ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、埼玉県入間市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
若手職員の活躍を重視する入間市役所では、観光を中心としたまちづくりの分野に若手職員による「新たな発想」を取り入れています。また、部署を超えた「クロスメンター制度」やランチ会に便利な「Hygge(ヒュッゲ)」など、若手・中堅・ベテランでの交流も活発です。
今回は、総務部人事課で主任を務める小倉 泰幸さんに取材し、同市役所の若手活躍と教育制度、カルチャーなどについて伺いました。
入間市役所で働く若手の活躍事例:イベント・観光名所を考案
▲イベントでは入間市長もあいさつ。親子連れもたくさん集まった
編集部
入間市役所では若手職員が多く活躍されているとのことですが、若手のアイデアが基になり、開催されたイベントはありますか?
小倉さん
もちろんです。2024年8月の夕方から夜にかけて実施した「入間市駅前横丁」は、20代の職員(2022年度に入庁)が中心となって企画から関係機関との調整、当日の運営までを進めました。
初開催だったため前例はなく、イベントの目的や、訪れてほしい方々の特徴を練るところからスタートしました。自分のアイデアはもちろん、他の職員たちの意見も取り入れながらイベント内容を考えました。
編集部
イベントでは、どのような催しをされたのでしょうか?
小倉さん
夜の憩いを提供する「横丁」なので、入間市駅前のロータリーにはキッチンカーが並びました。集まった方々が地元のグルメを味わいながら話せるようにと、市内の企業に依頼して「段ボール製のカウンターテーブル」を用意しました。
入間市は「SDGs未来都市」でもあり、環境にやさしいまちづくりを大切にしています。入間市のビジョンを取り入れつつ、子どもから大人までが「ちょっと食べていこうか」と立ち寄れるイベントを企画してくれました。
▲段ボールを活用したカウンターテーブルのほか、EV(電気自動車)の電源共有コーナーも設置
編集部
若手だからこその新しい発想というのは、どのような点で感じられましたか?
小倉さん
横丁全体に流れる「ストリートミュージック」と、水をまいて涼しさを演出する「打ち水」は、若手ならではの発想だと思います。「横丁」と聞くと仕事帰りのサラリーマンを連想する方が多いでしょうが、職員たちは「子ども連れのファミリーにも立ち寄ってもらいたい」と考えました。
そこで、たまたま駅を訪れたファミリーの興味を引くように、「音楽」と「涼しさ」の要素をプラスしたんですね。小学生以下を対象に「打ち水体験」を実施し、さらに来場特典として段ボール製のお茶殻うちわの配布も行いました。
職員たちの思いが届き、イベント当日にはお子さん連れのファミリーがたくさん集まりました。あいさつをした市長も、「参加者が多く、会場全体が賑わっていた」と言っていました。
▲イベントでは、段ボール製お茶殻うちわなどの来場特典を配布
編集部
若手職員の方は、今回「活躍事例」として紹介された商工観光課に配属されるケースが多いのでしょうか?
小倉さん
商工観光課に配属されるケースが特別多いということではなく、他にも若手職員が配属されている部署はたくさんあり、それぞれ活躍しています。
その中でも現在、市内の観光資源の発掘や磨き上げ、市内周遊観光促進、賑わいの創出などに力を入れている商工観光課の若手職員の活躍事例を取り上げさせていただきました。
新たな観光名所!茶畑を楽しめるテラス「茶の輪」を設置
▲茶畑を楽しめる貸切制テラス「茶の輪」のイベント実施風景。事前予約制(有料)でおいしいお茶を味わえる
編集部
イベントのほかに、若手職員の方のアイデアが反映された取り組みはありますか?
小倉さん
茶畑テラス「茶の輪」は、若手職員の力で立ち上がった事業です。狭山茶の主産地である入間市内には、広大な茶畑が広がっており、その茶畑景観を活かし、2023年3月に茶畑テラス「茶の輪」をオープンしました。立ち上げまでには様々な課題がありましたが、若手職員が中心となり、設置場所や運営方法などについて検討を重ね、オープンを実現しました。
現在も、お茶屋さんや地域の方々と一緒になって試行錯誤しながら運営しており、「狭山茶を五感で体験できるスポット」として、入間市の観光を盛り上げています。
▲入間市のマスコットキャラクター「いるティー」も好評
編集部
商工観光課の雰囲気についても、教えていただけますか?
小倉さん
商工観光課の職員たちは普段からコミュニケーションが活発で、課で集まってランチ会や飲み会を楽しんでいますね。課の前を通ったときにも楽しそうな笑い声が聞こえ、和気あいあいとした雰囲気が伝わってきます。風通しの良い環境だからこそ、ユニークな企画が生まれるのだと思いますね。
職員へのサポート体制:クロスメンターが悩みをキャッチ
▲クロスメンター制度
編集部
入間市役所ならではの、職員に対するフォロー制度などはあるでしょうか?
小倉さん
はい。当市役所は2024年度から「クロスメンター制度(指名制)」を導入しており、部署が異なる職員と1対1で話せる仕組みを作りました。
「相談したい人」と「相談を受ける人」にそれぞれ立候補してもらい、人事課が事務局となってマッチングする流れです。副市長以下の職員全員が対象なので、「育休から復帰後の働き方」「役職が上がったときの心構え」といった中堅・ベテランが遭遇しがちな悩みへのアドバイスも期待できます。
編集部
クロスメンターとのやりとりは、相談に限られていますか?
小倉さん
いいえ。仕事上の相談に限らず、プライベートで遊びに行っても構いません。現在は9組ほどが制度を活用していますが、公園でキャッチボールをしたり、庁舎外で食事をしたりしているケースもありますよ。「気軽に話せる相手」として、お互いに無理のない範囲で親睦を深めてもらっています。
▲キャッチボールを楽しむ2人も
入間市役所のカルチャー:年代・部署を超えてつながる
▲商工観光課の職員の方々
編集部
入間市役所には、約900名(正職員)の方々が在籍しているそうですね。部署を超えて、職員の方々が集まる機会はありますか?
小倉さん
若手職員が中心になって職員交流のためのワーキングチームを結成しています。そこで職員交流事業の一環として実施したボウリング大会では、副市長や部長職を含む、40名ほどの職員が交流を深めました。
編集部
そのほかに、職員同士でコミュニケーションを取る機会はありますか?
小倉さん
先程の職員交流のためのワーキングチームにて「Hygge(ヒュッゲ)」という場を用意しています。庁内の会議室を開放して、職員同士でランチをしたり、会話をしたりして休憩時間を過ごしています。週に1回のペースで開催していますが、毎回20名ほどの職員が集まって会話を楽しんでいます。
部署が異なる職員と顔見知りになっておくと、「生活保護については生活支援課の○○さんに相談しよう」と相談できる相手が増えるんですね。自由参加ではありますが、Hyggeに参加して仕事の幅を広げてほしいと思っています。
インターンシップ:窓口業務やプレゼンを体験
▲入間市役所の庁舎内
編集部
入間市役所では、8月の第3週ごろに5日間のインターンシップを実施しているそうですね。インターンシップでは、どのような体験ができるのでしょうか?
小倉さん
5日間を前半と後半に分け、市役所の業務からプレゼンテーション(以降プレゼン)までを体験してもらいます。前半は配属先の職員に教えてもらいながら、事務作業や窓口対応といった一連の業務を学びます。
後半は、市長に向けたプレゼンの準備が中心です。2022年度からは、インターンシップのまとめとして、市長の前で『入間市の魅力を見つけてアピールしよう!』をテーマとして、プレゼンをしてもらっています。
3〜4名のグループで入間市内を回り、観光に活かせそうな場所を撮影したり、住民から話を聞いたりして提案内容を練ります。パワーポイントにグループの提案をまとめ、最終日に「プチ政策」として市長に説明する流れです。
編集部
インターンシップ生からは、どのような「プチ政策」が提案されましたか?
小倉さん
あるインターンシップ生たちからは、「自然に囲まれた中での映画をみるエコシネマナイト」や「日本初の茶畑ジップラインを作る」などの提案が出ましたね。どれも入間市を印象づける意味では、おもしろい視点だなと思いました。
市長へのプレゼンは好評で、「市長に直接考えを伝えるのは緊張したけれど、勉強になった」と言ってくれるインターンシップ生もたくさんいましたね。
編集部
インターンシップに参加した方の中で、採用試験を受験して入庁した方は、何名ぐらいいますか?
小倉さん
2024年度には、昨年度のインターンシップに参加した方が、2名入庁しています。2022年度からインターンシップの間口を広げており、2024年度には22名の希望者全員を受け入れました。
入庁後はインターンシップの有無に関係なく、公務員としてのキャリアをスタートします。ただ、インターンシップのプレゼン経験は力になるようで、入庁1年目にして近隣地域を含めたイベントで司会・進行を担っている職員もいますね。市長の前で政策を発表する体験が自信となり、入庁後の活躍につながっています。
入間市役所の採用情報:「課題解決につながる発想」を重視
編集部
求める職員像を含めて、転職を検討中の方々に向けたメッセージをお願いします。
小倉さん
当市役所は、新しい発想で課題解決に取り組める人材を求めています。入間市は2023年4月に、県内で初めてパーパス(※)を策定しました。
“心豊かでいられる、「未来の原風景」を創造し伝承する。”というパーパスは、100年後の未来から振り返った時に、これが入間市の原風景だと思えるような素晴らしいまちを、今みんなでつくっていくことが私たちの志だと表明するものです。現状維持ではなく、新しい発想もどんどん取り入れて、未来共創のまちづくりを進めています。
※事業の目的や、社会的意義を意味する言葉
採用数を増やしており、2024年度には新卒・中途の合計で59名ほどの職員を迎えました。商工観光課に限らず、若い視点を活かせる職場なので、まちづくりに興味がある方はぜひ応募してください。
編集部
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
編集後記
記事のまとめ
若手の活躍機会 |
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組織風土 |
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キャリア開発 |
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組織の特徴 |
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入間市役所の基本情報
自治体名 | 入間市役所 |
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住所 | 埼玉県入間市豊岡1丁目16番1号 |
公式ページ | https://www.city.iruma.saitama.jp/index.html |
採用ページ | https://www.city.iruma.saitama.jp/soshiki/jinjika/saiyo_jinzai/9065.html |
募集職種 | 事務職、技術職、専門職全般 |