美容業界で革命を起こすHAIRCAMP。若手の活躍を加速させるカルチャーとは

美容業界で革命を起こすHAIRCAMP。若手の活躍を加速させるカルチャーとは

働き方や人材育成、理念を大切にした社風などでミライの可能性を広げ、成長を続ける企業のリアルに迫る本企画。今回は、美容師の10人に1人が利用する日本最大級の美容師向けオンライン学習サービスを展開するHAIRCAMP株式会社を取材させていただきました。

HAIRCAMP株式会社とは

HAIRCAMP株式会社の創業10年を迎えた年にMVVを全員で見直した時の集合写真

HAIRCAMP株式会社は「BOOST YOUR LIFE」というミッションを達成すべく、美容×ITの力で関わるすべての方の人生を加速させるためのオンライン学習プラットフォーム「HAIRCAMP」を開発・運営しています。

このサービスにより刺激と学びのきっかけを提供し、利用者だけでなくHAIRCAMPの社員一人一人が事業を通じて自己成長を感じられる環境のもと、美容業界最大規模の学習メディアをアップデートし続けています。

また、日本の高い美容技術を世界にシェアするため、中国・韓国などグローバル展開も積極的に進めています。

会社名 HAIRCAMP株式会社
住所 東京都港区西麻布3-24-20 KASUMICHO TERRACE4階
事業内容 ・美容師向けオンライン学習サービス『HAIRCAMP』の開発・運営
・動画配信/制作事業
・広告事業
設立 2013年6月6日
公式ページ https://corp.haircamp.jp
働き方 リモートワーク(週1〜4回出社)
フレックス

今回は、若手社員が活き活きと活躍するHAIRCAMPの創業者であり、美容業界の常識を変えた森本賢志さんに、美容業界と社員に対する思いを貫く会社の理念、人材の育成方針、成長を続ける事業の将来展望などについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
HAIRCAMP株式会社の代表取締役社長・森本賢志さん

HAIRCAMP株式会社 代表取締役社長

森本 賢志さん

業界の常識を変えた、美容業界特化型オンライン学習サービス

HAIRCAMPが提供する定額制eラーニングシステム『HAIRCAMP SCHOOL』

▲美容師や美容学校に通う学生が定額(サブスク)で利用できるeラーニングシステム「HAIRCAMP SCHOOL」

編集部

最初に、HAIRCAMPさんの事業内容についてご説明いただければと思います。

森本さん

私たちHAIRCAMPは、「美容師向けの教育コンテンツ」に特化して教材を制作し、オンラインで学習していただけるサービス「HAIRCAMP」を運営しています。美容業界の中でも、美容師やヘアメイク、アイビューティ、着付けなど、様々な分野の方にご利用いただいているサービスです。

1,500本を超える豊富なコンテンツの中からeラーニングで学べるシステムを採用しており、各自のスキルアップにつなげていただくのはもちろん、学習状況を可視化することでご自身のスキルを実感できるツールを合わせてご提供しています。

編集部

「教育を通じて人生を加速させる出会いを提供する」という理念があると伺いましたが、それに通じる事業といえそうですね。

森本さん

誰もが、ある瞬間をきっかけに人生が少し良い方向に転換したと感じた経験があると思います。HAIRCAMPの場合は、教育や学びを提供する会社なので、学習を通じて何らかのヒントを得て、日々の仕事に活かすことによって人生がさらに良い方向に加速するようなサービスを提供したいと考えています。

サービスのユーザーだけでなく、ご登壇いただく講師の皆さんやその社員やご家族、クライアント等、関わる全ての人が活躍できるようなきっかけを生み出したいと切に思っています。

クローズドな美容業界に革新をもたらす


HAIRCAMPの美容師向け学習コンテンツの動画撮影現場の様子

編集部

HAIRCAMPさんは、レガシーな業界(※)のイメージが強い美容業界にITを取り入れることによって急成長されていますが、その特徴を教えていただけますか。
(※)レガシー産業:一般的には、市場として成長・成熟しており、急激な伸びがなく平坦または少しずつ下降している業界を指す

森本さん

美容業界はレガシーというよりは、本当にクローズドな業界だったので、社内での教育が当たり前で自社の教育カリキュラムを他に公開することは考えられませんでした。

インターネットが普及して、ここ数年で生まれた文化ではありますが、クローズドで公開されていなかったコンテンツだからこそ、非常に価値があったのだと思います。講師ももちろん現役で活躍するカリスマ美容師の皆さんに務めていただいてますし、高い品質も確保しています。

また、公開された動画を見て終わるサービスではなく、利用者の成長にコミットしたサービスになっているところが評価をいただいている大きな要因だと考えています。

編集部

おっしゃるとおり美容業界は個人主義が強く、技術の伝達など教育面では遅れているようなイメージがありました。HAIRCAMPさんのサービスを利用することで、場所・時間を問わず学ぶことができ、成長していけるというわけですね。

社内向け教材の作成がきっかけ。本質的なコンテンツを外部提供

HAIRCAMP株式会社の森本賢志さんとメンバー

編集部

森本社長が美容業界に特化した教育コンテンツ事業「HAIRCAMP」をはじめられたきっかけについて教えてください。

森本さん

元々は、私自身がセットに特化したヘアメイクサロンを経営していました。あわせてヘアメイクのスタッフを出張形式で派遣する人材紹介の事業をしていましたが、サービスを提供する中で、スキルの質や接客レベル等に個人差があって、お客様からご指摘を受ける機会が多くあったんですね。

お客様にご満足いただける質の高いレベルのサービスをご提供するためには、社内で教育する必要があると痛感したことから、社内向けの教育コンテンツを作り出したのがきっかけでした。

その後、せっかく作った教材を自社だけで独り占めするのはもったいないとの思いから、美容業界に特化した教育コンテンツのサービスを始めたという流れです。

編集部

なるほど。サロン業界は個人経営が多いイメージがありますが、それまではどのように新しい技術を学んでいたのでしょうか。

森本さん

社内で教育制度が整っているサロンの場合は定期的に学ぶ機会があると思いますが、そうでない場合は美容商品のメーカーやディーラーが実施するセミナーが学びの場になっていたと思います。ただし、そういったセミナーは使用する製品のPRも含まれるため、弊社のような使用製品に対する縛りのない教育システムが誕生したところは、ユーザー視点で見た時に評価いただけた部分だと思います。

従来のセミナーでは、大手のサロンに所属していたり、テレビで取り上げられるような美容師が講師を務めるケースが一般的でしたが、弊社は異なります。ショートカットに特化した美容師や、カラーの中でもハイトーンのカラーを得意とする美容師など、何かに特化した技術をお持ちの方にセミナーや講師のオファーをさせていただいています。

これにより、名前がブランドが先行するのではなく、受講者の求める「本質的なコンテンツ」を提供できているとと自負しています。弊社と同じポリシーを持って動画教材を提供されているサービスは他にもありますが、美容業界に特化したコンテンツは弊社だけだと思います。

急成長を続けるHAIRCAMPの働き方

HAIRCAMPの社員構成比グラフ
▲HAIRCAMPさんでは20代〜30代の方が多く活躍されている

編集部

続いて、HAIRCAMPさんではどのように働かれているのかという基礎的な部分について伺いたいです。年齢構成なども含め、お教えいただけますか?

森本さん

年齢でいうと私が最年長の部類に入っていて、40代は2〜3人です。20代~30代のメンバーが中心で、一番若い社員は25歳です。平均年齢は30歳未満なので、世間一般の企業と比べるとかなり若い組織だと思いますね。

また、弊社は現在の社員数が17人なのですが、それに対してシステム開発、技術制作、運営企画、業務推進、サロンサポート、総務・経理と細かく部署が分かれていて、これにより一気通貫で事業を展開していけます。役割や働き方が多様なため、各部署が各々の裁量を持ちながら動いています。
HAIRCAMPの働き方に関するデータ

編集部

勤務時間などについてはいかがでしょうか?

森本さん

弊社ではフレックス制を導入しています。10時〜16時というコアタイムは設けていますが、出勤時間は働き方に合わせて各自の裁量で決めているので、比較的自由度は高いと思います。フレックスの利用者は100%で、いかにパフォーマンスを上げるかを重視しているので、ワークライフマネジメントがしやすい環境も働きやすさにつながっていると思います。

また、システム開発部などは基本的にはリモートワークで、出社は週に1回という働き方になっているので、Slackなどのコミュニケーションツールを使いながらリアルタイムにやり取りをしています。

「自己」「他者」「会社」からなる3つの評価軸

HAIRCAMPの評価制度

編集部

個人の裁量が大きいということは、結果に対するコミットも重要だと思います。HAIRCAMPさんの評価制度についても伺えますでしょうか。

森本さん

制度としては、「本人評価」「その社員の身近で働くメンバーの評価」「会社評価」の3つの軸で評価基準を作っており、年に1回、総合評価をしています。「売上=数字」的な結果は基本的には評価の基準にはなっておらず、むしろ働き方を重視しています。

20項目程度の評価軸のうち、最も比重が高いのが担当業務における実務的な部分が80点、行動規範が80点、理念が体現されているかどうかが40点です。計200点満点でA~Eの5段階になっており、評価によって等級が上がったり、下がったりします。

編集部

会社としての評価はもちろんですが、自己評価、そして身近で自分を見てくれているメンバーの評価も含まれるんですね。さらに数字ではなく働き方を重視されているということで、目の前の業務だけではなく広い視野で仕事を進めていける環境だと感じました。

4つの理念がHAIRCAMPのプロ意識を育てる

HAIRCAMP株式会社の森本賢志さんとメンバー

編集部

先ほど、理念の体現も評価項目になっていると伺いました。HAIRCAMPさんが大切にされている理念や考え方について、具体的にお教えいただけますか?

森本さん

わかりました。私たちが大事にしていること、メンバーにもよく話していることをまとめると、4つのことに集約されると思います。

1つ目は「とにかく行動しよう」ということです。まずは行動したあとに、その結果や状況を観察して判断し、さらに行動していくというサイクルです。私自身、挑戦と改善を繰り返しながら会社を運営してきましたので、その経験からきていますね。

2つ目は「学んで、成長する楽しさを見出せているか」ということです。弊社は学びを支援する会社なので、「自分自身が学んでいるのか」「一緒に働く仲間の成長が支援できているのか」という視点を大切にしています。

3つ目は、オンライン学習サービスやIT業界は非常に変化が激しいので、そのような状況で変化を楽しみながらアイデアを発信したり、ポジティブな思考を持てているかという点です。

4つ目は、たとえトップからの意見だとしても、それに対してしっかり自分の意思を持って話せるかどうかです。

編集部

4つ目の「自分の意思を持って話す」とは、どういうことでしょうか。

森本さん

私はトップダウンではない組織を目指しています。トップである社長の私が話したことに対して、考えもせずに「はい」と従うのではなく、しっかり自分で考えた上で判断し、意見できるのかが重要です。

先ほど部署が細かく分かれていることをお話ししましたが、メンバー全員がその分野のスペシャリストとしてしっかりとした意見を持っています。そのため、議論が白熱して激しい衝突になることも年に数回はあるんです。

ただ、そのような衝突は「自分で考えている」ということの表れでもありますし、互いに全面的な信頼を寄せているからできることだと思います。そのような過程を通して、さらに信頼感が高まっていますね。

グローバル志向を持つメンバーとともに、海外へ展開していく

日韓交流パーティーでの集合写真

▲韓国版のサービス「HAIRCAMP Korea」のリリースにあわせ、渋谷で日韓交流パーティーを開催

編集部

HAIRCAMPさんが社員に求めるマインドの一つとして「グローバル志向」があると拝見しました。その理由はなんでしょうか。

森本さん

オンラインの進化によって、日本では美容師の技術レベルが格段に上がったと言われています。また、地方と都心部の技術格差がなくなり、日本国内どこでも高度な施術を受けられるような環境に変化しました。

一流の技術や知識をシェアすることで技術格差を解消できることが証明されたわけですが、日本国内の限られた文化、価値観だけでアイディアを膨らますのではなく、広い視点で、色々な可能性を膨らませたいと思っているんです。だからこそ、メンバーにはグローバルに目を向けていてほしいんですね。

その一つがグローバル展開で、2020年6月に中国でオンライン学習サービスを運営する「三色灯」と業務提携を実施しました。2021年にはイギリスのサスーンアカデミーとのコラボレーションを実現しています。

2023年3月からは韓国での事業がスタートしましたが、日本で通用するものが文化の異なる韓国で通用するとは限りません。つねに常識を疑う気持ちで、世界で使ってもらえるプラットフォームをめざしたいと思っています。

多様なメンバーと一緒に加速していきたい人は、ぜひ応募を

HAIRCAMP株式会社の代表取締役社長・森本賢志さん

編集部

最後に、ご自身の経験を通して、「ミライのお仕事」の読者にメッセージをお願いします。

森本さん

HAIRCAMPは私1人から始まった会社で、最初のセットサロンから形や社名を変えながら成長してきました。

社員数が少ない頃は、マルチに業務を担うケースが非常に多かったので、今思い返せば向いていないことを社員に求めるケースが多々ありました。苦手なことを任せると、その社員にとっては大きなストレスとなり、結果的に退職につながるという悪循環を経験しています。

今は、多様なメンバーが増えてスペシャリストが自分に合った分野、仕事でパフォーマンスを発揮することを重視しており、それが実現できる環境になったことで、会社がすごく円滑に回るようになったんです。このことは、一つの成功体験だと思っています。

HAIRCAMPは少数精鋭のベンチャー企業ですが、関わる人の人生を加速させるような体験を提供したいという強い思いをもって存在しているので、社員のみんなはもちろん、ユーザーの皆さんがHAIRCAMPを通じて、人生が加速するような体験をたくさん積み重ねてほしいと思っています。

採用や育成にあたっては、自分の特徴をどう磨いていくのかを考えた方が成功しやすいと思っているので、「なりたい自分」よりも、「なれる自分」をすごく重視しています。例えば、弊社内でも元々エンジニアを目指していたメンバーがカメラマンに転身したケースがあります。

失敗の多くは「自分に合わない職場、仕事にはまること」が大きな原因になっていると思うので、様々な職種があるHAIRCAMPであれば、自身の強みを活かしながら、また新しい自分に出会うきっかけを見出していただけると思います。

編集部

海外進出に伴い、HAIRCAMPさんのチャレンジと成長はまだまだ続いていきそうだと感じました。そのような大きな変化に飛び込んで、スペシャリストとして活躍したい方は、HAIRCAMPさんに非常に向いているのではないでしょうか。本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社HAIRCAMP:https://corp.haircamp.jp
採用ページ:https://corp.haircamp.jp/recruit