エンジニアの活躍や女性のキャリア形成を後押しする企業を紹介する本企画。今回は、金融系に強みを持つ独立系システムインテグレータの「株式会社ニーズウェル」を取材しました。
業務系システム開発に加えソリューションビジネスも拡大中の株式会社ニーズウェル
株式会社ニーズウェルは、1986年創業の老舗システムインテグレータとして金融系をはじめとする幅広い業界のシステム開発を手がけています。
近年は事業拡大と付加価値の向上を目指してソリューションビジネスにも力を入れており、長崎大学と連携して生成AIソリューションの研究開発を行うなど、産学共同の取り組みにも積極的です。
会社名 | 株式会社ニーズウェル |
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住所 | 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ ガーデンコート13階 |
事業内容 | ・ソフトウェアの開発・運用・保守 ・ソリューション製品の開発・販売・運用・保守 |
設立 | 1986年10月 |
公式ページ | https://www.needswell.com/ |
エンドユーザーとの直接取引が売上の6割以上を占める株式会社ニーズウェルでは、エンジニアが顧客への提案に関わることもあり、勉強会などを通じてIT分野にとどまらない幅広い業界知識を身につけることができます。
また、IT企業としては女性比率が高く、子育てと仕事の両立を支えるための制度も充実しています。
今回は、人事を担当する齋藤慎也さんと松澤愛帆さん、広報の平安名桃香さんにお話を聞かせていただきました。
ニーズウェルのエンジニアは幅広い業界の案件を通じて経験を積める
編集部
グループ全体で約650名が働くニーズウェルさんですが、どのくらいの方がエンジニアとして在籍されているのでしょうか。
齋藤さん
社員の9割がエンジニアとして勤務しています。東京と長崎に拠点がありますが、大部分が東京で働いています。
編集部
金融系のシステム開発に強みをお持ちですが、受託案件としてはどのようなものがありますか?
齋藤さん
売り上げベースでみると半分近くが金融系の案件で、銀行や証券、保険、クレジットカード関連といった企業様のシステム開発を担当させていただいています。
さらに、金融系システムで積み上げた実績や営業力・技術力によって、通信キャリアや物流、建機など、幅広い分野のお客様からもご依頼をいただいています。
編集部
さまざまな業界のプロジェクトに携われる可能性があることは、知識やスキルを高めたいと考えるエンジニアにとっても魅力的ですね。
エンドユーザー直接取引が多く、顧客への提案も行う
編集部
ニーズウェルさんはエンドユーザーとの直接取引に強みを持つと伺いました。
齋藤さん
弊社は、お客様の信頼を得ながら、徐々にエンドユーザー取引の比率を高めてきました。現在では、売上構成比の65%がエンドユーザー直接取引です。
編集部
直接取引が多いことは、エンジニアの仕事にどのようなメリットがあるとお感じですか?
齋藤さん
私たちは、お客様の本当の悩みを理解したうえで提案し、問題解決をリードしていくことを大切にしています。そのため、エンジニアがシステム設計や開発だけでなく、お客様へのヒアリングや提案を行う場合があります。
エンジニアが課題や悩みを直接聞きながら進めることもあるため、営業的なお仕事を含む、幅広い業務を経験できると思います。
顧客を理解するためIT以外の知識を高める勉強会も
編集部
お客様への提案など、エンジニアが枠を超えた活躍をするために、会社としてどのような後押しをしていますか?
齋藤さん
お客様の目線に立つことを大切にしているので、担当する業界のことをしっかりと理解できるような機会を積極的に設けています。
例えば、エンジニアにはITの技術だけでなくお客様の業界知識もつけてもらうため、チームによっては関わるお客様の業務を理解するための勉強会を行うことがあります。過去には金融系の知識を高めるために金融独自の業務フローや専門用語を勉強する会を開催したこともあります。
編集部
お客様の業界に関連する資格を取得する場合、それをサポートするような仕組みはありますか?
齋藤さん
弊社には資格奨励制度があり、資格を取得した場合、受験料と奨励金が支給されます。
対象となる資格は300種類以上あり、レベルが高い資格ほど奨励金が上がる仕組みになっています。
OJTやメンター制度があり未経験入社でも成長できる
編集部
ニーズウェルさんはエンジニアの未経験入社も歓迎しているそうですが、未経験スタートの方はどの程度いるのでしょうか?
松澤さん
近年は年間50〜60名が新しく入社しており、このうち8割ほどがプログラミング未経験者です。
編集部
入社後の成長をサポートするための制度があればご紹介いただけますか?
松澤さん
新入社員の場合、入社後2ヶ月かけてプログラミング研修に参加してもらいます。研修は基礎から始まり、応用を重ねていって最後にプロジェクト演習を行います。
2ヶ月研修したからといって全員がプログラミングをマスターできるわけではありませんので、その後も1年間はOJTトレーナーが横について実務での指導をしっかりと行います。
編集部
仕事上の不安などを気軽に相談できる仕組みはありますか?
松澤さん
OJTトレーナーとは別に、メンターを専属でつけています。月に1度、新入社員と面談をし、「業務は難しくない?」とか、「人間関係は大丈夫?」といったことを聞きながら1年間フォローしています。
編集部
OJTトレーナーとメンターの2人体制でしっかりとサポートしているのですね。
松澤さん
OJTトレーナーは教える立場なので、新入社員によっては「本当は業務が難しいと感じるけれど、一生懸命教えてくれるトレーナーには言いづらい」と感じてしまう人もいます。そのような部分をしっかりケアするためにはメンターの存在も欠かせないと考えています。
編集部
入社後のサポート体制やニーズウェルさんでのお仕事内容について、新入社員や未経験で入社した若手社員からはどのような感想が寄せられていますか?
松澤さん
内定者や新入社員に弊社に入社を決めた理由を聞くと、安心できる教育制度があることを挙げてくれる人が圧倒的に多く、未経験者をフォローする体制をしっかり構築できていると感じます。
仕事内容については、業務の幅が広いので勉強すればどんどんスキルや経験を積み重ねることができると言ってもらうことが多いですね。
編集部
しっかりとしたサポート体制があるニーズウェルさんなら、未経験であっても活躍できるエンジニアへと成長できそうだと感じました。
「社内FA制度」で目指すキャリアを実現できる
編集部
若手のキャリア形成を支える取り組みはありますか?
松澤さん
次期リーダーの育成を目的に、2年目、3年目、4年目といった若手社員を対象に年次研修を行っています。
編集部
ほかの分野に挑戦したいと思った時に、それが叶うような仕組みはありますか?
松澤さん
新しい経験をどんどん積むことでキャリアアップに繋げてほしいという思いから、募集プロジェクトへの異動を申告できる「社内FA制度」を設けています。
新しいプロジェクトが立ち上がる時や、プロジェクトのメンバーが足りない時などに社内求人を出し、募集プロジェクト先による選考を通過すれば、参画することができます。
社員の声を積極的に取り入れながら誰もが活躍できる環境を整える
▲齋藤さんは、ニーズウェルには社員の声を制度づくりなどに活かすカルチャーがあると話す。
編集部
ニーズウェルさんは昇給率が平均3.6%(※)、譲渡制限付株式(RS)を含めると7.5%の賃上げを実施するなど、社員への還元に積極的なイメージです。
※2024年4月の定期昇給における従業員の昇給率
齋藤さん
弊社は役職に関係なく、社員全員に経営者的な視点を持ってほしいという思いを持っています。そのため、業績の拡大が給与にしっかり反映されるようにしています。
編集部
自分の努力が会社を大きくし、それが給与として還元されるような仕組みを重視しているのですね。
齋藤さん
その通りです。社内制度についても先ほどご紹介したメンターや社内FA制度のように、視野を広げながら成長・キャリアアップしていける制度の構築を大切にしています。
編集部
ほかにも、社員の働きやすさを実現するような制度があればご紹介ください。
齋藤さん
安心して働き続けることができるよう、2023年10月に職場復帰支援制度を導入しました。
長期の休みを取得した社員が復職を希望する場合、いきなり元の仕事を担当してもらうのではなく、比較的負荷が軽く、ほかのメンバーがカバーしやすい業務からスタートできるようにしています。
編集部
ここまでお話を伺い、ニーズウェルさんにはあらゆる社員が安心してキャリアを歩めるような環境が整っていると感じました。
3割近くが女性のニーズウェル。仕事と育児を両立させる社員も多数
編集部
ここからは、女性社員の活躍をテーマにお伺いします。まず、ニーズウェルさんの女性比率について教えてください。
松澤さん
2024年4月時点の女性比率は28%で、一般的なIT企業に比べると高い水準にあると言えます。
ここ数年は、新入社員の男女比が50%になることもあり、社内を見渡しても女性の若手社員が増えたことを実感します。
編集部
ニーズウェルで働く女性として、平安名さんは社内の雰囲気をどうお感じですか?
平安名さん
私は2023年4月入社しましたが、同年代の女性社員が周りにたくさんいて話しやすい雰囲気があると感じますね。
編集部
女性を積極的に採用しているニーズウェルさんですが、出産や子育てをする社員を支える仕組みはありますか?
松澤さん
時短制度やテレワークのほか、1時間単位で取得できる有給休暇や子の看護休暇制度などがあります。
人口減少が進むなか、今後は育児や介護をする人も安心して働ける環境を作らなければ会社は成り立たないと考えています。そのため、仕事と家庭を両立できるような制度づくりを積極的に進めています。
子育て社員として「あったらいいな」と思う制度を提案することも
▲2014年に中途入社した松澤さんは2人の子どもを育てながら採用活動などを担当している。
編集部
松澤さんご自身も子育てしながら働いているそうですね。会社の制度をどのように活用していますか?
松澤さん
私は保育園と小学校に通う2人の子どもを育てながら10時〜16時の時短勤務をしています。
テレワークをメインにしているので、子どもを送ってからでも無理なく仕事をスタートできます。終業後に夕食の準備や翌日の子どもの学校の準備などができるので、家庭との両立はしやすいと感じます。
上の子が小学生になってからは急な保護者会などが入ることもありますが、1時間単位で使える有休制度があるので無理なく対応できています。
編集部
子育て社員に対する周囲の理解やサポートについては、どのようにお感じですか?
松澤さん
困っていることがあれば遠慮せず相談できる雰囲気がありますし、周囲のサポートがなければここまでしっかりと両立できていないと思うので、このような環境は本当にありがたいですね。
また、仕事と家事を両立をする当事者として今後の女性活躍推進のための制度作りに尽力していきたいです。
育休などでブランクがあっても安心してキャリアを築ける
編集部
ニーズウェルさんは女性の管理職比率30%以上を目指しています。女性社員のキャリア形成の取り組みについてもお聞かせいただけますか?
齋藤さん
弊社は男性・女性にかかわらず、新卒で入社して3、4年目でリーダーに近い役職につく社員もいます。本人がリーダーとして挑戦したいという思いを持ち、それに向かって努力している人には積極的にキャリアアップにチャレンジしてほしいです。
また、特に技術職に言えることですが、産休や育休で一定期間のブランクがあっても即戦力に近い形で活躍しやすいです。復帰してすぐに後輩のトレーナーを担当することもあり、ブランクがキャリアや仕事に影響することを心配する必要はありません。
編集部
ライフステージの変化や産休・育休を経験しても、安心してキャリアを積み上げることができるのですね。
齋藤さん
時短勤務も個人の事情に合わせて就業時間などを設定できるので、それぞれがベストだと感じる復帰の仕方ができると思います。
オープンマインドな人が多く、社内はアットホームな雰囲気
編集部
ニーズウェルさんの社内の雰囲気やカルチャーについてもお話しいただけますか?
松澤さん
私は別の業界からニーズウェルに転職しました。入社前、IT業界に対してひとりで黙々とパソコンを操作しているイメージを持っていたのですが、いざ働いてみるとエンジニアであっても営業職のようにたくさんお話しする人が多くて驚きました。
自分が思ったことを口に出して説明できたり、お客様の要望などを汲み取ったうえで提案できたりと、コミュニケーションや会話を大切にしているエンジニアがとても多いです。
ベテラン社員も若手社員もコミュニケーションを取るのが好きでオープンマインドの人が多いので、会社の雰囲気もアットホームですね。
齋藤さん
私は前職もIT系の会社で、エンジニアとして働いていたのですが、松澤の言うようにニーズウェルのエンジニアはコミュニケーション能力が高いと感じます。自分のことをしっかり話せる人、人の話にしっかり耳を傾けてくれる人が多いです。
編集部
入社間もない平安名さんからみた社内の雰囲気はいかがですか?
平安名さん
オフィスがワンフロアなので、みんなと顔を合わせられるところが魅力だと感じます。私はエンジニアではありませんが、普段お仕事で関わることのないエンジニアの人たちが職場で話しかけてくれるなど、積極的に社内交流しようと考える人が多いと感じます。
編集部
社内の交流を促進するようなイベントなどもあるのでしょうか?
平安名さん
チームで駅伝大会に参加したり、フットサルのチームを作ったりと、交流できる機会はたくさんあります。
イベント情報などは社内限定のSNSを使って積極的に発信しているので、気になるものがあれば気軽に参加することができます。
未経験も歓迎!変化を前向きに捉え一緒に会社を作る仲間を募集
編集部
最後に、ニーズウェルさんのお仕事に興味を持った読者の方にメッセージをお願いします。
齋藤さん
弊社は実務未経験であっても、やる気のある方であればポテンシャル枠として採用しています。ITに興味をお持ちの方や、技術を使った仕事をしたいと考えている方はハードルを高く感じずにご応募いただければと思います。
本日ご紹介した社内FA制度や職場復帰支援制度など、キャリア形成や働きやすさを実現するための新しい制度もどんどん生まれています。変化を前向きに捉え、一緒に会社を作っていける方をお待ちしています。
編集部
ニーズウェルさんは、提案力を磨きながらエンジニアとしてスキルアップを目指す人や、ライフステージが変わってもキャリアを積み続けたいと考える人にぴったりの場所だと感じました。
本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社ニーズウェル:https://www.needswell.com/
採用ページ:https://www.needswell.com/recruit/