プロフェッショナル集団だからこそ実現できるインキュデータ株式会社の自由な働き方とは

独自のビジネスを展開し、成長と社員の働きやすさを両立させている企業にインタビューする本企画。今回は、データ活用を起点に企業のDX推進を支援しているインキュデータ株式会社にお話を伺いました。

DXコンサルティングサービスを展開するインキュデータ株式会社

インキュデータ株式会社のホームページトップ画像
▲毎年数十パーセントのペースで成長している(公式ページより)

インキュデータ株式会社が手掛けているのが、データプラットフォームを活用した企業のDXコンサルティングサービスです。

株主はソフトバンク、博報堂、トレジャーデータの三社で、それぞれの企業が積み上げてきたノウハウを組み合わせながら、クライアントに最適なソリューションを提供しています。

会社名 インキュデータ株式会社
住所 東京都港区海岸一丁目7番1号
事業内容 データビジネスソリューションの開発・提供
設立 2019年10月1日
公式ページ https://www.incudata.co.jp/

インキュデータ株式会社は設立からわずか四年ほどですが、毎年数十パーセントのペースで成長を続けています。急激に成長する一方で、地方でも働くことができる遠隔地居住制度を導入し、社員のワークライフバランスも実現しています。

同社の成長要因や働く環境について、代表取締役社長 兼 CEOの町田紘一さん、マーケティングソリューション部コンサルタントの芦沢桃子さん、人事部の田中理子さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
インキュデータ株式会社の町田さん

インキュデータ株式会社
代表取締役社長 兼 CEO

町田 紘一さん

インキュデータ株式会社の芦沢さん

インキュデータ株式会社
マーケティングソリューション部
コンサルタント

芦沢 桃子さん

インキュデータ株式会社の田中さん

インキュデータ株式会社
人事部

田中 理子さん

CDPを活用して顧客のビジネスを変革していく

インキュデータ株式会社のサービスイメージ画像
▲CDPを活用したDXコンサルティングサービスを展開している

編集部

初めに、インキュデータ社の事業内容についてお聞かせください。

町田さん

インキュデータの事業をひとことで言うと、DXのコンサルティングサービスになります。弊社のサービスの軸となるのがCDP(※)と呼ばれるデータプラットフォームです。

CDPは企業のマーケティング施策で活用されるケースが多いですが、CDPをどのように企業戦略に活かしていくのかを総合的に支援させていただく事業を展開しています。
(※)Customer Data Platformの略語で、日本語では「顧客データ基盤」と呼ばれる。顧客データの収集や処理などを一括で行えるほか、社内のさまざまなシステムやツールと連携し、管理できるプラットフォームを指す。

編集部

どんなプロジェクトを展開しているのか事例をご紹介いただけますか。

芦沢さん

私は現在消費財メーカーのプロジェクトに関わっており、CDP導入後の伴走支援を手掛けているチームに所属しております。実施しているのは、CDPに蓄積されたデータを活用したマーケティング施策の支援です。

例えば、売上貢献度が高いロイヤルカスタマーの顧客像について、データを使ってより鮮明に描いていったり、ロイヤルカスタマーに向けてどのようなプロモーションをしていけば良いのかを考えたりしています。

CDPに蓄積されているロイヤルカスタマーの行動ログなどから、購買行動や商品購入のためのキーファクターを抽出しているのです。

編集部

データを活用して企業のマーケティング施策が磨かれることで、サービスの受け手である顧客にもメリットが生まれるのでしょうか?

芦沢さん

企業のマーケティング施策が最適化することで、顧客体験も向上します。CDPを活用して顧客をより理解し、顧客が喜ぶような新サービスを提供することで、より深い顧客のデータを取得できるようになります。

さらに、新しく取得したデータを活用して、より顧客のニーズにフィットしたサービスを展開するという形で、私たちの事業は顧客体験に還元することもできるのです。

町田さん

サービスでなくても、例えばメールやLINEなどの情報発信にもCDPのデータは活用できます。顧客のデータを分析することで顧客に対してより適切な情報を発信できるようになります。

そのような状態になるためにはPDCAを何度も回していかなければなりませんが、最終的にはそのような形を目指すというのがインキュデータの事業になります。

編集部

企業、顧客双方でWIN-WINになれるようなサービスを展開されているのですね。

クライアントのその先の顧客体験をも変革していく

インキュデータ株式会社のオフラインキックオフの様子

編集部

同様のコンサルティングサービスを展開している他社と比較して、インキュデータ社の特長として挙げられることは何でしょうか?

町田さん

インキュデータの株主はソフトバンク、博報堂、トレジャーデータです。スタートアップでありながら、大企業の要素も掛け合わせている会社というのが弊社の一つの特長になります。

また、データを活用したコンサルティング会社は数多くあると思いますが、私たちはデータとビジネスの両方を理解しながらコンサルティングサービスを展開できるというのも大きな特長です。

データ分析などデータの領域で強みを持っている会社、ビジネス領域で強みを持っているコンサルティング会社などはありますが、インキュデータはCDPというデータプラットフォームを持ちつつ、データとビジネスの両方の領域でお客さまの支援ができます。

編集部

データ分析だけ、ビジネスコンサルティングだけというわけではなく、総合的に企業を支援できるということですね。

町田さん

DXとひとことで言っても、非常に幅広い分野です。業務の効率化を目的としたDXもあるでしょうし、ビジネスモデルを変えていくためのDXもあります。

インキュデータとしては「いかにお客さまにデータを利活用してもらって自社のビジネスを変革していただくか」という部分にフォーカスしています。

お客さまのビジネスを変革した結果、お客さまのサービスを利用するユーザの顧客体験をも変革していくというところに重きを置いているところが、ほかの企業との差別化につながっているのではないのでしょうか。

創業以来毎年数十パーセントのペースで成長を続ける

ミーティングするインキュデータ株式会社の町田さん、芦沢さん、田中さん

編集部

インキュデータ社の成長率についてお教えください。

町田さん

インキュデータは2019年の創業以来、毎年数十パーセントのペースで成長しており、創業間もないスタートアップということで考えると、早いペースで成長できていると思います。

成長と並行して社員数も増えました。創業時は二、三十名でのスタートでしたが、現在は百五十名を超えています。

編集部

成長とともに事業領域も広がっていったのでしょうか?

町田さん

事業領域については、現在拡大している最中です。創業期はCDPそのものを販売するというのが主力の事業でしたが、現在ではCDP導入後のデータ分析やデータ利活用を支援する事業へと少しずつシフトしていっているという状況になります。

編集部

事業が次のフェーズに移行している最中だということですね。

手掛ける案件の大きさ、幅広さに魅力を感じ質の高い人材が集まる

編集部

インキュデータ社が成長し続けている要因は何でしょうか?

町田さん

インキュデータが継続して成長できている要因としては、先ほども申し上げた通り大企業三社による合弁会社であることから、資金面においても創業時から強力なサポートがあったということが挙げられると思います。

資金面以外にも、成長市場で戦えているということも拡大を続けられている一つの理由です。成長していない市場で戦うと、どうしてもパイの食い合いになってしまいます。その点、成長市場であれば需要もあるので、競争環境が激しくとも売上を伸ばしていけます。

データの利活用というのはDXの中でも一丁目一番地だと思いますし、需要の高さを感じますね。

ほかにも、インキュデータに在籍している人材の質の高さも成長要因として挙げられるでしょう。弊社はデータコンサルティングに特化した会社ですので、人に依存する要素も大きいです。

質の高い人材が質の高いサービスを提供できているということは、競合優位性として胸を張れる部分ですね。

編集部

なぜインキュデータ社に質の高い人材が集まるのでしょうか?

町田さん

インキュデータに質の高い人材が集まる理由としては、弊社が扱っている案件がおもしろいということが一番大きいと思います。

私たちは大手証券会社や総合エンタテインメント企業など、日本の名だたる企業の支援を手掛けています。スケールの大きい案件を手掛けられるというのは、弊社で働く魅力の一つだといえます。具体的な支援事例はインキュデータのホームページにも掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

 https://www.incudata.co.jp/casestudy/

また、大手コンサルティングファームの場合、入社後は特定のインダストリーで経験を積むことが基本ですが、インキュデータでは特定のインダストリーに限定せず、幅広い業界での経験を積むことができます。

加えて、私たちの業界では一般的に案件獲得活動はある程度経験を積んだ者にしか任せられないのですが、インキュデータは比較的若いころから案件獲得活動も担えます。

幅広い業界の経験や案件獲得活動を早いうちから経験できることに魅力を感じて入社する方が多いのではないかと感じています。とはいえ、やはり相当の実力も求められますので採用基準は決して低くはありません。

編集部

手掛けられる案件の規模感や幅広さという部分が、優秀な人材を惹きつけるのですね。

国内で自分の好きな場所に住みながら働ける遠隔地居住制度

笑顔で話すインキュデータ株式会社の芦沢さんと田中さん

編集部

働く環境についても伺っていきたいのですが、働き方の観点でインキュデータ社が実施されている特長的な制度などはございますでしょうか?

田中さん

インキュデータでは2023年4月から、国内であれば居住地を自由に選べる遠隔地居住制度を導入しています。

結婚や介護など、それぞれのライフステージの変化で転居が必要になってくる場合もあると思いますが、弊社では一定の条件のもと社員が希望する地で働くことを認めているのです。

今のところ五名ほどの社員が遠隔地居住制度を利用しています。

編集部

実際に遠隔地居住制度を利用されている社員の事例をお聞かせください。

芦沢さん

私は現在広島に住んでいます。実家は東京にありますが、さまざまな地方に住むことが好きなので、ここ十年ぐらいはアドレスホッパーのように拠点を転々としております。

広島は縁もゆかりもない場所でしたが住みたくなったので、広島でできる仕事を探していました。そんな折にインキュデータの遠隔地居住制度を知り、この制度が決め手となり入社を決めました。

編集部

芦沢さんは基本的にリモートワークでお仕事をされているということでしょうか?

芦沢さん

私は基本的にフルリモートで勤務しております。ただ、お客さまと定期的に対面でコミュニケーションを取るために月に一度のペースで東京にも行きます。

いつ東京に向かうか決まっているというわけではなく、お客さまのスケジュールに合わせながら会社から出張費用を出してもらった上で柔軟に東京と広島間を行き来しています。

編集部

遠隔地居住制度を実際に利用してみて、どのような感想をお持ちでしょうか?

芦沢さん

広島は東京に比べ穏やかな雰囲気がありますが、そのなかでも刺激的な仕事ができるというギャップが楽しいですね。

一般的に地方都市で働くとなると、業種や業界も限られてくると思いますし、首都圏の企業とは規模感や雰囲気も違ってくると思います。

私としてはスタートアップのカルチャーが好きなのですが、住みたいところに住んだ上でやりたい仕事ができていることはありがたいです。

これまで地方都市を転々とした中で、やはり自分の求める仕事と現実にギャップを感じてきたので、なおさらそう思いますね。

編集部

インキュデータ社としてはこれからも遠隔地居住制度を継続していかれる予定でしょうか?

田中さん

インキュデータは今後も遠隔地居住制度を続けていく予定です。地方にはまだまだ優秀な方がたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ今後はそのような方にもジョインいただきたいです。

プロフェッショナルが集まる組織だからこそ自由度の高い働き方を実践できる

机を囲んで話すインキュデータ株式会社の町田さん、芦沢さん、田中さん

編集部

インキュデータ社の基本的な働き方についてお教えください。

田中さん

インキュデータは遠隔地居住制度を利用していない社員も、基本的にはフルリモートで勤務しています。私も新しく入社される方を受け入れるときにしか出社しませんので、出社するのは月に一、二回程度です。

また勤務時間については、弊社ではコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制を採用しています。なので、プライベートの用事や業務の繁閑に合わせて始業時間を遅らせたり、お子さまのお迎えで早めに終業したりなどは自由です。

編集部

リモートワークについて自宅で集中できないという方もいらっしゃると思いますが、そのような方をサポートするような制度はございますでしょうか?

田中さん

インキュデータは全国約二百五十カ所のコワーキングスペースを会社で契約しています。ですので自宅近くのコワーキングスペースで働くことも可能ですし、出張の際の仕事場として利用することもできます。

また、2023年4月からはワーケーション制度も始めています。利用には一定の条件がございますが、こちらは、一時的にリゾート地や帰省先などで勤務できるという制度になっております。自宅以外の場所でリフレッシュしながら働いてもらうことで、より生産性が高まるのではないかと期待しています。

編集部

かなり自由度の高い働き方を実践されていますが、このような環境を整えた思いとしてはどのようなものがあるのでしょうか?

町田さん

諸制度を導入するにあたる大前提として、インキュデータはプロフェッショナルが集まった組織です。一人一人がスキルを持ち、レベルの高いクライアントワークを実施していると思っています。

コロナ禍が落ち着いて以降、週二、三日出社日を設けた上でリモートワークを続けているという企業が多いと思いますが、そういった決まりを設けなくてもインキュデータの社員はしっかりアウトプットを出せると信じています。

いろいろと意見が分かれる部分だと思いますが、やはり満員電車には乗りたくないでしょうし、自宅でできる仕事はできる限り自宅でしたいという方がほとんどなのではないでしょうか。実際に社内でアンケートを取ってみたのですが、そのように考える社員が多かったですね。

今の働き方がうまくいくのかというのは、まだ結論を待たなければならないでしょう。しかし、弊社としてはチャレンジを続けているという段階です。

編集部

プロフェッショナル集団だからこそ、それぞれの裁量に任せた働き方を実践できているのですね。

違ったスキルを持つ人をリスペクトできる人材を歓迎

インキュデータ株式会社の町田さん
▲「何か一つ自分の得意分野を持っているという方に入社いただきたい」と話す町田さん

編集部

最後に、インキュデータ社に興味を持っている方に向けてメッセージをお願いいたします。

町田さん

インキュデータが求めているのは、何か一つ自分の得意分野を持っているという方です。それは戦略策定やエンジニアリング、マーケティングなど何でも構いません。

弊社はコンサルファームの出身者やデータ分析の領域で経験を積んできた者、CDPを構築できるエンジニアなど、さまざまなバックグラウンドを持った社員が在籍しています。

文化が違う中で育ってきたメンバーの集まりですので、自分とは異なるスキルを持った人とのコラボレーションを楽しめたり、リスペクトできたりする方だときっと活躍できると思います。

違った世界観を持つ人から学んでいこうという姿勢を持っている方を歓迎したいです。

編集部

包括的なコンサルティングサービスを提供しているインキュデータ社だからこそ、さまざまな経験を持った人材が集まり、学べる機会も多いのだと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
インキュデータ株式会社:https://www.incudata.co.jp/
採用ページ:https://www.incudata.co.jp/recruit/