掛川市役所で働く魅力|若手が変える職場!人事異動エントリー制度×DX推進

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、静岡県掛川市にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、静岡県掛川市役所で働く魅力をご紹介します。

掛川市は、新幹線の駅があり高速道路のインターチェンジもある利便性の高いまち。市役所では「協働によるまちづくり」を理念に「対話とチャレンジ」をテーマに掲げ、40代の若い市長のリーダーシップのもと、一人ひとりが挑戦意欲を持ち、よりよい市民サービスの実現に向けて邁進しています。

組織としては、キャリア形成を支援する独自の人事異動エントリー制度や、年間1,500回以上利用される時差勤務制度、DX推進による業務効率化など、働きやすさを重視した先進的な取り組みを積極的に展開。年齢や経験にとらわれず若手職員の意見を尊重し、チャレンジを推奨する組織文化が根付いています。

今回は、掛川市役所で働く魅力や働き方の特徴について、総務部人事課の縣さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
掛川市役所総務部人事課の縣 直弥さん

掛川市役所
総務部人事課人材育成係

縣 直弥(あがた なおや)さん

掛川市役所で実現!若手の提案で働き方が変わる職場

掛川市役所総務部人事課の職場風景
▲掛川市役所総務部人事課はフリーアドレス。開放的なフロアです。

編集部

掛川市役所では働き方改革が進んでいるそうですが、その背景にある組織の理念や、実際に変革が進む職場の雰囲気についてお聞かせください。

縣さん

掛川市役所は、「協働のまちづくり」を理念に市民との対話を重視し、久保田市長が掲げる「対話とチャレンジ」というテーマのもと、組織全体が大きく変わってきています。正解のない時代だからこそ、チャレンジする姿勢を大切にしております。

編集部

市役所ではどのような“チャレンジ”が行われているのでしょうか?

縣さん

庁舎内では、「チャレンジ」というワードが至る所で飛び交っています。若手もさまざまな提案をして、自分で実行に移していく、そんな組織風土がありますね。

象徴的なものが、年度予算の中に設けている「未来チャレンジ枠」です。これは、職員が市長等に対してプレゼンテーションをして、魅力的な取り組みであれば予算をつけて実行していく、という提案型の取り組みです。

編集部

具体的な採用事例があればぜひご紹介ください。

縣さん

はい、費用対効果も含めて期待できることから予算化された、ふたつの事例をご紹介します。

ひとつめは「郵便発送業務」の効率化で、こちらは入庁10年以内の若手職員が、毎月約16.5時間かかっている郵便業務時間を短縮するために提案したものです。これまで、手作業で行っていたものを全自動化することにより大幅な作業効率化につながりました。

もうひとつは、「口座振替のWeb登録」です。口座振替登録を窓口で行う際、申請から登録完了までに平均で1ヵ月弱、記入漏れなどによる依頼書の再提出がある場合は、2ヵ月以上の時間を要していました。現在は、ヤマト開発システムを導入し、24時間どこでも口座振替の申し込みが可能となり、市民の利便性の向上を図るとともに、作業の効率化が実現しています。

働き方改革の実績|新人考案のDX施策が受賞

編集部

掛川市役所では働き方改革に力を入れているそうですね。ここでも若手職員の意見や提案が積極的に採用されているのでしょうか?

縣さん

その通りです。我々は平成20年代から働き方改革に取り組み、若手・中堅、さまざまな職員からの意見や案を取り入れています。

継続してエンゲージメントサーベイを取るなかで貢献した取り組みを表彰する制度を整えており、2023年度は入庁1年目の若手職員が働き方改革のアワードでDX推進賞を受賞しました。業務効率化を提案し、実際に月17時間もの業務時間削減を実現させたのがその職員の功績です。

編集部

どのようにして月17時間も業務時間を削減できたのでしょうか?

縣さん

都市政策課では、不動産調査で窓口に来られる事業者の方々に必要とされる情報を提供する業務で、多い日は1時間ほどの時間を費やしていました。ただ、それらの情報は「e-地図かけがわ」というWeb上で公開されており、実際はどこからでも検索して得られるものです。

周知はしていたものの、Webサービスの利便性を十分にご案内できていない状況でした。それを若手職員の提案で窓口にパソコンを設置し、実際の操作方法をサポートしながら丁寧に説明することを繰り返した結果、来客数が減少し、対応時間の大幅な削減を実現できたのです。

この取り組みのおかげで事業者の方々の時間も節約でき、双方にとってwin-winな関係を築くことができました。ただパソコンを設置するだけでなく、実際に一緒に操作して検索結果を導くところまでフォローしたため、定着に繋がったのでしょう。

若い世代の、「デジタルで可能なことは積極的にシフトしていこう」という感覚が活かされた事例です。削減できた時間で、対面業務でのサポートをより手厚くすることができました。

編集部

デジタル化はやはり業務において意識されているポイントでしょうか?

縣さん

デジタル技術を活用した業務改善や市民サービス向上は特に意識しているポイントです。職員が学びを得る機会として「DXリーダー育成プログラム」を実施しており、20代・30代を中心に正規職員約800人のうち約15%が自主的に参加しています。

働き方改革の取り組みもDX化も、長い時間を投じてきた結果、風土として根付いてきており、若手が伸び伸びと提案できる環境に繋がっているように思います。

ワークライフバランスが実現しやすい、掛川市役所の働き方

掛川市役所職員の働く様子
▲部署によっては自由な場所で働けるテレワークも可能。

編集部

ここからは、働きやすさやワークライフバランスについてお話を聞かせてください。ワークライフバランスや働きやすさに繋がる制度があれば、特徴や活用状況を教えてください。

縣さん

テレワークは年間約270回の利用実績があります。窓口業務がある部署も多いため、全員が利用できる状況ではありませんが、着実に浸透してきていますね。

窓口業務のある部署では、「集中タイム」という取り組みも始めています。例えば午後3時から4時まで、といったように一定の時間を集中タイムとして設定・申請すれば、別室やパーテーションで囲った場所で集中的に作業に取り組める環境を確保できます。

また、時差勤務制度も導入しており、30分刻みで勤務時間を選択できます。7時から15時45分まで、あるいは12時からの勤務なども可能です。

これにより、夜間に地区の説明会がある場合は昼から出勤して夜まで対応するなど、業務の都合に応じた柔軟な働き方ができるようになりました。年間1,500回以上の利用があり、テレワーク以上に活用されています。

さらに、休暇制度も充実しているのがポイントです。15分単位で取得できる時間休暇制度があり、ほかの制度を組み合わせることで、仕事と私生活の両立がしやすい環境を整えています。

編集部

実際に縣さんもこうした制度を利用されているのでしょうか。

縣さん

私自身も週1回はテレワークを心がけており、電話や窓口対応がない環境で業務に集中できる良さを実感しています。また、これを機に業務の整理も進み、ネットワークだけで完結する仕事と、職場でのコミュニケーションが必要な仕事の切り分けもできてきました。

ワークライフバランスに関しては、実は今日も制度を活用しております。子どもの参観日だったため、時間休暇を使って一時的に職場を抜けて戻ってきました。子どもの成長をしっかりと見ながら、業務を継続できる環境が整っているところが良いなと実感しています。

こうした制度は上司が率先して活用することで、若手職員も使いやすい雰囲気が醸成されています。

キャリアプランを応援|独自の人事異動制度

編集部

職員の方々がさまざまな業務を経験できる制度があると伺いましたが、具体的にはどのような仕組みでしょうか?

縣さん

掛川市役所では人事異動のエントリー制度を導入しており、これはほかの自治体にはあまり例のない取り組みかと思います。各課が求める人材像を提示し、主査以下の職員は自身のキャリアプランに基づいて希望する部署に応募できる制度です。マッチングすれば、そこの課に配属されます。

制度開始から5年ほど経ちますが、マッチング率は約50%と高い水準を維持しています。職員が自身の成長とキャリアを主体的に考え、実現できる環境が整っており、生産性向上やエンゲージメント向上にもつながっています。

働きがいのある職場|数字で見る職員の満足度

編集部

人事異動エントリー制度やフレキシブルに働ける勤務体系により、職員の働きやすさや満足度が向上している実感はありますか?

縣さん

継続しているエンゲージメントサーベイという調査が2024年度で3年目となります。そこで職員の7~8割が「貢献したい」「市民のために」といった想いを抱いていることが分かりました。使命感を持って職務にあたっている職員が大変多いことが数字で示されたのです。

「職場の雰囲気が良い」「メンバーが魅力的」と感じている職員も多く、心理的安全性を保てているところも掛川市の良さかなと実感しています。

編集部

職員の方々と接していても、やはり良い雰囲気を感じますか?

縣さん

私が仕事で関わる方々は、使命感と熱意を持って課題の解決に挑んでいる方ばかりです。物事を達成するために適切に意見を述べ、相手からのフィードバックを受け入れられる雰囲気の良さを日々感じています。

今後は、全職員へのビジョンの浸透や、さらなる動機付けを図りながら、職員も元気になって、市民のサービスが向上するような取り組みを継続していきたいと思っています。

掛川市で働く魅力|交通アクセスと住環境の強み

掛川城天守閣開門30周年を祝うパレード
▲掛川城天守閣開門30周年を祝うイベントは大勢の参加者で大盛況!

編集部

掛川市で働く魅力もぜひ教えてください。

縣さん

新幹線の停留駅がある、高速道路のインターチェンジがあるといった面で利便性が高く、宅地の造成も積極的に進め、より一層住みやすくなるよう、まちづくりにも注力しています。日本の人口は全国で減少傾向ですが、掛川市は微減にとどまっているのもポイントです。

また、日本初の本格木造天守閣である掛川城が2024年度に復元・天守閣開門から30周年を迎え、市全体として大変盛り上がっております。

掛川城天守閣開門30周年を祝う茶会
▲掛川城大茶会「オープニング茶会」の様子

縣さん

さらに秋には特産品であるお茶とかけて、「かけがわ茶エンナーレ」という協働のまちづくり芸術祭も開催されています。

魅力溢れる掛川市にぜひ興味を持っていただきたいですね。

掛川市役所が求める人材|挑戦する意欲が活きる

掛川市役所総務部人事課の縣 直弥さん
▲本日お話を聞かせてくださった総務部人事課の縣さん

編集部

掛川市では、どのような人材を求めているのでしょうか?記事の結びに、転職や就職を検討中の読者にむけてぜひメッセージをお願いします。

縣さん

これからの時代、正解は自分たちで考え、チームで話し合いながら作り上げていくことが必要です。そのためチャレンジ精神を持ち、力を合わせて課題解決に取り組める方を求めています。

我々は、「市民のために貢献したい」「熱く働いてみたい」といった強い意志を持った方が、掛川市の組織風土に合うと考えています。新しいことに挑戦する意欲と、市民のために尽力したいという思いを持った方に、ぜひ応募していただきたいですね。

編集部

縣さんの熱い想いが伝わりました。人事異動エントリー制度や働き方改革が充実していて、自分でキャリアを切り拓いたり、より働きやすい環境を提案したり、声を挙げられる風土が魅力的に感じます。本日はありがとうございました。

編集後記

40代市長が「対話とチャレンジ」という方針を掲げて変革を続ける掛川市。その前向きな雰囲気が伝わってくるような取材でした。温暖な気候と歴史があり、新幹線も停まるという立地条件なので、転職とともにUターン・Iターンなどを考えている人も要注目の自治体です。

この記事のまとめ

働き方の特徴
  • テレワークの利用実績は年間270回以上
  • 時差勤務制度(30分刻みで選択可能)が年間1500回以上の利用
  • 15分単位で取得できる時間休暇制度を導入
  • 窓口業務部署では「集中タイム」を設定し、業務効率化を推進
キャリア形成
  • 人事異動のエントリー制度でキャリアプランに応じた部署異動が可能
  • マッチング率は約50%と高水準を維持
  • 若手職員の提案を積極的に採用する「チャレンジ予算」制度あり
組織風土
  • 職員の7-8割が市民への高い貢献意識と使命感を保持
  • 心理的安全性が高く、意見交換やフィードバックがしやすい環境
  • 上司が率先して制度を活用し、利用しやすい雰囲気を醸成
DX・業務改善
  • 正規職員700-800人中100人以上がDXリーダー育成に参加
  • 20-30代の若手職員が積極的にデジタル技術を活用した業務改善を推進
  • 定期的な業務改善提案と実行のサイクルを確立
求める人物像
  • チャレンジ精神を持ち、チームで課題解決に取り組める人
  • 市民のために貢献したいという強い意識を持つ人

掛川市役所の基本情報

住所 静岡県掛川市長谷一丁目1番地の1
勤務形態 ・時差勤務制度
・時間休暇制度
・テレワーク
公式ページ https://www.city.kakegawa.
shizuoka.jp/
採用ページ https://www.city.kakegawa.
shizuoka.jp/gyosei/lifeevent/
shushoku/shokuin/
募集職種  ・一般事務
・土木技術
・建築技術
・福祉
・保健師
・学芸員
・一般事務(デジタル化推進担当)
・幼児教育士