魅力的な事業や活躍する社員についてインタビューする本企画。今回は、日本で初めて訪問入浴を事業化し、訪問介護、デイサービス、グループホームなど様々な介護事業を全国展開する、アサヒサンクリーン株式会社にお話を伺いました。
事業所は全国に約240ヶ所!福祉サービスで地域に貢献するアサヒサンクリーン株式会社
アサヒサンクリーン株式会社は、今から約半世紀前に、日本で初めて「訪問入浴」の事業を立ち上げた企業です。その後も、在宅介護をはじめとする様々な福祉・介護関連事業を展開しており、現在では15種類のサービスをお客様に提供しています。事業所は北海道から九州まで、国内の幅広いエリアにあるほか、2023年にはベトナムにも拠点を開設しています。
元々は「寝具の丸洗い乾燥」を行っていたアサヒサンクリーン株式会社が、当時は誰も思いつかなかった「訪問入浴」を事業としてスタートさせたきっかけは、寝具のお届け先で聞いた、高齢者の「お風呂でゆっくり温まりたい」という声でした。お客様の要望を叶える手立てを、具体的なカタチにしていくことが、同社のミッションです。
従業員を「財産」と考えるアサヒサンクリーン株式会社は、現場の力をとても大切にしています。若手の意見やアイデアはもちろん、新技術なども積極的に採り入れ、業界を進化させる新しいサービスをつくりだしています。
会社名 | アサヒサンクリーン株式会社 |
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住所 | 静岡県静岡市葵区本通十丁目8番地の1 |
事業内容 | 訪問入浴介護、訪問介護、居宅介護支援、地域包括支援センター、通所介護(デイサービス)など多岐に渡る介護サービス |
設立 | 昭和48年6月 |
公式ページ | https://www.asahi-sun-clean.co.jp/ |
今回は、サービスの特徴や業界未経験で入社した若手・女性が活躍する職場環境などについて、東日本訪問入浴事業本部 千葉支店 市川事業所で副所長を務める武林若菜さんと、同じく東船橋事業所で副所長を務める渡瀬優香さん、東京支店 豊島事業所で所長を務める西山貴志さんにお話を伺いました。
70%が未経験で入社。研修と現場での指導で、介護技術を身につける
▲訪問先でも職場でも、いつも先輩がそばにいて質問や相談に応えてくれます
編集部
アサヒサンクリーンさんに入社後、未経験者はどのようにして業務を学ぶのでしょうか。
西山さん
座学がメインの中途採用者向け研修、新人研修があります。そのあと現場に出て、訪問入浴の業務を先輩たちから、優しく丁寧に教えてもらいます。現場に出た後も、3ヶ月、半年、1年などの区切りでフォローアップ研修を受けられます。
入社する前に、福祉や介護に関する知識や経験は必要ありません。私も入社するまで、それらの勉強はしたことがありませんでした。
編集部
現場での指導についてお教えいただけますか。
西山さん
基本は、3人1組で訪問入浴に伺うのですが、新人を含めるときは4人1組になります。現場での研修では、先輩たちの業務を見ながら学べることが、自分にとって一番役に立ったと思います。社内での研修と、実際の現場の雰囲気は違っているので、とても勉強になりました。
4人チームで動くので、一人ぼっちになる瞬間がなく、いつでも頼れる先輩が近くにいました。分からなくて、困ってしまうような状況はありませんでした。
編集部
資格取得などについてはいかがでしょうか。
武林さん
私は、入社1年ほどで「実務者研修」の資格を取得しました。「介護福祉士」も奨励制度を活用して取得しましたよ。資格取得後は、知識量が増えて自分の自信になりますし、資格手当が毎月支給されるので、モチベーションも上がります。
編集部
未経験で入社しても、自信を持って業務ができるように、基礎から学べる研修が受けられたり、資格取得に挑戦できたりする制度が整っているのですね。
日曜は休日、残業が少なく夜勤もない。生活リズムが整う働き方
編集部
アサヒサンクリーンさんで働いていて、仕事のイメージにギャップを感じることはございますか。
渡瀬さん
日曜日が固定のお休みで、勤務は8時半から5時半、そして夜勤もない働き方が、介護職のイメージとはギャップがあると思います。
私は入社するときに「日曜日が休み」の会社を探していました。当社は、それに加えて日勤だけの勤務なので、とても働きやすく感じています。生活リズムが整いやすい働き方ができています。
編集部
残業はあるのでしょうか。
渡瀬さん
会社全体で「残業せずに、業務が終わったらすぐに帰ろう」という取り組みをしています。仕事が終わったあとの予定が入れやすく、自分の時間を有効に使えますよ。
編集部
会社が、働きやすい環境づくりに積極的なのですね。
お客様はもちろん、スタッフも快適に。現場を第一に考える企業姿勢
編集部
アサヒサンクリーンさんでの働き方で、以前より変化していると感じることを教えてください。
西山さん
介護職は「重労働で身体がキツイ」と思われている方が多いと思いますが、色々と改善されているんですよ。例えば、私たちの「訪問入浴」では浴槽をお客様のご自宅に運ぶのですが、その浴槽がとても軽くなっていて、女性一人で運べるものに改良されています。
ほかにも「スライダーボード」という新しい道具があります。これを使うと、お客様が寝ているベッドと浴槽の間に、隙間がなくなります。体重の重い方を無理なく移動できるので、とても便利です。
様々な道具や電子カルテなど、私たちが使う機器はどんどん進化しています。会社がそれらを導入してくれるので、業務の負担は年を追うごとにどんどん軽くなっています。今は「仕事をしていると腰痛が大変なんだ」という話は聞きません。
▲訪問入浴で使用する浴槽は、女性が一人で運べるほどに軽量化されている
編集部
現場で働く皆様が、快適に働けるような工夫があるわけですね。
同席の人事・吉野さん
当社では以前、全国の拠点に行き渡るよう、介護従事者の体の負担を軽くする、600台の「マッスルスーツ」を導入したこともあります。かなりの費用がかかりましたが、会社として「現場のスタッフが働きやすいように」と考えてのことでした(現在、マッスルスーツは使用していません※2024年4月時点)。
当時、現場でブロック長をしていた私は「職員のためにここまで投資するのか」と驚きました。本当に「現場のスタッフを大事にする会社」なんですよね。
武林さん
会社が「私たち現場のことを大切にしてくれているな」と思うことは、よくあります。マニュアルにないことでも、現場から「お客様のためになる」とアイデアを提案すれば、しっかり受け止めて全国的に共有してくれるんですよ。
編集部
拠点ごとの意見が、その都度受け止めてもらえると、現場のやる気もアップしそうですね。
同席の人事・吉野さん
会社は「失敗よりも挑戦を重視。現場の業務改善に挑みたい」と思っているんですよ。マニュアルに関係なく、現場で生まれたアイデアを実践したり、形にしたりして、試行錯誤しながら「できることはしよう」としています。
編集部
アサヒサンクリーンさんは、休日や勤務時間だけでなく、業務そのものが働きやすさにつながるように、考えていらっしゃるのですね。現場の皆様のことを、とても大切にしていらっしゃるのが分かりました。
訪問入浴を極めても、他部署に挑戦してもOK。描けるキャリアは色々
編集部
アサヒサンクリーンさんでは、どのようなキャリアアップができるのでしょうか。
西山さん
現場職から、所長、エリア長、ブロック長へとキャリアアップできます。また、本部など別の部署や業務へキャリアチェンジすることも可能です。
例えば私は、入社後に三軒茶屋の拠点に勤務し、そのままそこで管理者へと昇進しました。そのあと、訪問入浴から離れて、以前から「楽しそうだな」と気になっていた、デイサービスの業務を経験させてもらいました。
編集部
スタッフの皆様の希望が、しっかり聞いてもらえるのですね。
西山さん
「勉強したい」と相談すれば、チャンスが与えられる職場です。私たちの思いを、受け入れてくれる会社なので、希望を持って働きやすいですよ。「こんなことをやりたい」という強い意志がある方は、どんどん活躍できると思います。
▲将来の目標やチャレンジしたいことを上司に相談できる機会が用意されている
編集部
将来的に、目指している姿やキャリアがございましたら、お教えください。
渡瀬さん
臨機応変な対応や、的確な指示出しができるようになりたいと思っています。業務改善についても、自分の言葉で発信していきたいです。
武林さん
私は学生時代に教育を勉強していました。いつか教育関連の業務にチャレンジしたいと思っています。当社は人材育成に力を入れていて、教育の制度が整っています。社内研修などを行う「教育指導課」という部署もありますので、そこで何かできたらいいですね。
編集部
現場職を極めていく以外にも、将来目指せる姿が色々とあるのですね。
スタッフの6割強が女性。柔軟に働き方を変えて、長く勤務できる
▲社員の女性の比率は6割以上。たくさんの女性が活躍している
編集部
アサヒサンクリーンさんで活躍されている女性についてお伺いできますか。
武林さん
育休から復帰して、子育てをしながら勤務している女性がたくさんいます。社内比率でみると6割強が女性ですし、管理職の約2割は女性が担っています。
育児休暇は1歳6ヶ月まで取得でき、対象となるスタッフ全員が取得しています。男性の場合でも、育休の取得率は100%です(2022年12月時点)。
編集部
女性が長く働き続けられる理由をお教えください。
武林さん
勤務時間の融通が利くので、働きやすいのではないかと思います。小学生のお子さんがいるスタッフは、学校が終わるまでの半日だけだったり、お昼の早い時間までだったり、勤務できる時間を工夫しています。
西山さん
先ほど、使っている機器が便利になっていることをお伝えしましたが、これまで重かったものが軽くなるなどして「男性でないとできない」と思われていた業務の領域に、女性が進出しています。浴槽の運搬や車の運転など、性別にこだわらず任せられる仕事が増えています。
▲電子カルテなどIT機器が導入され、業務改善が進んでいる
編集部
周りの先輩などで、管理職として活躍している女性はいらっしゃるのでしょうか。
渡瀬さん
女性の所長がバリバリ働いているのを見ると「かっこいいな」と思います。手際よく仕事をこなして、一緒に働くメンバーたちに指示を出している姿にあこがれます。
編集部
ライフステージに沿った働き方ができることや、これまで男性がメインでやっていた業務ができるようになったことで、女性がさらに活躍できる職場となっているのですね。女性ならではの気遣いも、仕事の中で活かされているのでしょうね。
人と接することや会話が好きな方、介護を学びたい未経験者を歓迎
▲これから一緒に働きたい人材のイメージを語ってくれた西山貴志さん
編集部
アサヒサンクリーンさんが、採用の際に重視していらっしゃるポイントをお聞かせくださいますか。
武林さん
「人と接するのが好き」かどうかが、大きなポイントだと思います。人との関わりが好きな人は、お客様と接する時間やスタッフ同士で会話をするときに、楽しめると思います。
訪問入浴はマニュアルに沿って進むので、会話はなくても仕事自体はできます。しかし、それはあくまでも「作業」で、お客様と介護を通して関わっていくには、会話がとても重要だと感じています。
私自身、ほかのスタッフの仕事ぶりを見るときには「こういう会話の仕方もあるんだな」と常に勉強しています。
渡瀬さん
思いやりのある人と一緒に働きたいです。お客様や一緒に働く仲間のことを考えられるような、周囲に気を配れる方がいいですね。そのような方は、きっとお客様の変化にも気づきやすいのではないでしょうか。
西山さん
「おじいちゃん、おばあちゃんが好き」という方は、きっと優しい方だと思いますし、この仕事に向いていると思います。
「転職しようかな」と仕事のことで悩んでいる方に「ありがとう」と心から言ってもらえる、私たちの仕事を知ってほしいですね。訪問入浴など介護職は、働く側がお客様から元気をもらえる仕事です。
編集部
アサヒサンクリーンさんで働くと、お客様から感謝の言葉をいただけて、心もコミュニケーションも、豊かになりそうだなと感じました。本日は、ありがとうございました。
■取材協力
アサヒサンクリーン株式会社:https://www.asahi-sun-clean.co.jp/
採用ページ:https://career.asahi-sun-clean.co.jp/