若手社員がグローバルに活躍している企業を紹介する本企画。今回は、オリジナル香水の企画開発や海外ブランドの輸入販売などを行う株式会社フィッツコーポレーションにインタビューしました。
「豊かさが香るものづくり」を理念に香水の開発や輸入を行う株式会社フィッツコーポレーション
株式会社フィッツコーポレーションは「豊かさが香るものづくり」を理念に、フレグランスやヘアケア、ボディケアといった香りにまつわるオリジナル商品の企画開発を行っており、サッカー元日本代表の本田圭佑さんがプロデュースする香水「L'eau de DIAMOND by KEISUKE HONDA」も同社が手がけました。
また、海外ブランドの日本市場における正規代理店として、アリアナ・グランデがプロデュースしたフレグランスや「アバクロンビー&フィッチ」のオードトワレなどの人気商品を取り扱っています。
さらに、近年は海外輸出事業にも乗り出しており、中国やシンガポール、台湾へと販路を拡大しています。
会社名 | 株式会社フィッツコーポレーション |
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住所 | 東京都港区北青山3-6-1オーク表参道ビル7・8階 |
事業内容 | ・海外の香水の輸入卸・販売 ・オリジナル香水、オリジナルヘアケア、ボディケア、スキンケア、 メイクアップブランドの輸入卸・販売・製造 |
設立 | 1991年 |
公式ページ | https://www.fits-japan.com/ |
株式会社フィッツコーポレーションは、社員が年齢や年次に関係なく挑戦できるよう、部署や役職がない人事制度を導入しています。社員の約半数が20代という職場では、新たな人事制度によって醸成されたフラットなカルチャーのもと、若手社員も積極的に意見を出し、チームワークを重視しながら働いています。
今回は、EC事業や海外事業に携わる川口治佳さんにお話を聞かせていただきました!
フィッツコーポレーションで若手がグローバルに活躍できる理由
編集部
川口さんは2016年に大学を卒業し、楽天、アリババを経て2021年にフィッツコーポレーションさんに入社したそうですね。入社を決めた理由についてお話しいただけますか?
川口さん
私は中国で生まれ育ったことから、自分のバックグラウンドを生かしたキャリア形成をしたいと考え、前職では中国のEC最大手であるアリババに勤めていました。しかし、クライアントさんとやりとりをする中で、商品開発などのメーカー側のお仕事にもっと関わりたいと感じるようになりました。
そんな時、自社ブランド商品の開発を手がけ、国内EC事業や中国をはじめとする海外事業にも力を入れるフィッツコーポレーションに出会い、自分の経験を活かしながらやりたいことに挑戦できると感じ、入社しました。
編集部
現在は、どのようなお仕事を担当しているのでしょうか?
川口さん
今は国内EC事業と海外事業の2つに携わっています。国内EC事業では、主に楽天市場での販売を担当しています。私が入社したのがちょうど楽天市場への出店を計画しているタイミングだったため、出店準備から任せてもらいました。
最近は楽天市場だけでなく、オンライン全体の売り上げをアップさせるための戦略を考え、実行する業務へとシフトしており、Web広告やSNS運用といったWebマーケティングも担当しています。
海外事業では、中国のマーケット開発に携わっています。アルコール成分を含む香水は中国国内の法規制などがあるため、自社開発のフレグランスを中国で販売するためにはまだ時間がかかる見通しです。現在は主に、弊社が代理店としてアジアでの販権を持つアメリカのブランドのメイクブラシを販売しており、私はその商品のWebマーケティングを担当しています。
編集部
ご自身の経歴やバックグラウンドを最大限に活かして、フィッツコーポレーションさんの事業を推進していらっしゃるのですね。
中国で育ったバックグラウンドを活かし、海外事業に貢献
編集部
印象に残っているお仕事や、やりがいを感じたお仕事を教えてください。
川口さん
海外事業に関わる業務の一環で、2023年5月に中国・上海で開催された化粧品の展示会に出展しました。中国語を話せるということもあり、私も現地へ行ってアジア全域で有名なベンダーさんやメーカーさんに商品の魅力をプレゼンさせてもらいました。
弊社はそれまでシンガポールや香港などの展示会に出展したことはあったのですが、中国本土の展示会に出展するのは初めてでした。中国展開に本腰を入れるなか、実際に現地を訪れマーケットを直に感じることができたのは大きな経験でした。
編集部
海外事業に携わることの難しさを実感するような場面もありますか?
川口さん
中国で販売するメイクブラシをどのようにして日本と同程度の売り上げ規模へと育てるか、その突破口を見つけることの難しさを感じています。
他社さんの場合、メイクブラシに化粧品などの関連商品を組み合わせて展開することで、より消費者に訴求することができますが、弊社は高価格帯のメイクブラシの1アイテムのみで戦っています。このような中で、どのようにターゲットにアプローチし購入してもらうかを戦略立てることはチャレンジングだと感じると同時に、やりがいにもつながっています。
編集部
川口さんが事業に貢献できていると感じるのは、どのような時でしょうか。
川口さん
中国の現地スタッフとコミュニケーションすることが多いのですが、中国語で会話できる私がいることで、彼らの中に「川口に話せばしっかり理解してもらえる」という信頼が生まれ、積極的に情報を共有してくれるようになりました。
このようにして現地から入手した情報を社内のチームにも共有するようにした結果、事業のスピード感が上がってきたと感じます。
編集部
川口さんの存在が、日中間の強い連携を引き出しているのですね。
チームプレーを大切にするカルチャーがある
編集部
フィッツコーポレーションさんの30歳前後の若手社員は、皆さん川口さんのように責任あるお仕事に携わっているのでしょうか?
川口さん
そうですね。弊社は「社員一人ひとりが主人公」をモットーにしており、それぞれが個性や強みを持ち寄り、チームとして責任ある仕事に挑戦しています。
編集部
チームプレーを大切にするカルチャーは、どのような時に感じますか?
川口さん
プロジェクトを進める際、現地からいろんな情報収集したうえで「私はこう進めていきたい」と提案すると、メンバーからは「こういう観点で、こういう部分も考えた方がいいんじゃないか?」といった意見が活発に出されます。
それぞれの立場でプロジェクトを「自分ごと」として考えているからこそ、コミュニケーションが取りやすいのだと思います。
編集部
同じチームでない人との横連携も図りやすいのでしょうか?
川口さん
はい。私は、自分がメインで担当しているブランドのブランドマネージャーなどと連携をして、どれぐらいのタイミングで在庫が入ってくるかを把握していますし、こちらからは「今こういうプロモーションをやっています」といった情報を積極的に共有しています。
また、私が中国事業で担当するメイクブラシはアメリカのブランドなので、中国での販売動向をどうブランド側に報告すべきか、社内のブランド担当者からフィードバックをもらうこともあります。
部署も役職もないからフラットに意見を言える
編集部
フィッツコーポレーションさんは、部署や役職がない新しい働き方を導入していると伺いました。
川口さん
フラットな組織を作るため、弊社は2021年に部署・役職を全て廃止しました。プロジェクトはチームで取り組むので、それぞれの担当や責任の範囲を明確にするために現在は「役割」という形で仕事を任せています。
編集部
新たな人事制度による効果は感じていますか?
川口さん
役員を含め、誰に対しても「言いづらい」と思うことがなく、フラットな関係で意見を言うことができると感じています。
また、役職をなくして役割制にしたことで、ひとつの判断を行う際に上司や何人ものメンバーに確認する必要がなくなり、スピーディな意思決定ができるようになりました。
編集部
ここまでお話を伺い、チームワークを大切にする文化やフラットな組織が、若手のうちから活躍できる背景にあるのだと感じました。
隔週開催の勉強会「富樫会」でノウハウや学びを共有する
編集部
ノウハウや学びを社内で共有するような取り組みはありますか?
川口さん
弊社では、社長の名前にちなんだ「富樫塾」という誰でも参加できる勉強会を隔週で開催しています。
ここでは、フレグランス業界の先駆者として道を切り拓いてきた社長の経験から学んだり、社員がプロジェクトで得た学びを他の社員に共有したりしています。
編集部
経験者から直接話を聞けることは貴重な経験になりますね。富樫塾で聞いた話で、川口さんの印象に残っているものは何ですか?
川口さん
よく、成功の理由はわからないけれど、失敗には必ず理由があると言われますよね。弊社の社長はこの考えを大切にし、失敗を共有することで同じような失敗を避けようと呼びかけています。
失敗の後処理に時間をかけるより、成功に近づくような挑戦をした方が良いという考えには感銘を受けました。
海外輸出事業では中国を中心にシンガポールや台湾にも進出
編集部
フィッツコーポレーションさんの海外事業の概要についてもお話しいただけますでしょうか。
川口さん
海外事業は輸出と輸入に分かれています。輸入事業では海外ブランドの日本進出をお手伝いしており、アメリカ人人気歌手のアリアナ・グランデさんやビリー・アイリッシュさんがプロデュースした香水や、アメカジブランドの「アバクロンビー&フィッチ」の香水も弊社が日本での販売代理店を務めています。
輸出事業は2021年頃から本格的にスタートし、現在は中国マーケットをメインに、シンガポールや台湾にも進出しています。今後は、アジア全域へと市場を広げたいと考えています。
編集部
将来的にはアジア以外にも市場を拡大したいお考えでしょうか?
川口さん
ヨーロッパでの展開も視野に入れています。世界中のパートナとー協力しながら現地の声を聞き、地域ごとに最適なマーケティングなどを行っていきたいと考えています。
編集部
世界へと販路を広げるフィッツコーポレーションさんの、今後の展開が楽しみです。
フィッツコーポレーションは社長との関係もフラットな会社
編集部
フィッツコーポレーションさんの社内の雰囲気についても教えてください。
川口さん
過去に勤務していた2社はトップダウン型で、上層部の人たちと接する機会もほとんどありませんでした。そのため、弊社に入社して、社長がフロアで社員と会話を交わす様子を初めて見た時は驚きました。
社長は定期的にフロアにやって来て、社員の表情を見たり、「今どんなことをやってるの?」と声を掛けてくれたりします。社員と顔を合わせてフラットな空気感を作ろうとしてくれているのだと感じますね。
編集部
事業について社長と気軽に話すような機会もあるのでしょうか?
川口さん
今後の海外事業の進め方について、直接社長と話をすることもあります。そんな時もトップダウンではなく「僕はこう思ってるんだけど、どう?」といった感じでフラットに話すことができます。
0から1を創造できる方や自ら発信できる方を歓迎!
編集部
さらなる事業拡大を目指すうえで、フィッツコーポレーションさんが求めるのはどのような人材でしょうか?
川口さん
弊社は第2創業フェーズに入っており、これから次世代の新しいリーダーを発掘していきたいと考えています。こうしたなか、私たちは3つの「求める人物像」を掲げています。
一つ目は「破壊と創造ができる変革者」で、自分でクリエイトできる方、0から1を生み出せる方を意味しています。二つ目は「しなやかさあふれるドライバー」で、全体を巻き込んで一緒に推進していく力強さを持った方をイメージしています。そして三つ目は「快活なフロントランナー」で、コミュニケーションができ、人の良い部分を引き出せる人を表しています。
この3つは新卒採用向けに定めたものですが、中途採用においても0から1を生み出す挑戦をしたい方や、自ら発信できる方を歓迎しています。
編集部
フィッツコーポレーションさんは、海外事業の拡大という大きな目標に向かってチャレンジしたい方や、会社のこれからを担う新しいリーダーになりたいと考えている方にぴったりな場所だと感じました。
本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社フィッツコーポレーション:https://www.fits-japan.com/
採用ページ:https://hr.fits-japan.com/