ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社モノクロームにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。
株式会社モノクロームは、「未来に残したい景色をつくる」をミッションに、次世代型の屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」やエネルギー管理ソフトウェア(HEMS)(※)「Energy-1」を自社開発し、脱炭素社会の実現に貢献するスタートアップ企業です。
(※)HEMS:Home Energy Management Systemの略。家庭で消費するエネルギーを可視化し、最適に制御する管理システム
同社は、オンライン経済メディア「NewsPicks」を運営するユーザベース社の創業者・梅田優祐氏が2021年に第2回目の起業で設立しました。まだ創業期ですが、ベンチャーキャピタルのANRI、Firstlight Capital、GMO Venture Partnersのほか、ダイキン工業の出資を受け、将来は上場を目指してコアメンバーを募集中です。
組織面を見ると、20代〜30代の若手層を中心に、メーカー・建築関係の技術者や多国籍のエンジニアチームなど多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍中。また、従業員一人一人の「こうしたい」という意志や熱意を最大限に活かすポリシーを掲げ、オフサイトミーティングなどフラットかつオープンな交流機会も設けています。
今回は、株式会社モノクロームの若手活躍事例や組織の特徴、採用方針などについて、人事担当の森下さんにお話を聞かせていただきました。
モノクロームの若手活躍:20代メンバーが前例のない環境で1億円の売上目標を達成!
▲若手の営業のエースである渡辺さん
編集部
モノクロームのメンバーの平均年齢は30代前半で、若手の方が多く活躍されているそうですね。具体的な活躍事例をお聞かせください。
森下さん
28歳の渡辺という営業担当者をご紹介します。彼は入社してすぐに設計事務所のお客様を担当し、太陽光パネル「Roof-1」の良さを上手にアピールして商談をまとめました。当社は製品ローンチ後まだ2年の若い会社なので、お客様から認知や信頼を得るのは簡単ではありませんが、渡辺は入社初年度に1人で年間売上1億円をつくりました。
特に、彼が手がけた秋田の工務店案件は強く印象に残っていますね。Roof-1は、国内唯一のデザイン性に優れた太陽光パネルなので、住宅オーナーや建築事務所からの評価は高いのですが、実際に工事を行う工務店は過去に取り扱いがない新しい商材への不安を持っていました。
そこで、彼はRoof-1の特徴を他社製品と比較した提案資料を作成し、その耐久性や耐荷重に優れていること、かつ施工も容易であることをリモートで説明しました。また、実際の施工方法を動画で撮影し、自身で建築チームに確認して現場でデモンストレーションを行い、最後は自ら秋田まで足を運んで商談を成立させました。
▲渡辺さんがモノクロームの本社オフィスの看板を木彫りで造っている風景と、掲げている個人目標。楽しんで仕事に邁進している様子が伝わってくる
編集部
渡辺さんがそのような成果を上げられた理由は何だとお考えですか。
森下さん
彼のスーパーパワーは、前例のない環境で自ら模索しながら物事を前に進めることができる力です。
当社のような創業期の会社では、こうすれば売れる、こう説明したら納得してもらえる、といった勝ちパターンが未整備です。このような中で、渡辺は「住宅オーナーさんの理想の家を実現する」というゴールに向けて、自ら考え、工務店の説得に必要な根拠書類を集めたり、秋田に行くことをCEOに直談判し、試行錯誤しながら成果を出しました。
大企業では、過去の慣習やルールがあり、個人の裁量が限られ、新しいことに挑戦するのに時間がかかります。一方で、創業期の当社では、部門ごとの役割分担や役職の序列がほぼありません。年齢や経験に関係なく、「顧客のためにこうした方がいい」という提案や発言を社員の全員に求めています。混沌とした環境で、自ら道を切り開くという力は、大企業をはじめ既に出来上がった組織では習得しにくいと思います。
▲CTOの大川知さん(上段)、COOの乾岳志さん(中段)、Roof-1のPMである徐軼白さん(下段)
編集部
その他に、若手で活躍されている方の事例があればご紹介ください。
森下さん
当社のCTO、COO、主力製品Roof-1のPMは全員30代です。3人の前職はSaaS開発企業やAmazon、大手コンサルティングファームなど、当社の領域である製造業やエネルギー関連とは異なりますが、専門的な知見を持つ関係者と連携しながら、誰もやったことがないことや解決できなかった問題をどんどん解き、当社の製品やオペレーションを日々進化させています。彼らが若手社員にとって良いロールモデルになっていると思います。
目指すのは、メンバー全員が自ら考え、自ら行動し、自ら創造できるチーム
編集部
働き方はリモート中心と伺いましたが、どのような方針を定めているのでしょうか。
森下さん
基本的にフルフレックス制度とリモートワークを導入しており、働く時間も場所も個人に委ねられています。これは当社が創業時から大切にしていることで、「個人の意思や才能を最大限に引き出したい」というCEO・CTO共通の想いが詰まっているんです。
「上から言われたからやる」「こういうビジョンやミッションだからやる」といった“目的に従う”状態よりも、心の底から「これをやりたい」と思う情熱を活かしたいという考えから、働き方のルールを極力少なくし、各自が高いモチベーションで業務に取り組める環境をつくる方法を日々考えています。
四半期に一度のオフサイトミーティングでチームビルディングを実施
▲オフサイトミーティング「MC Day」の様子
編集部
リモートが中心ということですが、メンバーのチームワークを引き出すために取り組んでいることはありますか?
森下さん
チームビルディングの機会は意識して作っていますね。普段はリモート中心の働き方ですが、四半期に1回は必ず全社員が集まるオフサイトミーティング「MC Day」を実施しています。
編集部
MC Dayの具体的な内容について教えてください。
森下さん
ミーティングの内容は、四半期のレビューとして売上目標や開発のマイルストーンの達成状況を確認し、次の四半期の目標についてみんなで目線合わせを行うほか、チームビルディングのためのアクティビティを行います。
直近では2025年1月に当社に出資いただいている投資家であるFirst Light Capitalさんの会議室をお借りして実施しました。その時は四半期レビューに加えて、創業期のスタートアップでの勤務経験もお持ちのFirst Light Capitalの代表の方にゲストスピーカーとして参加していただき、創業期に何が一番大変だったかなどの話を伺いました。
ゲストスピーカーは毎回変え、例えば私たちの製品を購入してくださったユーザーやパートナーの方に話を聞くこともあります。さまざまな機会を通じて、「ユーザーの方々が求めていること」への気づきや「こんなに多くの方々に支えてもらっているんだ」という実感が得られる場にしています。
また、開催場所は、投資家さんのオフィス以外に、Roof-1を導入していただいたお客様の建物(店舗)を貸し切って開催したこともあります。
▲「MC Day」で社員に語りかけるCEOの梅田優祐さん
編集部
そのイベントでは、どのようにチームビルディングを実施されているのでしょうか。
森下さん
各メンバーがプロジェクトの進捗を発表したり、さまざまなアクティビティを行っています。チームごとにコミュニケーションが偏ってしまうことを避けるために、エンジニア、建築や電気の専門家、営業、オペレーションまで、各チームメンバーがごちゃ混ぜになって議論や交流をする時間を意識的に作っています。
みんなで議論するテーマは毎回内容を変えています。前回はマーケティングのアイデアをブレインストーミング(※)しました。
(※)ブレインストーミング:複数の人が集まって自由にアイデアを出し合い、創造的な発想を促進するための手法
ただし、単に有名人を起用してCMを打つような内容ではなく、当社が大切にしている「環境に良いビジネス」という価値観を伝えられる方法をみんなで考えました。例えば、使用済みの太陽光パネルから出るガラスを再利用して梱包材を作ったり、太陽光で動く現場作業者向けの空調機能付き作業着を作るなど、面白いアイデアが出ていました。
モノクロームの強み:ハードとソフトの融合を実現する多国籍で多様なチーム構成
編集部
モノクロームが組織面・事業面でどのような強みを持っているかをお聞きしたいです。まず、組織面についてお聞かせください。
森下さん
当社の特徴として、さまざまな業界で専門的な経験を積んだメンバーが数多く集まっていることが挙げられます。まず、ハードウェアの分野でいうと大手材料メーカーで長年太陽電池の開発経験を持つ者や、建築や施工管理の専門家、電気設備の専門家が在籍しています。
また、全社員の3分の1はソフトウェアエンジニアです。メンバーの出身はアメリカやロシア、ウクライナ、スペイン、ドイツなど、多国籍かつ優秀なエンジニアが在籍しています。
編集部
そういった様々な分野の専門家が集結している理由は何でしょうか。
森下さん
一番大きな要因は、ハードウェアとソフトウェアを両方自社開発するスタートアップ企業は珍しく、次世代型のHEMSという開発テーマが面白いと感じてもらえる点だと思います。また、組織がフラットであることや、思ったことはストレートに伝えあう文化が多様なバックグラウンドを持つ人材を引き寄せているのだと思います。
梅田は「NewsPicks」を運営する株式会社ユーザベースの創業者であり、ゼロから立ち上げた会社を上場させた経験を持つ実業家ですが、同時に非常に気さくでワクワクするものを作りたいという純粋な想いを大事にしているんです。元々、モノクロームが生まれたきっかけも、梅田自身がほしいと思える太陽光パネルとHEMSがなかったことが原点となっていて、「ユーザーにとって価値のあるものを作りたい」という想いに共感して入社する社員が多いですね。
編集部
国際色豊かな組織とのことですが、社内のコミュニケーションはどのように行われているのでしょうか。
森下さん
エンジニアチームの共通言語は英語ですが、外国籍のエンジニアは日本語を勉強していたり、日本が好きで来日している人が多いです。施工管理や営業のメンバーは英語が使えない人も多いので、全体会議はバイリンガルで運営しており、日本語での説明に英語で補足を入れるなど、日本語のみ、英語のみのメンバー間で情報格差が生じないよう工夫しています。
各部門が連携し「太陽光パネル×ソフトウェア」のサービスをスピーディーに提供
▲施工管理メンバー(左)と展示会での営業メンバー(右)。部署の連携が迅速な開発を可能としている
編集部
続いて、モノクロームの事業における強みを教えてください。
森下さん
我々の強みは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた製品を素早く開発できることです。
当社の主力製品は、デザイン性の高い屋根一体型太陽光パネルと、発電したエネルギーをコントロールするソフトウェアなのですが、一般的に太陽光パネルとソフトウェアは別々の会社や部門で開発されて、ユーザーに対して個別に提供されています。そのため、他社ではユーザーにとって使いやすい一貫したサービスを提供することが難しい状況です。
一方、当社では先ほどご紹介したような専門性の高いメンバーがすぐ近くで働いているため連携が取りやすく、スピード感を持って開発に取り組むことができています。自社でエンドユーザーへの営業や、施工管理も行っているため、製品開発に施主視点や施工観点のフィードバックができるのも強みになっていると思います。
営業や施工管理の担当者が、ハードウェア・ソフトウェア両方の製品開発に本当に近いところで働けるというのは、職場としての当社の大きな魅力だと思います。事業を進める中でユーザーのペインポイントに気づいて、それが新しい事業や製品につながっていく過程を、日々、当事者として経験しています。
編集部
売上の状況と今後の展望をお聞かせください。
森下さん
2023年春に販売を開始し、累計80棟の建物に導入を完了しました。近年は受注が急増しており、2025年は前年比約2倍の売上を見込んでいます。
売上が順調に伸びている要因は、「デザイン性の高い太陽光パネル」では競合がいないためです。世界では、AppleやGoogleの本社のように、太陽光パネルを導入し、環境に配慮した建築が多くなっていますが、日本市場ではこれにチャレンジする会社がいませんでした。
今後の成長に向けて、Roof-1については、より一般の方にも手の届きやすい価格帯の製品開発や、公共施設や商業施設といった大型施設への導入に取り組んでいます。
また、エネルギー管理システム(HEMS)「Energy-1」は、今年(2025年)本格ローンチを行い、ユーザーの方々の電気代の削減や発電のモニタリングサービスの提供のほか、便利なサービスを開発し、バージョンアップしていく予定です。
モノクロームの採用方針:「挑戦意欲」と「情熱の源泉」
▲横須賀の秋谷本社に集まるメンバー(左)と実験住宅での実証実験の様子(右)
編集部
人事のご担当でもある森下さんにぜひお聞きしたいのですが、少数精鋭の組織として、採用時にはどのような点を重視しているのでしょうか。
森下さん
モノクロームの採用で特に確認しているのは、新しいことへの挑戦意欲とご本人が持つ情熱の源泉、それからオープンコミュニケーションができる方かという点です。
当社は創業期の会社なので、プロダクトも販売方法もお客様も全て新規開拓の状態です。そのため、お客さんに喜ばれる革新的なプロダクトを作り、世の中に広めることに挑戦したいか、情熱を持てるかどうかに注目しています。
また、面接の過程では、その方が心からワクワクすること・楽しいと感じること(情熱の源泉)をざっくばらんにお話を聞いて、ありのままを理解したいです。
当社はリモートメインの環境ですが、マイクロマネジメントはなるべく避けて、一人ひとりが自分の持ち味を発揮する中で結果を最大化したいというのが組織運営の基本的な方針です。このやり方のリスクとして、メンバーが自分の考えを外に出すのを億劫がったり、事業方針や他のメンバーの態度に疑問があっても直接声を上げないでいると、気づかないうちに組織に負の力がたまってしまうということがあります。
梅田の前職での失敗経験からの学びもあって、当社ではSlackでも対面でも、オープンに話し合うことを大事にしています。考えていることを言語化して他の人に伝えるというのは、一人ひとりに負荷がかかりますが、メリットの方が大きいと考えています。とはいえ、これが最初から完ぺきにできる人はあまりおらず、入社後に徐々に慣れていく方が多いです。
当社に入社後、事業内容や製品、組織の中で担う役割等を通して、ご本人の情熱の源泉を活かせる環境があること、疑問があったらお互いに遠慮せずに言い合えることが、ご本人と会社の双方にとってハッピーなことだと思います。
編集部
具体的な採用プロセスについて教えてください。
森下さん
基本的には3回の面接があります。面談の中で、入社後に一緒に働く部署チーム、COOの乾、CEOの梅田とお会いいただきます。
なお、面接はほとんどオンラインで行っていますが、少なくとも1回は対面で会うようにしています。その際も、かしこまった面接というよりは、お茶を飲みながらざっくばらんに思っていることを率直に聞くようなスタイルです。
創業期のスタートアップで、中心メンバーとなり働きたい方を歓迎
編集部
最後に、御社に興味を持たれた方へメッセージをお願いします。
森下さん
私はこれまでに3社ほど経験していますが、この会社が一番働いていて楽しい環境です。創業期の30人規模でありながら、これほどモチベーションの高い、優秀なメンバーと働ける環境は珍しいと思います。
CEOの梅田をはじめ、ビジネスや各専門分野で経験を積んだメンバーが、オープンマインドで「良いものを作ろう」と熱意を持って集まっています。また、評価制度や会社の方向性についても、若手メンバーを含めて全員で話し合える環境があり、将来的に経営に関わりたい方や起業を考えている方にとって、非常に学びの多い環境だと思いますね。
これから入社される方々には、いずれ経営や事業を担う中核メンバーになっていただきたいと考えています。他社ではできない新領域にチャレンジしたい方、成長するスタートアップ企業で中心メンバーとして働きたい方からのご応募を心よりお待ちしております。
編集部
本日はありがとうございました!
株式会社モノクロームの働き方のまとめ
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株式会社モノクロームの基本情報
企業名 | 株式会社モノクローム |
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住所 | 秋谷本社:神奈川県横須賀市秋谷4321 東京オフィス:東京都中央区日本橋横山町5-13 MIDORI.so 6F |
事業内容 | ・屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」の開発 ・エネルギー管理ソフトウェア(HEMS)「Energy-1」の開発 |
設立 | 2021年7月 |
働き方 | ・リモートワーク可 ・フルフレックスタイム制度 |
公式ページ・採用情報 | https://www.monochrome.so/ company |
募集職種 | 新規事業開発ポジション |