組織で働くことの大変さや、経営者の視点とはどういうものなのかなど本物のオーナーシップを、川渕から学んでいることが、成長のポイントだと思っています。
編集部
まさに川渕社長の背中を見ながら学び、自身の学びに活かされているのですね。
新卒者は将来の経営層、オーナーとして独立を目指す方のみを採用
編集部
2年後の上場を目指し、まさに飛躍のフェーズにあるオアシス・イラボレーションさんでは、どのような採用ポリシーを設けているのでしょう。
吉川幹太さん
人事部と協力し、採用基準の抜本的な変更を行い、現在は将来、子会社の社長やオーナーを担う経営者層のみを採用しています。これまでは総合職として新卒採用を3年間行ってきたのですが、残念ながら当社に入社したいという強い意志を持っての入社ではなかったように思われます。
このような経緯での入社は意欲に欠け、一人前になるまでに時間がかかり、結果、定着率の低下を招いてしまいます。
そのような状況のなか、インターンシップで接点を持つ学生が非常に優秀なことに気がつきました。次世代の経営者を任せられる人材や、自らがオーナーとして経営を担う方のみを新卒採用することに振り切っています。実はわれわれ兄弟も、30歳までに独立することを川渕に約束しています。
編集部
将来の経営者層またはオーナーに特化した新卒採用となると、独立後の支援なども念頭においているのでしょうか。
吉川幹太さん
経営者育成に特化した採用活動を行っているので、若手への支援制度の具体的なものとしては出資制度を設ける予定です。川渕もしくはオアシス・イラボレーションからの出資となり、独立するにあたって資金的な援助を受けることができます。
この他にも学習支援制度として、MBA取得のための大学院進学費用の補助、川渕、または子会社の社長と共に仕事をすることでオーナーシップを学ぶ制度を設ける予定です。
編集部
なるほど。新たな採用ポリシーでは解体事業など既存の事業においては経験のある適した人材を中途で採用し、新卒に関してはインターン生を中心に将来的に経営者を目指すという方のみを採用されるのですね。
経営者を育成する3つのコースでスキルアップを支援
編集部
新卒採用者を経営者に育成するにあたって、オアシス・イラボレーションさんではどのような教育制度や支援制度を設けられているのでしょう。
吉川幹太さん
新卒採用者に関しては、われわれがロールモデルになる予定になっています。
教育制度としては、独立をして上場もしくはEXITを目指す「オーナーコース」、オアシス・イラボレーションもしくはオアシスグループのホールディングス化に伴う子会社社長を目指す「リーダーコース」、専門的な部署の管理職や担当役員、執行役員を目指す「プロフェッショナルコース」を想定しています。
経営課題を解決することでスキルを高めるインターンシップ制度
編集部
続いて、インターンシップ制度について伺います。健斗さんが体験されたようなインターンシップに加え、インターン生がオアシス・イラボレーションさんで体験できる業務についてお聞かせください。
吉川幹太さん
経営者の経営課題をキャッチし、企画から実行、もしくは分析してのPDCAを回すところまでをお任せする当社のインターンシップ制度は、社長室の裏組織的な立ち位置で実際の経営に沿った活動をし、自分のスキルや市場価値を上げていただくことを目的としています。
基本的にインターン生は全員、社長室室長のわたしのもとで働いていただきます。業務内容は、インターン生という枠組みは設けておらず、実務を体験します。
具体的には、広報関連であれば取材の対応や、記事の執筆の添削まで担っていただくことがあります。なかでも現在、注力している社内の広報活動は、社員のロイヤリティを上げることや、帰属意識を高めることです。イントラネットの構築からコンテンツの開発、採用ブランディング戦略や採用募集を出すこともインターン生が担当しています。会社成長に直結する気づきを全てプロジェクト化しますので本当に多岐に渡ります。
編集部
健斗さんは現在、長期インターン生としてまもなく1年を迎えるとのことですが、オアシス・イラボレーションさんのインターンシップに参加したことで、どのような学びを得られましたか?
吉川健斗さん
当社のインターンシップ制度は超実践型です。私自身、現在長期インターンとして在籍していますが、会社の名刺を持ち、社員としてお客様に会う経験をしています。インターン生で会社の名前や誇りを背負って社会に出ることは、なかなか経験できないことだと思います。
兄と考えているのは、「インターン生でチームを作り、売り上げを立てる」ということです。それも中途半端なものではなく、定性的かつ定量的な目標設定を行っています。実現することで会社にメリットがあることはもちろん、インターン生にとっても大きな学びとなります。
編集部
なるほど。「インターンチームでこんなことができるんだ」というのは、外から見たときのインパクトも大きいですよね。
「大家族主義」でインターン生のモラルを教育。社会人の基礎を学べる
▲インターン生は明るい環境のオフィスで実践的に実務を学ぶことができる
編集部
インターン生に実務を任せるにあたり、オアシス・イラボレーションさんがマインドやカルチャーとして伝えていることはありますか?
吉川幹太さん
創業した高知県のコンセプトに倣った「大家族主義」という当社のカルチャーを伝えています。「家族だから良いことは良い、悪いことは悪いとはっきり言うからね」と、腹を割って話すことを大切にしています。
例えば、社会人としての基礎は、どんなに優秀なスキルを持っていても、モラルの部分で足りないことがあります。もっとこうして欲しいことや、助けてほしいことがあれば遠慮なく言うことを伝えているので、インターン生だからといって変に気遣うことや、仰々しさを感じる必要はありません。
食事の場などでの目に余る行動に対して「ちゃんとしなさい」ではなく、「スマートにやることがかっこいい大人なんだぞ」、食事が終わった後も「今日はごちそうさまでした」とさりげなく言えるとかっこいいよね、という伝え方をする方針でインターン生に携わっています。
編集部
インターン生から正式に入社されるまでに、実務経験だけではなく、モラルに関する教育もすることで、学生は社会人として理想的なスタートを切ることができますね。
吉川幹太さん
明らかにできてないインターン生がいたとしても、このようなアプローチなので、「それ、マジいいっすね」といったテンションで成長していることを実感しています。そのため、モラルに関しては、入社する4月1日には正しい状態まで持っていくというカリキュラムを私たちの中では組んでます。
ただし、そこに関しては説得力が必要だと思うので、実体験のみで介入するようにしています。例えば、自分が学生時代を送ってきたなかで、どのような気づきがあり、社会人の先輩にどんなお叱りを受けたことで今の自分があるのかを、自分より下の世代に全てを落としていこうと思っています。
インターン生の中には他社に入社する方もいると思われますが、もちろん全力で応援します。当社でのインターンシップ経験を活かし、活躍できるまで育てたいという思いがあります。いつか、世間を賑わす企業家の共通のルーツとして当社にフォーカスされる未来を夢見ています。
解体業をカッコイイ仕事に。自己成長と共にみんなを幸せにしたい方を歓迎
編集部
今回のオアシス・イラボレーションさんの記事を通し、従来の解体業者の「きつい・汚い・危険」という負の3Kイメージを払拭した読者も多いと思われます。経営層を目指す新卒者と、実際の業務を担う中途採用を希望される方に向け、メッセージをお願いします。
吉川幹太さん
社名の由来通り、「精神的に豊かな場所を切磋琢磨して作り上げる」を合言葉とする当社は、「みんなが幸せになるために、自分は何ができるか」を追求する企業です。自分の成長とみんなを幸せにしたいという思いを持った方にぜひ、ジョインいただきたいと考えます。
吉川健斗さん
負の3Kに代わって、当社では新3Kとして「給与・休暇・希望」を掲げています。でも、テレビも4Kに変わったことだし、ここにもう1つ追加で「かっこいい」のKを入れようと思っています。
インターンを始めてから大学の仲間には「お前、最近何やってんの?」「何か始めたの?」と、声をかけられることが増えました。
解体業はニッチな業界ですが、既存の建物から新しいものを建てるためには解体から始まります。解体業は新しい社会を築く“かっこいい業界なんだぞ”、“若手から日本を変えていくんだぞ”ということを共に広げていく仲間を集めていきたいです。
編集部
従来の解体業のイメージを払拭するオアシス・イラボレーションさんの取り組みは、業界のみならず、別事業領域にも参入することで日本の未来を支えることにもつながると感じました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社オアシス・イラボレーション:https://www.oasis-1.co.jp/
採用ページ:https://www.oasis-1.co.jp/recruit/