ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、愛知県瀬戸市にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同自治体で働く魅力をご紹介します。
瀬戸市は愛知県尾張地方に位置する人口13万人弱の自治体です。名古屋の中心地・栄に電車1本でアクセスできる交通利便性と、昔ながらの街並みや豊かな自然が調和した暮らしやすさが魅力。昔から窯業が盛んな“やきもののまち”として知られており、近年では棋士の藤井聡太さんの出身地としても注目を集めています。
そこに在住する市民の暮らしを支える瀬戸市役所では、近年男性の育休取得率が大きく向上するなど、ワークライフバランスの推進に力を入れているのが特徴です。またインターンシップの拡充や若手職員の積極的な登用など、次世代の育成にも注力しています。
今回は瀬戸市役所の職場環境や働き方について、人事課の宮下さんと、育休を取得し職場復帰を果たした大嶋さん、そして若手職員として活躍する織田さんにお話を聞かせていただきました。
愛知県瀬戸市の育児支援:半年間の育休を取得した男性職員の経験談
▲取材に対応いただいた皆さん
編集部
ワークライフバランスのテーマについて、育児休暇から復帰をされたという大嶋さんに伺います。まずは現在の業務内容を簡単に教えてください。
大嶋さん
私は令和2年度に入庁し、現在も所属する高齢者福祉課に配属されました。介護認定給付係として、介護認定業務や介護保険サービスの給付に関する業務に携わっています。
編集部
お仕事をされている中で、特にどういった部分にやりがいを感じられますか?
大嶋さん
私の場合、母が介護職だったためにもともと介護は身近な仕事だったのですが、業務を通じて介護制度が市民生活にどう影響するのかを改めて知ることができ、そこが大きなやりがいとなっています。他の職員も、自分の祖父母など身近な人を支える介護制度に深く関わるこの仕事に真剣に向き合っています。
編集部
育児休業はどのくらいの期間取得されたのでしょうか。
大嶋さん
育休と有給を合わせて丸々6か月間取得しました。周囲のメンバーに快く背中を押してもらったことで、躊躇することなく育休を取得できたのが本当にありがたかったですね。また妻の妊娠が分かった時点で係長に相談し、育休開始の半年以上前から計画的に引き継ぎを行ったことでスムーズに育休に入ることができました。
▲大嶋さんとお子さん。周囲の理解のもと気兼ねなく育児休業を取得できたからこそ、夫婦2人で協力しながら育児に専念できたそう
編集部
実際に育休を取得した感想はいかがですか?
大嶋さん
本当に取得して良かったです!夫婦2人で協力して育児ができなかったら、精神的にも体力的にも厳しかったと思います。
育休中は頼もしい後輩がしっかりと仕事を回してくれていたため、その点でも安心して育児に専念することができました。復帰後も、育休前に担当していた業務をそのまま受け持つことができ、取得から復帰まで非常にスムーズに進められました。
子の看護休暇・30分単位で取得できる時短制度などが整っている
編集部
大嶋さんと宮下さんは育休から復帰して働かれていますが、仕事と子育てを両立する上でどのようなサポート体制がありますか?
大嶋さん
職場に子育てへの理解が浸透しているのはとても大きなポイントです。育休取得の際もそうですが、復帰後も普段から残業時間が減るように配慮してもらい、子どもの体調不良等による急な予定変更も柔軟に対応してもらっています。また市役所の制度として、子どもの体調不良や健診時には「子の看護休暇」という特別休暇があるため、そういった制度も活用しながら両立しています。
宮下さん
私は現在「育児部分休業」という制度を利用して時短勤務をしているのですが、これは8時30分から17時15分までの勤務時間の内、2時間までの時間休を30分単位で自由に設定できる仕組みなんですね。朝と夕方に1時間ずつ設定するなど、それぞれの事情に合わせて柔軟に調整しながら働けるため非常に助かっています。
先輩社員の取得実績が男性育休取得の機運を醸成。9割近い取得率に
編集部
大嶋さんのお話で周囲の理解が根付いているというお話がありましたが、全庁的にワークライフバランスへの理解が進んでいるのでしょうか。
宮下さん
そうですね。人事課としても、子どもが生まれる予定の職員を対象に所属長・本人・人事課職員で三者面談を行い、さまざまな制度を紹介するとともに職場内の理解の促進に努めています。また、特に男性育休取得率向上には力を入れており、実際にどんどん上がってきています。令和5年度は2割強だった取得率が、令和6年度は現時点で対象となった男性職員11人中10人が取得するまでに大きく向上しました。大嶋さんのような取得事例が、他の職員の背中を押してくれているのだと思います。
大嶋さん
そこは私自身の育休を取得する1つの目的でもありました。私がなるべく長く育休を取ることで職場全体に取得しやすい雰囲気が広がっていけば良いと思っていましたし、現に他の男性職員が次々に取得して、後に続く男性職員に背中を見せてくれているのはとても良い風潮だと思いますね。
織田さん
瀬戸市役所は育休だけでなく、休みを積極的に取得しやすい雰囲気があります。周囲のメンバーと協力し合いながら必要な休みをきちんと取得できるため、オンオフの切り替えをしっかりできて、自分自身の生活を大切にしながら働くことができています。
災害支援も経験。3年目で幅広い経験を積む若手職員のエピソード
▲税務課家屋償却係として市内を回る織田さん
編集部
続いて若手活躍のテーマについて伺います。織田さんの現在の業務内容を教えてください。
織田さん
私は令和4年度に入庁し、税務課家屋償却係で勤務しています。新築や増築した建物の固定資産税を算出するのが主な業務内容です。
編集部
家屋償却係で従事して、成長ややりがいを感じた瞬間はありますか?
織田さん
家屋所有者の方と調整して家屋調査を行うのですが、1年目は電話でその調整を行うことも慣れず大変でした。また税金算出というミスの許されない仕事にもプレッシャーを感じていました。しかし年数を重ねるうちに所有者の方とのやり取りにも慣れ、専門知識も身に付けて業務の正確性が上がっていると実感しています。実践経験を積みながら成長を実感できるため、それが仕事のやりがいになっています。
また家屋調査の仕事を通じて、市民の方々と触れ合う機会があるのもこの仕事の魅力です。実は大嶋さんの新築の調査も私が担当したんですよ。あとは市内をあちこち巡るため、地理に詳しくなるのもメリットといえるかもしれません。
▲能登に災害支援に行ったときの様子
編集部
これまでに特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
織田さん
被災地支援として、2024年2月に石川県能登地域に派遣されたことが印象に残っています。罹災証明発行のための家屋調査を行ったのですが、被災状況を初めて目の当たりにしたことは非常に衝撃的な経験でした。
家屋という市民の方の大切な財産に関わる重要な仕事だということを改めて実感するきっかけになりましたし、今後発生する可能性がある東海地方の震災のことも考えて、身が引き締まる思いになりました。
若手職員の地元への理解を深めるための研修も開催
▲「瀬戸を知る研修」の様子。ノベルティ(陶磁器製の置物)の絵付け体験などを通じて、やきもののまちへの理解を深める
編集部
若手活躍に関して、市として特に力を入れていることはありますか?
宮下さん
市の職員として瀬戸市をより深く知ってもらうため、1年目の職員向けに「瀬戸を知る研修」を実施しています。これは座学とフィールドワークを組み合わせた研修プログラムです。
座学ではやきもの振興や、防災、都市計画などを各部署の担当者から学びます。フィールドワークでは瀬戸のまちを実際に歩いて由緒ある神社や古い街並みの歴史を学んだり、やきものの絵付け体験を行ったりします。研修を通じて職員同士の交流を深めながら、瀬戸市への愛着を持ってもらい業務へのモチベーション向上につなげるのが目的です。
▲研修で瀬戸蔵ミュージアムを訪れ「モロ」と呼ばれる昔の陶房について学ぶ風景
若手積極採用の一環でインターンシップを大幅拡充!採用につながるケースも
編集部
若手職員の採用状況はいかがですか?
宮下さん
瀬戸市役所では、毎年新卒や若手の採用を積極的に行っています。若手採用への新たな取り組みとして、令和4年度からインターンシップを大幅に拡充し、従来は1部署で1人の受け入れだったものを、同時に10人を受け入れ、5日間で8つの部署を体験できるプログラムに刷新しました。
この取り組みは3年目を迎え、インターンシップ参加者から実際に採用に繋がるケースも出てきています。就職後のミスマッチを防ぐ効果も高く、重要な採用活動の一環となっています。
編集部
インターンシップでは具体的にどのような取り組みを行うのでしょうか。
宮下さん
各部署での実務体験に加え、グループワークも多く取り入れています。例えばシティプロモーション課では市のPR方策をグループワークで考えてもらい、学生ならではの視点を活かした斬新なアイディアがたくさん生まれました。
現場が抱える課題について学生と一緒に考えることで、職員側も若い世代の視点を学べますし、学生も市役所の具体的な課題解決プロセスを体験できる点で、双方にとって有意義な機会となっています。
魅力にあふれる瀬戸市で裁量大きく働ける。UIJターン者も歓迎
▲窯神神社展望台からの街並み
編集部
最後に、UIJターン(地方から都市部へ、都市部から地方へ、地方から地方へ移住すること)で瀬戸市で働くことを検討している読者に向けて、瀬戸市のまちとしての魅力、そして職場環境の魅力をメッセージとして伝えていただけますか?
大嶋さん
まちとしての瀬戸市の大きな魅力は、まず立地の良さがあげられるでしょう。名鉄瀬戸線を使って名古屋の中心地・栄に1本でアクセスできるだけでなく、高速道路が通っているため遠方へのアクセスも良好です。近隣には、ジブリパーク、IKEA、コストコ、土岐プレミアム・アウトレットなどの大型商業施設があることも暮らしやすさにつながっていると思います。
また市内にも自然豊かな場所や歴史を感じられる街並み、毎年数十万人が訪れる盛況なイベント「せともの祭」などさまざまな見どころがあります。遊びに来るだけでも楽しく、暮らしやすさもある魅力あふれるまちのため、気になる方はぜひ一度足を運んでいただければと思います。
▲市外からも多くの人が集まる「せともの祭」、窯道具でできた塀や壁を楽しめる「窯垣の小径」
宮下さん
瀬戸市役所という職場は、魅力的な先輩たちと一緒に働きながら、若手のうちから主体性を持って仕事に取り組めるのが魅力です。またワークライフバランスに関して、制度はもちろん職場全体の理解が進んでおり、多様なライフスタイルの方が働きやすい職場環境が整っています。
まだ瀬戸市を良く知らない他の地域出身者の方も、実際に働いてみるとさらに多くの瀬戸市の魅力を発見できると思います。自分らしく働きながら、これからの新しいまちづくりに取り組んでみたい方は、ぜひ瀬戸市役所でのキャリアを検討いただけると嬉しいです。
編集部
宮下さん、大嶋さん、織田さん、本日はありがとうございました!
編集後記
インタビュー中の空気感からも、瀬戸市役所の皆さんの明るい雰囲気が伝わってきました。市役所全体の理解とサポート体制のもと、子育てしながら働きやすい環境が整っています。
やきもののまちとして、棋士・藤井聡太さんの故郷として、さまざまな魅力を持つ瀬戸市。名古屋中心部へもアクセス良好のため、移住して働きたいという方にもおすすめです。
この記事のまとめ
働き方の特徴 |
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若手の活躍機会 |
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人材育成・研修 |
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職場環境・文化 |
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立地・環境 |
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瀬戸市役所の基本情報
住所 | 愛知県瀬戸市追分町64番地の1 |
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公式ページ | https://www.city.seto.aichi.jp/ |
採用ページ | https://www.city.seto.aichi.jp/bunya/syokuinsaiyoujyouhou/index.html |
募集職種 | 事務・土木・電気・機械・保育・保健師・消防 ※2024年度実績。年度により募集職種の変更あり |