独自の強みと若手の活躍によって成長を続けている企業をインタビューする本企画。今回は、広告代理店やイベント会社の要望を受け、総合キャスティング事業などを手掛けている株式会社エイスリーにお話を伺いました。
株式会社エイスリーとは
▲エイスリーは、「世界の“才能”をつなぐプロフェッショナル」というミッションを掲げている。
「世界の“才能”をつなぐプロフェッショナル」をミッションに掲げる株式会社エイスリーが展開しているのは、エンタメ業界に関する3つの事業と1つのプロジェクトです。
広告代理店から依頼を受け、企画に合うタレントをキャスティングするほか、エンタメ業界に特化した総合人材事業などを手掛けています。
会社名 | 株式会社エイスリー |
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住所 | 東京都渋谷区神宮前3-35-2 クローチェ神宮前ビル 6F |
事業内容 | 1.総合キャスティング事業 2.エンタメ特化型総合人材事業 3.エンタメ特化型M&A仲介事業 4.タレント支援プロジェクト |
設立 | 2008年10月 |
公式ページ | https://www.a3corp.jp/ |
株式会社エイスリーの特徴は、さまざまなタイプのタレントのキャスティングを請け負う「総合キャスティング」会社であること、社員の平均年齢は30歳と多くの若手社員が活躍していることです。
同社の強みと若手が活躍できる要因について、HRBP室 室長の國吉祐子さん、総合キャスティング事業部イベント総合ユニットリーダーの山鹿修太さんにお話を伺いました。
エンタメ業界の縁の下の力持ちとして、才能をつなぐ事業を展開
編集部
初めに、エイスリーさんの事業内容について伺わせてください。
國吉さん
エイスリーはエンタメ業界に特化した3つの事業と1つのプロジェクトを展開しています。
まずは、エイスリーの中心的な事業となっている「総合キャスティング事業」です。全国の広告代理店やPR会社、イベント会社、企業、自治体、団体様などから依頼を受け、お客様の要望に合わせたタレントをキャスティングしています。
テレビCMや企業イベントを実施するお客様の要望をお聞きし、芸能事務所などにお声がけしてイメージぴったりのタレントをアサインさせていただいております。
また、企業とタレントをつなぐという文脈でいうと、エイスリーでは「タレント支援プロジェクト」も展開しています。タレントのスキルをビジネスで活用したいといったニーズのある企業様に向けて、現役タレントや元タレントを企業の人材として紹介しています。
編集部
企業とタレントをつなぐ事業を展開されているのですね。ほかの2つの事業についてもお教えください。
國吉さん
エイスリーでは「エンタメ特化型総合人材事業」という人材事業も手掛けています。マスコミや出版、イベントといったエンタメ業界の企業と、エンタメ業界を志望する求職者をつなぐオウンドメディア「エンタメ人」を運営しながら、人材紹介サービスを行っています。
もうひとつの事業は、「エンタメ特化型M&A仲介事業」です。事業の担い手を探す企業(売り手)と、エンタメ業界で新しいサービスを取り入れ事業拡大を図りたいと考える企業(買い手)の間に入り、つないでいます。
豊富なキャスティング実績を積んでいるエイスリーだからこそ展開できるサービスです。
編集部
まさにエンタメ業界の縁の下の力持ちといえるような企業なのですね。
ジャンル問わずタレントをキャスティングできる総合力が強み
編集部
エンタメ業界において確かな実績を積み上げているエイスリーさんですが、どの程度成長拡大しているのでしょうか?
國吉さん
売上でいうと8期連続で増収しています。総合キャスティング事業と人材事業のどちらもメンバーを増強し、事業をさらに拡大しているところです。
エンタメ業界ではコロナ禍をきっかけに広告施策の方向性が変わりつつあります。特にTikTokが伸びている中で、エイスリーでは若手の人材が活躍できているという状況です。
編集部
着実に成長できているのですね。エイスリーさんの強みとしては何が挙げられるでしょうか?
山鹿さん
キャスティングサービスを展開している企業はほかにもありますが、タレント専門、インフルエンサー専門、アスリート専門など、何かの分野に特化したキャスティングサービスを展開しているというケースが多いです。
その点、エイスリーでは「総合」キャスティング事業と銘打っている通り、ジャンルを問わずお客様のイメージにぴったりのタレントをアサインできます。
今はお客様の要望だけでなく、タレントも多様化しています。その多様性に対応できる体制があるというのがエイスリーの強みとして挙げられると思います。
▲総合力が強みのキャスティング事業。累計キャスティング実績は14,000件以上。
質の高い提案ができる要因は、積極的に情報共有するという文化にあり
編集部
エイスリーさんでキャスティング業務に携わられている社員さんは何名でしょうか?
國吉さん
総合キャスティング事業部所属の社員は約60人ほどです。会社全体の社員数が86名なので、多くの社員がキャスティング業務に携わっていることになります。
編集部
大きな規模で事業を展開しているのですね。総合キャスティング事業の組織は、小さなチームがいくつもあるというイメージでしょうか?
國吉さん
そうですね。専門ジャンルによってチームがいくつかに分かれています。しかし、エイスリーではチームの垣根を越えて情報共有をする、相談し合うという文化が定着しており、事業が成長できている要因となっています。
キャスティング会社のなかには、情報を部外者に渡さず、それぞれが個人戦を展開しているという企業もあります。そんな中で、エイスリーは比較的フリーな雰囲気なんです。
社内チャットにテーマ別のスレッドがあり、例えば成功事例はもちろんのこと、失敗談といったある意味ネガティブな情報であっても、社内の知見として共有しようとする文化がありますね。
編集部
情報を共有することで得られる効果は何でしょうか?
國吉さん
キャスティングディレクターは、単にクライアントの要望に応えるだけではなく、「このタレントを起用することでどういった効果を生み出せるか」というお客様の課題解決や目標達成に向けた知識が求められます。それが顧客満足にもつながるため、会社一体となってあらゆる情報を共有することで、一人が知り得る知識以上の情報をお客様に自信を持って提案できるようになります。
例えば、起用して終了ではなく、広告施策後にどれだけ話題になるかという波及効果まで考えてタレントをアサインする必要があります。
「このタレントでこういう効果が生まれる」という情報を持っていることで、単にジャンルに合わせてタレントをキャスティングするというアプローチではなく、「どういう施策がマーケットで喜ばれるか」という部分まで考えて提案できるのです。
編集部
それぞれの社員さんがエンタメ業界に関する幅広い知識を持っているからこそ質の高い提案ができるのですね。
顧客の動きよりも先回りして動くスピード対応も強みの一つ
編集部
お客様への対応でエイスリーさんが心がけていることは何でしょうか?
國吉さん
エイスリーでは「スピード対応」「専門知識」「適正価格」「顧客視点」「120%対応」という「お客様への5つの約束」を掲げています。素早くお客様に対応するというのは、エイスリーの社員みんなが心がけていることですね。
編集部
スピード対応の例としては、どういったものが挙げられるでしょうか?
山鹿さん
キャスティングのチームでは、「いただいたメールはその日のうちに返信する」といったルールが設けられています。
また、私個人としては、先回りしてお客様に現状について伝えることを意識しています。お客様からの進捗確認が続いてしまうと、「この人は動きが遅い」と感じてしまうと思うのです。
当然のことかもしれませんが、お客様に状況を聞かれる前に、状況について説明することを心がけています。
編集部
対応の速さというのも、間違いなくエイスリーさんがお客様から信頼されている要因ですね。
業界未経験の人材が入社数年でチームリーダーへ
編集部
山鹿さんがエイスリーさんに入社された経緯について伺わせてください。
山鹿さん
私は新卒で製薬会社に入社し、営業として5年間勤めていました。ただ、入社前に思い描いていたイメージと、働き方が少し違っていたのです。そこで転職活動を始め、エンタメ業界は未経験でしたが、縁がありエイスリーの一員となりました。
志望した理由は、もともとお笑いなどのエンタメが好きなこともあったのですが、エンタメ業界と一般社会をつなぐという仕事がエンタメ業界に携わるうえで自分の中でちょうど良い塩梅だと感じたためです。現在、7年目になりますね。
編集部
現在はどんな業務を担当されているのでしょうか?
山鹿さん
イベント総合ユニットというチームのリーダーを務めています。イベント総合ユニットは、イベントにタレントをキャスティングするメンバーと、イベントそのものを企画するメンバーどちらも在籍しているチームです。
メンバー数は私含め10名と、エイスリー内のチームでは最多の人数で構成されています。
私は入社当初からイベント関係について担当していました。また、新規事業の立ち上げも経験したということもあり、マネジメント業務に当たらせていただいております。
そのほか新卒の採用プロジェクトにも、プロジェクト立ち上げ時から携わらせていただいております。
エイスリーの若手が育つ「挑戦を歓迎し、失敗を受け入れる文化」
編集部
新規事業立ち上げのご経験もあるとのことでしたが、そのことについて詳しく伺わせてください。
山鹿さん
エイスリーはもともとタレントのキャスティングに特化して事業を展開していました。人材事業については5年ほど前にスタートし、この事業の立ち上げに携わりました。
私自身、新規事業に憧れがありましたし、人材事業に興味を持っていたこともあってチャレンジさせていただきましたね。
編集部
現在はエイスリーさんの一つの事業として確立している人材事業でしたが、立ち上げ当初は苦労したのではないでしょうか?
山鹿さん
新規事業はお客様がいないうえに、サポート体制も確立していません。やはり難しさを感じましたね。今思えば、周りを巻き込めるだけの熱量と行動力がなかったと反省しています。
人材事業は今はなんとか形になっていますが、何かをやろうとするときに自分だけで進めるのではなく、周りを巻き込んでいくことの大切さを学びました。
編集部
新規事業立ち上げ時の学びがあるからこそ、多くの人数で構成されているチームをまとめられているのではないかと感じました。山鹿さんのお話からエイスリーさんには挑戦を歓迎する文化があるのではないかと感じましたが、いかがでしょうか?
山鹿さん
エイスリーは基本的に挑戦を歓迎する社風です。手を挙げる人には、必ずチャンスを与える会社だと思います。
私自身、新規事業や現在のマネジメントの仕事で失敗はいろいろとありました。しかし、エイスリーには失敗を受け入れてくれる文化があります。失敗をしてきたからこそ、視野が広がって成長できて、今の自分があると思いますね。
編集部
エイスリーさんは社員の心得として「Always “KAIZEN” , Everyday “CHALLENGE”」を掲げていますが、まさにそれを体現するようなエピソードですね。
情報共有を歓迎するカルチャー、フリーアドレスで社員同士が意見を交わす
編集部
エイスリーさんの特徴的な社内のカルチャーは何でしょうか?
國吉さん
さきほどもお話ししましたが、やはり情報共有を積極的に行うというのがエイスリーの特徴的な文化だと思います。社内チャットは新入社員から代表取締役まで同じ情報を共有しています。
共有する情報としては、現場で聞いた話や案件が挙げられます。そのほか、芸能ネタや芸能トレンドといった幅広い情報が共有されています。
また、エイスリーには芸能事務所のマネージャーさんや営業担当の方が若手のタレントの顔見せに来られることもあります。そういった情報も、社内チャットで共有するようにしていますね。
編集部
そこまで情報共有が進んでいる理由は何でしょうか?
國吉さん
エイスリーで情報共有が進んでいる理由としては、会社として情報量を重視していることが挙げられます。「なんでそんなつまらない情報を流しているのか」といった雰囲気は全くありません。
例えば野球のことやフェスのことなど、それぞれの社員が自分の得意分野の情報を社内チャットで投稿しています。
編集部
情報の中身より量を重視するからこそ、積極的に発信する文化が根付いているのですね。ここまでオンライン上での社内交流のお話でしたが、オフラインでも社員同士の交流は活発なのでしょうか?
國吉さん
エイスリーのオフィスは、フリーアドレスを採用しています。どの場所で仕事をしても良いということで、社員同士がアイデアを出し合いながら仕事を進めています。
どのタレントをキャスティングするかリストにしていくのでも、一人で考えるよりは誰かと意見を交わしながら考えたほうが進みやすいです。個々の知見や専門性を日常の会話や情報共有でシェアし合い、サービスにつなげる、エイスリーはフラットな組織であるといえます。
編集部
社員同士が活発に議論しているからこそ、お客様が納得できるような提案を行えるのですね。
成長中の会社で成長したい、エンタメ好きの人材を求める
編集部
エイスリーさんの直近の採用実績についてお教えください。
國吉さん
エイスリーは現在、中途採用に力を入れています。今も毎月2~3人のペースで採用しており、1年間で30人弱入社しております。
編集部
採用後はどのように仕事を覚えていくのでしょうか?
國吉さん
入社後は、基本的にOJTで仕事を学んでもらいます。また、目標管理の仕組みもあり、上長と定期的に1on1をしていただいて、目標の進捗状況について確認する体制もあります。
また、私の所属するHRBPは事業に寄り添い、社員の育成や働く環境の整備を強化しておりますので、研修制度や人事評価制度など、社員育成の仕組みを現在積極的に構築しているという状況です。
▲研修に取り組む様子。
編集部
新入社員をサポートする体制がしっかりと整っているということですね。最後に、エイスリーさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。
國吉さん
エイスリーは株式上場の準備を進めているなど、ものすごいスピードでの成長を目指している会社です。成長中の会社でともに成長していきたいという思いを持ち、また、エンタメが好きだという方はぜひジョインいただきたいです。もちろん、エンタメ業界が未経験の方も大歓迎です。
さきほどもお話しした通り、現在さまざまな制度を設計中です。エイスリーでどのようなキャリアを歩んでいくか、多様な選択肢から選べるよう設計を進めております。自分の成長と会社の成長を合わせて考えていただける方を歓迎いたします。
編集部
挑戦を歓迎し、猛スピードで成長しているという環境にあるからこそ、若手社員が伸び伸びと働きながら大きく成長できるのだと思いました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社エイスリー:https://www.a3corp.jp/
採用ページ:https://www.a3corp.jp/recruit/
※本記事に記載された内容は取材時2023年8月17日のものです。その後予告なしに変更されることがあります。