若手社員が輝く環境づくりを進め、成長を続ける企業を特集するこの企画。今回は大阪府堺市で土地の有効活用のコンサルティングと建設事業を行う進和建設工業株式会社にお話を伺いました。
建設会社として55年を超える歴史を持つ、進和建設工業株式会社
進和建設工業株式会社は土地活用コンサルティング事業と賃貸マンションの建設をメイン業務として手掛ける大阪府堺市の建設会社。創業以来地域密着で築いてきた堅実な経営地盤と、独創的で枠にとらわれない事業展開が特徴です。
また学生に向けた「就活塾」や母親に向けた「学習塾」など、進和建設工業株式会社では建設事業だけでなく人づくりにも力を入れています。社外向けの事業だけでなく社内でも「人」を大切にしており、人材育成や、社員の心身の健康に資する福利厚生が充実しています。
会社名 | 進和建設工業株式会社 |
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住所 | 大阪府堺市北区百舌鳥梅町1-30-1 |
事業内容 | ・賃貸マンションの設計・施工 ・一般的建築工事の設計・施工 ・住宅の設計・施工 ・不動産のコンサルタント・管理 |
設立 | 1968年(昭和43年)12月09日 |
公式ページ | https://e-shinwa.net/ |
今回は、老舗企業ながら数々の独自性ある取り組みで成長を続ける進和建設工業株式会社の特徴や、若手社員活躍の秘訣などについて、代表取締役の西田さん、営業企画部の伊藤さん、小塚さんにお話を聞かせていただきました。
創業以来堺市で事業を展開!お客様と地域への思い
編集部
まずは進和建設工業さんの事業内容について、簡単に教えてください。
西田さん
進和建設工業は大阪府堺市で、土地のオーナー様への土地活用のコンサルティング、それに伴うマンション等の建設事業を行っています。
進和建設工業の特徴は、マンションを建てて終わりではなく、その後の運営管理までをご支援していること。土地のオーナー様の大切な資産を預けていただいている以上、オーナー様の悩みや思いに寄り添って最適な形で土地活用をしていくのが進和建設工業の使命です。そのため入居者に喜ばれるマンションを建設するのはもちろん、入居者の確保やマンションの管理へのアドバイスなど、お客様の事業を成功に導くためのトータルサポートを提供しています。
編集部
進和建設工業さんが創業から変わらず大阪府堺市で地域密着の経営を続けていらっしゃるのには、どのような思いがあるのでしょうか。
西田さん
やはりこの地域で創業し、ずっと地域に育ててもらったから、というところが大きいですね。地域から受けた恩恵を、地域に還していかなければならないと思っています。
そのため、進和建設工業ではまちづくりの取り組みも積極的に行っています。2022年に堺市北区百舌鳥梅町にベーカリー『兎にも角にも』をオープンしたのもその一環です。経営戦略としてではなく地域を活性化させていくために、人が集まって楽しい雰囲気のある場所をつくれればと思い始めました。
編集部
建設会社がベーカリーを開く、というととても異色な感じがしますが、地域への思いから生まれた取り組みなんですね。進和建設工業さんの、お客様や地域に寄り添う姿勢がとても良く伝わってきました。
「無借金経営」と「王道の経営」のぶれない姿勢が会社の成長を導く
編集部
進和建設工業さんが50年以上という長い期間成長を続けていらっしゃるのには、どのような要因があるとお考えですか?
西田さん
進和建設工業では「手形は切らない」「自己資本の3倍までしか工事受注しない」などの経営における原理原則を設けています。これを守ってきたことで、創業以来一貫して無借金経営、自己資本37億円というキャッシュリッチな会社として安定した成長を続けてくることができたのだと考えています。
編集部
50年以上無借金経営をされているというのはすごいことですよね!
西田さん
実はこれは、私自身の経験に基づいているんですね。私は子ども時代比較的裕福な生活をさせていただいていたのですが、10歳のときに父が経営する会社が倒産してしまったんです。自分の身近な人たちが辞めていかなくてはならないその様を目の当たりにし、「絶対に倒産はさせない」と子ども心に誓いました。
会社というのは赤字では潰れませんが、資金繰りでは潰れてしまいます。逆にいえば、お金を借りなければ潰れることはありません。進和建設工業の無借金経営へのこだわりは、その子どものときに経験からきています。その経験がなければ今頃借金をしまくっていたと思いますよ(笑)。
倒産は辛い経験でしたが、それが今の自分の理念を形づくっていると感じます。何かあったときに立ち返る軸があるからこそ、「自分の志」「経営理念」「社長としての役割」の3つにぶれなく“王道の経営”を続けてくることができました。人間というのは弱いのでついつい覇道の経営にいってしまいたくなりますが、それでも私は王道の経営を貫いていきたいと思っています。
建築業界を変革するための、社内外に向けた取り組みも推進
編集部
進和建設工業さんは“王道経営”を貫きながらも、事業としては同じところにとどまらず、ユニークな取り組みに挑戦されているのが印象的です。「ZOOプロジェクト」というのも拝見したのですが、これはどのような取り組みでしょうか。
西田さん
「ZOOプロジェクト」は建設現場に架空の動物園をつくるという、建設現場をエンタメ化する取り組みです。これは街並みの絵が描かれた足場シートを使って工事中でも景観を保つという、海外の工事現場に着想を得たもの。日本の工事現場はどうしても「いかにも工事中」という違和感のある見た目になっているので、それをなくしたいな、という思いから始めました。
足場シートにする上で何が一番親しみやすい柄かと考え、動物園の柄とすることを思いつきました。仮囲いを動物園の堀に、足場を猿山に見立てて動物園を作り出しています。ZOOプロジェクトでは子どもを対象としたイベントも実施しており、クイズ大会やアニマル重機の試乗体験なども行っています。
編集部
ただ足場シートを動物園の柄にするだけでも十分面白い取り組みですが、さらに参加型のイベントもあわせて実施されたのはなぜですか?
西田さん
ZOOプロジェクトには子どもたちも参加できるイベントとすることで、将来の建築家をつくっていきたいという思いがあります。つまり、建築業界に対するイメージを変えるための取り組みだということです。
昔の私にとって、建築業界というのはかっこいい業界でした。しかし今では危険、大変な仕事を行うものだという嫌な印象を持つ人が多くなってしまっています。私はそれを、本当に変えていきたいと思っているんです。
編集部
ZOOプロジェクトは建築業界のイメージ向上の一環としての取り組みなんですね。その他にも建築業界のイメージを変えるための取り組んでいることはありますか?
西田さん
建築業界のイメージを変えていくためには、ZOOプロジェクトなど外向けに発信する取り組みはもちろんですが、実際の現場の働き方、働く環境を整えていくことが何より大切です。そのため、進和建設工業では社員の健康を尊重する健康経営に取り組んでいます。
健康経営のための具体的な取り組みは多岐にわたりますが、工事現場の働き方でいうと、現場をシステム化しているのが特徴です。現場にカメラを据えて、それを遠隔で見て指示できる仕組みをつくっているんです。現場にずっといる必要がなくなり、生産性の向上や、ひいては社員の働きやすさ、休みの取りやすさにつながっています。
編集部
なるほど。社内外に向けて建築業界のイメージを覆すような取り組みを展開することで、進和建設工業さんや業界自体の発展的な継続に寄与されているんですね。
新規事業の責任者にも抜擢。「責任感」が若手を育てる
編集部
続いて若手活躍のテーマについて伺います。進和建設工業さんでは若手社員の方の活躍促進のためにどのような取り組みを行っていますか?
西田さん
私は、経営とは「人づくり」だと思っています。そして人づくりを行う上で大切なのが「責任感」。そのため若手の内から仕事を任せる環境づくりを大切にしています。
例えば工事現場でも、昔は「まずは下積みから」という文化もありましたが、責任感を持たせるために早い段階から任せるというのが大切なんですね。進和建設工業には培ってきた作業性・生産性の土壌があるため、1年もすれば現場を持てるようになります。やりたい仕事を任され、現場がスムーズに進むという若手社員の成長にとってとても良い環境があると考えています。
編集部
工事に直接関わる施工管理以外でも、さまざまな経験を積む機会があるのでしょうか。
西田さん
進和建設工業では化粧品やパーソナルジムなどさまざまな新規事業を実施しているのですが、その責任者を若手社員に任せています。新規事業を主体的に進める中で、もちろん困難に直面することもありますが、それをどう受け止めて事業を大きくできるかはその人の裁量次第。勉強して行動して、その中で人間的な成長が生まれてくるのだと考えています。
進和建設工業には「世の中の役に立つ人をつくっていきたい」という理念があります。せっかく生まれて学校に通って働くのだから、何かその中に自分の役割があるはず。それを会社として支援していきたいと思っています。
2年目からマネジメントの立場に。任せてもらうことで成長を実感
編集部
若手活躍ということで、伊藤さん、小塚さんにもお話を伺います。伊藤さんは現在何年目で、どのようなお仕事をされているのでしょうか。
伊藤さん
私は新卒で入社し、次の4月で入社4年目を迎えます。現在は営業企画部の部長として、営業企画部がしっかりと回るようにマネジメントする役割を任せていただいています。
編集部
20代でマネジメントに関わっていらっしゃるというのはとても早いですよね。進和建設工業でのどのような経験が自身のご成長につながったと思われますか?
伊藤さん
やはり2年目という早い時期から責任ある仕事を任せてもらえたことが大きいと思います。それまで自分の業務だけをやれば良かったのが、部署をマネジメントしていかないとならなくなったことで、売上や成果への意識を持つようになり、どこにどれだけの時間を使うのかを考えながら業務にあたるようになりました。2年目から実際の業務の中でそれを学べたのが、かなり成長につながったと感じています。
編集部
責任も伴いますが、やりがいもとても大きそうですね。
伊藤さん
その通りです。ただし丸投げで任せられるわけではなく、営業部全体を統括する上長としっかり相談しながら進めていけます。主体性を持ちつつ、相談もできる環境の中で成長させてもらっているなと感じます。
編集部
小塚さんにもお話を伺いたいのですが、現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。
小塚さん
私は2年前の9月に入社し、伊藤と同じ営業企画部で働いています。入社当初は企画やマーケティングの知識がまったくない未経験の状態にもかかわらず、すぐに住宅の販促を任せていただきました。
今は広報の仕事をしており、メディア取材の獲得や対応などを任せていただいています。進和建設工業はやりたいという気持ちがあれば、どんなことでも任せてもらえるので、その分速い速度で成長できる環境があると感じています。
勉強会や、若手育成のための「委員会活動」も
編集部
進和建設工業さんには若手の内からさまざまなことを任せられ、経験の中から成長していける環境があることが良く分かりました。その他勉強会など、業務外のところで学ぶ機会もあるのでしょうか?
伊藤さん
自主学習機会である「社内大学」や、部課長級の社員が社長からリーダーシップを学ぶ「社長塾」、次世代リーダー育成のための勉強会などさまざまな勉強会があります。もちろん、現場や営業など、職種ごとの勉強機会もありますよ。
また若手社員育成のための取り組みとして、社内のプロジェクトリーダーを任せられる「委員会活動」というものもあります。私くらいの2年目から4年目くらいの社員が中心となって、社長直轄で動くプロジェクトです。私は社内の生産性向上プロジェクトなどを担当しました。
プロジェクトを主体的に引っ張っていくという点でも良い経験になりますし、会社全体の働きやすさや社員満足度を考えるという点もポイントだと思います。実務だけでなく会社のことを主体的に考えられる機会になり、視野の広がりや成長につながっていると感じますね。
DJブースに屋上サウナも!楽しく、働きやすいオフィス
編集部
進和建設工業さんの働く環境やカルチャーについても伺います。ここまでのインタビューの中で生産性などの点から働きやすさについてお話いただいていますが、進和建設工業さんの大きな特徴でもあるオフィスについても紹介していただけますか?
小塚さん
進和建設工業のオフィススペースは本物の植物、フェイクグリーン、グラフィックグリーンと緑にあふれています。視覚的にも精神的にもリラックスしながら働けています!
オフィススペースの裏手にはラウンジがあり、ソファーや卓球台、DJブース、キッチン、バーがあります。ラウンジでは社内イベントやセミナーを行う際に活用されています。それ以外にも、副社長がスナックのママに扮して社員のお悩みを聞くイベントを行うこともあるんですよ(笑)。屋上にもサウナや農園、バーがあります。
▲屋上サウナもあり!サウナ部も発足されているそう
編集部
進和建設工業さんというと歴史のある建設会社なので「お堅い会社なのかな?」という先入観を持っている読者の方もいるかもしれませんが、オフィス環境も含めて本当に柔軟な取り組みをされているんですね。
小塚さん
そうですね。ただ面白い取り組みをしているのではなく、その根底に社長の大切にする「人づくり」への思いがあります。仕事だけでなく社員の人生を豊かにすることを考えているからこそ、働きやすいだけでなく楽しく仕事ができる職場環境が生まれているんだと思います。
■進和建設工業のオフィスリノベーションの詳細はこちら:https://note.com/shinwa_office/
社員だけでなく家族のことも思った制度が充実
▲社長から突然もらった花束のサプライズプレゼントに喜ぶ女子社員
編集部
オフィス環境に象徴されるように、社員の方に寄り添った制度の多い進和建設工業さんですが、社員だけでなくその家族が受けられるようなサポートも多いんですよね。
西田さん
「奥さま誕生日」としてお花を送ったり、「親孝行制度」として実家が遠い社員に年に一度帰省のための交通費を渡したり、社員を支える家族も大切にしています。大家族主義なんですよ(笑)。
進和建設工業では毎月社員の誕生日会を実施しているのですが、それも社員自身の誕生日を祝うだけでなく、産んで育ててくれた親に感謝することを目的としています。
編集部
家族まで大切に思ってくれる会社は、社員の方が働く上でとても安心だと思います。お客様だけ、社員だけが良ければ良いというのではなく、本当に人を大切に思う姿勢があるんだなと感じました。
自分の人生を大切にし、自身の成長を波及させられる方を歓迎
編集部
最後に、進和建設工業さんに興味をもった読者の方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
西田さん
私は、仕事は手段で人生は目的だと考えています。よく学び、よく稼ぎ、よく遊ぶという自由な心を持って自分の人生を大切にする方が来てくれると嬉しいです。
ただし自分の人生を大切にするというのは、自分のことだけを考えるということではありません。自分の人生を大切にし、その上で自分が生きた証を次世代に残したい、と思える方を進和建設工業では歓迎します。進和建設工業は中小企業だからこそ、自分が成長することで事業が良くなり、それがさらに日本を良くすることにつながっているんだと実感を得ることができます。「中小企業は日本のベースをつくっているんだ」というくらいの気持ちを持って働いてくれる方が、進和建設工業で活躍できると思います。
編集部
自分のためだけに成長するのではないというのは、建築業界全体を変えていきたいという進和建設工業の姿勢に通じるものがありますね。自身の成長を自分の人生だけでなく会社や周囲の人、日本全体といった多方面に波及させていきたいと考える方は存分に活躍していけるのではないかと思います。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
■取材協力
進和建設工業株式会社:https://e-shinwa.net/
採用ページ:https://shinwa-recruit.com/recruit/