企業が展開する事業やその成長、特徴的な働き方についてお話を聞く本企画。
今回は、自社で調査した確かな情報をもとにコンテンツを作成し、求人やビジネスなど複数のWebメディアを運営する株式会社ビズヒッツを取材しました。
危機を乗り越えたノウハウを事業に昇華した株式会社ビズヒッツ
求人関連など複数のメディアを運営する株式会社ビズヒッツの強みは、独自に構築した「仕組み化」のシステムです。「仕組み化」とは、クラウドツールの活用や動画マニュアルの作成、在宅ワーカーの育成・組織化のノウハウで、ビズヒッツがかつて倒産危機に直面した際、会社を再構築するためにつくりあげました。
「仕組み化」によって回復を成し遂げたビズヒッツは、そのノウハウを活かして、自社メディアを運営するほか、IT周辺業務の効率化を推進するコンサルティング事業も行っています。
会社名 | 株式会社ビズヒッツ |
---|---|
住所 | 三重県鈴鹿市鈴鹿ハイツ22-21 |
事業内容 | ・求人情報サイト、インターネットメディアの運営 ・インターネットに関連するマーケティング、広告運用、コンサルティング |
設立 | 2009年1月19日 |
公式ページ | https://bizhits.co.jp/ |
働き方 | フルリモート |
今回は株式会社ビズヒッツが展開するWebメディア事業やスタッフの皆様の働き方、採用のポイントについて、代表取締役の伊藤陽介さんにインタビューしました。
ビジネス情報サイト「Biz Hits」など複数メディアを運営
▲「ビズヒッツの仕事・転職・求人情報サイト」「Biz Hits」などターゲットを絞ったWebメディアを運営
編集部
まず最初に、ビズヒッツさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。
伊藤さん
弊社は、求人情報サイト「ビズヒッツの仕事・転職・求人情報サイト」やビジネスメディア「Biz Hits」を運営しています。
また、クラウドツールの活用やリモートワークで働く在宅ワーカーの育成、動画マニュアルの導入サポートなど業務効率化を目的としたコンサルティングも行っています。
私自身は、10年以上続いているビズヒッツのテレワークについて、自身の経験に基づいたテーマのセミナー講演や執筆のほか、他社様が運営するWebメディアの監修をご依頼いただくこともあります。
編集部
「Biz Hits」の運営が始まった経緯を教えてください。
伊藤さん
過去に、様々な分野のプロフェッショナルにお話を伺う「みんなのインタビュー」というサイトを運営していました。そこでは「結婚式の二次会幹事のスペシャリスト」「凄腕の引っ越し業者」など多くの方にインタビューしており、専門家だからこそ話せる情報が人気を博していたんです。
そのようなメディアを色々とつくっていく中で、何か一つに特化したものがつくりたいと思うようになり、ビジネスという大枠を設けました。そしてスタートしたのが「Biz Hits」です。
その後、社名も同じ「ビズヒッツ」に変更し、「ビズヒッツの仕事・転職・求人情報サイト」を運営するほか、アンケート結果やランキング情報などを、読みごたえのある調査記事にして掲載しています。ビズヒッツの調査記事は、テレビの様々なバラエティ番組や情報番組で度々取り上げられています。
編集部
公式サイトで、ビズヒッツさんの調査記事がテレビで使用された実績を拝見しました。多くの人気番組で取り上げられていて、幅広い層に届いているのだと実感しました!
設立2年で訪れた倒産の危機。ビズヒッツを救ったのは「仕組み化」
編集部
メディア運営と同じく、ビズヒッツさんの事業の柱でもあるコンサルティング事業について教えてください。
伊藤さん
コンサルティング事業は、スタッフにリモートワークで働いてもらうための環境整備や、クラウドツール、動画マニュアルなどIT技術の活用ノウハウを、私たちが独自に構築してきた「仕組み化」としてまとめ、業務効率化を目指すクライアント様に提供するというものです。
ビズヒッツは、世の中にリモートワークやクラウドソーシングが浸透する以前から、これらを活用して業務を進めていました。最初はコンサルティングというほどのものではなく、相談を受けて業務をサポートするという程度でしたが、おかげさまで評価いただき事業化しています。
編集部
「仕組み化」は、もともとビズヒッツさんの中で活用されていたノウハウなのですね。
伊藤さん
「仕組み化」は、当社が設立2年目にして倒産の危機に直面した際に、会社を立て直すためにうまれたシステムです。オフィスを構えるための固定費を削減するために「家でも同じ仕事ができるのではないか、試しにやってみよう」とはじめたリモートワークがそもそもの始まりです。
最初に、関東だけでなく全国各地にいる在宅ワーカーの皆さんが、スムーズに働けるクラウドツールを整えました。また、新しく在宅ワーカーとしてジョインしてくださる方が、当社での業務の流れなどを習得しやすいよう、好きな時間に繰り返し確認できる、動画マニュアルを作成しました。
働きやすい環境とツールを整えるビズヒッツの「仕組み化」は、Web業界に限らず様々な業種のお客様の業務効率化に役立っています。
編集部
ビズヒッツさんにはどのようなお客様からコンサルティングの依頼があるのですか。
伊藤さん
どちらかというと、アナログな方法で事業をしている企業様が多いでしょうか。様々な企業でリモートワークを取り入れる動きが出てきた頃には「どのように始めたらいいの」などと質問されることが増えてきました。
リモートワークやクラウドソーシングに対するお客様の方針をお伺いして、クラウド上でスタッフ同士が連携できる環境づくりのサポートをしています。
編集部
サポートとは具体的にどのようなものがございますか。
伊藤さん
例えば、オフィスにたくさんのスタッフが集まって仕事をしている場合などは「こういう業務はリモートでできますよ、スタッフ同士のコミュニケーションはこのツールを使ったらいいですよ」など経験に基づいたアドバイスをしています。
また、お客様が企業ブログやWebメディアで記事を発信されていて、その運用がうまくいっていない場合は、カテゴリー分けすることをお勧めしたり、メディアの管理について手順をレクチャーするなどのサポートをしたりしています。
普通に問題なく行われているパソコンの作業自体も、見直してみると、属人的になっている場合があります。より効率的に素早くできる方法やテクニックをマニュアル化して、お客様の会社内で共有できるようにしています。
編集部
ビズヒッツさんの長年のノウハウが、様々な企業をサポートする事業として成り立っているなんて、素晴らしいですね。ビズヒッツさんの経験がもとになっているアドバイスなので、とても信頼できますね。
リモートで勤務するビズヒッツのスタッフは日報で絆を深める
▲リモートで勤務中の伊藤さん。スタッフからの日報を丁寧に確認し、返信するのがコミュニケーション面の工夫
編集部
ビズヒッツさんで働く皆様はどのように勤務していらっしゃいますか。
伊藤さん
私たちが運営するWebメディアでコンテンツ作成に携わっているスタッフは、全員がアルバイトや業務委託で、全国からリモート勤務をしています。
編集部
働き方のルールなどはございますか。
伊藤さん
勤務時間帯は決めていません。細かいマネジメントは行っておらず、スタッフそれぞれに任せているのですが、終業時に必ずチャットツールを使った日報を提出してもらっています。これが最重要ですね。
日報は、スタッフと私のコミュニケーションツールでもあるんです。業務的に必ずしないといけない連絡だけではなく、日々のささやかな思いを共有したいと思っています。
仕事に慣れないスタッフからは、チャットを経由した質問がいくつもあります。しかし業務上のやり取りだけだと、仕事ができるようになったスタッフとのコミュニケーションはどんどん減っていきます。仕事をしていて感じていることを全く汲み取れなくなってしまうんです。それを改善するために日報で日々のやり取りができるようにしています。
たとえ少ない言葉のキャッチボールでも続けていれば、スタッフが感じている小さな不満に気付けたり、その不満が爆発する前に解決できたりするのではないかと思うんですよね。
編集部
伊藤さんは、リモートワークをするスタッフの皆様と対面できなくても、心が通うコミュニケーションができるように心がけていらっしゃるんですね。
スタッフ間の情報共有は動画を活用。好きな時間に視聴すればOK
編集部
日報の他に、ビズヒッツさんでスタッフの皆様とつながるコミュニケーションツールとして利用しているものはあるでしょうか。
伊藤さん
YouTubeの非公開動画と共有機能を利用して、動画で情報共有をしています。例えば作業手順であれば、画面をキャプチャーして実際に手を動かしているところを見せることで、スタッフ全員が同じ情報を共有できるようにしているんです。
編集部
なぜ動画で情報共有をされているのでしょうか。
伊藤さん
オンラインミーティングも試したことはありますが、同じ時間に集まるのは、スタッフに大変な思いをさせてしまうということが分かったので、動画をアップして「YouTubeで都合の良い時に見てください」というやり方にしています。
この方法を選んだのは、ビズヒッツで働いてくれているスタッフの多くが子育て中の主婦の方で、子どもの年齢や家族構成によって仕事をしやすい時間が違うからです。子どもが保育園に行っている昼の時間を使って仕事をしたい方もいれば、子どもを寝かしつけた後の夜間に仕事をしたいスタッフもいますので、そこに対応できるようにしているんです。
編集部
ビズヒッツさんでは、同時間にオンラインでつながらなくても、大切な情報共有ができているということですね。時間に全く縛られることなくリモートワークができるので、スタッフの皆様は働きやすいでしょうね。
時間に縛られないリモートワークで地方雇用に貢献
編集部
リモートワークが広がる日本の中で、ビズヒッツさんでの働き方はとても魅力的だと感じます。地方雇用にも貢献されているのではないでしょうか。
伊藤さん
当社の仕事をしてくれているスタッフは、すでに様々な地域にいますし、ビズヒッツは地方での雇用創出に貢献していると思っています。弊社の場合はネット回線があればどこでも仕事場所になりますから、地方でも都心部でも条件は変わらないです。
編集部
リモートワークで自分の能力を生かしたい方には、ありがたいお仕事ですね。
伊藤さん
これまで主婦の方や子育て中の方とたくさん仕事をしてきて、いくらリモートであっても、時間の制約があると働きにくいのだろうなと感じています。
特に小さいお子さんだと体調を崩すことも多いので、そのたびに「休みます」「遅れます」と職場に伝えるのは大変ですよね。そのような気遣いをせず、自由に時間を融通できる仕事の案件を増やしていけば、これから先も様々なエリアの多くの方に喜んでもらえるだろうなと思っています。
編集部
地方に拠点を置く企業にとっても、ビズヒッツさんのコンサルティング事業は心強いサポートとなりますね。
伊藤さん
クラウドツールの活用や動画マニュアルの導入など、私たちの「仕組み化」を採り入れていただけると、リモートワークを推進したい企業様の環境整備がスムーズになると思います。
特に、動画マニュアルをつくっている企業様は少ないので、相談があれば「やった方が良いですよ」と勧めています。動画マニュアルをつくると、喜んでいただけますし、それが地方雇用や人材の採用、育成に役立っているのが嬉しいですね。
文章を書くのが好きな方が活躍。素直に仕事に向き合う方を採用したい
▲採用のポイントについて語ってくれた、株式会社ビズヒッツ代表取締役の伊藤陽介さん
編集部
それでは最後に、採用についてもお聞かせください。どのような人材がビズヒッツさんで活躍できるでしょうか。
伊藤さん
ビズヒッツは、素直な方が活躍し、成長できる環境です。
私たちの業務は、かなり具体的にルール化してありますので、素直に動画マニュアル通り作業してもらえれば、習得しやすくなっています。なので、動画マニュアルを理解してもらえたら、そのまま成長していけると思います。
編集部
ほかに、スキルなどで重視していることはございますか。
伊藤さん
文章を書くことが好きな方が向いていますね。メディア運営の仕事は、文章と関わることが非常に多く、自分で調べてライティングすることもあります。また、リモートワークではテキストでのコミュニケーションが主になりますので、文章を書くことに苦手意識があると、難しいのではないでしょうか。
スタッフに「自分が好きな仕事」「向いている仕事」をやってもらうと、ものすごく能力を発揮してくれていると実感しています。スタッフによっては、ライティングより編集の方が向いている方もいますので、その場合はスタッフに任せる業務を私が判断して変更する場合もあります。
あとは、SEOの観点から数値的な改善を図る業務も多いので、客観的に物事を見られる方や、数字と向き合うことができる方も当社の業務に向いていると思います。
編集部
家で文章を書いたり、メディア運営に関わる仕事がしたいという思いがありながら、「子どもが小さい」「まとまった仕事の時間が確保できない」などの理由で仕事をあきらめている方には、ぜひビズヒッツさんのことを知っていただきたいと思いました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ビズヒッツ:https://bizhits.co.jp/
採用ページ:https://bizhits.co.jp/recruit/