躍進する企業の成長理由を、エンジニアの活躍から探るこの企画。今回はVR/ARを主軸に、幅広いアプリケーション開発を行う技術専門集団、フィグニー株式会社を取材しました。
フィグニー株式会社は、VR/ARを中心にリアルとバーチャルを繋げるアプリケーション開発を担う技術専門集団です。受託開発、自社プロダクト開発を展開する同社は、幅広い専門分野を取り扱うことを強みに持ち、開発を全て社内メンバーで行うことをモットーとしています。
会社名 | フィグニー株式会社 |
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住所 | 東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル14階 |
事業内容 | ・Webアプリケーションの開発 ・iOS/Androidアプリケーションの開発 ・VR/ARを始めとしたxRアプリケーションの開発 ・CG/VFXの制作 ・3D/2Dイラスト・グラフィック制作 ・静的Webサイト制作 ・IT/技術コンサル |
設立 | 2017年11月 |
公式ページ | https://www.fignny.co.jp/ |
働き方 | ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク) |
“変化と不安定を受け入れ、どんな状況でも思考し続ける”をビジョンに掲げるフィグニー株式会社には現在、35名のメンバーが在籍。その半数は異分野、未経験からのジョインというのだから驚きです。フィグニーのエンジニアはどのような環境下でスキルを磨き、どのようなマインドで業務に向き合っているのでしょう。
そこで今回は、代表取締役社長の里見恵介さんにビジョンに込められた思いやこれからのエンジニアに求める資質、仕事への向き合い方などについて詳しくお話を伺いました。
バーチャルコンテンツで経済の活発化を目指すフィグニー
編集部
はじめに、フィグニーさんの事業の特徴についてお聞かせください。
里見さん
“変化と不安定を受け入れ、どんな状況でも思考し続ける”をビジョンに掲げる当社は、VR/ARを中心に、Web、モバイル、基幹システム、IoT、AIまで幅広くアプリケーション開発を行うデベロッパーです。バーチャルコンテンツによって経済活動を活発化させ、人々の人生の選択肢を増やすことを目標に事業を展開しています。
また、企業様向けエンジニア育成サービスも展開しており、多職種からリスキリングを目指す企業様にご好評いただいております。
編集部
「バーチャルコンテンツによって経済活動を活発化させ、人々の人生の選択肢を増やす」とは、具体的にどのようなことなのでしょう。
里見さん
人生を選択する際、良い大学に入って、弁護士や医者、またはアイドルになることを目指した時、現実世界では生まれ持った容姿、地頭などで人生の成功が左右されやすい状況でした。
しかし、バーチャル世界では生まれ持った条件は関係なく、一芸にさえ秀でていればお金が稼げるのが今の時代です。事実、昔からオンラインゲームや、バーチャルなものなどが大好きだった私は、文系出身ながら、オンラインゲームを作りたい一心でプログラマーになりました。
大好きなバーチャルコンテンツを作り、そこで活動する人たちがお金を稼げる仕組みを作ることで、われわれもお金を稼ぐことができます。このような循環を生むことで、先に申し上げたようにバーチャルコンテンツで経済を活発化させ、仕事の選択肢を増やす仕組みを作りたいと考えています。
編集部
なるほど。フィグニーさんはバーチャルエンターテインメントを提供し、人生に選択肢の幅や多様性を持たせ、多くの方が経済活動していける世界を目指されているのですね。
編集部
フィグニーさんは社内エンジニアの育成、リスキリングサービス「みずから動くエンジニア」を2023年10月にリリースされ、高い評価を得ていると伺っております。VR/AR開発事業を主軸に事業を展開されてきた御社が、エンジニア育成を目的としたプロダクトを手がけた背景には、どのような理由があるのでしょう。
里見さん
まず、今世の中にある大半の研修サービスは「就職」や「ポートフォリオを作る」ことだけに盲信していて、「エンジニアの真の育成」を無視しています。私は生粋のエンジニアなので、未来のエンジニアがビジネスの食い物になっている状況にとても憤慨しています。
だから、「ドラゴン桜」の生徒たちのように、スタートは遅れたが、後からでも人生に勝負をしなおしたいという下剋上精神がある人や、そういう人を抱える企業様を本気で支援したく、「みずから動くエンジニア」を立ち上げました。
将来的には「みずから動くエンジニア」を通じ、バーチャルコンテンツを共に作る仲間を増やしていきたいと考えています。
自社プロダクト開発で黒字化に成功したフィグニーの高いポテンシャル
編集部
2017年設立のフィグニーさんは現在、どのようなフェーズにあると思われますか?
里見さん
当社はこれまで、バーチャルコンテンツを自分たちで企画し、生むのではなく、受託というかたちでお客様が求めているものを作り、提供してきました。VR/ARを中心に、IoT、AI、ネットワークなど、さまざまな分野のスペシャリストが育ってきたことを受け、バーチャルコンテンツを自社プロダクトで作ることを目標に掲げたのが第1フェーズです。
現在は、当社が理想とするバーチャルコンテンツを作るため、自ら投資をして動き、認知拡大を目指すフェーズにあると分析します。第1フェーズでは受託開発8割、自社プロダクト2割でしたが、今後は自社プロダクトを5割程度にまで上げていく方針です。
編集部
フィグニーさんのこれまでの業績はどのように推移しているのでしょう。
里見さん
ずっと順風満帆ということはなく、厳しい時期を過ごしたこともありました。社員はそこまで知らなかったと思うのですが、私自身はなかなかキツい時期を過ごし、凹んだこともありました(笑)。
しかし、現在は黒字化していますし(取材は2023年12月に実施)、辛い時期を乗り越えたからこそ上昇気流にあることを実感しています。黒字に転じたことを機に、さらに成長していきたいと考えています。
果敢に新規開発にチャレンジ。成長のカギは失敗から得た学び
編集部
受託開発から自社プロダクトに比重を高めているとのことですが、VR関連事業におけるフィグニーさんの成長について、里見さんご自身はどのように感じていますか?
里見さん
バーチャルコンテンツを受託開発している企業は世の中にたくさんありますが、当社はEC、エンターテイメント、金融、医療、教育とジャンルを問わず、新規開発に果敢にチャレンジしてきました。
新たな領域にチャレンジすると、どうしても売上的に伸び悩むこともあるのですが、当社は失敗を許容し、チャレンジする組織です。失敗から学びを得ることで成長してきたと自負しております。
編集部
売上的に厳しいことがあっても果敢にチャレンジした結果、顧客が満足するバーチャルコンテンツを提供することで信頼を得て、メンバーの熟練度も上がっていったのですね。
開発は社内で完結する“フィグニープライド”を持つエンジニアが活躍
編集部
業種を問わず、新規開発に果敢にチャレンジしているフィグニーさんのエンジニアは、自社プロダクトはもちろん、受託開発においても開発は社内で完結する強い意志があると伺っております。それを踏まえ、御社はどのようなマインドで仕事に向き合っているのでしょう。
里見さん
自分の力で最後まで作る、職人気質を大切にする当社は、下請けに流さず、自分たちで完結することに誇りとプライドを持って日々の業務にあたっています。
大手企業は受託開発を“下請け”として位置付けることが多いと思われますが、私はこの、下請けという言葉が一番嫌いなんです。
プログラミングは流れ工程の中で見ると、下流工程ではありますが、実はプログラミングこそが品質を決定づけます。この一番大切なプロセスを下請け業者、または外部に任せて、プロセスの上流だけをやることはつまらないと思っています。
編集部
なるほど。フィグニーさんのエンジニアは、自分が不得意な分野でも外部に委託するのではなく、自ら学び、スキルを習得する方が多いのでしょうか。
里見さん
そのような意欲を持つ者は多いと思われます。最終的には0から10まで自分で作ることができる、フルスタックを目指しています。
編集部
エンジニアのみなさんはまさに“フィグニープライド”とも言える高い意識を持って、真摯に開発に向き合っているのですね。
アルゴリズムはエンジニアの“筋肉”。定期的な訓練で成長を支援
編集部
高い意欲を持って仕事に邁進するエンジニアが活躍しているフィグニーさんでは、スキルアップ支援として、会社として取り組んでいることはありますか?
里見さん
資格取得における費用負担や研修ツールの提供はもちろん、独自の取り組みとしてはアルゴリズム訓練があります。
プロスポーツ選手はプロであっても日々のトレーニングを欠かしませんよね?それはエンジニアにおいても同じだと考えています。
プロスポーツ選手の筋肉に当たる部分が、エンジニアのアルゴリズムだと思っている当社では、定期的なアルゴリズム訓練を行い、スキルアップや成長を促しています。事実、アルゴリズム訓練を受けることによって成長の加速度は大きく上がっているように感じます。
編集部
現在、フィグニーさんには何名のメンバーがジョインされているのでしょうか。
里見さん
社員、フリーランスも含め、35名ほどのメンバーが在籍しています。働き方としては2023年9月から週次出社制になっており、フルリモートからリモートと出社のハイブリッドに移行しています。
ハイブリッド勤務への移行でコミュニケーション機会が増加
編集部
フルリモートからハイブリッドに移行したのはどのような理由からなのでしょう。
里見さん
エンジニアが多い組織ということもあり、働き方の多様性を重視する社会の流れに乗ってフルリモートを5年ほど前に導入したのですが、当社にはマッチしない働き方であることがわかりました。
その理由は、社員を含め、メンバーが会社のことを考えなくなったことです。外に出ることもなく、タスクをこなすことだけに就業時間を充てるようになり、このままではメンバーのキャリアにも良くないと感じました。
出社をしてさまざまな人と接し、不満なこともやりながらも五感をフルに発揮させて働くことの方が価値があると考え、ハイブリッド勤務に移行しました。
編集部
ハイブリッド勤務になったことで、変化を感じることはありますか?
里見さん
大きな変化を感じています。フルリモートに慣れたメンバーからは当初、不満の声も上がりましたが、現在はメンバー同士でランチに行ったり、デスクの隣同士で会話をしたり、バーチャルなチャット空間ではチャット量が増えるなど、コミュニケーションを図る機会が増えています。
社員の半数が異分野からのジョイン。成長の秘訣は適性と向上心
編集部
エンジニアの育成に尽力されているフィグニーさんでは、どのようなバックグラウンドを持った方が活躍されていますか?これからエンジニアを目指す方の参考にもなると思うので、ご紹介いただければ幸いです。
里見さん
38歳でエアコン業者の営業からエンジニアに転職をし、2、3年ほど経験を積んでエンジニアリングマネージャーとして活躍しているメンバーがいます。この他にも年齢こそ異なりますが、同じように異分野からエンジニアになったメンバーは私も含め、社員の半数に上ります。
当社の社員が示すように、文系出身者はもちろん、高卒でも異業種からの転職でも、適性と向上心があれば目指すことができるのが、エンジニアという仕事だと思っています。
社長の里見さんが考えるエンジニアに求められる資質とは
編集部
里見さんご自身は文系出身からEC、動画配信、ソーシャルオンラインゲーム、ビッグデータ解析基盤、VRなど10以上の開発現場を経験し、包括的な技術を持つ叩き上げプログラマーとして活躍されています。そのような経歴を持つ里見さんが考える、これからのエンジニアに求められる資質とは何かを教えていただけますでしょうか。
里見さん
今でこそ、文系出身者や知識ゼロからでもエンジニアを目指すことができる時代ですが、15年ほど前までは、エンジニアになるには理工学部出身を条件とすることが多かったように思います。私自身も文系出身ですが、卒業する同じ時期に社会の風潮がエンジニアに出身学部や経験を問わない考えに傾き、業界の間口が広がったように思われます。
かつてはエンジニアになるには数学や数字のロジックに強いことが求められましたが、今はどちらかというと国語力や英語力に長け、チームメンバーとの認識の齟齬を解消できる、潤滑油のような能力を持つエンジニアが求められていると感じます。
そのため、未経験者がエンジニアを目指す場合、プログラミングだけを学ぶのは誤った勉強法です。もちろん、プログラミングができ、コードを書くことはエンジニアとして必要不可欠なスキルですが、それ以上にコミュニケーション能力や、本質を見抜く力を身につけたエンジニアに育ってほしいと願います。
編集部
異分野や未経験者がエンジニアを目指す際、スキルの部分で里見さんがおすすめする勉強法があればぜひ、お聞かせください。
里見さん
スポーツ選手の筋トレに相当する競技プログラミングを日課にすることをおすすめします。競技プログラミングコンテストに毎回参加をすることで、スキルが上がっていることを実感しながら楽しく学ぶことができるはずです。
仕事をゲーム感覚で楽しむゲーミフィケーションの実現が目標
▲国内最大のゲーム関連イベント「東京ゲームショウ2023」の「VR/ARコーナー」に出典
編集部
フィグニーさんの今後の目標についてお聞かせください。
里見さん
大きな目標として、仕事をする環境をバーチャル化したいと考えています。例えば、物理的に電車に乗って毎日通勤するのではなく、VRゴーグルを付けてバーチャルな世界で通勤し、好きなキャラクターが出てきたり、洞窟を探検したり、バトルをして相手を倒さないと職場にたどり着けないといったゲーミング要素があると、仕事はもっと楽しくなるという狙いがあります。
編集部
とても面白そうな試みですね!仕事にゲーミング要素を盛り込むアイデアは、どのようなきっかけで生まれたのでしょうか。
里見さん
課された仕事を8時間以内に仕上げなければいけないとき、ただタスクをこなすだけではモチベーションは上がりませんが、ゲーム感覚で仕事を競う要素があれば、人生はより楽しくなると私は思っているんですね。
4年間オンラインゲームしかやっていなかった過去がある私は、当時、美容院で身だしなみを整えることよりも、その時間を使ってオンラインゲームのキャラクターをかわいくする、かっこよくすることの方が価値があると思っていました。そこではお金を稼ぐことはできませんが、オンライン上では「すごいね」と言われることが達成感や満足感につながっていました。
現在、社員に接する際も同じような感覚を持っていて、情熱を注ぐだけの価値を仕事に感じ、面白いからやるというようになれば不満は減り、会社の利益も上がると思うのです。出勤から終業まで、まるでオンラインゲームをやるように仕事が回るゲーミフィケーション(※)のようなバーチャルコンテンツを作りたいと考えています。
(※)ゲーミフィケーション:ゲームの要素をゲーム以外の分野に応用することで、参加者のモチベーションや行動変容を促すこと
編集部
ゲーミフィケーションによって各自が仕事を楽しむことで生産性が上がり、効率化にもつながるというわけですね。里見さんならではの発想だと感じました。
背水の陣で挑む、下剋上精神を持った方を歓迎
編集部
フィグニーさんの社内で完結するプライドやエンジニア育成にかける思い、ゲーミフィケーションの実現に興味を持った読者は多いと思われます。最後に、御社にフィットする人物像など、どのような方を歓迎しますか?
里見さん
一言で言うなれば、一歩も引けない状況の中で全力を尽くす、いわば背水の陣で仕事に向き合える方が当社にはフィットすると思われます。
下克上精神を好む私は、「エンジニアになりたい!」というエネルギーが一番に力になると思っているので、あえて厳しい環境に身を置いてもらうことがあります。
そのような環境に背水の陣で挑むことができれば、チャンスをものにできるはずです。何かを犠牲にしてでも、いつかは高い給料を得たり、幸せを得たりして生きたいという方を歓迎します。
編集部
あえて厳しい環境に置くことで、そこから這い上がる力をしっかり評価し、成長の機会を与えられているのですね。
里見さん
厳しい会社に聞こえるかもしれませんが、実際に働いてみると、私も含め社員間の距離も近く、カジュアルな雰囲気のあるチームです。自分の居場所がここであることを実感しながら働きたいという方はぜひ、お問い合わせください。
編集部
エンジニアの成長を重視し、長期的に活躍できる環境を整えているフィグニーさんにジョインすることは、自身のスキルアップはもちろん、御社が掲げる“変化と不安定を受け入れ、どんな状況でも思考し続ける”というビジョンの体現にもつながることを、今回の取材で強く感じました。
本日はありがとうございました。