育児支援も充実!京王電鉄株式会社の時代に合わせてアップデートする働き方とは

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、京王電鉄株式会社にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

京王電鉄は、京王線と井の頭線を運営する、首都圏を代表する私鉄の1つです。鉄道事業以外にも不動産開発やホテル、商業施設の運営などを幅広く手掛け、新たな事業創出も進めています。

同社では、フレックスタイム制度やテレワーク制度を導入していたり、「育児休暇の有給化」など育児に関する制度を整えていたりと、ワークライフバランスを重視した働き方改革への注力が特徴的です。さらには独自の女性活躍支援の取り組みにより、多様な人財が活躍できる環境を整えています。

今回は京王電鉄株式会社の働き方改革と女性活躍の秘訣について、人事部の竹村さんと沿線価値創造部の遠藤さんにお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
京王電鉄株式会社の竹村さん

竹村 尚樹さん

京王電鉄株式会社の人事部所属。2020年に新卒で入社し、6年目を迎える。

京王電鉄株式会社の遠藤さん

遠藤 亜有さん

京王電鉄株式会社の沿線価値創造部に所属。2023年4月に中途で入社し、主任事務員として家事代行サービスチームの運営全般を担当。

京王電鉄の働き方:本社を中心に柔軟に働ける制度を整備

京王電鉄株式会社の竹村さん
▲取材にご対応いただいた竹村さん

編集部

京王電鉄はワークライフバランス向上の取り組みに力を入れていらっしゃるとのことですが、具体的な内容を教えていただけますか?

竹村さん

おっしゃるとおり、近年は働き方の多様化が進む中で、私たち京王電鉄も時代に合わせてさまざまな制度を導入しています。

例えば本社ではコアタイムのないフレックスタイム制度を導入しており、最低3時間の勤務で、あとは比較的自由に勤務時間を設定可能です。現業職場でも職場によりルールは異なりますが、多くの職場でフレックスタイム制度や半日単位での休暇取得を可能にするなど、より柔軟な働き方の実現に向けて整備を進めています。

編集部

テレワークが選択可能かどうかなど、働く場所の選択肢に関してはいかがですか?

竹村さん

本社勤務を中心に、テレワークも可能です。新宿三丁目と調布のサテライトオフィスに加え、自宅や出先などどこからでも勤務できます。テレワークは会社ルールとして月8回を上限に設定していますが、育児や介護など個別の事情を鑑みてそれ以上の利用も可能です。

男性育休取得実績は右肩上がり。充実の子育て支援制度あり

京王電鉄株式会社の本社ビル外観
▲聖蹟桜ヶ丘にある本社ビル。徒歩1分のところに事業所内保育所が整備されている

編集部

男性育休の取得促進にも取り組んでいらっしゃるとのことですが、直近の実績を教えてください。

竹村さん

男性社員の育休取得率は右肩上がりで上昇しており、100%取得を目標に、2023年度は現場職も含む会社全体で75.7%まで上昇しました。3か月から半年程度の育休を取得して育児に専念されている男性社員も少なくありません。

育休取得促進に向けた特徴的な取り組みが「育児休暇の有給化」です。育休中の経済的不安軽減を目的とした制度で、現在は男女問わず育児休暇の最低4日間の有給化を実施しています。さらに育休取得後もしっかりと元の職場に復帰できる体制を整え、全体的な育休取得率の向上を図っています。

編集部

育児と仕事の両立支援についてはいかがでしょうか。

竹村さん

聖蹟桜ヶ丘の京王電鉄本社ビルから徒歩1分のところに事業所内保育所を設置しており、安心して子どもを預けられる環境を整備しています。

また、育児時間の付与、育児時短勤務、施設型病児・病後児保育施設の利用補助(※)なども整備しており、様々な取り組みを推進しています。
(※)補助率:50%上限:5000円/月(回数上限なし)

加えて、フレックスタイムの中で中抜けも可能なため、仕事の合間に子どものお迎えに行くなど、柔軟な働き方を活かして育児と仕事を両立できる環境があります。さらに1歳未満のお子様を育てる女性社員に対して、1日2回の育児時間を有給で付与しているのも特徴です。

今後はさらに柔軟な働き方を拡充していくため、子育てや育児・介護などを理由とした一部社員を対象に週4日もしくは週3日勤務制度も導入予定です。現在は現場を含めた希望者を募っているところです(2025年3月時点)。

制度の充実だけでなく、誰もが活用しやすい環境があるのが魅力

京王電鉄株式会社の遠藤さん
▲取材にご対応いただいた遠藤さん

編集部

実際に勤務する中で、京王電鉄の働きやすさについてどう感じていますか?

遠藤さん

制度があること自体もそうですが、周囲が積極的に制度を活用しているため、利用しやすい雰囲気があるのも魅力ですね。

例えば私の上司はお子様の三者面談のために半日有給を取得するなど、制度を利用して育児と仕事を両立しています。私自身もフレックス制度や中抜け制度があることで、通院や急な体調不良の際にとても助かっています。

竹村さん

子育て中の社員だけでなく、趣味などの用事でも気兼ねなく制度を利用できるのもポイントです。私の場合は、趣味のスポーツ観戦のために、平日16時に仕事を終えて球場に向かうこともあります。「制度を上手く使ってワークライフバランスを保って働こう」というカルチャーが会社全体で醸成されています。

京王電鉄の女性活躍:新卒の女性採用は半数以上!

京王電鉄株式会社の竹村さん、遠藤さん

編集部

御社の女性活躍についても伺います。まずは女性の採用比率や管理職比率など、女性活躍を示す具体的な数字をご紹介いただけますか?

竹村さん

鉄道会社というと男性中心のイメージを持たれがちですが、女性採用も積極的に進めています。総合職の新卒採用で女性比率50%を掲げており、2024年度の総合職における女性採用比率は51.9%と目標を達成しています。

編集部

女性管理職の登用も進んでいますか?

竹村さん

はい。女性管理職比率は2030年度までに30%という目標に対して、2023年度時点で9.7%まで上昇しており、着実に右肩上がりで推移しています。新卒も中途も含めて、幅広い層の女性が活躍している状況です。

入社2年目でチームの中長期計画策定に携わった遠藤さんのエピソード

京王電鉄株式会社の遠藤さん

編集部

女性活躍の事例として、遠藤さんの現在のお仕事の内容や、これまで印象に残っているエピソードを教えてください。

遠藤さん

私は京王電鉄の沿線価値創造部に所属し、家事代行サービスチームの運営全般を担当しています。月次の収支管理はもちろん、主力となるパートタイムの女性スタッフの採用や、顧客開拓のための販促活動など、小規模な会社運営に近い形でさまざまな経験ができるのが特徴です。

特に印象に残っているのが、入社2年目で家事代行チームの2030年までの6年間の中長期計画策定に携わったことです。事業として独立採算で運営させることをゴールに、さまざまな要素を検討してシミュレーションした上で、具体的な目標を掲げて提案しました。

まだ当社での経験が少ない中で6年先の事業展開を考えることに難しさもありましたが、時代の変化も踏まえ、収支計画や今後求められるサービスについて検討を重ねました。直近で最も苦労したと同時に、成長を実感できた経験です。

編集部

女性が多く活躍されている職場として、身近なロールモデルも多いのでしょうか。

遠藤さん

そうですね。特に身近なロールモデルが、同じ部署の課長を務める女性社員です。3人のお子様の子育てをしながら、フレックスタイム制度や中抜け制度を上手く活用してワークライフバランスを保ち、仕事でも成果を出して活躍している、私の目標とする方です。

竹村さん

いわゆる事務系の社員だけでなく、技術系の社員でも女性が活躍しています。中には子育てをしながら、夜勤免除など働き方を調整して現場業務に携わり、課長補佐のポジションに昇進した社員もいますよ。男性社員が多い技術系部署の中で、働きやすい職場環境を活かして活躍する女性社員の好事例といえるでしょう。

業界初「ルナルナオフィス」の導入で、女性特有の健康課題をサポート

編集部

女性活躍を後押しするために、会社として取り入れている工夫などはありますか?

竹村さん

人事部のダイバーシティ推進担当が主導し、女性の健康へのサポートを充実させているのが特徴です。具体的には、鉄道業界として初めて、株式会社LIFEMの法人向けフェムテックサービス「ルナルナオフィス」の「月経プログラム」を2024年1月から導入しました。このプログラムでは産婦人科に特化したオンライン診療サービスや、低用量ピルの服薬支援を通じて女性の健康をサポートしています。

さらに同プログラムに基づき、女性特有の健康課題についての職場全体の理解浸透を進めています。医師監修の動画セミナーに加え、生理痛体験ができるイベントも開催しました。

編集部

実際にプログラムを導入してみて、どのように感じられていますか?

遠藤さん

オンライン診療費用や薬代を会社に負担してもらえるため、とても助かっています。周りの女性社員からも利用しているという声をよく聞きますよ。動画セミナーを視聴した男性社員から「女性の大変さを理解できた」と声が上がることもあり、職場の理解もとても進んできていると感じます。

竹村さん

私自身も生理痛体験イベントに参加し、実際に生理痛の痛みを体験することで、仕事への影響を身をもって理解できました。会社として女性活躍を進める上で、こういった事情を知っているのと知らないのとでは全く変わってくるため、とても貴重な機会だと感じています。

編集部

ダイバーシティ推進として、他に実施されている取り組みはあるのでしょうか。

竹村さん

当社の特例子会社「京王シンシアスタッフ」の職員の方々の仕事を体験するイベントを通じて、障害特性への理解を深める取り組みも実施しています。多様な人財が活躍できる職場環境に向けて、こうした機会を通じて相互理解を深めながら、より働きやすい職場環境をつくっていけたらと思っています。

京王電鉄の風土:「安全・安心と信頼」のもと、柔軟性と風通しの良さが魅力

京王電鉄株式会社のコミュニティスペース「NIKAI」
▲取材を実施したコミュニティスペース「NIKAI」

編集部

京王電鉄のカルチャーや、職場全体の雰囲気についてもご紹介ください。

遠藤さん

鉄道会社ということで転職前は「お堅い職場」というイメージを持っていましたが、良い意味で想像と異なっていました。

安全・安心や信頼を重視する企業カルチャーは大前提に、社長自身の方針のもと、時代の変化を取り入れながら社内制度や働き方を変化させていく柔軟さのある社風です。自身がやりたいことを提案しやすい雰囲気もあり、風通しの良さを感じています。

編集部

実際に社員の方の提案から実現した取り組みはありますか?

竹村さん

2024年9月に京王電鉄本社ビルにオープンした、新たなコミュニティスペース「NIKAI」は、まさに若手社員のアイデアを活かして生まれました。

このスペースは、有志の若手社員7名でコンセプトから空間設計まですべてを手掛け、ロゴデザインも入社3年目の社員が行いました。このように、若手からの提案や新しいことへの挑戦を推奨し、失敗を許容する社風も魅力の一つだと思います。

京王電鉄株式会社のコミュニティスペース「NIKAI」
▲「NIKAI」の入口の看板。若手社員が手掛けた、「2」と「N」を組み合わせたロゴも特徴的

他部署・多年代との交流が生まれる「メンター制度」

京王電鉄株式会社のオフィス内風景

編集部

社員同士の交流機会としてはどのようなものがありますか?

竹村さん

キャリア支援策の1つとして、年間通じて部署や年次の異なる社員と交流できる「メンター制度」があります。

入社1〜2年目の若手社員、6年目程度の中堅社員、課長級の社員の約8名でグループを組み、年に3、4回集まって自由な意見交換を行っています。新卒だけでなく中途社員も対象としており、若手社員のフォローアップや、社内人脈の構築の場にもなっている制度です。

遠藤さん

私も中途社員枠でメンター制度に参加しているのですが、自部署以外の方々との人脈形成ができるのが非常にありがたいですね。他部署との連携が必要な業務も多いので、こうした交流がきっかけで仕事がスムーズに進むこともあります。

新入社員にとっては、配属前に各部署の実際の働き方を知ることができ、ギャップなく配属先に馴染めるメリットもあると感じています。

事業の魅力:「沿線価値創造部」など幅広い分野で挑戦可能

編集部

京王電鉄は鉄道事業のイメージが強いかと思いますが、遠藤さんが所属されている沿線価値創造部ではどのような事業をされているのでしょうか?

遠藤さん

沿線価値創造部は、当社の鉄道が通っているエリアを中心に鉄道会社の原点となるまちづくりをソフト面で推進しており、住んでもらえる・選んでもらえる沿線構築のため、スポーツをはじめとするイベントや沿線観光地・施設の利用促進で来街を促し、充実した生活サービスで移住・定住を促進しています。

部署内は、沿線の魅力を知ってもらうことで人を呼び込むMaaS(※)チーム、地域連携チーム、スポーツチームの3チームと、沿線に住む方の暮らしを支える事業系の3チームという6つのチームで構成されています。事業系チームは、買物が困難な高齢者向けの移動販売チーム、サテライトオフィス「KEIO BIZ PLAZA」の運営チーム、そして私が所属する家事代行サービスチームの3チームです。
(※)Mobility as a Serviceの略で、複数の交通手段を1つのサービスとして提供する考え方を指す

私自身、入社前から鉄道事業や商業施設、ホテル事業は知っていましたが、沿線価値創造部の取り組みは知りませんでした。実際に入社してみて、グループ会社を含めた幅広い分野にチャレンジできる環境があることを実感しています。

特に沿線価値創造部はチームごとに独立して運営されており、京王電鉄にいながら、別の会社を運営しているような雰囲気があります。その中で、裁量大きくさまざまなことにチャレンジできるのがやりがいです。

編集部

遠藤さんの家事代行サービスチーム以外も、将来的には事業として独立することを想定されているのでしょうか。

竹村さん

すべての事業が分社化されるわけではありませんが、それぞれの事業を成長させていった先にはもちろんその選択肢もあると思います。1つの会社として成り立つ程に事業を発展させていくことで、京王グループ全体の幅をさらに広げていけると考えています。

京王電鉄からの採用メッセージ

京王電鉄株式会社の竹村さん、遠藤さん

編集部

最後に、転職を考えている方々へのメッセージをお願いできますでしょうか。

竹村さん

当社は鉄道事業と開発事業を軸としながら、京王グループ全体で流通業やレジャーサービス業など幅広い事業を展開し、さらに新規事業への取り組みを積極的に進めているのが特徴です。幅広い事業領域の中で、きっとやりたいことを見つけてもらえると思います。

新卒採用中心のイメージがあるかもしれませんが、実際には中途採用も積極的に行っています。当社に中途で入社して京王不動産やホテル部門に出向している社員も多数おり、多様な人財が活躍しています。事業領域の広さと、中途社員の馴染みやすい雰囲気に魅力を感じる方は、ぜひ当社を検討いただけると嬉しいです。

遠藤さん

竹村の言うように、京王電鉄はグループ会社への出向を含め、さまざまな事業にチャレンジできる会社です。職種や部署への異動も含めて柔軟なキャリア形成が可能なところが魅力です。

「転職はしたいけれど、やりたいことや自分に向いていることが分からない」と悩む方も多いと思います。そういう方こそ、京王電鉄を選んでいただけたらと思います。

編集部

竹村さん、遠藤さん、本日はありがとうございました!

編集後記

取材を実施したのは聖蹟桜ヶ丘にある京王電鉄本社。2階にある、若手社員のアイデアを活かした「NIKAI」というコミュニティスペースでお話を伺いました。沿線価値創造部の取り組みについて遠藤さんが「会社の中に別の会社があるような感じ」とお話されていた通り、鉄道事業だけでなくさまざまな活躍機会があるのが魅力だと感じました。

この記事のまとめ

働き方の特徴
  • コアタイムなしのフレックスタイム制度(最低3時間勤務)
  • 月8回のテレワークが可能(育児・介護時は追加可)
  • 中抜け制度や半日休暇など、柔軟な勤務体系
  • 一部社員を対象に週3日・週4日勤務制度の導入予定あり
ワークライフバランス
  • 育児休職は男女とも最低4日間有給化
  • 男性社員の育休取得実績が右肩上がりに増加
  • 事業所内保育所の設置
  • 新宿三丁目・調布にサテライトオフィス設置
女性活躍の状況
  • 総合職の女性採用比率51.9%(2024年度)
  • 女性管理職比率30%を目標(2023年度時点で9.7%)
  • 婦人科受診支援や低用量ピルの服薬支援制度あり
社風・カルチャー
  • 若手からの提案や新しいことへの挑戦を推奨
  • メンター制度による充実した社内交流
  • 制度を気兼ねなく利用できる雰囲気
事業展開
  • 鉄道事業以外に不動産、流通、レジャー・サービスなど多様な事業を展開
  • 新規事業としてオープンイノベーションプログラムの取り組みを推進

京王電鉄株式会社の基本情報

企業名 京王電鉄株式会社
住所 東京都多摩市関戸一丁目9番地1
事業内容 ・鉄道事業
・土地、建物の賃貸業・販売業など
設立 1948年6月
働き方 フレックスタイム制度(コアタイムなし・最低3時間の勤務。中抜け可)
テレワーク(月8回上限・事情に応じて加算あり)
公式ページ https://www.keio.co.jp/
採用ページ https://www.keio.co.jp/recruit/
募集職種 ・事務系総合職
・技術系総合職
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。