ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、長野県にある茅野(ちの)市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
茅野市役所では、20代の若手職員が広報の全国コンクールで入選を果たすなど、早い段階から重要な業務を任されています。また技術職でも、同じく20代の職員が「水道管理者」の資格を取得し、責任者として活躍。自主的な勉強会の開催やメンター制度など、職員の成長をバックアップする体制が整っているのが特徴です。
今回は、総務課・職員係長の平林さんと同課・人財育成係長の野明さんに取材し、茅野市役所の若手活躍やそれを支える教育制度などについて伺いました。
若手職員の活躍事例:自ら企画し広報の全国大会で受賞も!
編集部
茅野市役所では、若手職員の方が活躍されているそうですね。具体的なエピソードを教えていただけますか?
平林さん
ある男性職員は、新卒で入庁して5年目ぐらいのタイミングで地域創生課に配属になりました。市民に配布する月刊誌「広報ちの」は地域創生課の広報係で作成しているのですが、彼が担当した2023年2月号の特集が全国広報コンクールに入選したんです。
その特集は「小学校の給食」を取り上げたもので、彼が中心になって企画の立案から構成作成までを手がけました。もちろん上司と相談しながらですが、彼自身が取材をして給食の食材や調理法、子どもたちの様子などを紹介しました。
編集部
若手の方が「こんな企画をやりたいです!」と声を出すと、受け入れてもらえる雰囲気なのでしょうか?
野明さん
はい。少人数でチームを組んでいることもあり、中堅・ベテランの職員が「私たちがサポートするから、やってみよう」と、20代などの若手の意見を尊重する雰囲気です。
本人は「上司や同僚にサポートしてもらったおかげです」と話していましたが、彼の努力があって多くの市民の心を動かす内容に仕上がったのだと思います。入庁から数年で実力をつけ、自身のセンスをフル活用して結果を出す姿に頼もしさを感じました。
技術職・専門職でも若手が躍動。20代で責任者を務めるケースも
▲市役所庁舎
編集部
技術職では、どのような若手職員の方が活躍されていますか?
平林さん
水道課でも、20代の職員が「水道管理者」の資格を持つ責任者として活躍しています。
水道事業を担う課には必ず、「水道管理者」の資格者を配置しなければなりません。定年間近のベテラン職員が1人で水道管理者の業務を担っていたものの、後継者不足に悩んでいたんですね。
そのような状況だったので、彼は入庁してすぐにベテラン職員から教育を受け、「水道管理者」の資格を取得しました。現在は立派に後を継ぎ、水道の配管やチェック、取り替えなどを担ってくれています。
編集部
その他の専門職の方々についてはいかがでしょうか。
平林さん
いずれの職種でも、若手が成長していける環境が整っていますね。
例えば保育士は若いうちからクラス担任を任されることもあり、ベテランの保育士がサポートしながら務めていきます。経験が少ない中で保護者や子供たちと関わるため苦労することもありますが、各園では周りの保育士や副担任などと助け合いながら、問題なく保育を実施できています。
また学校栄養士は、現場の調理師を1人で取りまとめる立場になりますが、毎月職員同士で栄養士の勉強会を開催しており、情報交換や課題共有等も併せて行っているので、チームでサポートできる体制が整っています。
教育制度:職員が自発的にテーマを設定する勉強会を開催
編集部
職員の方が学ぶ機会として、特徴的な取り組みはありますか?
野明さん
経験年数の浅い職員を対象に、茅野市役所全体で理解を深める勉強会を開催しています。自主的な勉強会の位置付けではありますが、実務に役立つ内容を組み込んでいるのが特徴です。
過去には「市役所の決定権」というテーマで、事業をスタートする流れを説明したことがあります。事業には国や県からの補助金が欠かせないため、補助金の必要性を確認する「会計監査」について学んでもらいました。実際に会計監査を経験してきた職員が講師になり、監査の受け方や指摘されないためのポイントなどを話してくれました。
今後は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改革」をテーマにした勉強会を予定しています。この勉強会は、30代の職員の「仕事の効率化について学びたい」という声から開催が決まったもので、茅野市のために何ができるかを考えて自主的に動く職員が多いですね。
編集部
どれぐらいの役職の方が、講師を担当されるのでしょうか?
野明さん
基本的には、職員をまとめる立場の係長や課長が担当します。一方で、若手職員が講師を務めるケースもあります。過去には、1年目の男性職員が3〜4年目の職員たちに向けて、防災をテーマに「災害が起きた際の被害」「職員として心がけたい行動」などを説明しました。
編集部
勉強会の参加人数についても、教えていただけますか?
野明さん
自由参加のため、扱うテーマによって人数は異なります。先日、「茅野市の財政」に関する勉強会を実施した際には、約90名の職員が集まりました。
平林さん
多くの職員が集まったのには、茅野市長が「財政改革」に力を入れていることも関係しています。市の財政状況に興味がある職員が多かったため、財政課の係長が「勉強会をしてもいいですか?」と名乗り出てくれました。
入庁後の半年間はメンターが伴走。上司に相談しにくい悩みもキャッチ
編集部
入庁後、悩みや不安などを相談できる環境はありますか?
平林さん
もちろんです。当市役所は「メンター制度」を導入し、入庁1年目の職員(新卒・中途ともに対象)が抱える困りごとをキャッチアップしています。
入庁してから半年間は担当のメンターがつき、「身近な相談相手」としてマンツーマンでサポートします。メンターが職員の上司に状況を報告し、必要な場合にはフォローを考えていく流れです。
編集部
どのような方が、メンターを担当されるのでしょうか?
平林さん
「できる限り、フラットに話をしてほしい」との思いから、メンターには配属が異なる入庁5年目の係員などが担当しています。5年目ぐらいなら入庁した当初の不安感も覚えていて、より近い距離感でサポートできると考えました。
編集部
中途採用の場合、年下の方が担当になるケースもあるのでしょうか?
野明さん
ありますね。ただ、相手の年代に関係なく、良好な関係を築いています。実際、40歳の職員を担当したメンターは、「経験が豊富な方で、私のほうが教えてもらっています」と言っていました。
一方で、市役所ならではの知識に関しては、メンターがレクチャーする場面もありました。上司の立場から見ていても、お互いを尊重し合っていて素敵だなと思いました。
編集部
業務知識の習得については、どのように進めていくのでしょうか?
野明さん
先輩職員からのOJTを中心に、担当する業務内容などを学びます。さらに土木技師・建築技師といった技術系の職員は、市役所負担の「研修費」でより専門的な知識・スキルを鍛えられます。
例えば建築技師の場合は、全国の「建設研修センター」で10日間ほどかけて建築の基礎知識を学ぶことが可能です。
茅野市役所が求める人材:まちづくりに興味がある人を歓迎
▲取材にご対応いただいたお二人
編集部
どのような方を、茅野市役所の職員として迎えたいですか?
野明さん
市民と協働して、まちづくりができる方と一緒に働きたいですね。当市役所は、「地域とのつながり(地縁)」と「市民活動・ボランティア(志縁)」を大切にしています。
地域のみなさんから「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえるのは、市役所業務の醍醐味です。市民のみなさんと近い距離でまちづくりを進めたい方は、きっとやりがいを感じられると思います。
▲庁舎のエントランスは開放的で明るい雰囲気。庁舎には茅野市内を見渡せる展望スペースもある
編集部
最後に、転職を検討中の方に向けたメッセージをお願いします。
平林さん
当市役所には、520名以上の職員が在籍(2024年4月時点)しています。「40歳まで」「50歳まで」と年齢の上限を高くし(※)、若手・中堅・ベテランのバランスを考えて採用しているところです。
※年齢の上限は、年度や職種によって異なる
公務員経験がなくても応募できるため、民間企業からの転職者も多いです。中途採用の場合には、福祉施設で働いていた方には福祉課といったように、前職の経験を踏まえて配属先を決めます。
未経験でも活躍できる環境が整っているので、茅野市民の方はもちろん、県外にお住まいでまちづくりに興味がある方もぜひ応募してください。
編集部
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
編集後記
記事のまとめ
若手の活躍状況 |
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教育・サポート体制 |
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社風・カルチャー |
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働き方の特徴 |
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求める人物像 |
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茅野市役所の基本情報
自治体名 | 茅野市役所 |
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住所 | 長野県茅野市塚原二丁目6番1号 |
公式ページ | https://www.city.chino.lg.jp/ |
採用ページ | https://www.city.chino.lg.jp/life/5/37/ |
募集職種 | 土木技師・建築技師・保健師・栄養士など |