月間稼働時間をクライアントと相談可!株式会社イージフが実現するコンサルタントの新しい働き方

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、ビジネスコンサルティングとオープンソースソフトウェアコンサルティングを主軸に、多様なコンサルティングサービスを通じて企業をサポートする株式会社イージフにインタビューしました。

同社は、一般的に激務とされるコンサルティング業界において、クライアントとの月間稼働時間の調整に積極的に取り組み、コンサルタントのワークライフバランスに重点を置いた仕組みを取り入れていることが特徴です。フルリモートでの業務も可能で、男女問わず子育て中の社員も多数活躍しています。

今回は株式会社イージフのワークライフバランスと組織文化について、ビジネスコンサルティング事業部部長の吉川さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社イージフ・ビジネスコンサルティング事業部/事業部長の吉川さん

株式会社イージフ
ビジネスコンサルティング事業部/事業部長

吉川さん

DXから業務改善まで、多彩なキャリアを築けるコンサルティング

株式会社イージフのオフィス内観

編集部

まず御社のビジネスコンサルティングの業務内容をご説明いただけますか?

吉川さん

ビジネスコンサルティング事業部においては、大きく3つのコンサルティングサービスを提供しています。

1つ目がデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルコンサルティングを主としたITコンサルティング。2つ目が業務フローの見直しやシステム導入による業務生産性向上等をサポートする業務改善コンサルティング。そして3つ目が、大規模なプロジェクトに対してPMやPMOといった立場から支援するプロジェクトマネジメントです。

編集部

コンサルタントは、どのような形でプロジェクトに関わるのでしょうか。

吉川さん

まず私が案件の候補を選定し、プロジェクトを担当するコンサルタントと面談の上でアサインを決定します。複数プロジェクトに同時に関わることは少なく、コンサルタント1人につき1つのプロジェクトを担当するのが基本です。プロジェクトの規模に応じて1人だけで担当することもあれば、複数名のチーム体制で参画することもあります。

社員の希望を尊重した案件アサイン制度

編集部

吉川さんはどのような基準でコンサルタントをアサインされているのでしょうか。

吉川さん

プロジェクトの内容と本人の適性はもちろん加味しますが、その上でメンバーそれぞれのキャリアプランや希望を踏まえ担当するコンサルタントを決めています。そのために日頃からメンバーと対話を重ね、適性や希望を正確に把握するようにしています。

編集部

本人希望と会社都合が必ずしも一致しない場合もあると思いますが、その点はいかがでしょうか。

吉川さん

もちろん会社からすると直接ビジネスメリットにつながらないアサインになることもあります。しかし私自身前職の大手コンサルティングファームで配属が一方的に決められる経験をしてきており、一方的なアサインに疑問を感じていました。

だからこそイージフではメンバーのモチベーションや成長意欲を引き出すためにも、できる限りメンバーの希望とキャリアプランを尊重するスタンスを取っています。それが長期的に会社にもメリットをもたらすと考えています。

月間の稼働時間をクライアントと取り決め。働きやすさを実現する革新的施策

株式会社イージフの仕事風景

編集部

吉川さんがイージフにジョインされた経緯を教えてください。

吉川さん

私は約10年前にイージフにジョインしました。前職では長時間労働が一般的な環境でしたが、7、8年続けたタイミングで自分の今後のキャリアや働き方を改めて考え、この働き方を今後何十年も続けるのは厳しいだろうなと感じ、転職を決意しました。

10年前はまだワークライフバランスという言葉が一般的に浸透していない時期でしたが、その当時からイージフではコンサルタントが働きやすい環境づくりに力を入れていました。ここでならコンサルタントとしての経験を活かしつつ、自分の生活も大切に仕事ができるのではないかと考えたのが転職の経緯です。

編集部

一般的にコンサルタントは忙しい職種というイメージがありますが、イージフでは業務負担の軽減や働きやすさのためにどのような工夫をしていますか?

吉川さん

イージフでは、アサインの際にあらかじめ月間の稼働時間の上限および下限を定め、クライアントと合意した上で支援を行っています。上限を超えた場合は翌月に代休を取得するなど、制度として仕組み化がされています。残業軽減の取り組みをしている企業は多いと思いますが、こうして会社がクライアントと稼働時間を交渉し調整するくらい踏み込んだ施策をしているのは珍しいのではないでしょうか。

また、先述の稼働時間の枠組みの中であれば、自由な働き方ができるのも特徴です。プロジェクトの状況にもよりますが、休暇の取得も含めて1か月の中で労働時間を柔軟に調整できるため、子育てをしながら働いているメンバーであっても中抜けして子どもを迎えに行ったり、子どもの急な発熱で休みを取ったりと子育てと仕事を両立しやすい環境があります。

またプロジェクトが終わったタイミングで長期休暇を取る習慣も根付いています。メンバーが1週間分の休暇を申請すると、会社のほうから「2週間じゃなくても良いの?」と聞かれるくらい、当たり前のカルチャーとして長期休暇を取得できる環境があります。

編集部

勤務場所に関してはいかがですか?

吉川さん

クライアント先での常駐が必要ない案件であったり、クライアントとの間に特別な取り決めがなければ、リモートワークが可能です。自宅でも旅行先でも、社員の希望する場所で業務を行うことができます。私自身も、今沖縄で働いているんですよ。社内のコミュニケーションもチャットツールを使って非常にスムーズにできるため、オフィスの隣にいるのと変わらない状況で仕事ができています。

株式会社イージフで使用するチャットツール画面
▲実際の社内チャットの画面。仕事のやり取りだけでなく気軽なコミュニケーションにも活用される

自由で縛らないカルチャーで、“ライフ”を大切にした働き方が実現

株式会社イージフのオフィス内観と外観
▲オフィスのある六本木ヒルズ森タワー。オフィスでも自宅でも旅行先でも、自由な場所で働ける

編集部

時間や場所に縛られない働き方ができることに対して、メンバーの皆さんからはどのような声が上がっていますか?

吉川さん

メンバーからは、働きやすいという声をよく聞きます。私自身も前職と比べて本当にワークライフバランスの「ライフ」の部分をより大切にできる環境があることを実感しています。

大手企業出身のメンバーからは、あまりにも自由な職場環境に驚かれてしまうことも少なくありません。特別なルールを設けず個人の主体性や積極性、コミュニケーションに任せているため、主体的に業務を進められる方がより活躍しやすい環境です。自由で縛られない環境だからこそ、指示を待つのではなく自分で目標を持って行動できるプロアクティブな姿勢が求められます。

編集部

吉川さんは沖縄で過ごされているとのことですが、その他にも自由な働き方を活かして特徴的な働き方をしているメンバーはいますか?

吉川さん

副業も自由なので、イージフでの仕事と並行して別のフィールドで活躍しているメンバーもいます。例えば週4日はイージフで働いて週1日は日本語講師をしているメンバーもいれば、作曲家として音楽活動し、定期的にリサイタルを開催している方もいます。

子育て中の女性コンサルタントも活躍!能力重視×働きやすい環境

株式会社イージフの仕事風景
▲女性も多数活躍するイージフ

編集部

御社の女性活躍のご状況についてもご紹介いただけますでしょうか。

吉川さん

女性比率は全社の3割程度です。社内はビジネスコンサルティング事業部とオープンソースソフトウェアコンサルティング事業部の2事業部制のため、リーダーポジションの母数自体が少ないのですが、クライアント先でプロジェクトリーダーとして活躍している女性社員もいます。

子育て中の社員もいますが、男女で特に区別することなく、皆さん自由な働き方を活かして子育てと仕事を両立しながら活躍していますよ。

編集部

具体的な女性活躍の事例を教えていただけますか?

吉川さん

1歳のお子さんを育てながらコンサルタントとして活躍している女性社員がいます。当社では性別や年齢問わず能力がある社員に積極的に業務を任せる風土のため、その社員も入社してまだ数か月ながら、前職でのシステム開発の知見を活かし、システム企画部の業務改善プロジェクトでプロジェクト推進を担当しています。

またフルリモートで働きながら、中抜けして子どもの送迎を行うなど、当社の自由な働き方を活かし育児と両立しながらフルタイムで活躍しています。

キャリアの自由度を重視した評価・育成制度

編集部

人材育成についても伺いたいのですが、御社の人事評価制度の特徴を教えていただけますか?

吉川さん

全社員を対象として、事業部のマネージャーがおこなうチーム面談と、社長・取締役がおこなう役員面談の2つの評価面談を半期ごとに実施しています。そこで上長やクライアントからのフィードバックなどを行っています。各ランクに応じた評価基準は設けていますが、一方的に行うのではなく、本人の自己評価を重視しています。

特徴的なのが、本人の希望に応じたキャリアパスを描ける点です。もちろんクライアントワークとして顧客の期待値を超えることは求めますが、社内でのポジションについては必ずしもどんどん上を目指す必要はありません。ステップアップを促すよりも、本人のなりたいコンサルタント像を尊重するのが当社の人材育成方針です。

メンター制度に勉強会も。専門性を高める充実の育成制度

編集部

社員の成長やキャリアをサポートする仕組みとしてはどのようなものがありますか?

吉川さん

メンター制度を設けており、私とは別にリーダー格のメンバーがメンターとして付いて相談しやすい体制を整えています。また、当社は全体で40名(そのうちビジネスコンサルティング事業部は15名程度)の少数精鋭組織です。役員との距離も近いため、メンバーが直接役員に質問や相談することも可能です。

私がキャリア面談を行うこともありますが、頻度などはメンバーそれぞれのスタンスに任せています。もちろん定期的に話したい人もいるためいつでも門戸は開いていますが、月に何回必ずやるというような決まりにはしていません。

編集部

スキルアップに向けた勉強会などの機会はあるのでしょうか。

吉川さん

当社では他社に対するコンサルティング研修サービスを提供しているため、そのノウハウを活かして入社後に約1か月間コンサルティング研修を行っています。その他にも半期に1回の研修機会や月に1回の勉強会など、定期的な勉強機会を設けています。eラーニングツールも用意し、自己学習も促しています。

編集部

資格取得に対する補助などもありますか?

吉川さん

資格取得者への保障制度を設けています。ただし資格取得に積極的な人もいれば現場主義の人もいるなどスキルアップのスタンスも人それぞれのため、そこも本人の希望を尊重しています。

リモートでも活発な交流。家族も参加できる社内コミュニケーション

編集部

リモートワークのメンバーも多いと思いますが、社内コミュニケーションはどのように取られていますか?

吉川さん

作業自体はリモートでも可能ですが、円滑に業務をすすめるにはやはり対面でのコミュニケーションも重要だと考えているため、原則、週一回出社することが会社のルールとなっています。また、メンバー同士の交流を促進するためにイベント開催や補助等も積極的におこなっています。

例えば、入社時ランチ補助というユニークな制度があり、新しく社員が入社すると、本人だけではなく、一緒に行くメンバーの分まで、会社がランチ代を負担してくれるんです。期間は決められていますが、回数に制限はありません。新しく入った方が既存メンバーと早く打ち解けられるように導入したものなので、これから入社する方にも是非活用していただきたいです。

他には、全体的な交流の機会として、会社が月1回のマンスリーイベントを開催しています。過去の例では謎解きやコーヒー勉強会、パークヨガなどが好評でした。参加は強制ではなく任意ですが、色々な体験ができるため参加するメンバーが多くいます。

家族参加型のイベントも積極的に行っています。社員旅行やBBQ、ロケーションフォトやクリスマスリースのワークショップ等、全額会社負担で、家族やお子様と一緒に参加することができるんですよ。

その他、全社員が集合するAll Staff meeting、提携Barでの役員との交流会、各事業部が主催する月1回のビアバッシュ(オンライン飲み会)等も実施しています。これらはすべて会社が費用を補助し、社員の金銭負担なく交流の場を作っているのが特徴です。

株式会社イージフの社員旅行の様子
▲社員旅行で行った青木ヶ原樹海ツアーの様子

株式会社イージフの社内イベント
▲社員旅行や社内イベントに家族が参加することも

編集部

普段から社員同士のコミュニケーションは活発なのでしょうか。

吉川さん

社内チャットの中でさまざまなコミュニティが自然に生まれています。例えば子育て世代のグループやビール好きグループ、ゴルフやランニング、サッカーなど共通の趣味を持つメンバーのグループなど。部活動ほど厳格な組織ではなく、興味のある社員が自由に参加できる形で運営されています。コミュニティがいくつあるか私も把握しきれないほど活発に活動していますよ。

特に若手社員は活発に交流していますね。メンバー同士で引っ越しを手伝ったり、野球のサークルに助っ人として参加したりと、プライベートでも仲良く過ごしています。

仕事も生活も大切にする人材を募集

編集部

最後に採用について伺います。御社ではどのような人材を求めていますか?

吉川さん

ビジネスコンサルティング事業部では現在、新卒採用は行っておらず即戦力となる中途の方を募集しています。そのため、ITやシステム導入関連の基礎知識は必要です。ただし実際のプログラミングができなくても、システム導入に携わった経験があり、システムの基本的な概念を理解していれば問題ありません。

実際の業務は、Pythonなどのプログラミング言語を使用することはなく、クライアントとのコミュニケーションが中心です。システムに関連する特別な要件を理解できる知識は必要ですが、それ以外の部分は現場でキャッチアップすることも可能です。

編集部

イージフに興味を持った読者に向けてメッセージをお願いします。

吉川さん

コンサル業界では、プライベートを諦めて仕事に専念せざるを得ない方も少なくありません。しかし当社では自由な働き方の中で、プライベートを充実させながら仕事に取り組むメンバーが多く活躍しています。

私のようにぱっと沖縄に行く者など、役員など上役も含めて社員の皆がそういったマインドを持って働いています。仕事一筋というのももちろん良いのですが、仕事だけでなくプライベートにも熱心に打ち込むエネルギーを持った方は、当社で活躍いただけると思います。

編集部

吉川さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

この記事のまとめ

ワークライフバランス
  • ワークライフバランスを非常に重視し、自由な働き方を推奨
  • 月間稼働時間の上限と下限を140時間から180時間と明確に規定
  • リモートワークを推進し、場所を問わない働き方を実現
  • 休暇や中抜けなどに柔軟に対応できる
組織体制
  • 社員数15人程度の少数精鋭組織
  • 役員3人と2つの事業部制
  • 女性社員比率は約3割
プロジェクト体制
  • 基本的に1人1プロジェクトを担当
  • 本人のキャリアプランを考慮したプロジェクトアサイン
社内コミュニケーション
  • メンター制度による相談体制を整備
  • 月1回のオンライン飲み会や懇談会を実施
  • 家族参加型イベントを積極的に開催
  • 趣味を通じた自然発生的なコミュニティ活動が活発

株式会社イージフの基本情報

企業名 株式会社イージフ
住所 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー34F
事業内容 ・ビジネスコンサルティング
・オープンソースコンサルティング
設立 2006年2月
働き方 ハイブリッド勤務(フルリモートも可)
公式ページ https://aegif.jp/
採用ページ https://aegif.jp/careers/index.html
募集職種 コンサルタント(即戦力:PM経験者)
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。