新しい働き方や特筆すべきカルチャーが目立つ企業にインタビューしていくこの企画。今回は、AI(人工知能)を活用したプロファイリング技術をベースとしたさまざまなプロダクトを提供するAIQ株式会社(アイキューカブシキガイシャ)を取材させていただきました。
AIQ株式会社とは
東京と札幌に拠点を持つAIQ株式会社は、「Inside Tech(ヒトを知る)」というミッションを実現すべく、最先端のAIテクノロジーを使った事業を展開しています。
代表的なプロダクトはプロファイリングAIを活用したマーケティングサービス「Moribus(モリバス)」シリーズで、効率的なSNSマーケティングを実施したい企業や、インスタグラムの運用方法に悩むインフルエンサーなどから高い評価を得ています。
会社名 | AIQ株式会社(アイキューカブシキガイシャ) |
---|---|
住所 | 本社:東京都新宿区大京町22-1 グランファースト新宿御苑1F 札幌ラボ:札幌市北区北10条西3丁目23番地1 THE PEAK SAPPORO 1階 BIZcomfort札幌 |
事業内容 | AIを始めとする最先端技術で、ヒトのINSIDEを可視化しさらなる可能性を拡張するサービスの提供 |
設立 | 2017年7月6日 |
公式ページ | https://aiqlab.com/ |
そんなAIQ株式会社の事業内容やより良い環境を目指して改善を続けるワークスタイル、また活発なコミュニケーションが特徴のカルチャーなどについて、マーケティングを担当されている篠原さんにお話を聞かせていただきました。
AIを使ってSNSマーケティングや運用をサポート
▲AIQさんの代表的なプロダクトである「Moribus」シリーズ。
編集部
本日はよろしくお願いします。まず、AIQさんの事業内容についてお教えいただけますか?
弊社は、社名にも入っているAIなどのテクノロジーを駆使して、より「ヒトを知る、ヒトの可能性を広げる」ためのプロダクトを開発している会社です。主な事業は、AIを活用したマーケティングツール「Moribus」の提供と、企業と連携したR&D(研究開発)の2つです。
編集部
AIを使ったマーケティングツールというのは特徴的だと感じたのですが、Moribusについて詳しく伺えますでしょうか。
篠原さん
Moribusというプロダクトシリーズは、いわゆるSNSマーケティングの中で必要な支援をおこなっていくツールです。個人の表面的な情報だけでなく、プロファイリングAIを使って内側をしっかり深堀りし可視化することで、従来と異なる高い精度のアウトプットが可能となります。
▲企業のインフルエンサー施策をサポートする「Moribus Casting」。
篠原さん
Moribusの特徴について、企業向けに最適なインフルエンサーを選定するサービス「Moribus Casting」を例にしてご説明します。仮に、SNSの投稿内容やフォロワー数がほとんど同じのインフルエンサーである「Aさん」と「Bさん」がいたとします。企業はPRしたい商品に適したほうを起用したいのですが、見かけ上は違いがわからないと。
そこでMoribusを使っていただくと、「Aさんのほうが男性ファンが多い」「Bさんは食事に関心のあるフォロワーが多い」など一見わからない情報がAIにより可視化されるので、より効果的なマーケティングが可能になるわけです。その商品を本当に届けたい人はインフルエンサーではなくその先にあるユーザーなので、そこをしっかりと見極めたマーケティングができるのが強みですね。
また、起用したインフルエンサーの投稿を最適化できたり、フローの自動化によりダイレクトキャスティング(※)に要する管理工数を削減できるなど、さまざまな点で使いやすく工夫しているのも高い評価を得ている理由かと思います。
(※)中間業者を挟まず、企業が直接インフルエンサーをキャスティングする方法
編集部
Moribus Casting以外のサービスについてはいかがでしょうか。
篠原さん
導入実績が多いのは、インスタグラムの運用支援にフォーカスした「Moribus Navi」です。一般的なインスタグラムの分析ツールはただ分析結果を出すだけですが、Moribus NaviはAIにより最適なハッシュタグを推奨するなど、運用していく上での方針をしっかり提案して計画的にサポートすることが可能です。
その他にも、Moribusシリーズでは領域にあわせたさまざまなサービスを展開しています。変化が激しい業界なので、時代にあわせて改善を続けていますね。
編集部
AIQさんの提供サービス「Moribus」の特徴についてよくわかりました。AIという最先端の技術に関われることと、伸び盛りであるSNSマーケティングという分野の支援ができることもあり、エンジニアの皆さんのやりがいも大きそうですね。
企業と連携した研究開発や技術支援も実施
編集部
AIQさんの事業の2本目の柱である、企業と連携したR&D(研究開発)についてお聞かせいただけますか?
篠原さん
弊社はAIやシステム開発において高い技術力を持っているので、企業様からオファーをいただいて共同開発や技術支援をするケースが多いんです。
代表的なものとしては、AIによる画像処理が挙げられます。自動販売機に並ぶ飲料だったり、自動車事故の破損部位だったり、スーツのコーディネートだったりとジャンルはさまざまですが、大量の画像を読み込んで正確に認識・照合して処理し、関連情報と紐付けることができます。
「AIは人間の仕事を奪う」とよく言われますが、実際には人の仕事を助けるものなんです。たとえば、商品棚の陳列情報をチェックしていく作業に2時間かかるところ、AIだとものの数分で処理できたりします。すると、その2時間でまた違う仕事ができたり、学習する時間に充てたりできるわけです。
そういった開発を通して、「AIと人間の力を掛け合わせてアウトプットを最大化する」という新しい可能性について、いろいろと模索している段階ですね。
編集部
AIの助けを借りて生産性を上げることで、節約できた時間を有効利用できるということですね。現在まさに国がリスキリング(※)を提唱しているところでもあるので、AIQさんの事業は時代の風潮にもすごく合っていると感じました。
(※)リスキリング:ビジネスモデルの変化や技術の進化に対応するため、新しい知識やスキルを習得すること
業務内容や個人の事情にあわせたフレキシブルな働き方
編集部
ここからは、AIQさんの働き方についてお聞かせいただければと思います。東京と札幌に拠点があると伺いましたが、違いなどはあるのでしょうか。
篠原さん
基本的に、ビジネスサイドは東京オフィス、エンジニアサイドは札幌ラボというように分けています。とはいえエンジニアが全員札幌にいるというわけではなく、東京にも在籍していますね。人数の比率としては4分の3が東京にいるという感じです。
編集部
毎日の業務においては、出社とリモートのどちらを推奨しているのでしょうか?
篠原さん
弊社の勤務体系はかなり柔軟に設定していて、まずエンジニアはフルリモートかつフルフレックスで働くことが可能です。やはり、開発の状況によっては遅い時間に作業をすることもあるので、フレキシブルに対応できる体制を整えています。
ビジネスサイドは、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型にしています。オンラインだけではなく実際に会ってコミュニケーションを取ることも大事という考えがあるので、週3日出社を推奨していますね。ただ、そのルールも絶対ではないので、社会情勢の変化や個人の事情に合わせて柔軟に選ぶことが可能です。
たとえば「子どもが産まれたからしばらくはフルリモートにしたい」という要望があった場合などは、まったく問題なく受け入れています。働き方については、個人の健康や幸福感を重視して対応していくという文化ができています。
編集部
働く時間や場所について厳格なルールで縛るのではなく、業務内容や個人的な都合に合わせて選択していけるというわけですね。
自分の職場は自分で改善する「ワークスタイル検討委員会」
▲AIQさんの「ワークスタイル検討委員会」では、専用のフォームを使って意見を募集していた。
編集部
東京と札幌にオフィスが分かれているほか、リモートで働く方も多いという環境だと、メンバーが「こういうところが働きづらい」と感じたとしてもなかなか意見を吸い上げられないかと思います。その点で対策はされているのでしょうか。
篠原さん
おっしゃるとおり実際に顔を合わせて働く機会が少ないことで、どうしても個々の状況が把握できず、少しモヤモヤを抱えてしまうケースがありました。そこで弊社が立ち上げたのが「ワークスタイル検討委員会」です。
この委員会では「より良い働き方にするにはどうすればいいか」「どういった環境を望んでいるか」など、メンバーから広く意見を収集しました。また、ただ意見を募るだけではなく、経営層に直接「みんながこう言ってるからやりましょう」と話し合って推進していきました。
編集部
篠原さんもこの検討委員会には関わっておられるのでしょうか。
篠原さん
はい。私も委員会のメンバーの1人です。特徴的なのは、この委員会のリーダーは入社して半年経っていないくらいのコーポレートメンバーなんですね。入社して長い時間が経つと、どうしても環境に慣れてしまってルールが固定化してしまうので、新しい人の目線を取り入れています。
結果の反映についてはこれからですが、メンバー全員がもっと楽しく働けるように、いろいろと推進しているところですね。
編集部
入社して間もないからこそ、フレッシュな視点で制度の改革なども進められるということですね。会社として委員会のような仕組みを作ってボトムアップで変えていこうという決断もすばらしいですし、社歴が浅い人がリーダーになれるというフラットな文化があるのも魅力的だと感じました。
メンバー同士のランチを補助する「ブレイク手当」など各種制度あり
編集部
メンバーが働きやすくなるように支援する制度などはあるのでしょうか。
篠原さん
いろいろな制度があるのですが、まず紹介したいのは「ブレイク手当」という補助制度です。ブレイク手当は出社したメンバー同士で一緒にランチに行くと補助金が支給されるというもので、この制度のおかげで出社の機会が増えたり、他部署のメンバーと交流できたりしているので、組織として強固になっている実感がありますね。
違う制度でいうと、リモートワークに対する補助も出しています。自宅でもオフィスでも同じパフォーマンスが出せるようにするため、しっかりと意図を持って支援していますね。また、スキルアップにつながる書籍の購入なども、会社として補助しています。
独自の休暇制度としては「AI休暇」というものを設定しています。これは家族や大切な人と過ごすために、年に1日自由に休暇が取れるというものです。この「AI」は人工知能でもありますし、「愛」という意味も含んでいます。もちろん仕事も大事ですが、自分の生活も大事にしてもらうための制度という意味合いですね。
編集部
メンバー間のコミュニケーション促進から、大切な人のために使う休暇まで、いろいろな制度を整備されているんですね。柔軟なワークスタイルを選べることもそうですし、メンバーに安心して働いてほしいという思いがすごく伝わってきました。
社内バーカウンターや部活動での活発なコミュニケーション
▲AIQさんの東京オフィスにあるバーカウンター。
編集部
メンバー間のコミュニケーションについてはいかがでしょうか。
篠原さん
オンラインでは、Slackのチャットを使ってやり取りをすることが多いです。テキストコミュニケーションに慣れているメンバーが多いので、頻繁に発言したり、他人のチャットにリアクションを取ったりするなどしていて、離れていてもそれほど問題を感じたことはないですね。
対面してのコミュニケーションでいうと、東京のオフィスには実はバーカウンターがあるんです。いろいろとフリードリンクが置いてあるので、昼はカフェ的に利用してサッと打ち合わせをしたり、定時を過ぎたら皆でお酒を飲むこともあります。バーカウンターにはどんどん人が集まってくるので、コミュニティスペースのような交流の場になっています。
編集部
業務終了後にすぐ「ちょっと一杯」と楽しめるのはすごくあこがれます。その他には、コミュニケーション促進のための仕組みはあるのでしょうか。
篠原さん
多くの企業様が採用されているとは思いますが、「月間MVP制度」があります。業務中の出来事などを振り返って「この人に感謝したい」と感じた人にメッセージを添えて投票してもらい、得票が多かった人が表彰されるというもので、会話のきっかけにもなりますし、普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちを伝える機会にもなっています。
あと、ぜひご紹介したいのは部活動です。種類としてはボルダリングやフットサル、バスケットボールなどの運動系や、ゲーム部や麻雀部などのインドア系の部活もあります。
▲AIQさんは部活動も活発。こちらはボルダリング部の皆さん。
編集部
篠原さんはどの部活に入っているんですか?
篠原さん
私は部署や年次などに関係なくいろいろなところに顔を出すタイプなので、ほぼ全部の部活に入ってますね(笑)。ちなみに、活動の申請など決まりがあるわけではないので、人数が集まるならすぐに始められます。最近は新規で発足することも多いです。
編集部
会社としてさまざまな仕組みを用意されているほか、メンバーが自主的にコミュニケーションの輪を広げていくような環境なんですね。仕事では関わりのない部署の方とも話す機会もたくさんありそうですね。
▲フットサル部では男女混合で楽しくプレーしているとのこと。
熱意が高いメンバーが集まっている。別業種からの挑戦も
編集部
現在AIQさんに在籍されているメンバーの特徴を教えていただけますか?
篠原さん
共通した資質としては、「個人の意志の強さ」や「仕事に対する熱量の高さ」があると思います。弊社のバリューは「Be Adventurers(冒険者でいよう!)」というもので、常に挑戦し続ける姿勢を大切にしています。それを体現してくれているメンバーが多いと感じています。
あとは、IT系ではない業種からチャレンジして入社したメンバーが複数人いるのも特徴といえるかもしれません。もともと名古屋でアパレル業界で働いていたり、ホテル業界にいた人が、営業として活躍しています。
これも先ほどのバリューに関連するのですが、「こういう仕事がやりたい」という思いがあれば、別業種からの挑戦も会社として歓迎していますね。
歓迎するのは「会社と一緒に成長できる人」
編集部
採用に関連するお話が出ましたので、今後どんな方にジョインしてほしいかを伺えればと思います。
篠原さん
現在、私たちAIQは成長を続けているフェーズですので、「会社と並走して個人としても成長する」という意識を持っていただける人を求めています。また、現メンバーの特徴でもある挑戦する意識や熱意というところも共有でき、スピード感を持って真っ直ぐに動ける人がフィットすると思います。
あとは、リモートで働くケースも多いので、指示をただ待つのではなく自ら動けるかどうかというところも見るようにしています。
編集部
ありがとうございます。最後に、AIQさんに興味を持った読者の方へメッセージをお願いいたします。
篠原さん
社会的には逆行しているかもしれないのですが、現在AIQでは「出社して働いたほうがおもしろいよね」という意識が出てきています。出社することに楽しさを感じてもらえるように、組織としての制度面やカルチャーをしっかりと整えているところです。
もちろん状況にあわせてリモートで働けるという環境は変えることはないと思いますが、そのあたりの働き方なども含めて興味を持っていただいたのであれば、ぜひ面談などでお話しさせていただければと思います。ぜひ、気軽にご応募ください!
編集部
本日はありがとうございました!
■取材協力
AIQ株式会社:https://aiqlab.com/
採用ページ:https://aiqlab.com/career/