広告制作を手がけるノースショア株式会社の一流クリエイター育成術に迫る

若手メンバーの活躍や、働きやすいカルチャーづくりを推進している企業を紹介する本企画。今回は、企業や商品ブランドの課題をクリエイティブの力で解決に導くノースショア株式会社にインタビューしました。

ノースショア株式会社とは

会社のロゴが掲示されたノースショア株式会社のエントランスの様子

ノースショア株式会社は、広告コンテンツを通じてクライアントの課題を解決に導く広告制作会社です。

プロデューサーやデザイナー、エンジニアなど広告に関わるプロのクリエイターが集まり、企業や商品のブランディング戦略から広告コンテンツの制作、運用までを一気通貫で支援しています。

会社名 ノースショア株式会社
住所 東京都港区六本木4-1-4黒崎ビル9階
事業内容 広告コンテンツ制作
設立 2008年2月
公式ページ https://www.north-s.co.jp/

社名の由来はハワイにあるサーフィンの聖地、ノースショア。世界のトップサーファーがこの場所に集まるように、世界中から優秀なクリエイターが集いクライアントの課題解決に挑む「クリエイターの楽園」を目指しています。

今回は、ノースショア株式会社の社員たちが若手のうちから活躍できる理由や、コミュニケーションを重視する風通しの良い社風について、代表取締役の石井龍さん、執行役員CHROの小谷優大さん、人事・採用担当の山﨑美早紀さんと良沢莉沙さんに伺いました。

本日お話を伺った方
ノースショア株式会社の代表取締役、石井龍さん

ノースショア株式会社 代表取締役

石井 龍さん

ノースショア株式会社の執行役員CHRO、小谷優大さん

ノースショア株式会社 執行役員CHRO

小谷 優大さん

ノースショア株式会社の人事・採用担当、山﨑美早紀さん

ノースショア株式会社 人事 採用担当

山﨑 美早紀さん

ノースショア株式会社の人事・採用担当、良沢莉沙さん

ノースショア株式会社 人事 採用担当

良沢 莉沙さん

ノースショアが目指すのはクリエイターが仕事に没頭できる「楽園」

ノースショア株式会社の公式サイトに掲載されたビジョン
▲ノースショアは、「クリエイティブに全力を捧げる、クリエイターの楽園をつくる。」というビジョンを掲げている。(公式サイトから引用)

編集部

まず最初に、ノースショアさんの事業内容について教えてください。

石井さん

私たちは、クリエイティブの力でクライアントの課題を解決に導く広告制作事業を行っています。

弊社の特徴は、広告コンテンツの制作だけにとどまらず、課題解決をトータルでサポートする点にあります。クライアント企業様の商品やサービスを世の中に広めたり、売り上げに繋げるための戦略を考えるところから始まり、動画やWebサイト、SNSなど様々なプラットフォームに向けた広告映像やグラフィックの制作、さらに広告運用においても効果の検証や改善まで行っています。

編集部

ノースショアさんの社名の由来は、ハワイにあるサーフィンの聖地ということですが、どのような思いが込められているのでしょうか?

石井さん

ハワイ・オアフ島にあるノースショアには、ビッグウェーブに挑もうと世界中からサーファーが集まります。彼らがリスクやチャレンジを恐れず波に立ち向かうように、私たちもクライアント様それぞれが抱える課題=波に果敢に挑戦したいという思いを込めて、ノースショアという社名を付けました。

「クリエイティブに全力を注げる、クリエイターの楽園をつくる。」というビジョンのもと、弊社にはプロデューサーやクリエイティブディレクター、デザイナー、エンジニアなど様々なプロフェッショナルのクリエイターが集まっています。社員の挑戦に敬意を込めて、彼らのことを「Surfer(サーファー)」と呼んでいます。

編集部

広告制作のほかに、手がけている事業はありますか?

石井さん

クリエイターがクリエイティブワーク以外の作業に費やす時間を減らし、本来の業務に専念してほしいとの思いから、2018年に制作プロダクションと広告映像クリエイターをオンライン上でマッチングするサービス「クリショア」を始めました。

ノースショア株式会社が手がけるクリエイターのマッチングプラットフォーム「クリショア」のサービス画面
▲プロダクションとクリエイターをマッチングさせるノースショアのサービス「クリショア」

石井さん

「クリショア」は、映像クリエイターの検索やポートフォリオの共有がオンライン上でできるプラットフォームで、CMをはじめとする質の高いコンテンツが作れる映像ディレクターやプロデューサーなど、2,994名(2023年8月時点)のクリエイターに登録いただいています。

2023年8月には、広告主や広告代理店といった映像制作の発注者と、映像制作会社やクリエイターなどの受注者を、オンライン上でマッチングさせる新サービス「クリショアfor発注者もスタートしました。

編集部

クリエイターを大切にし、広告の力で世の中に貢献したいというノースショアさんの思いが伝わってきました。

■「クリショアfor発注者」のサービスページはこちら!
https://match.creshore.jp/

約半数が20代。入社2年で大型プロジェクトの主力として活躍

ノースショア株式会社の社員2人がパソコンを見ながら話しているようす

編集部

続いて、ノースショアさんの若手活躍について伺います。まず、若手社員の比率について教えていただけますか?

山﨑さん

弊社の社員数は80名(2023年7月時点)で、このうち20代が47%です。また、20〜30代前半を「若手社員」と定義した場合、約60%が若手社員に相当します。

編集部

多くの若手社員が活躍されているのですね。具体的にどのような業務を担われているのでしょうか?

石井さん

広告制作の進行を仕切ったり、クリエイティブ制作の舵取りをするプロデュースユニットでは、入社から2年経たないうちに、予算が数千万円の大規模プロジェクトの中心的な立場を担っているメンバーがいます。

現在、入社2年前後で「一人前」と呼べるポジションにつく若手社員は6名います。

ホワイトボードが設置された会議室のようす

編集部

短い期間で「一人前」の社員に育てるために行っているサポートや育成制度は何かありますか?

良沢さん

弊社ではメンター制度や様々な勉強会を通じて、社員一丸となって若手社員を育成しています。

まず、メンター制度についてですが、プロデュースユニットの場合ですと複数の先輩社員が数ヶ月ごとのローテーションでメンターを務め、業務に関する指導から日常的な悩みの解決までサポートします。様々な知識を偏りなく身につけてほしいという思いから、複数の先輩社員がメンターとして関わるようにしています。

また、少しでも早く環境に慣れて力を発揮してもらえるよう、上長や人事の担当者が新しく入ったメンバーと定期的に面談を行い、不安があれば一緒に解消するなど、きめ細かいケアを心がけています。

小谷さん

新卒で入社した社員に関する数字になりますが、オンボーディングの取り組みに力を入れた結果、ここ3年間の新卒社員の定着率は100%です。つまり誰も退職していません。

編集部

新しい環境に馴染めるか不安を抱える人は多いので、受け入れ体制が整っていることは大きな安心材料になりますね。

新入社員の定着率100%を支えるのは、メンター制度と勉強会

ノースショア株式会社の社員3人が1台のパソコンを見ながら話しているようす

編集部

ノースショアさんで新卒社員が定着する理由としては、他にはどのような取り組みが挙げられるでしょうか?

石井さん

メンターから卒業した後の取り組みとして、知識やノウハウを身につける機会を積極的に設けています。

例えば、入社間もない社員を対象にした「波乗り塾」という勉強会では、広告業界に関する基本的な知識からアイデアの発想法まで、先輩社員が先生になってクリエイティブの「いろは」を伝えます。ここでは自分が所属する部署だけでなく、ほかの部署の業務に関する知識も身につけるので、会社のビジネスの全体像を理解したり、部署間の連携意識を養うことにもつながります。

小谷さん

社員が自ら勉強会を企画することもあります。入社2年目の良沢は、1年目の社員を対象に「しくじり先生」と題した研修を開催しましたよね。

良沢さん

はい。私自身が「しくじり先生」となって、2年目の自分だからこそ伝えられるリアルな失敗談や、知っておくと役に立つことについて新入社員のみなさんの前でお話ししました。私の経験をこれからの業務に少しでも生かしてもらえたらという思いで、司会進行まで全て自分で行いました。

編集部

ノースショアさんには、「若手を育てる」というカルチャーのもと、面倒見の良い先輩たちが集まっているのですね。

ノースショアでは、サポート体制を整えて若手の挑戦を支援

ノースショア株式会社の社員2人が笑顔で話すようす

編集部

ノースショアさんでは、若手社員でも大型案件をリードするということですが、リスクを顧みず若手を抜擢する理由は何でしょうか?

小谷さん

弊社には、手を挙げて挑戦の意思を示す人を歓迎するカルチャーがあります。大きなプロジェクトであっても、積極的に関わりたいという人がいれば、それが若手であっても前向きに検討します。もちろん、挑戦はリスクを伴うものですので、チームとしてサポートする体制も同時にしっかり整えます。

そのようにして成功体験を積み重ねてもらうことで、個人がバリューを発揮できる組織となり、結果的に会社の成長につながると考えています。

編集部

同僚が活躍する姿を見ることは、ほかの若手社員の刺激にもなりそうです。

社員の共通点は「いい人」。チームワーク重視のノースショアのカルチャーとは

ノースショア株式会社の社員2人がソファ席に座って話し合うようす

編集部

続いて、働きやすさにつながる職場風土について伺いたいと思います。まず、ノースショアさんで働く人たちの共通点は何かありますか?

小谷さん

一言で言うと、「いい人」です。

弊社にはひとつだけ明確な採用基準があるのですが、それが「いい人」なんです。極端な話ですが、「能力が高い人」と「性格が良い人」のどちらかしか採用できないとなった場合、弊社では性格が良い人を採用します。

能力も大切ですが、私たちはチームプレーで仕事をしているので、周りと協力しながら働ける人を重視しています。

チームを重視するカルチャーが根付いているので、チームワークの精神に反するような発言や行動があれば、メンバー同士で指摘したり、改善を促したりすることが当たり前になっています。

編集部

チームの結束を象徴するような具体的なエピソードはありますか?

石井さん

例えば、業務に関連して、誰かが「この日時に撮影があります」とチーム内でスケジュールを共有すると、ほかのメンバーも可能な限り時間を確保して現場に行き、撮影をサポートしています。

会社がそのようなルールを設けているわけではなく、メンバー同士が自発的にサポートし合っています。このような光景を見ると、チームワークが機能していることを実感します。

1人あたり年間3万円のコミュニケーション予算あり!

ノースショア株式会社のオフィスのようす
▲ノースショアのオフィスにはリラックスできるソファ席のほか、サーフボードも。

編集部

チームワークの意識を高めるためには、コミュニケーションの施策が重要になると思います。ノースショアさんではどのようにコミュニケーションを活性化しているのでしょうか?

小谷さん

私たちはクリエイターのプロ集団として、「メイクファンズ」、つまり目の前の人をファンにしたいという思いで活動しています。この姿勢は社内に対しても言えることで、「感謝と肯定から始まるコミュニケーション」を重視し、社員が発言しやすい雰囲気づくりを推進しています。

また、社員同士のコミュニケーション施策の一環として、1人あたり年間3万円の「コミュニケーション予算」を付与しています。

編集部

1人3万円というのは大きいですね。みなさん、どのような使い方をしていますか?

小谷さん

交流を深めることにつながるなら使い道は自由なので、社員同士でお酒を飲んだり食事に行ったり、同じ趣味の活動などに使っています。

また、最近始めた取り組みとして、「先輩ランチ」があります。これは、後輩が先輩をランチに誘うもので、上司とのコミュニケーションのハードルを下げて気軽に話せる関係になってほしいという思いで導入しました。

こういう仕掛けを通じて、社員が不安や悩みを抱えた時に自発的に誰かに相談したり、何かに悩んでいそうな社員がいればそれに気づいて声をかけてあげたりできる環境を整えていきたいと思っています。

「現場の声を経営に生かす」を大切に、代表自ら全社員80人と1on1

ノースショア株式会社の代表取締役、石井龍さん
▲ノースショアの石井さんは、社内の情報共有を推進し経営の透明性を高めたいと話す。

編集部

ここまでお話を伺って、ノースショアさんの職場の風通しの良さをすごく感じました。

石井さん

風通しの良さとも関連するのですが、私たちは経営の透明性も重視しています。

部署間や、経営陣とマネージャーの間で定期的なミーティングを実施するほか、「Surferミーティング」という月に1度の全社ミーティングを開催し、あらゆる情報を共有しています。事業の進捗状況やユニットごとのトピックス、新しいメンバーの紹介など、いい話もそうではない話も、可能な限りみんなで共有することを基本としています。

小谷さん

会社の考えや方針を一方的に社員に伝えるだけでなく、「現場の声を経営に生かす」ことも大切にしています。そのため、代表の石井は年に1度、80人の社員全員と1on1ミーティングを実施しています。

社員のアイデアから会社に改善してほしいことまでトップが直接聞いて、一緒に解決策を考えたり会社の制度に反映させたりすることが狙いです。

編集部

社内の情報共有を重視するオープンな姿勢や、現場の声に真摯に向き合う姿勢は、社員の会社に対する信頼感にもつながっているかもしれませんね。

ノースショアは「営業力の強化」でさらなる成長を目指す

携帯電話で話しながらパソコン作業をするノースショアの社員

編集部

ノースショアさんの、今後の成長に向けた戦略を教えてください。

小谷さん

2023年度から、営業力の強化に向けた取り組みを始めました。営業は属人的になりやすく、個人の「人間力」に頼りがちですが、もっと戦略的に営業強化の仕組みを作りたいと考えています。

編集部

具体的には、どのような仕組みを考えているのでしょうか?

小谷さん

営業のフロントに立つのは主にプロデューサー職の社員なのですが、彼らだけに頼らずに、全員が営業的な視点を持って仕事に臨むような組織を作りたいと思っています。

例えば、デザイナーや映像クリエイターといったメンバーも、よりクオリティの高いコンテンツを制作すれば、クライアント様のリピートに繋がるかもしれません。このように、すべての職種の人が自分の仕事を営業と結びつけて考え、行動することによって営業力を上げていきたいです。

チームを横断して営業戦略をテーマにディスカッションする場を設け、社外広報の活動についても強化したいと考えています。

編集部

クリエイターの一人ひとりが営業視点を持つことで、クライアントに選ばれるチャンスが一層高まりそうですね。

ノースショアでは自己実現、キャリアデザインまでサポート!

ノースショア株式会社のオフィス内のようす

編集部

最後に、ノースショアさんで働くことに興味を持っている読者の方にメッセージをいただけますでしょうか?

山﨑さん

弊社には個性豊かなメンバーが集まっていますが、みんなに共通して言えるのは人情味があるということです。「楽しい、嬉しい、辛い、苦しいといった感情を分かち合える仲間」という表現がぴったりだと思います。1人1人がチームワークを大切にして良い関係性を築こうと意識しているので、助け合いながら楽しく働くことができる環境だと思います。

小谷さん

私たちは、若手の活躍を真剣に考えています。一人前になるまでのスパンを短くして、早い段階から活躍出来る人材を生み出していくために、これからも研修や教育を通じてサポートしたいと思っています。

また、一緒に働くメンバーには、キャリアを通じて自己実現してほしいと思っています。「自分は将来こうなりたい」というビジョンがある人には、何をすればそこに到達するのかというキャリアデザインまで会社が一緒に考えられるような仕組みづくりも始めています。

石井さん

「クリエイターの楽園をつくる」というビジョンのもとチャレンジしていただける方、「クライアントのファンを作ろう」というミッションに共感し、商品やサービスのファンを増やせるようなクリエイティブコンテンツを作りたい方、「感謝と肯定」の気持ちを持ちながら忌憚のない意見を出し合いお互い高め合うことができる方、ノースショアの考え方やカルチャーに共鳴してくれる仲間とぜひ一緒に働きたいと思っています。

編集部

ノースショアさんは挑戦する人を応援し、オープンな環境で気持ちよく働ける職場だということが伝わってきました。本日は、ありがとうございました。

◾️取材協力
ノースショア株式会社:https://www.north-s.co.jp/
採用ページ:https://www.north-s.co.jp/recruit