若手が活躍するカルチャーと独自のサービス展開で成長を続けている企業にインタビューする本企画。今回は、最先端のテクノロジーを駆使した各種DXサービスを展開している株式会社ギブリーにお話を伺いました。
株式会社ギブリーとは
▲株式会社ギブリーは「HRテック事業」「マーケティングDX事業」「オペレーションDX事業」を展開している
株式会社ギブリーは、2009年4月に立ち上がりました。
「すべての人が物心豊かな社会を実現する」というビジョンと、「世界で最も必要とされるテクノロジー企業群をつくり、デジタル大国として日本を再生させる」というミッションを達成するべく、「HRテック事業」「マーケティングDX事業」「オペレーションDX事業」の3つの事業領域でサービスを提供しています。
創業時はインターネット広告事業と自社メディア事業を展開していたという株式会社ギブリーですが、自社開発のプロダクトを増やしていき、2018年から複数のSaaS(※)プロダクトを提供し始め、急成長を続けています。
(※)SaaS:サース、またはサーズ。「Software as a Service」の略語。クラウド上に存在しているソフトウェアをインターネットを介して利用できるサービスのこと。
会社名 | 株式会社ギブリー |
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住所 | 東京都渋谷区南平台町15-13帝都渋谷ビル8F |
事業内容 | ・HRテック事業(Track) ・マーケティングDX事業(DECA) ・オペレーションDX事業(PEP/法人GAI Powered by GPT-4/行政GAI Powered by GPT-4/X-GAI Powered by GPT-4) |
設立 | 2009年4月28日 |
公式ページ | https://givery.co.jp/ |
また、株式会社ギブリーが成長し続けられている要因としては、社名にもある「Give&Give(※)」のカルチャーが社内に浸透していることが挙げられるそうです。
(※)ギブリーさんからの補足(公式サイトのOur Visionより引用)
「ギブリーでは創業当初から、人のあり方として自分が受け取る以上に、常に他人に与え続ける姿勢や精神を、最も大切なDNAとして“Give&Give”と呼んでいます。打算なしで与え続けられる人こそが信望(信頼と人望)を得て、真に価値を顧客(お客様、ユーザーの皆様)や社会へ提供できる、と考えています。そのためには、常日頃から私利私欲を捨て、仕事を共にする仲間、自身に関わるすべての人々に対して、尊敬と感謝、相手の役に立とうとする気持ちを持つことが大切です」
そんなギブリーのカルチャーなどについて、HRテック部門育成ソリューション事業部フィールドセールスの五十嵐一歩さん、人事部中途採用担当者の木村美波さんにお話を伺いました。
「HRテック」「マーケティングDX」「オペレーションDX」の3事業を展開
編集部
はじめに、ギブリーさんについて教えてください。
五十嵐さん
私たちギブリーは、2009年に創業した「すべての人が物心豊かな社会を実現する」ことをビジョンに掲げるテクノロジーカンパニーです。
従業員の約50%が開発に携わる組織構成で、CTO経験者やGAFAM出身者をはじめ、18か国以上のスペシャリストからなるグローバルな内製開発チームを強みに、「HRテック事業」「マーケティングDX事業」「オペレーションDX事業」の3つの事業を展開しています。
エンジニアの採用・育成に関するサービスを一括で提供
編集部
1つ目の「HRテック事業」とは、どういったものでしょうか。
五十嵐さん
HRテック事業では、企業のDX化やエンジニア人材の不足が社会的な課題の中、テクノロジー人材の採用・育成・評価を軸としたHRソリューションを提供しています。
具体的には、エンジニアを正しく見極めて評価できる技術をコアにもつ「Track(トラック)」というサービスを提供しています。
Trackは、プログラミングスキルを可視化することができます。そのデータをもとにエンジニア採用や人材育成のご支援、研修コンサルティングサービスを提供しております。
編集部
人材関連のサービスを一括で提供しているのですね。エンジニアの採用・評価・育成に悩む多くの企業が助かっているのではないでしょうか?
五十嵐さん
そうですね。国内でコーディングテストを提供するサービスとしてはNo.1の規模まで成長し、数多くのテクノロジー企業様から好評をいただいております。
2023年1月に民間企業がコーディングテストサービスを対象に実施した調査で、「Track Test」が「累計導入社数」「累計受験者数」「問題数」で3冠を獲得しました。
■「Track Test」に関するニュースリリースはこちら!
https://givery.co.jp/news/n20230302/
マーケティングの上流から支援を実施
編集部
ギブリーさんの2つ目の事業である、マーケティングDX事業について伺わせてください。
五十嵐さん
マーケティングDX事業では、デジタル化が進む一方で、データを活用して利益を生み出す状態にまで至っていない企業も数多い社会状況を改善することを目指し、DX支援サービス「DECA(デカ)」を提供しています。
具体的には、マーケティングツール群の提供や、人材育成、コンサルティング・実行支援、人材育成などを通じて、企業のOMO・オムニチャネルの実現をサポートしています。
法人や行政のChatGPT活用を支援
編集部
3つ目の事業領域であるオペレーションDX事業についても教えてください。
五十嵐さん
オペレーションDX事業では、世界に後れをとりはじめた日本の生産性向上という課題の解決を目指し、企業向けの社内DX推進サービスを提供しています。
AIチャットボット「PEP」は、数々の大手企業に導入いただき、社内の工数削減を支援しています。
また、最近では世界中で急速に普及したChatGPTの技術を積極的に活用し、PDFからFAQを自動生成できる新サービスや、日本初の法人向けのChatGPTのビジネス活用プラットフォーム「法人GAI」をリリースしました。
これらは、テレビ・新聞など多数のメディアに注目いただき、取材を受けております。
編集部
ChatGPTの法人活用において、国内最速クラスのスピードで事業を展開されたのですね。
五十嵐さん
はい。当時は、セキュリティの問題もあり、ChatGPTは世界的な話題になっていた一方で、法人や行政での本格的な活用が推進できない状況がありました。
その課題にいち早く注目した当社は、これからの時代に必要な最先端技術をさまざまな企業に取り入れていただくための支援をしたということになります。
その後、行政機関からのご要望を受け、20日後には行政機関向けChatGPT活用プラットフォーム「行政GAI」をリリースするなど、スピード感をもって事業を展開してきました。
5年連続で高い成長率を実現している理由とは
編集部
多くの企業から信頼を得ているギブリーさんですが、事業がどれだけ成長しているのかということと、成長の要因について教えてください。
五十嵐さん
具体的な数字は公開しておりませんが、ギブリーは5年連続で高い成長率を実現しています。個人的にはその要因として、弊社の「意思決定のスピード」と、組織の土台となっている「Give&Giveの精神」が大きく関わっていると考えています。
意思決定のスピードを速め、変化の激しい業界に対応
編集部
まず、「意思決定のスピード」についてお聞かせいただけますか?
五十嵐さん
はい。当社は、意思決定のスピードが圧倒的に速いというのが特長です。ギブリーは未上場であるため、しがらみなくスピード感を持って経営判断を下せます。意思決定のスピードの速さは、柔軟な事業変革にも結び付いています。
ギブリーの創業時に展開していた事業は、インターネット広告事業や自社メディア事業でした。そこから自社開発のプロダクトを増やしていき、2018年から今のSaaSプロダクトを提供し始めてから急速に成長しています。
ギブリーの行動指針のひとつに、「アンラーニング」があります。IT分野は変化が激しいです。今までやってきたことを捨てて新しいことを学んでいくというカルチャーがあります。
編集部
さらなる成長のため、これからも変化は続いていくのでしょうか?
五十嵐さん
はい、続いていくと思います。実際に、2021年からはプラットフォームとして分断されたデータのリバンドル(※1)や、さらに教育・コンサルの強化によるBPaaS(※2)領域の事業を展開しています。
(※1)BPaaS:ビーパース。「Business Process as a Service」の略語。業務をクラウド上でアウトソーシングするサービスを指す。
(※2)リバンドル:分解されたデータや機能を組み直して、新たに編成すること。
2023年には新規事業としての生成AI領域への投資を加速し、マーケットリーダーとして最速でプロダクトをローンチしています。
顧客への「Give&Give」の精神と、「人への投資」を重視する姿勢
▲「MVG AWARD 2022」の風景。ギブリーの理念を体現する「Giver」を表彰している
編集部
ギブリーさんの成長要因である「Give&Giveの精神」について、木村さんにもお話を伺いたいです。
木村さん
五十嵐が申し上げた通り、ギブリーは事業を変化させ続けてきました。そんななかでも、「Give&Give」、つまり「与え続ける」というDNAが受け継がれていることが成長要因として挙げられるのではないかと思います。
Give&Giveの根本にある考えは、「顧客に本質的な価値を提供しよう」というものです。事業はあくまで顧客に本質的な価値を提供するための手段でしかありません。Give&Giveの精神を持っているので、事業の形にこだわりがないのです。
編集部
Give&Giveという考え方は、ギブリーさんの大きな特徴のように思います。
五十嵐さん
「与える」という観点で言えば、「人に投資する」という意向が会社として強いことも成長要因の一つに挙げられます。このことはギブリーの中期経営計画にも明記されており、採用計画や人事制度、評価制度も「人への投資を大切にする」という方向で設計されています。
■ギブリーさんの人事・評価制度がわかる採用ページはこちら!
https://givery.co.jp/recruit/
編集部
何よりも人を大切にしてきたからこそ、多くの企業の信頼を勝ち取り、今の成長に結びついているのですね。
若手の成長を促す、特徴的な内定者インターン制度
編集部
人に投資するという思いが強いギブリーさんですが、若手の成長を促すような研修制度はあるのでしょうか?
五十嵐さん
新卒向けの研修制度になるのですが、ギブリーには入社前に実施する内定者インターンがあります。この内定者インターンが本格的なものでして、「内定者インターンから社員と同じ基準で3カ月に1回評価し、成果によっては初任給が昇給する」という制度が設けられています。
こちらの制度についても、年齢や立場でなく、個人の成長や成果で評価をする「人に投資をする」という考えが基となっているのです。
成果だけでなくスキルや社員の行動も評価のポイント
編集部
研修制度に続いて、評価制度についても教えてください。
五十嵐さん
ギブリーは3カ月に1回のペースで評価と給与改定の機会があります。評価のポイントとして、成果とスキルはもちろん入ってきます。もう一つ評価ポイントの観点に入ってくるのが、「ギブリーが掲げている行動指針に沿って行動できているか」という点です。
ギブリーは社員に大切にしてほしい行動指針として「己を超えろ」「信頼を築け」「本質(コト)に向かえ」の3つを掲げています。
編集部
成果を評価のポイントに挙げている企業は多いと思いますが、スキルと行動指針も評価の観点に入れているところがギブリーさんの特徴的なところだと感じます。
経営陣の「本気で事業を伸ばす」意志を肌で感じる職場環境
編集部
若手が活躍するカルチャーや制度があり、実際に五十嵐さんも入社2年目から新卒採用の責任者として活躍されています。五十嵐さんがなぜ早くから活躍できているのか、その理由を教えてください。
五十嵐さん
入社早くから責任者を任せてもらえた理由としては、「日々の目標に前向きに取り組んでいた」ということが挙げられると思います。仕事を選ばず、何でも楽しめるタイプでした。これまでインサイドセールスや新規事業などさまざまな業務を担当しましたが、全て楽しい仕事だと感じていましたね。
編集部
前向きに仕事に取り組まれていたとのことですが、ここまで楽しく仕事に取り組むことができたのはギブリーの環境も大きいのでしょうか?
五十嵐さん
はい、そうだと思います。普段から役員陣と一緒に業務をしたり、飲みに行ったりする中で、仕事の姿勢を肌で感じたり、直接話を聞く機会が多いのですが、本気で事業を伸ばそうという意思が伝わってきます。なので、自分も何かをやらなければならないとモチベーションを高めてくれる環境にあると思いますね。
編集部
上の立場にいる人が実際に手を動かしていて、本気で仕事に取り組む姿があることで若手社員も引っ張られていくのですね。
空き時間を自ら押さえれば何でも聞ける、Giveなカレンダー文化
▲「ギブリーの社員のGiveによるサポートがあったからこそ楽しく働けている」と話す木村さん(中央)
編集部
木村さんは中途入社で、中途採用を担当されているとのことでしたね。
木村さん
先日、ちょうど入社して約1年が経ちました(2023年6月時点)。前職はベンチャーの人材紹介会社に勤め、4年間人材営業の仕事をしていました。IT業界・人事職はチャレンジでした。
編集部
なるほど。会社として何かフォローのようなものはあったのでしょうか?
木村さん
人事ですので、一番会社のことを理解して語れるようになる必要があるため、インプットしなければならないことが多かったのですが、社員の「Give&Give」でなんとかなりましたね。
たとえば、オンラインの共有カレンダーで空き時間がある方がいれば、分からないことを聞くためにミーティングの時間を自分から抑えるというというカルチャーがギブリーには定着しています。嫌な顔をする方はいなくて、自分が期待している以上のギブを返してくれるんです。
また、他部門の方にミーティングを設定してもらうこともあります。他部門の話を仕事に生かすだけでなく、他部門同士でランチに行ったり、遊びに行ったりという文化があるので、横のつながりも密ですね。
編集部
入社して1年ほど経ったということで慣れてきた頃ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
木村さん
この1年間は会社のスピード感についていくのが大変でしたが、ギブリーは自分の業務の課題について前向きな話し合いができる会社だからこそ走り続けられています。また、新規事業が増える中でみんな忙しくしていますが、誰もが楽しそうに働いています。
本気でお客さんに向き合って価値を提供していきたいとみんなががんばっているので、自分としても励まされることが多いですね。
若手の成長のため、フィードバックの時間を惜しまない
編集部
社員同士のコミュニケーションにもGive&Giveの精神が表れているギブリーさんですが、若手が成長するうえで象徴的な事例はありますか?
五十嵐さん
フィードバックにかなり時間を取ってくれて、「この人が成長するためにはどうすればいいんだろう」とみんなが真剣に考えてくれることでしょうか。
私の経験なのですが、新卒一年目のとき、クオリティがかなり低い報告書を作ってしまったんです。そんなとき上司が1時間ほど時間を取って「こんな報告書が欲しかった」「今の事業はこんな状態で、みんなに期待しているアウトプットはこれだよ」と丁寧に説明してくれたんです。
例えば報告書を上司が自分の手で直すとしたら10分ほどで終わりますし、直してほしいところを指示するのならば30分もかかりません。そうするのではなく、若手のインプットのために1時間を取ってくれる。若手の成長のために一番時間的にコストがかかる手段を選んでくれているのです。それは、私が将来的に同じことを後輩にしてほしいという期待をかけた投資であったとも思います。
編集部
とても愛にあふれたサポートだと感じます。
五十嵐さん
新しい価値を生むためには、自分だけががんばれば良いのではありません。後輩を育成し、その人たちが活躍してくれないと、新しくて大きな価値を生み出せませんよね。
なので1時間ダメ出しをするのではなく、「この人が成長するためにどうしたらいいんだろう」という考えでコミュニケーションを取ってくれるのは、とてもありがたいことだと思います。
社員の声を受け新しい制度をスピード導入
編集部
次に子育て世代の働き方という観点でお話をお伺いしていきたいのですが、子育て中の社員の働き方として、特徴的なエピソードはあるでしょうか?
五十嵐さん
初めての妊娠を迎えた正社員がいたのですが、体調がすぐれないことを管理部に相談したところ、当時用意のなかったコアタイムなしのフルフレックス制度の導入が進められ、相談から1日〜2日で社長が許可を出したそうです。
編集部
ギブリーさんは組織のスピード感がすごく早いと感じましたが、こちらについても対応のスピードが速いですね。
木村さん
そうですね!社員が声を上げやすく、個人個人のニーズに応じた対応を取れる柔軟性がありますね。
編集部
ここにもギブリーさんの「人に投資をする」という姿勢が表れていますね。
Give&Giveのカルチャーに共感し、事業家精神を持つ方に来てほしい
▲ギブリーについて「人の成長を全力で応援する会社」と話す五十嵐さん
編集部
最後に、ギブリーさんに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いします。
五十嵐さん
ギブリーは「すべての人が物心豊かな社会を実現する」というビジョンを掲げ、テクノロジーの力とスピード感、そしてGive&Giveの精神を持って世の中に新しい価値を届けていこうとしている会社です。ベンチャー企業なので、まだまだ社内が整っていない部分はありますが、人・企業・社会の成長を全力で支援する会社だと言えます。
そういった価値観に惹かれて、難しいことも壁もある中で事業家として成長したいという方には、ぜひ入社してほしいです。
▲「お客様のために、チームのためにと考えられる方にジョインしていただきたい」と話す木村さん
木村さん
お客様のために、チームのために、自分で考えて作っていきたいと考えられる方にジョインしていただきたいなと思います。ギブリーには、そんな価値観が根底として存在しています。今のギブリーは新規事業を作り、拡大していくというフェーズにあるため大変な状況ですが、そんな状況を楽しめる方は大歓迎です。
編集部
お客様に価値を届けると同時に、社員にも成長の機会が与えられる。まさにGive&Giveの精神を実践されている会社だと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ギブリー:https://givery.co.jp/
採用ページ:https://givery.co.jp/recruit/