女性視点で商品企画も。株式会社文房堂の熱量高くアートに携われる職場環境

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、明治時代から続く老舗画材店で、オリジナル商品の開発やアートスクールの運営なども手掛ける株式会社文房堂にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

文房堂は全従業員約40名のうち約30名が女性であり、商品開発から店舗づくりまで、女性ならではの視点を存分に活かせることが特徴です。美術系大学出身者も多く在籍し、さまざまなクリエイティブなバックグラウンドを持つスタッフが、それぞれの専門性を活かして活躍しています。

今回はそんな株式会社文房堂の女性活躍の事例、特徴的な職場の風土などについて、文房堂神田店店長の下端さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社文房堂神田店店長の下端さん

文房堂神田店 店長

下端 由美子さん

文房堂神田店の店長として、店舗運営だけでなくアートスクール、ギャラリーカフェの運営などを幅広く担当。

スタッフも顧客も女性中心。女性視点を活かした商品開発も

株式会社文房堂神田店店長の下端さん

編集部

御社は女性の視点が活かせる企業と伺っていますが、女性スタッフの割合を教えていただけますか?

下端さん

全体で約40人のスタッフのうち、女性が約30人を占めています。お客様も約8割が女性と、スタッフも顧客も女性中心なのが特徴です。

編集部

女性の視点を活かした具体例としては、どのようなものがありますか?

下端さん

女性スタッフのアイディアから、女性のお客様に喜んでいただけるオリジナル商品開発を行っています。

例えば神田店の歴史ある建物をモチーフにしたしおりは、女性社員が「店舗の魅力を商品として伝えたい」という想いから生まれました。文房堂ファンの方だけでなく、文具好きの方々にも広く愛され、SNSでも「かわいい」「プレゼントにぴったり」と話題になっています。

また女性ならではの繊細な視点を活かした、美しい色合いやデザインのオリジナルスケッチブックもあります。こちらも女性のお客様にとても好評です。

株式会社文房堂のオリジナル商品
▲女性視点を活かしたオリジナル商品開発

編集部

御社で女性視点を活かした商品開発ができるのはなぜなのでしょうか。

下端さん

アイディア出しからデザイン、商品化までの全プロセスをスタッフ自身が担当できるためです。お客様に喜んでいただけるようなオリジナル商品開発に携わることは、多くの女性スタッフにとってのやりがいになっているようです。

株式会社文房堂神田店の店舗内風景
▲ガラスペンとカラーインクなど、女性の間の流行も取り入れた商品展開

編集部

他にも、業務の中で女性ならではの視点が活きる場面はありますか?

下端さん

商品開発だけでなく、女性スタッフの意見を取り入れた店舗づくり、商品選定を行っています。例えば店舗外観は、女性スタッフの意見をもとに、宮沢賢治の『注文の多い料理店』をモチーフに猫の飾りつけをしました。商品展開にも、流行に敏感な女性の感性を活かして女性の間でのブームを取り入れています。

株式会社文房堂神田店の店舗外観
▲『注文の多い料理店』の山猫をイメージした文房堂の店舗外観。猫好きに向けた猫グッズも取り揃えている

お客様のアート作品づくりに寄り添い、喜んでもらうのが仕事のやりがい

編集部

文房堂で働く上でのやりがいや魅力はどういった部分にあると思われますか?

下端さん

商品の提案を通じて、お客様のアート作品づくりに寄り添えることです。お客様に真摯に向き合い、「ありがとう」という感謝の言葉をいただけることが、大きなやりがいとなっています。

また第一線で活躍するアーティストの方のご利用も多いため、そういった方々の作品づくりをサポートする実感を得られるのも魅力です。アーティストの方々が求めるものにどうしたら応えられるのか、スタッフ一同で日々試行錯誤しています。

さまざまなクリエイティブ人材が集う、個性豊かな職場環境

株式会社文房堂神田店の店舗内風景
▲スタッフによるオリジナルPOP

編集部

御社の組織について伺います。スタッフにはどのような特徴の方が多いのでしょうか。

下端さん

美術系大学の出身者など、クリエイティブに携わってきた人材が集まっています。ただし一口に「クリエイティブ」といっても、版画や油絵など、専門分野はバラバラです。多様なバックグラウンドを持つスタッフの感性とスキルを、店舗づくりや商品開発に活かしています。

編集部

職場の雰囲気についても教えていただけますか?

下端さん

美術系やデザイン系の出身者というと物静かな人が多いイメージがあるかもしれませんが、実は個性豊かなスタッフばかりで、一人一人の個性が活きている楽しい職場です。スタッフの大半が同じビル内で働いているため、自然とコミュニケーションが生まれやすい環境も魅力ですね。

商品への強い思い入れを持つスタッフが、情熱を持って仕事に向き合う

株式会社文房堂神田店店長の下端さん

編集部

社内の風土として、特徴的な点はありますか?

下端さん

自分たち自身で商品選定していることもあり、スタッフ一人ひとりが商品に対して強い思い入れを持っているのは非常に特徴的です。単に新しいから、話題だから入荷するのではなく、必ず自分たちで使った上で、本当に良いものをお客様にも使っていただきたいという信念を持って仕事をしています。

実際に、例えばスタッフに「この商品はどういう特徴があるの?」と尋ねると、とても熱心に説明してくれるんです。その姿を見ていると、本当にこの仕事が好きで、情熱を持って仕事をしているんだなと実感します。

株式会社文房堂神田店の店舗内風景
▲ディスプレイにもスタッフのこだわりが感じられる文房堂神田店の店内風景

編集部

商品知識はどのように習得していくのでしょうか。

下端さん

定期的にメーカー勉強会などもありますが、働きながら知識を深めるOJTが基本です。画材は本当に奥深いため、日々新しいことを学べる環境があります。

文房堂の事業:画材販売からスクールまで幅広く展開

株式会社文房堂神田店の店舗内風景

編集部

御社の事業の全体像や今後の展望を教えていただけますか?

下端さん

文房堂は明治時代から続くアート拠点として、画材の販売にとどまらず、ギャラリーカフェ、ギャラリー、アートスクールなど、アートに関する多様な事業を展開しています。現在もメディアやSNSで注目いただいていますが、今後もさらにアートを通じた交流の輪を広げていくのが目標です。

具体的な展望として、デジタル技術を取り入れたオンライン上でのアート体験の提供を検討しています。また最近は海外からの注目度も増しているため、海外アーティストとのコラボレーションなど、グローバルな視点からアートの発展に貢献していきたいと考えています。

編集部

事業ごとに職種は分かれているのでしょうか。

下端さん

営業や総務部門以外では、「美術総合職」という職種で正社員の募集を行っています。美術総合職では、画材・文具の販売、額装、アートスクールという主要な3部門をすべて経験した上でステップアップしていくというキャリアパスを用意しています。

文房堂から転職希望者へのメッセージ

株式会社文房堂神田店店長の下端さん

編集部

最後に、転職希望者に対するメッセージをお願いします。

下端さん

当社で働く上で、アートや美術に対する興味や関心を持っていることは第一条件です。一方で、当社は接客やサービス業の側面も持ち合わせているため、コミュニケーション力があることもとても大切です。

美術大学や専門学校の出身者が多数在籍していますが、営業職や総務職については一般大学出身者も活躍しています。アートへの関心と人とのコミュニケーション力、この2つを持ち合わせた方であれば、きっと活躍していただけると思います。

編集部

下端さん、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

編集後記

タッフも顧客も女性中心の環境の中、美術やデザインのバックグラウンドを持つ社員一人ひとりの知識や創造性を活かして女性のニーズに応える商品開発をしている点が印象的でした。さまざまな専門分野を持つスタッフから、新たな視点やスキルが得られる環境も魅力的です。

この記事のまとめ

事業の特徴
  • 画材専門店を軸に、アートスクールやギャラリーカフェなど、アートに関する総合的なサービスを展開
  • 海外からの認知度も高く、国際的な顧客層を持つ
職場環境
  • 全従業員約40名中、女性が約8割(30名程度)を占める
  • 美術系・デザイン系のバックグラウンドを持つスタッフが多数在籍
  • 小規模組織の特性を活かした風通しの良い社内コミュニケーション
社風・文化
  • スタッフの専門性や個性を活かしたオリジナル商品開発・店舗づくり
  • 新商品は必ずスタッフが使用試験を行い、品質にこだわった選定を実施
  • アートへの共通の関心を持ちつつ、多様な視点を重視する文化
キャリア開発
  • 画材・文具販売、額装、アートスクールの3部門を経験できる総合職制度
  • 著名アーティストとの交流機会があり、専門知識を深められる環境
  • 働きながら新しい分野の知識を習得できる学習機会の提供
求める人材像
  • アートや美術に関する知識や興味を持つ人
  • 接客やコミュニケーションを楽しめる人
  • チーム協働を重視できる人

株式会社文房堂の基本情報

株式会社文房堂神田店の店舗内風景

企業名 株式会社文房堂
住所 東京都千代田区神田神保町1-21-1
事業内容 ・画材・文具店の運営
・ギャラリーカフェの運営
・アートスクールの運営
・画材メーカー
設立 1887年6月
公式ページ http://www.bumpodo.co.jp/
募集職種 ・額装販売
・アートスクールスタッフ
・ギャラリーカフェ・店舗スタッフ
・外商部
取材・編集
紫竹淳志のプロフィール写真

ミライのお仕事編集部

紫竹 淳志

元新聞記者として約10年間、地方行政や選挙、プロ・アマチュアスポーツなど幅広い分野の取材経験あり。ミライのお仕事では、ソフトバンク株式会社や東京商工会議所、株式会社オープンハウスグループなど、数多くの著名企業や教育機関への取材を担当。