注目企業の躍進の秘密と成長を支えるカルチャーを探る本企画。今回は、関西を中心に人材紹介事業を展開する株式会社タイズを取材しました。インタビューから伝わってくるのは、企業と求職者を結ぶ仕事への熱い思いでした。
大阪から全国展開を目指す株式会社タイズ
株式会社タイズは2005年に大阪で創業した転職エージェントです。メーカー領域に特化し、業界に精通したコンサルタントによる丁寧なマッチングの支援が、高い評価を集めています。
関西では、「タイズの紹介で採用した社員の数が、採用実績のトップ3に入る」という企業・事業所が増えています。また、2023年8月には関東営業部を開設して東京進出を果たすなど、全国展開を視野に著しい成長を続けています。
会社名 | 株式会社タイズ |
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住所 | 大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスENTオフィスタワー23階 |
事業内容 | 有料職業紹介業、採用アウトソーシング事業 |
設立 | 2005年7月 |
公式ページ | https://www.ee-ties.com/about/ |
今回は、人事部人事グループチーフの横山彰さんにお話を聞かせていただきました。群雄割拠の人材紹介業界で、株式会社タイズが企業と求職者からいかに信頼され、成長フェーズに入ったのか、その理由を伺いました。
「メーカー領域」という難易度が高いと言われる領域に特化した人材紹介が強み
▲タイズは求職者に転職の背景などを念入りに聞き取るマッチングサービスを提供している(公式サイトから引用)
編集部
まずは、タイズさんの事業内容からお聞かせいただけますか?
横山さん
タイズは2005年に大阪で創業した人材紹介会社です。社名には「絆」という意味があり、求職者と企業を結ぶ絆、求職者とやりがいを結ぶ絆でありたいという思いを込めています。
編集部
人材紹介業としてのタイズさんの特徴を教えてください。
横山さん
創業から18年間、一貫して人材紹介事業一本に絞って事業を展開してきたことと、メーカー領域にこだわってきたことですね。人材紹介会社は世の中に数千社以上あると言われていますが、メーカーを専門としている人材紹介会社はほとんどありません。
編集部
メーカーを専門としている事業者が少ないのはどうしてでしょうか?
横山さん
人材紹介業は、大手のリクルートさんやパーソルキャリアさんのような「総合型人材紹介会社」と、領域を特化している「ブティック型」といわれる紹介会社の二種類に分かれます。
編集部
メーカーを専門にされているタイズさんは「ブティック型」になるわけですね。
横山さん
そうです。ただ、ブティック型は医療や介護、ITなどに特化している紹介会社がほとんどで、弊社のようにメーカー領域で特化している会社は稀です。なぜかというと、メーカーの人材紹介は難易度が高いからです。
メーカーと一言で言っても、扱っている製品はさまざまですし、職種もいろいろです。たとえば、「生産管理」という職種ひとつとっても、仕事内容は企業によって異なります。企業それぞれが求めるニーズがあまりに多様なので、なかなか効率的にマッチングができないのです。
編集部
その難しいマッチングをタイズさんは専門にされているのですね。
横山さん
紹介が難しいということは、コンサルタントの質や腕にマッチングの成否が左右されます。弊社には創業から蓄積してきた知見があり、メーカーの仕事に精通したコンサルタントもいます。メーカー領域は弊社にとっては、難しいからこそ、付加価値を提供できる領域なのです。
企業と求職者がウィンウィンとなる「ベストマッチング」にこだわる
▲タイズは、人材紹介業を極めるべき「道」としてとらえている
編集部
タイズさんでは、企業の採用支援と個人の転職支援の両方を一人のコンサルタントの方が担当するそうですね。それは業界では珍しいことなのでしょうか?
横山さん
企業さんと求職者さんを一人のコンサルタントが担当することを、業界では「両面型」と言います。それに対して、企業さんと求職者さんのそれぞれを別々のコンサルタントが担当するのが「分業型」です。ただ、弊社のような「両面型」が珍しいということはありません。
おそらく、大手に分業型が多いので、人材業界は両面型が少ないイメージがあるのかもしれません。小規模なブティック型のエージェントさんは両面型でやっていることが多いと思います。
編集部
タイズさんが両面型を採用しているのはどうしてでしょうか?
横山さん
一人のコンサルタントが求職者さんと企業さんの双方を理解することで、より的確な提案ができるからです。企業さんの課題や状況を鑑み、求職者さんの人柄や価値観も把握することで、双方の希望に合った紹介が可能になります。
編集部
たしかに、一人で担当したほうが企業と求職者の相性の良さもわかるでしょうね。
横山さん
企業さんと求職者さん、それぞれにとっていい転職が実現できたことを弊社では「ベストマッチング」と呼んでいます。ベストマッチングの実現のために、企業さんと求職者さんにとことん向き合うというのが弊社のこだわりであり、最大の特徴と言えます。
そういったことを踏まえ、弊社では人材紹介業を、武道のように理想に向けて自身を磨き続けていく「道」のある仕事だと考えています。これを「人材紹介道®」と呼んでいます。
タイズが「採用シェア1位」の企業も増加。全国展開も視野
編集部
2023年7月にタイズさんは関東営業部を新設されたそうですね。
横山さん
はい。まだまだ関西の企業さん、関西で転職を考えている方の支援が中心ではありますが、関東営業部を拠点に、まずは関東エリアのメーカー転職において一目置かれる存在を目指します。そして、その次は名古屋へと展開していく予定です。
編集部
事業が拡大フェーズに入っているのですね。
横山さん
私は入社して3年ほどですが、変化の速さを実感しています。従業員数は、私が入社した時点で50名ほどでしたが、今は80〜90名と倍近くに増え、2023年4月には100名に到達する見通しです。
また、我々の業界には「採用のシェア」という考え方があります。たとえば、ある大手メーカーさんが年間200人の採用を予定しているとして、タイズがそのうち50人の採用を支援したら「タイズの採用シェアは25%」ということになります。現在、関西のメーカーさんでは、「採用シェア1位はタイズ」という企業さんが増えているんです。
編集部
タイズさんの業界内での存在感が増してきていると伝わります。
企業や求職者に丁寧なヒアリングを欠かさない
編集部
事業の成長が著しいタイズさんですが、企業や求職者から選ばれる理由はどこにあるのでしょうか?
横山さん
人材紹介業界では今、機械的な紹介が一般化しています。年齢、職種、勤務地、給与などの条件がマッチした人をそのまま、企業さんに数多く紹介するという方法です。要は、確率論に基づくマッチングです。
企業側にとって、たくさんの人から選べるのはいいことだと考えるかもしれませんが、人事担当者からすると大量の書類を見る必要があり、膨大な労力がかかります。一方、求職者さんも何十社もエントリーすることで、混乱してしまいます。
そのためタイズでは、企業さんに社風や将来性、採用する部署のニーズやビジョン、求める人材像などを丁寧にヒアリングしていきます。
一方、求職者さんに対しては、希望の職種や勤務地、年収などの基礎データに加え、転職する理由や背景なども聞き取り、その方にとっての転職の成功は何かを見極め、そのうえでマッチングをしていきます。
編集部
企業一社や求職者一人に、より親身に対応しているのですね。
横山さん
そうですね。このマッチング手法をタイズでは「アナログマッチング®」と呼んでいます。この手法だからこそ、企業さんと求職者さん双方にとっての「ベストマッチング」が実現できるのです。
編集部
タイズさんの「ベストマッチング」へのこだわりは、どんなことに起因しているのでしょうか?
横山さん
代表の広岡がリクルート出身で、人材紹介業に黎明期から30年間、携わってきました。その中で、「この仕事の本質は確率論ではなく、ベストマッチングを追求すること。それがなければ絶対にお客様には喜んでもらえない」と確信し、タイズを立ち上げたんです。
現在、企業さんの採用意欲は高く、とにかく人が欲しいという状況になっています。企業さんの採用温度感が高すぎる故、人材紹介会社の質が低くても、紹介会社に頼らざるを得ないケースも出てきているようですが、どんな状況であれ、タイズのベストマッチングへのこだわりは変わることはありません。
ベストマッチングがもたらす企業からの厚い信頼
▲関西の大手メーカーの採用実績においてシェアトップを達成するなど、受賞歴もさまざま
編集部
タイズさんのお仕事に対して、業界ではどのような反響がありますか?
横山さん
大手メーカーさんからベストエージェント賞をいただいたり、ビズリーチさんが表彰する「JAPAN HEADHUNTER AWARDS」(※)を弊社のコンサルタントが受賞したり、高く評価をいただいていると思います。
(※)ビズリーチ、約4,600名から日本一のヘッドハンターを選出 「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」を発表(https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2021/0601.html)
また、弊社が高い評価をいただいている理由には、紹介した人材の退職者の少なさもあります。ベストマッチングを追求した結果ですので当たり前と言えば当たり前なのですが、企業さんからは喜んでいただけているようです。
編集部
求職者からはどのような声が届いていますか?
横山さん
支援した求職者さんには、弊社への感想を任意でお願いしているのですが、そのメッセージの中には「他の人材会社にない、転職者をしっかり見てくれる会社」「タイズと巡り合えた縁に感謝です」などがあり、多くの方から感謝の言葉をいただいています。
顧客満足と売り上げの両立にこだわる文化が若手を育てる
編集部
タイズさんでは若い世代が活躍されているそうですね。
横山さん
弊社は平均年齢が28〜29歳と若く、活気がある会社です。とてもフラットな組織で年齢や社歴に関係なく仕事を任せるので、若手も活躍しています。人材業界ではない異業種からの転職も多いのですが、業界未経験の人でも成長スピードはかなり早いですね。
編集部
成長を促す要因は何でしょうか?
横山さん
タイズでは、顧客満足と売り上げの両立をとても大事にしています。両立のためには、いずれか一方に注力することと比べて、一層の試行錯誤が求められます。ただその分、プロセスで得られる経験は濃密です。
この両立への思いは、タイズが行動指針として掲げる「タイズプライド」の項目の一つ目、「正義と力」にも込めています。「正義」は顧客満足、「力」は売り上げを指しています。
編集部
「正義と力」の両立を目指す方針が、社員の成長の源泉になっているのですね。
多くのビジネスパーソンとの出会いが刺激に
編集部
コンサルタントの仕事は、企業の担当者や求職者の方など、さまざまな出会いから刺激を受けると思います。それも個人の成長につながりそうですね。
横山さん
お客様に育てられる面は大いにあると思います。
採用は企業にとって経営の根幹にかかわりますから、求められる水準も高くなります。求職者さんも人生の岐路に立っているわけで、生半可な向き合い方では相手に伝わります。それらの要望に応えようと思うからこそ、社員も意欲的に学ぶようになるんです。
企業さん、求職者さんの双方から手厳しいご指導をいただくこともありますが、それも社員の糧となります。タイズは、企業さんからも求職者さんからも育てていただいていると思います。
編集部
現場で経験できるあらゆることが、貴重な経験となるのですね。
行動指針「タイズプライド」で成長への道標を明示
▲タイズさんのカルチャーのベースとなっている行動指針「タイズプライド」 (公式サイトより)
編集部
タイズさんでは「タイズプライド」をとても大切にされているとのことでしたが、社員の方々はこの行動指針について、どのように理解を深めているのでしょうか?
横山さん
毎月、月初にある全社ミーティングで、会社の方針を確認、共有するようにしていますし、個々の仕事について、タイズプライドの切り口から、上司からのフィードバックもあります。
また、代表との距離がとても近い会社なので、直接、広岡の話を聞く機会も多く、自然と意識するようになります。あとは、「タイズプライド大賞」というタイズプライドを浸透させるイベントもあるんですよ。
編集部
「タイズプライド大賞」はどのような賞なのですか?
横山さん
社員が「タイズプライド」に則した業務での取り組みについてプレゼンし、社員全員の投票で大賞を決めています。タイズプライドに則った行動にスポットライトを当てることで、社員の意識を高めることを目的としています。
編集部
社員に「タイズプライド」を意識してもらう機会を随時、設けているのですね。
横山さん
ただ、「タイズで働きたい!」と思って入社した人は、そもそも「タイズプライド」への共感があるのだと思います。180度マインドを変えるというのではなく、すでに身についていたものが、より明らかになっていくというイメージが近いですね。
営業職からコンサルタントへのチェンジもOK!自由度が高いキャリア設計
編集部
社員のキャリア形成への支援において、タイズさんの特徴があれば教えてください。
横山さん
キャリアパスにさまざまな可能性を用意しています。もちろん、個人の希望がいつでも叶えられるわけではなく、置かれた環境で成果を出すことが求められるのは他の企業と変わりません。しかし、在籍年数関係なく、コンサルタントから営業といった職種変更の希望は可能です。
編集部
職種の変更は、どのように行われるのですか?
横山さん
会社から期待を込めて「チャレンジしてみないか」と声をかけることもあれば、自分から「こういうことをやっていきたい!」と機会を掴んでいくこともできます。間違いなく言えるのは、チャンスにあふれた会社だということです。
編集部
会社の雰囲気はいかがですか?
横山さん
本社が大阪市にあるため、関西出身者が多いですが、関東出身のメンバーもいて、いわゆる関西人のノリが求められるわけでもありません。ただ、面倒見が良い社員が多く、社員同士の関係性はかなりウェットだと思います。
また、魅力的で非常に面白い人ばかりですが、人柄はさまざまです。だから、自分にはなかった視点や知識が得られます。私も社内のメンバーから日々、学ぶことが多いです。
タイズに適応しやすいのは安定より成長を求めるタイプ
▲タイズさんでは週1ですべてのコンサルタントが集まって情報共有をする
編集部
タイズさんにマッチする人材はどのような方だと思いますか?
横山さん
タイズの価値観に共感してくれることは大前提です。具体的に言うと、正義感がある、人と真摯に向き合える、「会社の中枢になる!」という思いが強い、などです。 反面、正直に申し上げると「落ち着いて過ごしたい」という人は、タイズには向かないかもしれません。
たとえば、「タイズプライド」の項目に「スピード」とあるように、タイズでは仕事の早さを価値と考えます。逆に言えば、どれほど質のいい仕事をしたとしても、スピードが遅ければ認められません。
また、挑戦に価値を置いている会社なので、無理のない範囲で仕事がしたいという人には、タイズの環境はしんどくなってしまうと思います。
一方で、刺激的な環境であることは間違いありません。研修システムもあり、メンバーには世話好きで面倒見がいい人が多いので、成長をしたい人にはもってこいの職場です。
本気で顧客と向き合いたい「熱い思い」を抱く人材を募集
▲お話を聞かせてくださったタイズの人事担当・横山さん
編集部
最後に、タイズさんに興味をもった方にメッセージをお願いします。
横山さん
会社の規模が大きくなり、事業を展開するエリアも広がって、社員も増えています。組織が大きくなるにつれ、当然、課題も発生してくるでしょう。しかし、どれだけ会社が大きくなっても、どんな問題が生じても、タイズが最も大事にしている人材紹介のあるべきかたち、「ベストマッチング」へのこだわりは変わりません。
だから、こだわりを持って仕事に取り組みたい、本気でお客様に向き合いたい、成長したいといった熱い思いを抱いている人はぜひ、一緒に働きましょう。
編集部
タイズさんの人材紹介という事業に対する熱い思いを感じました。本日はどうもありがとうございました。
■取材協力
株式会社タイズ:https://www.ee-ties.com
採用ページ:https://recruit.ee-ties.com