注目企業の躍進の理由や新しい働き方などについて、企業インタビューをしていくこの企画。今回は、クライアントのDX実現のため、情報システムの企画から運用に至るコンサルティングや技術支援を提供する「日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社(IJDS)」にインタビューしました。
日本企業のDXを推進する「日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社」
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社は、あらゆる業界の企業に対して、システムの企画・提案から、コンサルティング、設計、開発、運用、保守まで一貫した技術支援を提供する企業です。
日本企業のDXを推進するため、製造業や金融業など異なる業界に強みを持った3社(日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社、日本アイビーエム・ソリューション・サービス株式会社、日本アイ・ビー・エム・ビズインテック株式会社)が合併(※)し、2020年に誕生しました。
(※)2022年7月には新たに日本アイ・ビー・エム共同ソリューション・サービス株式会社、日本アイビーエム中国ソリューション株式会社と合併
同社は、先進デジタルテクノロジーと業界知識に精通したITプロフェッショナル集団を擁し、日本IBMグループの中でも大規模な部類に入ります。
2022年には、地域のDX人財の創出や地域経済の発展などへの貢献を目指し、「IBM地域DXセンター」を立ち上げました。札幌、仙台、広島、高松、長野、北九州、那覇の全国7拠点に展開しています。
会社名 | 日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 (英語名 IBM Japan Digital Services Company:IJDS) |
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住所 | 〒105-5531 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー |
事業内容 | 情報システムの企画・設計・開発・保守・運用にかかわるコンサルティング、技術支援、受託サービスおよびIBM製品を補完する他社製ソフトウェア製品の提供 |
設立 | 2020年7月1日 |
公式ページ | https://www.ibm.com/jp-ja/about/subsidiaries/ijds |
働き方 | 参画するプロジェクトにより、リモートワークも利用可能 |
今回は、金融システムの構築・運用等を行う「金融事業部」に所属する佐竹さんと、製造業を中心にソリューションを提供する「産業事業部」に所属する戸塚さんに、若手が活躍する同社の環境やエンジニアの働きがいなどについてお話を伺いました。
若手にチャンスを与える組織。文系出身でも3年目でチームリーダーに
編集部
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社(以下、IJDS)さんでは、若手が早い段階からご活躍されているとお伺いしました。その一員である佐竹さんから、ご経歴などをお伺いできればと思います。
佐竹さん
私は2017年に新卒で入社し、金融事業部に配属されました。大学では商学部で経営について学んでいたので、エンジニアとして必要な知識やスキルは入社後に身につけていきました。
入社から約4年間は、大手銀行のお客様のWebアプリケーション開発や構築などのプロジェクトなどを担当していました。その後はクレジットカード等の精算システムの開発に携わっています。
編集部
その中でも特に印象に残っている案件はありますか?
佐竹さん
入社から3年目のときに、大手銀行のお客様のWebアプリケーションの開発プロジェクトで初めてチームリーダーを担当したことですね。入社当時から周囲に「プロジェクトリーダーをやってみたい」と伝えていたこともあって、お話をいただきました。
編集部
3年目でチームリーダーを任されるのは比較的早い印象なのですが、いかがでしょうか?
佐竹さん
もっと早いメンバーもいるので、個人的には「やっと任せてもらえる」という思いがありましたね。大変なときもありましたが、若手のうちから責任あるリーダーを任せていただけたのは、非常に貴重な経験でしたし、自分の成長につながる大きな機会になったと感じています。
ただ、当時はまだまだ技術面もマネジメント能力も足りない状態だと自分自身で認識していました。そんな私に対して、上長は常に面談などでフォローしてくれていましたし、札幌など離れた開発拠点にいるメンバーにもオンラインで技術的に分からない部分を適宜レクチャーしてもらいました。
また、金融に関する業務知識ももちろん必要でしたが、各種資格の勉強を自分で進めながらも、社内に長く金融系システムの開発に携わっている有識者が複数在籍しているので、一緒に作業を進めていく中で教わった部分も大きいです。
無事にプロジェクトを完了させることができたのは、このような周囲のフォローがあってこそだと思います。
編集部
佐竹さんは、エンジニアとしてどのようなキャリアプランを描いているのでしょうか?
佐竹さん
IJDSでは、テクニカルスペシャリストやITアーキテクト、プロジェクトマネージャー、アプリケーションデベロッパーなど、キャリアの選択肢が多彩です。上長とのキャリア面談も定期的に設けられているので、随時相談しながらキャリアパスが描けるようになっています。
私はITスキルと管理能力、それぞれのバランスがとれた人材を目標としています。まずは技術面により磨きをかけたいという思いがあったので、現在のプロフェッションとしてはテクニカルスペシャリストです。ここからはさらにマネジメント能力を向上させ、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを目指したいと考えています。
自らの希望で「開発」から「保守・運用」に異動し、視野が広がった
編集部
IJDSに入社後の経歴について、戸塚さんからもお聞かせいただけますか?
戸塚さん
私は2018年に新入社員として入社し、初年度から今に至るまで産業事業部に所属しています。最初は大阪に配属されて、国内の大手メーカーが使っている経理システムの改善プロジェクトで開発担当として働いていました。
その後東京に異動となり、同じお客様ではありますが別のプロジェクトにアサインされ、消費者向けシステムの保守・運用の業務に変わりました。「もっとお客様と伴走して仕事がしたい」という私の希望に沿った配置転換です。
編集部
参加するプロジェクトが変わったことで大変だったことはありますか?
戸塚さん
異動する前は、開発担当として運用担当に申し送りすることはあってもどんな業務をしているのか詳細は分かりませんでした。
担当業務が変わってから「こんなに大変なんだ」と気付くことも多く、運用のことを考えた設定にする必要があるのだと、開発目線での新しい発見もありました。
編集部
その他にも、異動による変化はありましたか?
戸塚さん
ITの勉強だけではなく、お客様のことやお客様の業界についても勉強する必要があるのだと改めて気づきました。お客様に説明するにあたって、業界知識や専門用語にあまり詳しくない状態では、こちらの意図を正確に伝えられずコミュニケーションロスが発生してしまうためです。
たとえば家電メーカーのお客様のプロジェクトを進めているのであれば、その製作工程や基礎知識について習得しておいたほうがスムーズに対応することができるんです。
今は、コミュニケーションを円滑にするため、さまざまな機会を活用して情報をキャッチアップするようにしています。
IJDSはスキルアップ・情報共有の場が豊富。研修参加・資格取得には補助も!
編集部
IJDSではお客様の業界知識も必要になるようですが、それに対する会社のサポートはあるのでしょうか?
戸塚さん
お客様の業界知識については、「ナレッジシェア」という部署を越えた情報共有の場が定期的に設けられています。ここでは、課題をどのように打開していったかなど、参加したプロジェクトの中で得た知識や技術を共有しています。多くの現場の「生の声」を聞くことができるので、業界知識も自然に身についていきます。
またナレッジシェアでは、普段の業務で接する機会の少ない人との情報交換の場としても有効で、体験談を聞いたり直接会話したりするきっかけにもなっています。こうした交流の場では、自分だけではなく他のメンバーも同じような失敗を経験しているので、どう乗り越えていったのかを聞くことで「自分も頑張ろう」と前向きになることができます。
佐竹さん
他にも、コミュニティ活動の存在は大きいと思います。この活動は定期的に行われる勉強会のようなもので、テーマは特定のプログラミング言語や最新技術に関する技術的なものから、女性活躍推進といったダイバーシティーに関するものなど、多岐に渡ります。プロジェクトや業務以外の繋がりを作ることができたり、新しい知見を得て視野を広げたりすることができます。
私も都合のつく時は積極的に参加し、自分自身の今後のキャリアについて困っていることや迷っていることを共有して、先輩社員にアドバイスをもらっています。
編集部
いろいろな社員と知見を共有する場が設けられているんですね。その他の学習の機会はありますか?
佐竹さん
IJDSには充実した研修制度が整備されているので、いろいろと活用しています。例えば、IBMグループ独自のオンライン学習プラットフォーム「Your Learning」では、自社のコンテンツに加え、「Udemy」を含む様々な学習コンテンツを無料で利用できます。
また、プロジェクトマネジメント系については、オンサイト研修を受けたり、金融系についても、定期的に開催されているフォーラムになるべく参加して最新技術や動向をキャッチするようにしています。
研修の参加費用や資格取得に関しては補助制度が整備されているので、補助を利用してスキルアップに励んでいる人が多いです。
プロジェクトに合わせた働き方だがワークライフバランスは良好
編集部
エンジニアの皆さんの働き方や開発環境をお聞かせいただけますか?
佐竹さん
弊社では、先端技術を活用した様々な開発手法を採用しており、社会インフラを支える大規模システムを担当することが多くあります。開発環境はお客様やプロジェクトによって異なりますが、セキュリティ面を考慮してお客様のもとに常駐して開発することが多いです。
業務内容によってはリモートで週1〜2日ほど働くこともできます。
編集部
基本的には常駐して、持ち帰り可能な業務があるときはリモートワークも併用されているということですね。出社とリモートワークの比率はどれくらいですか?
戸塚さん
基本的にお客様に合わせて働いていますが、私は出社と在宅勤務の半々ですね。お客様にもよりますが、私が参加しているプロジェクトだと、在宅勤務と出社のバランスはうまく取れている印象です。
コロナ禍のときは出社できない状態だったので、完全在宅で働いていました。それから完全出社、完全在宅、出社と在宅勤務半々と3パターンの働き方を試してみて、私は半々がちょうどよかったのでそうしています。
運用業務ではデータのメンテナンスがあるので、夜間に電話がかかってくることもあります。ですが、コロナ禍以降はお客様のほうでも在宅勤務を推奨する動きがあって、それに合わせて夜間の電話も「次の日に対応してください」と応答するような形で働き方が変わっています。
他のプロジェクトに参加している同期の中には全く出社していない人もいます。フルリモートで働いているメンバーは、お客様とはオンラインコミュニケーションツール等を活用して仕事をしているようです。
佐竹さん
私の場合も、お客様の都合やプロジェクトの進捗に合わせて、働く場所や勤務時間などを設定することがほとんどです。また、基本的にはサービスイン(※)が近づいてくると働き方が変わり、お客様のもとに出社して働くことが多くなります。
(※)サービスの本番移行、正式開始を指す。
ただ、概ね自分の都合にあわせて働くことができているので、ワークライフバランスは良いと思います。周囲のメンバーも基本的には同じような働き方をしています。
対面型のコミュニケーションを重視。社内・グループ内イベントも開催
編集部
事業部が全国各地にあって、リモートワークをされている方も多いそうですが、社員さん同士のコミュニケーションはどうされているのでしょうか?
戸塚さん
テキストコミュニケーションの場合、意図せず強い言い方に聞こえてしまうなど、自分が伝えたいニュアンスが伝わりづらい場合があります。顔を合わせたことがあるかないかで伝わり方は異なると考えているので、最初はなるべく対面で会うようにしています。
佐竹さん
基本的には手軽にやり取りできるビジネス用チャットツールなどを使っていますが、私も口頭でのコミュニケーションを重要視しており、丁寧に伝えたいときにはオンラインミーティングなどで会話しています。同じオフィスに出社している人と話す場合は、会議室をとるなどして直接話すようにしていますね。
また、拠点が離れている方とプロジェクトを共にする場合も、1回は直接顔合わせを行っています。なので、定期的に出張して対面でやり取りできるよう、プロジェクト予算の中にもその費用が設けられています。
編集部
基本はリモートでコミュニケーションをとっていて、重要なお話をするときは対面ということですね。社員さん同士が交流する機会として、社内イベントなどはありますか?
佐竹さん
社員が対面で集まる大規模イベントはコロナ禍以前は不定期で開催されていました。最近ですと、IBMグループでのイベントが全国7都市13会場で開催されました。そのイベントは社員に対する感謝を伝え、チームとしての一体感を醸成するといった目的のもので、普段業務で関わっている社員はもちろん、その他の社員とも部門や役職を越えて交流を深めることができました。
戸塚さん
私もそのイベントに行きました。期待を上回るようなかなり大きな規模のイベントで、とても驚きました。
グループ全体に根付く、スキルアップを怠らず知見を分け合うカルチャー
編集部
御社は複数の企業が合併して誕生したこともあり、IBMグループの中でも多数のITプロフェッショナルが集まっていると思います。そんなIJDSさんのカルチャーについて教えてください。
戸塚さん
どんな人がいるのかすべて把握しているわけではありませんが、自分が作ったものや自分の経験を発信することにとても積極的な雰囲気があると感じています。
これはナレッジシェアのタイミングなどでお話しした時に特に感じますし、その積極性は培ってきた技術や経験に自信があるからこそ出てくるのだと思います。
佐竹さん
研修環境が充実している会社だからか、業務がどんなに忙しくても自己研鑽やスキルアップにも手を抜かない人が多い印象です。そして、みんな自己研鑽した結果を、ナレッジシェアの機会などで周りの人に共有しています。
例えば、社内業務などでみんなが課題に感じていたところを、時間のあるときにツール化してプロジェクト内で展開し利便性・効率性の向上に寄与してくれた方がいました。また、ソースコードについてのレクチャーや勉強会を自主的に開いてくれる方もいて、こうした方々がいるから会社全体の技術力を高めることができているのだと感じています。
編集部
それはIJDSさん独自のものなのでしょうか?
佐竹さん
ナレッジを共有する文化は、IBMグループ全体に根付いています。自分の学びやナレッジを積極的に共有する文化があって、その仕組みが整っているのは、私たちIBMグループの良いところだと思います。
戸塚さん
私たちIBMグループには、技術力が高くリーダーとしてメンバーを導くのが上手な人だけでなく、納期調整が上手な人、クオリティの高い説明資料を作る人、お客様への説明が上手い人など、いろいろなプロフェッショナルがいると感じています。
メンバー同士はお互いにリスペクトしていて、「あの人に聞けば大丈夫」と信頼し合っています。プロフェッショナルな先輩・上司は尊敬の対象ですし、「自分もこうなれるんだ」という良いロールモデルにもなっています。
国籍やライフステージなどが幅広く、多様な人材が活躍する風土
編集部
お二方は、IJDSさんはどんな会社だと思いますか?
戸塚さん
同期の中には外国籍の社員もおり、様々な人にとって働きやすい会社という印象を受けています。
私のチームはコーディングなどを海外のIBMの拠点のメンバーと一緒に作業しているので、オンラインで開発のミーティングをしたり、メールで修正の依頼をしたりしています。
佐竹さん
国籍の多様性もありますが、働き方やキャリアの多様性もある会社だと感じています。弊社は多様な人材が活躍できる風土の醸成を目指しており、働き方改革を推進しています。
その一環として、男性育休の取得推進を図っており、育児休職のほかに、年間最大20日の育児特別休暇が取得可能です。実際、私も数年前に子供が生まれたので、事前に所属長と調整したうえで育児休職を6カ月間取得しました。
取得したい意志を伝えたときは上司がすぐに理解を示してくれて、進行中のプロジェクトとの調整のために積極的に動いてくれたのが印象的でした。非常にありがたかったですし、社員の多様な働き方を実現しようとしてくれる会社なのだと感じました。
やりたいこと、目指すキャリアが明確な人を歓迎するIJDS
▲ステキな笑顔で写るお二人の後ろのグループロゴは、「eye(目)」「bee(蜂)」「M」の文字とかけたもの
編集部
それでは最後に、求める人物像やIJDSさんにフィットする人物像を含めて、この記事の読者に向けてメッセージをお願いいたします。
佐竹さん
IJDSは社員の「こうなりたい」という思いをとても尊重してくれる会社です。進みたいキャリアや伸ばしたいスキルが自分の中で明確になっている人ほど、この会社にマッチするのではないかと思っています。
研修が充実しているので、自分のやりたいことが明確だとそれに関する学びをどんどん得られます。プロジェクト・マネージャーを目指している人やアーキテクトを目指している人が集まる社内のコミュニティ活動も活発で、多様なキャリアパスを実現するためのフォロー体制も整っています。
戸塚さん
これまでの自分を振り返ると、疑問に思ったことは積極的に聞いて、それに対して周りの方がきちんと答えてくれたことで、成長できたと思います。
エンジニアとして働いていくと、「こんな新しい技術を入れてみたらどうか」「こうしたらもっと品質が良くなるのでは」といった自分なりの改善案を考えるようになりますが、マネージャーレベルの立場でないとその提案もやりづらいことが多いと思います。
でもIJDSでは、自分の立場に関係なくフラットに「こういう技術があるのですがどうですか」と提案することができます。もちろん、知識やスキルが伴ってこそですが、「もっといいものを作りたい」という思いを持っているエンジニアの方にとってとても良い環境ではないでしょうか。
編集部
御社は、トップダウンでキャリアを決められるのではなく、面談等を通して意見を発信して選択できる環境なんですね。また、学習環境が整っていたり、社員さん同士の信頼関係が築けていたりと、早い段階からどんどん成長ができる要因が揃っていると感じました。
エンジニアとして着実にスキルアップ、キャリアアップしていきたい方にはぴったりの企業なのではないでしょうか。本日はありがとうございました。
■取材協力
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社:https://www.ibm.com/jp-ja/about/subsidiaries/ijds
採用ページ:https://www.ibm.com/jp-ja/about/subsidiaries/ijds/recruit