エンジニアに大好評。FAIR NEXT INNOVATIONの二つの独自制度とは?

従業員の新たなサポート体制や独自の若手育成策などで注目されている企業を紹介する本企画。今回は「SES」「受託開発・自社開発」「リアルイベント」の三つを事業の柱とする株式会社FAIR NEXT INNOVATIONをインタビュー。

独自のエンジニア支援策である「エンジニアが案件を決める制度」と「給料の単価連動性」について伺うとともに、若手活躍を引き出す育成体制や福利厚生、さらには採用におけるポイントをお聞きしました。

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONとは

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONは、2013年1月にコールセンター事業会社として設立されました。現在の事業の柱である「IT事業部」と「SP事業部」は2016年に設立され、「ITS事業部」は2019年に設立されました。

こうした事業領域の拡大にともなって、業績は10期連続して増収を実現しています。また会社の規模も急成長を遂げており、2018年には従業員数が50名を突破しました。

会社名 株式会社FAIR NEXT INNOVATION
住所 東京都品川区東五反田4-5-2五反田NTビル9F
事業内容 イベントの企画・管理・運営
自社サービスの開発及び受託開発
システム及びソフトウェアの開発・保守・運用
広告代理事業
その他関連付随する事業及びそのコンサルティング
設立 2013年1月
公式ページ https://fair-next-innovation.co.jp/

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONが、現在の規模にまで成長できた最大の要因は「エンジニアが案件を決める制度」と「給料の単価連動性」という二つの独自制度が、多くのエンジニアから支持されたことです。

その詳細についてIT事業部取締役の長谷川翔さんに伺うとともに、若手活躍を引き出す育成体制や福利厚生、さらには採用におけるポイントをお聞きしました。

本日お話を伺った方
株式会社FAIR NEXT INNOVATIONのIT事業部取締役である長谷川翔さん

株式会社FAIR NEXT INNOVATION
IT事業部取締役

長谷川翔さん

事業の三本柱は「SES」「受託開発・自社開発」「リアルイベント」

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONのミッションとビジョン
▲FAIR NEXT INNOVATIONさんのミッションとビジョン(公式ページから引用)

編集部

最初にFAIR NEXT INNOVATIONさんの事業内容についてお聞かせください。

長谷川さん

弊社は「魅力あるコンテンツを創出し続ける」をミッションに掲げ、ビジョンは「グローバルクリエイター集団」としています。そして具体的な事業としては「IT事業部」、「ITS事業部」、そして「SP事業部」の三つが柱になっています。

まず「IT事業部」は、顧客先常駐支援のSESを展開しています。BtoBの基幹業務システムやWeb系のシステムなど幅広い領域をカバーしていることが特徴です。

二つ目の「ITS事業部」は、お客様からの要望に応じた受託開発と自社開発を行っています。受託開発の実績には、コールセンター向けの大規模システムやBtoBのECサイト、そして地方自治体様から依頼された予約管理システムなどがあります。自社開発の実績としては「Ranking Master」や「くじライブ」などがあります。

編集部

「Ranking Master」と「くじライブ」はそれぞれ、どういったシステムなのでしょうか。

長谷川さん

「Ranking Master」はオーディション用のWeb投票システムです。「K-1 GIRLS 2023」や「MISS WORLD JAPAN 2023」、そして「Rakuten GirlsAward 2022」や「RIZIN ガール2022」などの、コンテストやオーディションで使われています。お客様に投票権を1票100円で購入いただき、お気に入りの方に投票いただくシステムです。

もう一つの「くじライブ」は、Webを媒介にしたくじ引きで、タレントさんなどの関連グッズや特典を獲得できるシステムです。有名アイドルグループやスポーツ団体、インフルエンサーといった幅広い方々に活用いただいています。

編集部

どちらもエンターテインメント色の濃いシステムのようですね。

長谷川さん

それは、三つ目の事業である「SP事業部」と関連しているからです。SP事業部は「日本さくらガール・プロジェクト」や「アイドルミスコン」などのリアルイベントを企画・運営しています。これらの主催者様や関連企業様との繋がりから、自社開発は今、エンターテインメント色が濃くなっています。

転機となった2018年に社員数が50名まで急拡大

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONのオフィス

編集部

FAIR NEXT INNOVATIONさんは2013年の設立以来、10期連続で増収しています。これにともない従業員数も67名まで急増しました。会社が拡大した転機は、いつ頃のことだったのですか。

長谷川さん

2013年の設立時から2016年頃までは、従業員数が6名ほどでした。転機になったのは2018年ですね。この年は「Indeed部門別人気求人月次ランキング」で1位を3度獲得しました。

しかも「東京ゲームショーPUBG企業対抗戦」で6位に入賞したり、TVCMをTOKYO MX2で放映するなど、いろいろと派手な動きもあり、知名度が一気にアップしたんです。これが優秀なエンジニアを集めるまたとないチャンスになり、積極的に採用活動を行いました。そしてこの年、従業員数が50名を突破したんです。

編集部

わずか1~2年ほどでそこまで拡大すると、受け入れ体制を整備するのも大変だったのではないですか。

長谷川さん

確かに楽ではありませんでした。ただし、全員が一度に入社してきたわけではなく、毎月コンスタントに4名ぐらいずつの採用でした。ですから想像していたよりは、スムーズに乗り切れたと思います。

入社したのはSESのエンジニアがほとんどでした。私ともう一人の営業とでヒアリングを行ったり、月に1回は全員と飲みにいきましたね。あとは懇親会を頻繁に開催していました。皆さんになるべく早く、会社への帰属意識を持っていただきたいという思いでやっていました。

エンジニアファーストを実現している二つの制度

編集部

それだけ多くのSESエンジニアが、FAIR NEXT INNOVATIONさんへの入社を希望した要因は、どんなことだったのでしょうか。

長谷川さん

エンジニア向けに採用していた二つの制度が、評価されたんだと思います。この制度は当時、他社はまだほとんど取り入れていませんでした。

編集部

どんな制度なのでしょうか。

長谷川さん

一つは「取りかかる案件をエンジニアが選べる」という制度です。当時、多くのSES会社では、案件の担当エンジニアを営業が決めていました。しかし弊社の場合、まずはエンジニアに確認をして希望を聞いてから案件にアサインしています。ですからエンジニアが希望するキャリアパスを、描きやすいという特徴があるんです。

編集部

それは確かにエンジニアファーストですね。もう一つはどんな制度でしょうか。

長谷川さん

「給料の単価連動性」です。FAIR NEXT INNOVATIONではエンジニアの給料を、お客様からいただいている単価に連動して変動させています。しかもその還元率を、かなり高いレベルに設定しています。

この二つの制度を気に入って入社したエンジニアが、知り合いのエンジニアを紹介してくれたんです。そのエンジニアが入社すると、また別のエンジニアを紹介してくれる。その繰り返しでした。本当にその時期は、リファラル(紹介)入社の社員数の方が多かったぐらいです。今でも従業員の5割ほどは、リファラルの社員が占めていると思います。

給料の単価連動性を導入した背景

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONのIT事業部取締役である長谷川翔さんの勤務風景

編集部

単価連動性で給料が大幅にアップした方もいらっしゃるのでしょうね。

長谷川さん

はい。中には年収ベースで100万円以上アップしたメンバーもいました。

編集部

それはすごいですね。単価連動性を導入した背景を教えてください。

長谷川さん

私は前職でもSES系の会社に勤めていました。その時に、エンジニアの給料が少ないということに気付いたんです。毎月80万円ぐらいの売り上げを立てているのに、もらっている月給は25万円ほど。「もっともらうべきだ」と強く思いました。

IT事業部は2016年に私と横山(代表取締役社長CEOの横山学さん)とで立ち上げました。その際に「エンジニアに利益をしっかりと還元して、長く働いてもらえる環境を整備しよう」ということで、その一環として単価連動性を導入したんです。

編集部

お客様から支払われている毎月の単価を、エンジニアにもオープンにしているそうですね。

長谷川さん

そうです。エンジニアには、お客様からお支払いいただいている単価を必ず伝えています。「お客様からの単価がこの金額なので、あなたの給料はこの金額ですよ」という感じです。単価によって給料への還元率が変わるので、それも公開しています。単価が上がれば昇給します。上司と面談をして、そのさじ加減で給料が決まるとか、そういったことは一切ありません。

編集部

非常にシンプルで明快な仕組みですね。

長谷川さん

確かにシンプルです。給料を上げるためには、お客様からの単価を上げればいいという話ですから。では単価を上げるにはどうするべきか? そのためには「自分の技術力を上げなさい」という話になります。そういう意味でFAIR NEXT INNOVATIONは、本当に実力主義の会社だと思います。

エンジニアをフォローするための職場環境

編集部

二つの制度以外にも、エンジニアの支援策は何かございますか。

長谷川さん

私がIT事業部の営業担当として心がけており、部下にも徹底させていることは「レスを迅速に返す」ということです。もしも何か困ったことがあれば、すぐに相談に乗れる環境を整備しています。

編集部

「聞いていた話と違う」といった問題がおきたとしても、すぐにフォローするのですね。

長谷川さん

そうです。そういったケースでは素早い対応が欠かせません。「現場を改善するのか。それとも違う現場に異動させるのか」を迅速に決定する。エンジニアに、できるだけストレスをかけないようにしています。

編集部

エンジニアに対する細やかな配慮ですね。

長谷川さん

あとはFAIR NEXT INNOVATIONが、SESと自社開発の両方をやっていることも、結果としてエンジニアの支援になっていると思います。自社開発だけですと技術がそれ1本になってしまい、同じ技術しか扱えません。しかしSESであれば、その他の技術もいろいろと勉強することができます。

実際、SESをやっていたエンジニアが、2023年4月に自社開発へ戻ってきました。反対に元々自社開発に携わっていたメンバーが、「外で技術を身につけたい」ということでSESに異動したこともあります。

若手の活躍を引き出すための育成体制

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONの懇親会で会話をするメンバー

編集部

お話を伺っていてFAIR NEXT INNOVATIONさんは、エンジニアファーストを実践している会社だということがよくわかりました。若手のエンジニアの方も、かなり活躍しているのでしょうね。

長谷川さん

はい。例えば入社して3年目にして、すでにチームリーダーとして、SESの現場で3人の部下を率いて活躍している若手エンジニアがいます。経験の浅いメンバーを育成するという役割を担ってくれているんです。

編集部

御社のSESチームには未経験者を育成する体制があるのですか。未経験者を開発案件に関わらせるSES会社は、それほど多くないように思います。どういった育成スタイルをとっているのですか。

長谷川さん

そこはもう、完全にOJTです。現場で実務をこなしながらの研修です。もちろん簡単な部分からですよ。例えば、「いきなり開発は難しいだろうから、システム全体を把握するために、まずはこの部分のテストをやってみよう」という感じですね。そういうところから、無理のないように始めています。

編集部

資料で転職3年目のエンジニアの方のインタビューを拝見しました。この方は前職でVBやShell、PLSQL等の言語を扱っておられたとのこと。運用がメインだったのかなと想像しました。ところが今ではReact(※)がメインの案件に参画されているそうですね。これは領域がまったく違います。素晴らしいなと感じました。
(※)Reactとは、Meta社(旧Faceboook社)が作成した、UI構築に特化したJavaScriptのライブラリのこと。

長谷川さん

彼は元々、Javaなどを扱った経験があったんです。そして入社時に「画面側の開発をやってみたい」ということでしたので、「それならば自社開発をやってみようか」となったんです。自社開発で1年ほどReactに携わってもらい、ある程度覚えた段階で「ではSESでReactをやってみよう」となり、今の部署に異動したという経緯があります。

編集部

自社開発に1年携わってReactを学び、その上で今はReactのSESで活躍しているのですね。「エンジニアを育成する」というFAIR NEXT INNOVATIONさんの方針を、この方の事例が証明していますね。

独自の福利厚生「あったら良いな制度」

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONの懇親会で笑顔で話すメンバー

編集部

次に福利厚生について伺います。資料を拝見していて、思わず目を止めたのが「あったら良いな制度」でした。これはどういった内容なのでしょうか。

長谷川さん

福利厚生として「こんなものがあったら良いな」というアイデアを、エンジニアから提案してもらうんです。そして実現できそうなものから、どんどん取り入れていこうという制度です

編集部

実際にどんなものが制度化されたのですか。

長谷川さん

まず夏季休暇ですね。これはゼロ日だったものが3日に増えました。また交通費の上限が2万円から2万5,000円にアップしました。他には無料のインフルエンザ予防接種だったり、健康診断の検査項目を増やしたり、トレーニングジムの割引も始まりました。あとは、副業OKもこの制度から生まれたものです。

編集部

どんなお考えから副業がOKになったのですか。

長谷川さん

メンバーが自分らしく働くこと。その上で経済的にも精神的にも自立してほしい、との思いを込めました。届け出さえ出してくれればOKです。

編集部

どんな副業が多いのですか。

長谷川さん

それは千差万別です。エンジニアらしいことをやっているメンバーもいれば、料理配達員や飲食店に勤務しているメンバーもいます。

編集部

料理配達員ですか。皆さん、本当にやりたいことをやっているんですね。

長谷川さん

おっしゃる通りです。そういう自由さが、FAIR NEXT INNOVATIONの社風の一つかなと思っています。

メンバーの共通資質は社交的でお酒好きが多いこと

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONの懇親会のようす

編集部

次に会社の雰囲気についてお聞きします。メンバーの皆さんには、共通する資質が何かございますか。

長谷川さん

人とコミュニケーションをすることが、好きな方が多いと思います。

編集部

エンジニアというと、一般的にはあまり社交的ではないイメージがあります。しかしFAIR NEXT INNOVATIONさんに関しては、それは当てはまらないようですね。

長谷川さん

そう思います。私やもう一人の営業を飲みに誘ってくるエンジニアもけっこういますよ。「ゴハンにいきましょうよ」という感じで。お酒好きも多いですしね。

編集部

懇親会も積極的に開催しており、毎回ほぼ全員が参加しているそうですね。

長谷川さん

はい。現場の状況や私的な事情などで都合のつかない方以外は、ほぼ全員が参加しています。社長の横山も含めて、お酒を飲みながら話すことが好きなメンバーが多いんですよ。レストランなどを貸し切りにして、和気あいあいと語り合うという感じです。

やりたいことを実現する場として最適の環境を用意

株式会社FAIR NEXT INNOVATIONのIT事業部取締役である長谷川翔さん

編集部

最後に読者の方に向けて、メッセージをお願いします。

長谷川さん

FAIR NEXT INNOVATIONは非常に自由な会社です。やりたいことを実現する場として、非常によい環境が用意されていると思います。

給与制度もオープンかつ明確ですし、働きながら成長できるということを実感できるはずです。もし、転職で迷っていることがあるようでしたら、まずは面接だけでもけっこうですから、ぜひ一度お越しいただければと思います。

編集部

簡潔でわかりやすく、響いてくるようなメッセージですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社FAIR NEXT INNOVATION https://fair-next-innovation.co.jp/
採用ページ https://fair-next-innovation.co.jp/recruit/