高い技術力を持ち、独自性のあるプロダクトを提供する企業をインタビューする本企画。今回は、AR(拡張現実)を活用した次世代スポーツ「HADO」を開発する株式会社meleapを紹介します。
漫画の世界観を味わえるテクノスポーツ「HADO」を手がける
株式会社meleap(メリープ)は、テクノロジーを活用した次世代スポーツ「テクノスポーツ」のリーディングカンパニーとして、AR(拡張現実)を用いた対戦型競技「HADO」の開発・運営を行っています。
手からエナジーボールを出して相手を攻撃するHADOは、漫画のような世界を体験できるとして国内外で人気を呼び、年間の競技人口は132万人(2023年9月時点)、競技施設は39カ国・143店舗にのぼります。
会社名 | 株式会社meleap |
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住所 | 東京都港区台場1-7-1 アクアシティお台場5階 |
事業内容 | ・テクノスポーツ「HADO」の運営 ・HADOライブ配信プラットフォーム「Wow Live」の運営 |
設立 | 2014年1月 |
公式ページ | https://meleap.com |
プロダクトの自社開発にこだわりを持つ株式会社meleapは、エンジニアがプレイヤーの声をスピーディーにプロダクトに反映することでHADOのクオリティを高め、世界で愛される競技へと進化させてきました。
今回は、開発部の部長を務める角保幸さんと、エンジニアとして活躍する森永博仁さん、安達亮介さんに企業成長やエンジニアのお仕事についてお話ししていただきました。
meleapが業界のリーディングカンパニーとして快進撃を続けられる理由
編集部
まず初めに、meleapさんの事業内容について教えてください。
安達さん
私たちは、「HADO(ハドー)」というテクノスポーツの開発・運営を行っています。
テクノスポーツはネットワーク技術やセンサー技術といった最新技術を取り入れた競技のことです。コントローラーを動かしてプレイする「eスポーツ」とは異なり、プレイヤー自身が体を動かしてプレイするのが特徴です。
編集部
HADOはどのようなテクノスポーツなのでしょうか。
安達さん
HADOは、仲間と連携してプレーする対戦型のチームスポーツです。AR(拡張現実)ゴーグルとアームセンサーを装着することで、自分の手からエナジーボールを出して攻撃したり、シールドを張ってディフェンスしたりできます。
バーチャル空間に自分が入り込む「VR」とは違い、ARは現実世界にバーチャルの要素を加える技術です。HADOはARを使って現実空間で競技するため、勝った時の喜びや負けた時の悔しさを仲間たちとリアルに分かち合うことができます。
編集部
漫画やゲームで見た憧れの世界に入り込んだような体験ができるのですね。
安達さん
その通りです。meleapのビジョンは「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」ことです。私たちはこのビジョンのもと、プレイヤーとしてHADOを楽しんでもらう「ロケーションベースエンターテイメント事業」と、視聴者がアプリを通して試合観戦を楽しむ「ライブエンターテイメント事業」の2つを展開しています。
編集部
野球やサッカーなどと同様に、自分でプレーするだけでなく「観戦する」という楽しみ方もできるのですね。
安達さん
はい。ライブエンターテインメント事業ではアイドルなどのタレントさんをプレーヤーとして迎えた視聴者参加型の試合観戦を行っています。
弊社が開発した観戦用のアプリ「Wow Live」を使うと応援するチームにギフトを贈ることができ、視聴者の応援によってプレーヤーの技が強化されます。
編集部
HADOは、旧来のスポーツの魅力を最先端テクノロジーでさらに高めた新時代のスポーツなのですね。
競技人口132万人!HADOの人気の秘訣は「コンセプト」
編集部
HADOは、日本だけでなく世界中でプレーされていると伺いました。meleapさんのここまでの事業成長について教えていただけますか?
角さん
「HADO ARENA」をはじめとするHADOをプレーするための施設については、2023年12月時点で日本や欧米、アジア、中東など39カ国で143店舗を運営しています。2017年は5カ国・18店舗だったので、この6年で約8倍に成長しました。
また、2019年に75万人だった年間の競技人口は、2023年(9月時点)は132万人まで増えました。2023年に開催した「HADO WORLD CUP」では、9カ国・2地域の予選大会を勝ち抜いた11チームが世界一を目指して戦いました。
編集部
グローバルな展開が成功した理由は何だったとお考えですか?
角さん
HADOのコンセプトがどこの世界でも受け入れられるものだったことが、最も大きな要因だと思います。
「ドラゴンボール」をはじめとする日本の漫画やアニメは世界的に人気です。HADOは手からエナジーボールを出せるなど、漫画の世界観を体験できるコンテンツなので、世界中の人を魅了することができたのだと思います。そこにグローバル展開に強い営業担当者がいたことも手伝って、大きな成長を遂げることができました。
自社開発だからこそユーザーの声をプロダクトに即反映できる
編集部
HADOや観戦アプリの「Wow Live」はmeleapさんが独自に開発しているということですが、自社開発によるメリットはどのようにお感じですか?
角さん
まず、創意工夫をスピーディーにプロダクトに反映できる点で、自社開発には大きな意味があると思っています。
また、弊社以外にARを用いた競技を開発する会社はほとんどありません。そのため、弊社が培ってきたノウハウはこれからテクノスポーツ市場が拡大するなかで優位に働くと考えています。
編集部
競技を盛り上げるための大会やイベントの施策も、社内メンバーのアイディアから生まれたのでしょうか?
森永さん
そうですね。競技イベントの企画や運営を担当するスタッフがおり、参加者の反応が良かった点を次の企画にも活かすことでイベントやプロダクトに対する満足度を向上させています。
また、エンジニアが自ら競技施設や大会会場を訪れて実際にお客様がプレーしている様子を見ることもあります。そうすることで改善すべき点を自ら把握し、即座に開発に反映することができます。
編集部
meleapさんでは、イベントスタッフもエンジニアも一丸となって自社プロダクトの普及と向上に努めているのですね。
HADOに続く新しいコンテンツ開発にも前向き
編集部
meleapさんの今後の展望についても教えてください。
角さん
近年、「Apple Vision Pro」などARを楽しむための新しいデバイスがどんどん登場しています。これらをうまく活用しながら、テクノスポーツのリーディングカンパニーとしてHADOをアップデートし続けるとともに、ほかにも面白いコンテンツを開発し世界中に広げていきたいと考えています。
安達さん
エンジニアとしては、今以上に体の動きをシームレスに伝えられる技術に挑戦し続けたいと思っています。HADOに固執することなく新たなコンテンツ開発も積極的に行い、「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」という弊社のビジョンを実現したいですね。
編集部
HADOで培った技術や経験をベースに、meleapさんが今後どのようなコンテンツを生み出すのか楽しみです。
前例のないことに挑戦するmeleapのエンジニア。その魅力とは
編集部
ここからは、meleapさんのエンジニアのお仕事について伺いたいと思います。プロダクトは自社開発しているということですが、何名のエンジニアがいらっしゃるのでしょうか?
角さん
弊社の従業員は34名で、このうち9名がエンジニアです。私と安達はHADOが世に出る前の2016年に入社し、森永は2019年に入社しました。
編集部
HADOの開発では、どのような点に難しさがありましたか?
角さん
家庭用ゲームやスマートフォンで遊ぶソーシャルゲームの場合は開発を手がける企業が多いため、業界内に知見がたまっていたり、似たような技術を流用できる部分も多いのではないかと思います。
しかし、ARを使って施設でプレーするHADOのようなゲームには、お手本にできる知見がほとんどありませんでした。手探りで一から技術を開発することはチャレンジングな経験でした。
編集部
テクノスポーツのリーディングカンパニーとして、前例がないことへの挑戦が求められたのですね。森永さんはいかがですか?
森永さん
私は、LIVE配信向けに応援要素が追加され、主にアイドルが競技する「HADOWARS」のシステムを担当しています。LIVE配信を前提として、既存のHADO競技システムとは全く別のシステムを開発する必要がありました。
既存のシステムでできることを新しい技術を使って忠実に再現することは、とても難しい作業でした。
編集部
エンジニアの皆さんが新しい技術に挑戦し続けてきたからこそ、HADOは世界的に認知される人気スポーツへと成長したのですね。
プレイヤーの生の声をプロダクトに活かせる
編集部
テクノスポーツの開発に携わるなかで、やりがいや喜びを感じる瞬間はどんな時ですか?
安達さん
HADOリリースして間もない頃、開発をしているオフィスに選手たちがよく遊びに来てくれました。当時、HADOのコートは弊社のオフィスにしかなかったからです。
彼らが遊んでいる横で仕事をしていると、「動かない」とか「動きがずれる」という不満の声が聞こえてきたものです。そんな声を聞いて落ち込むこともありましたが、率直な感想をここまでダイレクトに聞くことができることをチャンスととらえ、改善に努めました。
次の週に彼らが遊びに来て「進化している!」と喜んでもらえた時は、大きなやりがいを感じましたね。
編集部
プレイヤーが喜ぶ様子を間近で見られることは、モノづくりへのモチベーションにもつながりそうですね。
安達さん
そうですね。現在の本社も、東京・お台場のHADO ARENAに隣接しているので、プレイヤーの生の声を聞くには最高の環境だと思います。
風通しの良さや新しい技術に前向きな姿勢がある
編集部
エンジニアの皆さんの働く環境や、活躍できるカルチャーについて教えていただけますか?
角さん
弊社には、トップダウン型ではなく、みんなで会社を作っていこうとする文化があると感じます。
そのため、年齢やポジションに関係なく経営陣にどんどん意見が言える環境があります。プロダクトの改善すべき点や売り込み方などビジネスに関わることだけでなく、会社の制度についてもアイディアがあれば遠慮なく提案できます。
編集部
社員の意見をもとに創設された制度には、どのようなものがありますか?
安達さん
たとえば、育休に関する制度があります。私が入社した2016年当時は社員が6人しかおらず、子育て中の社員もいなかったため、育休に関するルールづくりがされていなかったんです。その後、子どもをもつ社員が入社し、育休について質問されたことをきっかけに、しっかりした制度を作ることになりました。
編集部
meleapさんでエンジニアとして働くことの魅力についてはどのようにお感じですか?
森永さん
私は、新しい技術を積極的に取り入れようとする姿勢がある点に魅力を感じます。社内コミュニケーションに使用しているSlackに研究開発チャンネルがあり、誰かが「面白そうなデバイスが発売された」と投稿すると、CEOの福田が「それ面白いね!買ってみようよ」と言って会社負担で購入してもらったこともあります。
また、大企業にはない風通しの良さもエンジニアの活躍を後押ししていると思います。角の話にもあったように意見を言いやすい環境があるので、自分の職種に限らず企画面でアイディアがあれば発信できますし、meleapにはそれを真剣に受け止めて検討してくれる人たちがたくさんいます。
編集部
ここまでお話を聞いて、meleapさんにはエンジニアが活躍できる環境が整っていることがよく分かりました。
meleapは「人とは違う仕事」や「新しい技術」に興味があるエンジニアを歓迎
編集部
meleapさんで活躍できるのは、どのような方だとお考えですか?
角さん
弊社はテクノスポーツという特殊なコンテンツを作っているので、「人とは違うことがしたい」と思っている方にはぴったりの職場だと思います。
meleapのエンジニアは、ひとりが専任で「ここの部品だけ作ります」という働き方ではなく、良いプロダクトを作るためなら何でもやります。幅広く技術に触れたい方や、新しい技術に興味がある方には魅力を感じていただけるのではないでしょうか。
また、弊社は一人ひとりに大きな裁量があり、自ら発信して会社を変えていくことができます。自分で考えて行動することが好きな方はご活躍いただけると思います。また、変化を楽しめる方やフォロワーシップのある方にも活躍の場があります。
編集部
安達さん、森永さんからも、meleapさんのお仕事に興味を持った方にメッセージをお願いします。
安達さん
私はmeleapに入社する前は大きな企業にいました。転職して一番感じたのは、利用者の生の声を聞く機会に恵まれていることです。良いプロダクトを作りたいと考えるエンジニアにとっては、理想的な職場だと思います。
テクノスポーツの先駆者として市場を切り拓くためには、新しい技術を積極的に取り入れていく必要があると思っています。そのため、新しい物好きなエンジニアの方と、ぜひ一緒にお仕事したいと思っています。
森永さん
角のお話にもありましたが、主体的に動くことが求められる職場なので、率先して動きたい方や「こういうことをやってみたい」という意欲をお持ちの方にはとてもマッチすると思います。
技術に貪欲なエンジニアの方と一緒に、HADOの進化や新しいコンテンツづくりに挑戦したいと思っています。
同席した内池さん(広報)
最近は、体育の授業などの教育現場にHADOを導入いただくケースが増えています。体育が苦手な子どもから「HADOに出会って運動が好きになりました」といった声をいただくこともあります。
プレイヤーの声に真摯に向き合い、エンジニアが改善を積み重ねてきたからこそ、多くの人を笑顔にできるコンテンツへと成長することができました。
ユーザーの声を大切にし、スピーディーにプロダクトに反映させたいとお考えのエンジニアの方と一緒に、「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」というビジョンの実現に取り組みたいと考えています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご応募ください。
編集部
インタビューを通じて、meleapさんの職場のスピード感や風通しの良さを感じました。次世代のスポーツを創造し世界に広めるというお仕事はとてもユニークで、エンジニアとしての大きなステップアップも期待できそうです。
本日は、ありがとうございました。
■取材協力
株式会社meleap:https://meleap.com
採用ページ:https://meleap.com/meleap/public/index.php/jp/joinus