ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社eiicon(エイコン)にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社eiiconは、共創による新規事業開発をサポートするプラットフォーム「AUBA(アウバ)」を提供し、オープンイノベーション(※)を通じて企業の成長を支援している企業です。ハンズオン型のコンサルティング支援や地域に根ざしたエコシステム構築など、多様なアプローチで企業の事業活性化を支援しており、2023年9月には週刊東洋経済が発表する「すごいベンチャー100」にも選出されました。
(※)オープンイノベーション:企業が自社の内部だけでなく、外部の知識や技術を活用して新しい価値を創造するイノベーション手法のこと
組織運営においては「PRIDE in ALL」というテーマを掲げ、仕事に誇りを持つのはもちろんのこと、家族や趣味など自分が大事にしていることに全力で取り組むという姿勢が根付いています。また、年齢に関係なく実力で評価されることも特徴的で、30代前半で執行役員に就任した社員もいるなど、若手が責任あるポジションで活躍しています。
今回は、株式会社eiiconにおける企業文化や若手の活躍事例などについて、常務執行役員の村田さんと人事部の木島さんにお話を聞かせていただきました。
eiiconのカルチャー:仕事も趣味も諦めない「PRIDE in ALL」の姿勢
▲取材にご対応いただいた村田さん(右)と木島さん(左)
編集部
転職を考える方にとって、組織の風土が自分にマッチするかどうかは大きなポイントになるかと思います。eiiconのカルチャーについて教えていただけますか?
村田さん
当社では「PRIDE in ALL(社員が全てに誇りを持てる状態を)」という組織テーマを掲げています。
スタートアップとして事業成長は大切ですが、だからといって他のことを諦める必要はありません。仕事も他のことも120%の力で取り組める環境を目指しており、PRIDE in hobby(趣味)でも、PRIDE in family(家族)でも、各自が誇りを持てることを大切にできる組織風土の形成に力を入れています。
そのような考えを具体化した例として、株式会社キッチハイクが提供する「保育園留学」を福利厚生に導入しました。これは子育て中の社員が1〜2週間子どもを連れて地域に滞在し、地域の保育園に子どもを預けながらコワーキングスペース等で仕事ができる制度で、利用時には会社から補助が出ます。
子育てをしていると、どうしても生活面で制限されることが多いですが、この保育園留学を通じて、仕事も子育ても諦めない働き方を少しでもサポートできればと考えています。
編集部
プライベートな時間の確保もしやすいよう、フルフレックス制度を導入されているそうですね。
村田さん
はい。私たちは成果と責任を重視しており、勤務時間についても各社員の責任に委ねています。例えば子育て中の社員の場合、保育園の送り迎えのために朝や夕方に抜けることもありますが、「それは悪いことではなく、当たり前だ」という文化が定着していますね。
木島さん
私自身も昨日、飼い猫の具合が悪くなった際に、2時間ほど中抜けして病院に連れて行きました。その後職場に戻って業務を再開しましたが、そういった柔軟な対応が可能な環境です。
編集部
スタートアップでは仕事へのフルコミットが求められるケースが多いイメージなのですが、そのような制度設計にしている理由は何でしょうか。
村田さん
もちろん業務へのコミットは必要ですが、仕事一辺倒な働き方で社員が疲弊してしまうことは望んでいないからです。代表の中村も「ワークライフハーモニー」という言葉を使います。仕事と私生活をうまく調和させながら進んでいける環境を目指しています。
「ナナメンター制度」や「eiiconBar」などで社内交流を活性化
編集部
組織風土に関連して、社内でのメンバー同士の交流についてもお教えいただけますか?
村田さん
オフィス内の活発なコミュニケーションを大切にしており、部署やポジションを問わず交流できるよう、月1回フリーアドレスの席配置を導入しています。
また、直属の上長以外のマネジメント層と対話する「ナナメンター制度」や、社員が自身の“PRIDE in ○○”をテーマに趣味や関心事を語り合う月1回の「eiiconBar」など、さまざまな取り組みを行っています。
村田さん
さらに、社員同士が互いを知るきっかけづくりの一環として、オフィスに自己紹介カードを掲示していたり、社内ラジオを隔週で配信していたりすることも特徴的ですね。ラジオには数名の社員に出演してもらい、プライベートな話題も含めて自由に話してもらっています。
これらの取り組みの効果として、社員のコミュニケーションは部署を超えて行われており、eiiconBarの満足度は毎回95%以上をキープしています。
▲オフィスに掲示されている自己紹介カード
eiiconの若手活躍:入社4年目で執行役員に!実力主義の評価制度
編集部
eiiconでは多くの若手社員が活躍されているそうですね。若手の方々のご活躍を示す事例があれば教えてください。
村田さん
現在32歳の執行役員についてご紹介します。彼は20代後半に中途入社し、約4年で執行役員へと就任しました。80~90名社員がいる中で執行役員は3名おり、その中で最年少です。
この例を見てもわかるように、実績を出せば年齢に関係なく評価され、責任のあるポジションを任せる文化が当社には当たり前のように根付いていますね。
編集部
そのような実力主義を支える評価制度について教えていただけますか?
村田さん
当社は2023年4月にパーソルグループからMBOによって完全にスピンアウト(※)したのですが、その際、最初に着手したのが評価制度の刷新です。スタートアップならではの評価制度として「result & value(結果と価値)」をテーマに掲げ、結果を出しつつ、当社の価値を体現できている人材を高く評価する仕組みを作りました。
(※)パーソルグループのプロジェクトとしてサービスがローンチしたのは2017年。2023年4月のMBOで「株式会社eiicon」が誕生した
具体的には、業績評価とバリュー評価の2つの軸で評価を行い、バリュー評価には360度評価を導入して、周囲のメンバーからの評価も取り入れています。例えばプロジェクトマネージャーであれば、「自分の意思を持ってプロジェクトを推進し、所属組織と担当プロジェクトにおける業績の最善を常に追求しているか」といった観点で評価されます。
JOB(等級)によって評価の割合は異なりますが、一般的なポジションでは業績とバリューが5対5の割合で、そのうちバリュー評価の半分が360度評価という形です。これを半期に1回実施することで、評価の透明性を確保しています。また、年俸制を採用しており、成果に応じて半期で2桁%の昇給も可能となっています。
このように、業績を出した人にはしっかりと還元できる仕組みを整えていますので、早期のキャリアアップを狙いたい若手社員にとっても魅力的な環境だと考えています。
eiiconの事業:オープンイノベーション支援で企業の成長をサポート
▲eiiconのコアバリュー。メンバーが大事にしているマインドがわかる
編集部
eiiconの事業内容について、簡単にご紹介いただけますでしょうか?
村田さん
私たちは、オープンイノベーションを通じて、企業が自立して事業を展開できる基盤作りを支援しています。具体的には、共創による新規事業開発をサポートするプラットフォーム「AUBA」の提供、ハンズオン型のコンサルティング支援、地域に根ざしたエコシステム構築など、多様なアプローチで企業の成長をサポートしています。
編集部
御社のミッションやバリューについてもお聞かせください。
村田さん
ミッションは『すべての企業に新規事業創出基盤を埋め込む』ことで、このミッションを達成するために『イノベーション後進国からオープンイノベーション先進国へ』というビジョンを掲げています。
また、全社員で共有する6つのコアバリューとして「ジブンゴトマインド」「成長マインド」「創造マインド」「オープンマインド」「共創マインド」「パーソナルマインド」を定め、これらの価値観を大切にしながら日々の業務に取り組んでいる組織です。
例えば「ジブンゴトマインド」では、自分事として捉えて枠にとらわれない意思を持って仕事をすることを重視しており、「成長マインド」は学び続けることの大切さを表現しています。
「創造マインド」は特に重要で、オープンイノベーションはまだ市場に浸透していない分野なので、顧客が答えを持っているわけではありません。そのため、顧客が見据える世界の一歩先を提供し、それを現実のものにしていく必要があります。
そして、「オープンマインド」は人としての誠実さを求め、「共創マインド」はチームプレーの重要性を示しており、「パーソナルマインド」は一人ひとりが“eiiconを背負っている”という意識を持つことの大切さを表現しています。
オープンイノベーション=他社の知見やノウハウを掛け合わせて新しい価値を生み出すこと
編集部
eiiconには、「オープンイノベーションに特化したサービス」という点に共感して入社された方が多いのでしょうか。
村田さん
必ずしも強い想いを持って入社する方ばかりではありません。まだ浸透していないサービスですので、これから一緒に広めていってくれる仲間を募集しているからです。
ただし、オープンイノベーションが世の中の当たり前になったときの世界を素敵だと思えるかどうかは大切ですね。私たちはオープンイノベーションの推進にかなり強いこだわりを持っており、社内でも「これはオープンイノベーションと言えるのか」「単なる受発注の関係ではないのか」といった議論が日常的に行われています。
編集部
「オープンイノベーションかどうか」の議論について、具体的にはどのようなやり取りが行われるのでしょうか。
村田さん
例えば、あるお客様が事業を進めるためにオープンイノベーションを実施したいと考えた場合、多くの方が2社間で何かを行うことをオープンイノベーションだと考えがちです。しかし、単に新しいサイトを作るために他社に依頼するような関係は、実際には受発注関係に過ぎません。
オープンイノベーションは新たな事業を生み出すためのイノベーション手法の一つであり、既存事業の延長線上で考えられがちな経営者マッチングやビジネスマッチングとは本質的に異なります。既存事業を伸ばすことももちろん重要ですが、オープンイノベーションの本質は「双方の知見やノウハウを掛け合わせて新しい価値を生み出す」ことにあるんです。
現状では、自社の事業をどうにかしようとして、スタートアップのプロダクトを使用する企業が多いのですが、それは本質的なオープンイノベーションとは異なります。このような認識の違いについて活発な議論が行われ、社員一人ひとりの理解が自然と深まっていますね。
eiiconのインターン:新規事業が生まれる瞬間に立ち会えることが魅力
編集部
eiiconではインターン制度も設けているそうですね。現在の状況について教えていただけますでしょうか?
木島さん
2025年2月時点では、東京と名古屋の2拠点で合計15名程度のインターン生が活動しています。業務内容は多岐にわたり、クライアント企業のマッチング候補となる企業のリサーチや、クライアントとの打ち合わせの議事録作成、オフラインイベントの運営サポートなどです。
特にイベントは、共創を行う企業同士が具体的な事業創出について議論する場ですので、重要な業務の一つとなっています。
編集部
御社のインターンならではの経験や、得られるものについて教えていただけますか?
木島さん
最大の特徴は、企業のオープンイノベーションによる新規事業開発の現場に直接携われることです。クライアント企業の新規事業部門の方々や、時には役員の方々と直接関わる機会があり、新規事業が生まれる瞬間に立ち会えることは、他社ではなかなか得られない経験だと考えています。そういった経験を活かして、インターン卒業後にコンサルティング会社に就職するケースも多くありますね。
ちなみに、当社では中途採用がほとんどでしたが、2024年4月に初めてインターンから正社員への採用実績が生まれました。今後は新卒採用も本格的に始める予定で、インターンから正社員への採用も積極的に増やしていきたいと考えています。
eiiconの採用:ミッション・ビジョン・バリューへの共感と合致を重視
編集部
株式会社eiiconの採用において重視される点を教えていただけますか。
村田さん
まず大前提として、当社のミッションやビジョン、バリューへの共感と合致を重視しています。
スキルとしては、例えばセールス職であれば単純な営業力だけでなく、ヒアリング力、資料作成力、クロージング力など、細分化された能力を見ています。また、コミュニケーションのスムーズさや論理的思考力は、全職種共通で重要視していますね。
編集部
例えばセールス職とコンサルタント職においては、どのような経験を持つ方が活躍されているのでしょうか。
村田さん
セールス職は主にプロジェクトの受注を担当するため、特に決まった商材を売るだけではないソリューション営業経験を持つ方が多数活躍しています。
一方、コンサルタント職では2つの方向性があり、1つはWBS(Work Breakdown Structure:プロジェクトを階層的に整理する手法)によって着実に進めていくコンサルティングで、プロジェクトマネジメント力を存分に活かすことが可能です。もう1つは新規事業の立ち上げを支援するインキュベーション型のコンサルティングで、事業の伴走支援やメンタリングの経験を活かせます。
そのため、コンサル職ではベンチャーキャピタルや事業開発の経験者、事業会社での新規事業開発経験者などがいます。また、大手コールセンターでBPO(Business Process Outsourcing:企業活動における業務プロセス全体、またはその一部を外部の専門業者に委託すること)の業務を経験した方なども、プラットフォーム側のコンサルタントとして活躍しています。
編集部
エンジニア職の採用についてはいかがでしょうか。
木島さん
エンジニア職の採用においても、当社の事業やビジョンへの共感を重視しています。
当社はBtoB向けのサービスで、2025年4月時点では約3万4,000社にご登録いただいていますが、BtoCサービスと比べるとユーザー数は多くありません。そのため、純粋な技術面だけでなく、サービスや事業自体に興味を持ち、共感してくれる方との相性が良いと考えています。
なお、当社では言語や技術の使用を制限していないため、開発の自由度は高いです。まだ環境として発展途上な面もありますが、それゆえに裁量の大きい仕事に携われることはeiiconのエンジニアならではの魅力だと思いますね。
eiiconから転職希望者へのメッセージ
編集部
最後に、eiiconが求める人物像も含めて、転職希望者へのメッセージをお願いします。
村田さん
私たちが最も重視しているのは、当社のビジョンに共感し、目指したい世界を一緒に追いかけてくれる人材です。
オープンイノベーションはまだ市場が確立されていない分野だからこそ、やりがいがあり、ダイナミックな挑戦ができます。新しい市場を自ら作っていくことを楽しめる方、それを自分事として捉えられる方と一緒に働きたいと考えています。
また、私たちは企業の新規事業創出を支援する仕事をしていますので、「日本をより良くしていきたい」という想いを持つ方も大歓迎です。
木島さん
オープンイノベーションはまだ一般的ではない概念で、私自身も入社前は詳しくありませんでした。このような新しい概念を世の中にインストールし、文化として定着させていくことは確かに難しい挑戦ですが、非常に面白い仕事だと感じています。
例えば、新卒一括採用が当たり前だった時代に中途採用を一般化させたリクルート社や、CtoC取引を文化として定着させたメルカリ社のように、新しい“当たり前”を作っていく経験ができます。そういった文化創造の面白さに共感できる方と、ぜひ一緒に働けたら嬉しいですね。
編集部
本日はありがとうございました!
編集後記
株式会社eiiconの働き方のまとめ
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求める人材 |
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株式会社eiiconの基本情報
企業名 | 株式会社eiicon |
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住所 | 東京都文京区後楽2-2-23 住友不動産飯田橋ビル2号館 3F |
事業内容 |
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設立 | 2023年4月 |
働き方 | フルフレックス制度 |
公式ページ | https://corp.eiicon.net/ |
採用ページ | https://corp.eiicon.net/career |
募集職種 | 新規事業コンサル担当、セールス、エンジニア、バックオフィス系、アシスタント ※ポジションによって応募条件あり ※長期インターンも募集中 |