女性が現場に、新卒社員が社長室に。株式会社サカイ引越センターのキャリアパスに迫る

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、サカイ引越センターにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

引越業界のリーディングカンパニーとして広く知られる株式会社サカイ引越センター。同社では女性ドライバーや女性営業職も多く、引越業界の従来のイメージを覆す女性活躍が特徴的です。また、近年はさまざまなグループ会社を立ち上げ、単なる引越業者の枠を超えた多角的な事業展開を行っています。

今回はサカイ引越センターの女性活躍やその背景を中心に、若手活躍や充実の教育制度、グループ会社を活かした多様なキャリアパスなどについて、人事部の齋藤さん、新卒1年目の堤谷さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社サカイ引越センターの齋藤さん

齋藤絢子さん

株式会社サカイ引越センターの人事部課長代理を務める。妊娠、出産を経て、同じポジションに復帰してキャリアを築くママ社員。

株式会社サカイ引越センターの堤谷さん

堤谷太陽さん

株式会社サカイ引越センターの社長室所属。新卒1年目で異例の社長室配属となり、大学連携や地方創生など、これまでの同社にはない新たな事業領域を担当。

サカイ引越センターの女性活躍:営業やドライバーでの女性活躍が増加!

株式会社サカイ引越センターの齋藤さん、堤谷さん
▲取材にご対応いただいた齋藤さん(右)と堤谷さん(左)

編集部

世間一般的に、引越業界には女性比率が低いイメージがあると思いますが、サカイ引越センターでの女性活躍の実情を教えていただけますか?

齋藤さん

当社ではここ数年で、女性の活躍の場が大きく広がっているのが特徴です。事務職だけでなく法人営業や一般営業で活躍する女性が増えており、ドライバーや引越作業といった現業職で活躍する女性も増加傾向にあります。

編集部

女性の活躍の場が広がっている要因は何なのでしょうか。

齋藤さん

女性視点で、制度や環境面での改善を進めてきたことが大きいです。例えば現業職にはこれまで男性指導者しかいなかったのですが、「女性現業講師」という役職を新たに設けました。これによって女性ドライバーの育成体制を強化しています。

さらに女性のプロジェクトチームを立ち上げ、環境改善も図っています。これまでは女性ドライバーもカーテンのないトラックの中で着替えをしなくてはならないなど、男性中心で発展してきた業界だからこそ見落とされてきた課題が多くありました。現場から意見を吸い上げながら、徐々に改革を進めています。

また女性の健康や安全面についての社内の意識改革も進めているのも特徴です。例えば生理に伴う体調不良への理解浸透を進めており、それによって「生理休暇が取りやすくなった」という声も聞かれています。営業職が一人で一般家庭を訪問する際のリスクを考慮し、2人での訪問やリモートでの見積もりシステムの導入など安全面の確保も図っています。

編集部

堤谷さんは新卒入社1年目ですが、その視点から御社の女性社員の活躍ぶりについて感じていることはありますか?

堤谷さん

私も入社前は男性の多い職場なのかと思っていたのですが、実際には職種問わずさまざまな女性が活躍しており、男女の差を大きく感じることはありません。

私自身のチューターも女性社員ですし、若くして活躍されている女性社員の姿を各部署で目にする機会があるため、女性の新入社員にとっても多様なロールモデルがあることは働く上での良い指針になっていると思います。

子育てをしながら、希望するキャリアを築ける環境がある

株式会社サカイ引越センターの齋藤さん

編集部

子育てをしながら働いている女性社員も多いのでしょうか。

齋藤さん

はい。かつては出産後に職種や働き方を変えざるを得ない時代もありましたが、最近では出産後も同じポジションに復帰し、キャリアを諦めずに働き続けられる環境が整いつつあります。

私自身も出産して職場復帰した際、元の仕事を続けたいという希望を理解していただき、周囲のサポートもあって仕事を続けることができています。男女問わず、子育て世代が活躍できる会社に変化しているなと感じますね。

現業職の女性社員についても同様です。出産後もプレイヤーとして現場で活躍したいという女性社員の希望に応え、子どもの突然の発熱対応など、子育てと仕事の両立に関する理解浸透を進めています。実際に、出産を経て女性ドライバーとして復帰する例は全国的に増えています。

サカイ引越センターの若手活躍:新卒1年目で新領域にチャレンジ

株式会社サカイ引越センターの堤谷さん

編集部

若手活躍のテーマについて伺います。堤谷さんは新卒1年目で社長室配属となった初めてのケースとのことですが、現在はどのようなお仕事を担当されているのでしょうか。

堤谷さん

私は現在、主に大学連携と自治体関係の仕事を担当しています。大学関係に関しては、大学との共同研究や、若手社員の視点で考えたインターンシッププログラムの企画・開催などがあります。

自治体関係では、地方創生プロジェクトを中心に取り組んでいます。日本全体の人口減少という課題を見据え、従来のように「引越ししたい」というお客様からの依頼を待つだけでなく、「人が移動したくなるような仕掛け」を自治体と連携して創出していく取り組みです。また企業版ふるさと納税を活用した地方創生の取り組みにも関わっており、大阪の箕面市や、ふるさと納税の寄付額トップクラスである宮崎県都城市など広域の自治体と関係構築を行っています。

編集部

引越業者の枠組みに収まらない、非常に多彩なお仕事に携わっているんですね。

堤谷さん

その通りです。地方創生への取り組みは会社としても新たな挑戦で、そこに1年目から関わらせてもらえることはとてもありがたいなと感じています。

編集部

これまでで特に印象に残っているお仕事を教えていただけますか?

堤谷さん

大阪市立大学との共同研究で、「グレーターミナミ」(※)と呼ばれる地域の活性化プロジェクトに参加したことが印象に残っています。市長や副市長といった方々へのインタビューや大阪商工会議所の会長へのプレゼンテーションを行うという非常に貴重な経験となりました。
※グレーターミナミ…難波、新今宮、阿倍野・天王寺・上本町を結ぶエリアを起点に、大阪府南部の泉州と南河内を含む地域

社内での取り組みに関しては、新卒社員の意見交換会を任せてもらったことが印象的です。今後サカイ引越センターをどのような会社にしていきたいのか、新卒で意見交換を行って会社に提案するという一連の流れの取りまとめを担当しました。新卒のグループで意見交換をするという前例がないことにチャレンジし、さらに社長から直接フィードバックをもらえ、とても学びになりました。

若手を支える手厚い研修制度「まごころ学校」が成長を加速させる

編集部

引越業界に未経験で入社される若手社員にとって、どのようなサポートがあるかも気になるところだと思います。研修制度についてもご説明いただけますか?

齋藤さん

「まごころ学校」という研修制度があります。これは新卒3年目まで継続して行う、かなり手厚い内容の研修です。

また、中途入社の方も対象の「まごころ中途学校」もあります。即戦力として入社していただく中途入社の方に対しても、各エリアの担当講師がついて営業デビューまでしっかりとサポートをしています。

新卒3年目以降は「まごころ学校」に加え、管理職になるための研修や、上級の経営者向けの研修も用意し、さらにはeラーニングも導入するなど、キャリアステージに合わせた階層別の研修制度を整えています。

編集部

「まごころ学校」の具体的な内容を教えてください。

堤谷さん

研修は、営業職向けの「まごころ営業学校」と現業職向けの「まごころ現業学校」に分かれています。

営業向けの方は、最初は挨拶の仕方や名刺の渡し方といったビジネスマナーの基本からスタートします。その先は実践的な内容に移り、お客様のご自宅に上がるという特殊な営業スタイルを踏まえたご訪問時の作法、玄関からご自宅の中に入って実際に提案を始めるまでの流れなど細かい部分までの指導を受けます。

4月から始まって、7月には筆記試験と実技試験を合わせた「見極め試験」があります。採点は厳しいですが、不合格だからといって評価が下がるわけではなく、むしろ次の研修でより手厚い少人数指導を受けられるチャンスになります。

現業向けは、高品質な引越サービスの提供のために、技術面の指導に特化した内容となるのが特徴です。「研修ハウス」と呼ばれる専用施設を使って本番さながらの環境の中で、ダンボールの組み立てからご家財の種類に合わせた梱包方法、トラックを誘導する際の安全な立ち位置や死角の確認方法など細かい技術指導を受けます。

作業の効率性だけでなく安全性にも配慮し、初期教育の段階から安全教育に力を入れているのも特徴です。

引越業以外の道も。グループ展開を活かした多様なキャリアパスが叶う

編集部

サカイ引越センターに入社した後のステップアップや、キャリアパスについて教えてください。

齋藤さん

「引越会社」という枠を超えた多様なキャリアパスが用意されている点が最大の特徴です。

当社ではグループ展開を行っており、引越業だけでなく、電気工事やリユース事業、クリーンサービス、コールセンター、さらには海外事業など、多角的な事業展開を行っています。実際に、グループ会社に出向するなど、グループ間でのジョブチェンジをする社員もここ数年で少しずつ増えてきています。

もちろん当社でのキャリアアップも可能です。堤谷も新卒で社長室に配属という特殊な例ではありますが、まごころ営業学校に参加しており、営業の見極め試験はクリアした上で現在の業務についています。

営業職も現業職も、まずは研修と実践で基礎を身につけるのが基本です。その先は、店長や講師、エリア責任者など管理職としてステップアップする道もあれば、プレイヤーとしてプロフェッショナルを目指す道もあり、職種変更の希望があれば現業から営業のコンバートも可能と、本人のスキルや意欲に応じて多様なキャリアパスを選択できます。

編集部

社員一人ひとりのキャリアの方向性はどのように決めていかれるのでしょうか。

齋藤さん

個別面談に加え、一人ひとりにキャリアに関するアンケートを実施しています。また直属の上長ではない者との面談機会を設けるなど、本人が希望するキャリアを気兼ねなく発信できる環境づくりに配慮しています。

編集部

引越業は体力面から長期的なキャリア形成に不安を持たれる方もいるかもしれませんが、その点はいかがでしょうか。

齋藤さん

それもグループ間でのジョブチェンジ制度を利用し、年齢に応じた職種変更が可能です。現業職からバックオフィスや営業職などへの転換も可能ですが、一般物流のグループ会社もあるため、引越の現場で培った運転スキルなど、それまでの経験を活かしたジョブチェンジができるのもポイントです。

今から20年程前はそういった選択肢がなかったために「定年まで働ける会社なのか」という不安を抱かれることもありましたが、グループ会社ができたことによってそういった不安は軽減されてきています。

また当社は健康経営を目指し、専門家監修によるストレッチの導入やメンタルヘルス対策など、従業員が心身ともに健康を維持・増進できる施策を推進しています。そういった点からも、健康的に長く働き続けられる環境は整っていると思います。

サカイ引越センターのカルチャー:目標に向かって一丸となって進む風土

編集部

サカイ引越センターといえばユニークなテレビCMも有名ですが、会社にはどのような雰囲気がありますか?

齋藤さん

従業員が6,000人を超える大規模な会社でありながら、動き出すスピードが速い、大企業とベンチャーの両方の良さを兼ね備えた雰囲気です。一言で言うと「騒がしい会社」(笑)。毎日がお祭りのような感覚です。何かやると決めたら全員が一丸となってものすごい勢いで走り出して、目標に向かっていく組織風土があります。

その分、メリハリがはっきりしている人が多いですね。仕事をするときは本気で取り組み、オフのときは上下関係を忘れてしまうくらいリラックスした雰囲気になることも少なくありません。

面倒見が良い人が多いのも特徴で、それぞれの世代に「お兄ちゃん・お姉ちゃん」的な存在、「お父さん・お母さん」のような人がいるような、本当にアットホームで温かい環境です。人に恵まれているからこそ、私自身も18年間働き続けることができたのだと思います。

堤谷さん

サカイ引越センターならではのベンチャー気質は、若手のチャレンジ機会の多さにも表れていると思います。社長と社員の距離が近く、若手であっても上の方に提言して、それをしっかりと聞いてもらえる環境があります。

私自身も大学連携や自治体関係の業務で、さまざまな手続きやコストがかかる新しい取り組みでも、直接上層部に目的を伝えてチャレンジさせてもらうことができました。サカイ引越センターが50年以上発展してきたのは、こうした組織風土があったからこそなんだと実感しています。

慰労会や部活動など、交流機会も豊富

編集部

社内での交流機会や社内イベントについても教えていただけますか?

齋藤さん

年に2回実施する「慰労会」という行事があります。予算だけが決められており、イベントの内容は各支社や部署の裁量に任されています。私の部署では東京湾の屋形船を楽しんだこともあり、それぞれが工夫を凝らしています。

堤谷さん

私も初めて慰労会に参加し、普段は業務で関わることのない上席の方々とのお食事を楽しみました。そういう場があったことでその後の業務でも話しかけやすくなったり頼りやすくなったりし、仕事の上でも非常に助かりました。

また社内には部活動があり、共通の趣味で社内の人とつながれる環境があるのが魅力です。私自身もカラオケ部とゴルフ部に所属しています。「騒がしい会社」というと普段から強制的な飲み会参加があるのかと思われる方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ自分が好きなことに一緒に取り組む人同士のつながりを大切にできる環境があります。

サカイ引越センターから転職者への採用メッセージ

株式会社サカイ引越センターの社員集合写真

編集部

最後に、転職を検討する読者の方へのメッセージをお願いします。

齋藤さん

あまり知られていないことですが、実はサカイ引越センターは夫婦で立ち上げた会社で、創業当時は女性が社長を勤めていました。だからこそ女性視点を活かした引越サービスが充実しているのが特徴です。今後は女性が働きやすい環境改善をさらに進め、男女ともに性別に関係なく活躍できる会社としていくのが目標です。

キャリアとプライベートを両立させたい方は、ぜひ当社に来ていただきたいと思っています。家庭との両立、特に子育てをしながらキャリアを諦めなければならないと感じている方も多いと思いますが、サカイ引越センターではそのどちらも大切にできる環境があります。キャリアを築きながらも、家庭や子育ても大切にできる職場を一緒につくっていきましょう。

堤谷さん

「サカイ引越センター」という名前ながら、引越しだけでない多様な事業展開をしているという点を強調したいです。さまざまなことに挑戦できる社風があるので、挑戦意欲のある方と一緒に働けると嬉しいです。

編集部

齋藤さん、堤谷さん、本日はありがとうございました!

編集後記

引越業界のリーディングカンパニーであり、今も昔も印象的なCMが頭に残るサカイ引越センター。グループ会社含めてさまざまなキャリアを描けることや、地域創生など幅広い取り組みをされていることが印象的でした。2024年度に入社した堤谷さんのお話からも、「お祭り」のようにエネルギッシュに働けるその充実ぶりが伺えました!

株式会社サカイ引越センターの働き方のまとめ

事業内容
  • 引越業者として高い知名度を誇り、さらにはグループ展開による多角的な事業を展開
  • 大学連携や地方創生プロジェクトにも注力
キャリアパス
  • グループ会社間での異動機会が充実
  • キャリア面談やアンケートできめ細かくキャリア希望をヒアリング
  • 一つの職種でも深く成長できる道筋あり
若手活躍
  • 新卒でも社長室配属など裁量ある業務担当
  • 若手からの提案が積極的に採用される
女性活躍
  • 女性ドライバーや営業職が増加傾向
  • 出産後も現場復帰のサポート体制あり
  • 創業当時に女性が社長を務めた歴史から女性目線のサービス
社風
  • 目標に向かって一丸となってスピーディーに動く「お祭り」のような組織風土
  • 面倒見の良い社員が多い、アットホームな雰囲気
教育制度
  • 「まごころ学校」で3年間の継続研修
  • キャリアステージに合わせた研修体系
  • 研修ハウスでの実践的な技術指導
求める人材
  • キャリアとプライベートを両立したい人
  • さまざまなことに挑戦したい人

株式会社サカイ引越センターの基本情報

企業名 株式会社サカイ引越センター
住所 大阪府堺市堺区石津北町56番地
事業内容 ・引越運送
・引越付帯サービス業務
設立 1971年11月
公式ページ https://www.hikkoshi-sakai.co.jp/
採用ページ https://recruit.hikkoshi-sakai.co.jp/
募集職種 ・ドライバー
・営業職
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。