ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、2026年9月に新庁舎移転を控える北海道の登別市役所にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同市役所で働く魅力をご紹介します。
登別市役所は、若手職員が活躍できる環境づくりに注力しており、「チューター制度」による手厚いサポート体制や、柔軟な働き方を実現する制度が整っています。特に土木技術職では、女性職員も第一線で活躍。世界的な観光地である地獄谷の整備など、登別ならではのやりがいのある仕事に携わっています。
今回は、登別市役所の若手支援制度や働きがいについて、総務部人事グループの奥田さんと都市整備部土木・公園グループの熊谷さんにお話を聞かせていただきました。
若手活躍:土木技術職の女性職員に聞く登別市役所で働く魅力
▲観光地として有名な地獄谷で仕事があることも登別市ならではの光景
編集部
登別市役所では土木関連の職種の採用に力を入れていると伺っています。都市整備部土木・公園グループの若手職員として活躍されている熊谷さんに、まず業務内容から教えていただきたいです。
熊谷さん
私の所属する土木・公園グループでは、市道や河川の維持管理や土木工事、公園の維持管理等を行っています。その中でも私は土木担当で道路の改良工事や橋梁の補修工事をメインとしており、工事の設計書作りや発注、発注後は工事監督員として業者との打ち合わせや現場の確認をする業務を担っています。
工事の進捗確認や設計計画と現場で齟齬が生じたときに業者の方と相談して、工事が円滑に進むように監督するのが私の役割です。
編集部
その中で、登別市ならではの業務はありますか。
熊谷さん
登別市ならではだと感じたのは、有名な観光地である登別温泉の「地獄谷」の中にある薬師如来像へと続く木製階段の改修工事です。
市役所内の別グループから依頼を受けて老朽化した木製階段を新しくするのですが、観光客が多く訪れてお参りをされている中で工事を進めるので、観光客の安全確保や時間帯も考慮するなど、通常の工事とは違う配慮が必要で、難しく感じる局面もありますね。
▲地獄谷で行われる迫力満点のイベント「鬼花火」。多くの観光客を楽しめる環境を整えるのも大事な業務
熊谷さん
大変な面もあるのですが、登別市の顔である有名な観光地を改修するということで、完成後に世界中から来られる観光客が安全に歩いている姿を想像すると、仕事の意義と同時に、やりがいを感じながら工事を進めています。
また、冬の時期は雪が降るので、特に安全に気をつけて工事を進める必要があるのは登別ならではだと思います。
編集部
熊谷さんは入庁されて4年目ということで、業務にも慣れてきましたか。
熊谷さん
そうですね。入庁して1年目は工事発注が2本程度でしたが、今では委託も含めて10本以上の案件を担当できるようになりました。徐々に発注業務がスムーズにできるようになってきたと実感しています。
大学では土木を専攻していましたが、工事監督員の業務や決裁のやり方などの事務的な業務は新しく覚えることが多くありました。最初は戸惑うこともありましたが、徐々に業務に慣れ、効率的に仕事を進められるようになってきています。
先輩職員に相談できる「チューター制度」で新入職員をフォロー
▲登別市では「チューター制度」を取り入れており、新入職員をサポートする仕組みを導入している
編集部
登別市役所は若手職員が多く在籍していると伺いましたが、新入職員にはどのようなサポートがあるのでしょうか。
奥田さん
入庁後の研修を通じて公務員としての基礎的な知識を学んでもらったり、精神面についてもメンタルヘルスの研修も取り入れるなどフォローしているのは当然なのですが、特徴的なものとしては「チューター制度」の導入が挙げられます。
これは、新入職員3人に対して1人の先輩職員を相談役・世話役として配置しているというものです。異なる部署の年齢が近い先輩職員がチューターを担当し、仕事の悩みからプライベートまで幅広く相談できる仕組みを整えているので、新入職員は困ったことがあっても安心して働けていると思いますね。
編集部
熊谷さんは実際にチューター制度を経験されたそうですが、いかがでしたか。
熊谷さん
私は入庁時に下水道グループだったのですが、チューターは建築住宅グループの先輩職員でした。定期的に面談をしてくれたほか、同期の職員を含めて4人程度で話し合う機会も作ってくれました。部署を超えた繋がりができて、業務の相談もしやすくなりましたね。
ちなみにチューターのグループは技術職と事務職が混在していて、私のグループは2人が技術職、1人が事務職でした。異なる職種の職員と交流ができたのも、良い機会だったと感じています。
女性職員の支援:育休取得を推進し長期キャリア構築をサポート
編集部
続いて、女性職員へのサポート体制について教えてください。
奥田さん
まず挙げられるのが育児休業の推進で、現時点では育児休業取得者が7名、部分休業制度利用者が8名います。部分休業制度は、1日最大2時間まで時短勤務が可能というもので、30分単位で勤務時間を調整できます。
また、育児休業に入る職員がいるときは、所属長が率先して周囲のスタッフとコミュニケーションを取り休暇の理解を求めるように心掛けています。育休から復帰する際も、所属長による面談を実施し、必要な配慮や支援について確認します。
職員同士、皆で助け合っていく方針を取っていますので、チームワークを大切にしながら、女性も男性も長く働ける職場づくりを進めています。
編集部
部分休業制度はどのように活用されていますか?
奥田さん
例えば保育所や幼稚園の送迎時間に合わせて、柔軟に勤務調整していますね。育児休業明けの職員はほぼ全員この制度を利用しており、皆さん家庭の状況に応じて上手に活用中です。
また、女性職員向けのステップアップ研修を実施しているほか、育児と仕事の両立支援制度をまとめたハンドブックを配布しており、各制度をしっかり把握しながら自分の希望に沿ったキャリアを築いていける環境です。
職場環境:周囲に気軽に相談でき、笑顔があふれる空間
▲登別市役所では一部フロアでフリーアドレス制を導入しており、他部署の職員とも交流を持ちやすい環境が用意されている
編集部
登別市役所の職場環境や雰囲気を教えてください。
熊谷さん
率直に、職場の雰囲気はとても良いと感じていますね。
私が所属する部署は、土木や道路工事をメインに受け持つ担当員が3名と主査と主幹で構成されています。年齢の近い先輩達もいるので話しやすく、気軽に質問ができます。難しい案件の場合は主査がサポートしてくれますし、皆さん勉強熱心で知識量も凄く、相談したらとても丁寧に対応してくれます。
奥田さん
市役所職員や公務員と聞くと堅苦しいイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、登別市役所はとても個性豊かなメンバーが揃っています。プライベートな時間になると、公務員の一般的なイメージとは異なり、個性豊かで親しみやすい雰囲気の職員も多くいらっしゃいます(笑)。
就業中はもちろん真面目に仕事をしていますが、休憩時間には笑顔あふれる会話が飛び交い、終業後は、和気あいあいと食事へ出掛ける職員達もたくさんおり、メリハリのある職場環境を大切にしています。
時には大変な仕事もありますが、笑顔と良好なコミュニケーションがあれば、皆で乗り越えていけます。私自身もそういった経験をしてきましたので、これから入庁される皆さんにも、成長に繋がる経験をしていただきたいですね。
フリーアドレスを導入した新庁舎が2026年に完成予定
▲登別市役所の新庁舎の完成イメージ図。新庁舎は2026年9月に完成予定
編集部
職場に関連する話題としては、2026年に新庁舎へと移転されると伺いましたが、現在どのような状況でしょうか?
奥田さん
2026年の9月中に新しい庁舎が完成する予定で工事が進んでいます。新庁舎完成後、それがきっかけになって採用試験の倍率がいつもより上がる可能性があるので、転職を検討されている方は2025年度の受験がチャンスかもしれませんよ。
編集部
新庁舎の特徴や魅力を教えてください。
奥田さん
新庁舎ではフリーアドレス制を全フロアで本格的に導入する予定です。フリーアドレス制を導入することで部署を超えた交流が盛んになり、他部署の仕事も身近に感じることができて、職員のコミュニケーション能力を高めるきっかけになるのではと期待しています。
また、リラックスした雰囲気で打ち合わせができるよう、カフェのようなソファスペースも設置する予定です。
土木技術職で求める人材:やる気とコミュニケーション能力のある人
▲お話を伺った奥田さんと熊谷さん
編集部
特に土木関連の技術職について、どのような方が向いているでしょうか。
熊谷さん
新規事業や工事を実施する際、市内の方や庁内の関係者へ工事に関する説明機会が多く、様々な方と円滑な関係を築く必要があるのでコミュニケーション能力は重要です。しかしながら一番大切なのは、土木に興味があり、やる気があることです。そんな方であれば、どなたでも活躍できると思います。
現在、土木の女性技術職員は私1名で、現場に赴くことも多く、女性が働くには体力面で大変と思われがちですが、実際は全く心配いりません。現場での業務は、施工状況の確認や工事の監督業務が中心で、重労働はありません。工事は基本的に平日の日中のみで、週末はしっかり休めるので、性別を問わず働きやすい環境です。
奥田さん
技術職の採用については、専門的な知識を最初から求めているわけではありません。実際に、異なる分野の出身でありながら、着実に知識を積み上げて技術職員として立派に活躍している方もいます。専門知識がないことを心配せず、学ぶ意欲を持って挑戦していただきたいですね。
転職希望者へ登別市役所からのメッセージ
編集部
最後に、登別市役所への転職に興味を持った読者の方へメッセージをお願いします。
熊谷さん
私は大学で土木を専攻していましたが、入庁後、実務に関しては初めてのことばかりでした。特に最初に配属された下水道グループでは、ほとんど知識がない状態からのスタートでした。
しかしながら、周りの先輩に恵まれていたおかげで未経験でも着実に成長できました。長く働ける職場だと実感していますので、興味をお持ちの方は、経験の有無を気にせず、ぜひ挑戦してください。
奥田さん
先輩職員達が丁寧に指導や教育をしてくれるので、たとえ専門知識がなくても全く心配する必要はありません。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ登別市役所の門を叩いてください。優しい先輩たちが両手を広げて待っていますよ。
編集部
本日はありがとうございました。
編集後記
この記事のまとめ
若手職員の特徴と支援体制 |
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女性の活躍支援 |
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職場環境・文化 |
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土木技術職の特徴 |
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求める人物像 |
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登別市役所の基本情報
住所 | 北海道登別市中央町6-11 |
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公式ページ | https://www.city.noboribetsu.lg. jp/ |
採用ページ | http://www3.city.noboribetsu.lg. jp/jinji/ |
募集職種 | 土木建築技師や一般事務など |