事業の成長力や社会への影響力、そして技術の独創性などで注目すべき企業を紹介する本企画。今回は「グローバル人材の育成」を事業の柱とし、「世界中どこでも成果を出せる人と組織を創出する」をミッションに掲げる株式会社プロゴスをご紹介します。
株式会社プロゴスとは
株式会社プロゴスは2021年3月に、株式会社レアジョブの法人事業子会社として設立されました。プロゴスの主力サービスである英語スピーキング力測定システム「PROGOS」は、会社設立前年の2020年6月にレアジョブが開発したものです。
「PROGOS」は2020年12月に「Reimagine Education Award 2020」の学習アセスメントカテゴリーにおいて銀賞を受賞しました。そして2021年7月には経済産業省が後援する「第6回HRテクノロジー大賞」において、「注目スタートアップ賞」を受賞しています。
会社名 | 株式会社プロゴス |
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住所 | 東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビル2階 |
事業内容 | グローバルリーダーの評価・育成 |
設立 | 2021年3月 |
公式ページ | https://www.progos.co.jp/ |
今回は株式会社プロゴスの代表取締役社長を務める坪内俊一さんに、ミッションに込めた思いや二桁成長を続けている要因、今後の事業の方向性を伺いました。さらにはメンバーに共通している価値観やメンバーの成長を支援する取り組みについてお聞きするとともに、採用に関するポイントや求めている人材をお伺いしています。
事業の柱は「グローバル人材の育成」
▲公式サイトに掲げられたメッセージ
編集部
最初に事業概要の説明からお願いいたします。
坪内さん
プロゴスはグローバルに活躍する人や組織の育成を支援する会社です。具体的にはグローバル人材の育成に向けた研修の提供ですね。これが現時点での主力事業になります。またミッションとしては「世界中どこでも成果を出せる人と組織を創出する」を掲げています。
編集部
ミッションにはどういった思いが込められているのですか。
坪内さん
このミッションは、弊社が「語学だけの会社ではない」ということを表明するために、2023年の1月から2月にかけて再定義したものです。
レアジョブ英会話の法人向け販売から出発した事業ですが、現在は英語研修だけではなく、世界中のどこでも成果を出すことのできる人や組織を育成すること。これこそが我々の取り組んでいるテーマなのです。このことをミッションとして明確に示しました。
二桁成長の要因は事業領域を人材育成にまで広げたこと
編集部
親会社のレアジョブさんが、英語スピーキング力測定システム「PROGOS」を開発したのは2020年6月です。そして2021年3月に子会社としてプロゴスさんを設立し、2023年4月に坪内さんが社長に就任されました。
この間、急速な変化があり、成長を遂げられたかと思うのですが、どんな状況だったのでしょうか。
坪内さん
毎年10%を上回る成長をしてきました。その要因は、英語研修からスタートしつつも、事業領域をそこだけにとどめなかったことです。グローバルビジネスに必要なスキルを伸ばすための研修にまで広げたことで、ここまでの成長に繋がったのだと思います。
編集部
今後は、どんな事業展開をお考えでしょうか。
坪内さん
それについては2つの構想があります。1つは今展開している人材育成の領域において、さらに弊社の優位性を高めていくことです。
現在、AIを活用した英語スピーキングテストPROGOSを販売しており、3年間で40万回を超える受験をしてもらっています。このデータを活用していくことはもちろん、PROGOSの延長として、グローバルビジネスに必要なスキルのアセスメントの開発を進めており、今後さらに他社では実現できないサービスを提供していきます。
そしてもう1つは、事業領域を人材育成だけに留めないことです。例えば、人材紹介や人事に関連するコンサルティングの領域にまで広げることで、人材育成だけでなく、人事領域全般を支援することができるようになります。そんなことを今後の展開として考えています。
編集部
事業領域の深掘りと領域そのものの拡大で、さらなる成長を実現するのですね。
プロゴスの役割は日本企業の海外進出ペースを加速すること
▲プロゴスのフィリピンの子会社のメンバーたち
編集部
これからの日本経済は、日本の企業や人材が「どれだけグローバルで活躍できるかにかかっている」といわれます。プロゴスさんがこれを加速させるわけですね。
坪内さん
そうですね。率直にいえば、この先日本が国内市場だけで成長していくというストーリーは描きにくいというのが現実だと思います。ですから今、大企業を中心に多くの企業が、海外市場における成長を事業戦略の柱に据えています。
海外進出については、M&Aなどの手法を使うケースもあります。ただし外国企業を買収するだけで海外市場で伸びるのかといえば、そんなに簡単な話ではありません。
私は日本企業が海外市場で成長するためには、日本で培ったアセットをいかに活用できるかが重要だと思っています。どうやってシナジーを発揮しながら、海外市場で成長するのか。これを模索する以外に道はないと思います。
そういう観点でいえば、今日本にいる人材が重要なアセットの1つなんです。その人材をグローバルで活躍できるように育成できた会社こそが、海外での事業成長を実現できます。
弊社のサービスは、これを実現するために万全の支援体制を敷いています。グローバルな成長を実現するために、1社でも多くの日本企業に弊社のサービスをお使いいただきたい。そういう思いで事業を展開しています。
グローバル人材が魅力を感じる組織作りをトータルで支援
編集部
グローバル人材の価値も、今後ますます高まっていくのでしょうね。
坪内さん
そう思います。例えば人材獲得競争も、今は本当にグローバルになってきています。英語を話せるエンジニアは、もはや日本企業に就職する必要がないんですね。逆にいえば日本企業は、グローバルに活躍できる人材が継続して働きたくなるような魅力を持たなければいけないということです。
その一環として、今いる人材への教育はとても大切です。そして人事制度や給与水準などを、グローバル水準に引き上げること。これを実現しない限り、グローバル人材を惹きつけ続けることはできないと思います。
編集部
日本企業がそうした魅力を持てるように、プロゴスさんも支援領域を広げようと計画しているのですね。
坪内さん
おっしゃる通りです。弊社が日本企業の海外進出をより的確にご支援するためには、先ほど申し上げた人材紹介や人事関連コンサルティングの領域に進出することが不可欠です。人事領域のトータルなサービスのご提供が、弊社にとってもお客様にとっても、今後の重要なテーマだと認識しています。
潜在的に幅広い可能性を秘める「PROGOS」の測定機能
編集部
「PROGOS」で提供している「測定」という機能は語学にとどまらず、今後いろいろな分野に応用が利くのではないかと感じます。その点についてはいかがでしょうか?
坪内さん
スキルの測定は、人材育成の土台となる部分であり、現在提供している英語スピーキング力は、数あるスキルの中の1つでしかありません。それ以外のビジネススキルを評価する物差しとして、進化させていきたいと思っています。
編集部
どういう方向への進化でしょうか。
坪内さん
今、まさに企画しているのは、グローバルに活躍するために「必要とされるスキル」ですね。グローバルに活躍している人材が共通して持っているスキルを特定した上で、そのスキルを持っているのかを測定する、ということをしていきます。
働き方についても、今後はジョブ型雇用やフリーランスの活用がますます活発化するでしょう。その際には雇用する側が必要とするスキルが、今よりもっとクリアになるはずです。そうすると、そのスキルを公平に測定できるツールも必要となります。その観点からも、スキルを測定するというサービスが必要になってくると考えています。
編集部
その流れが御社の新たなビジネスチャンスに繋がるわけですね。
ミッションである「グローバルな人と組織の創出」に全員が共感
編集部
では続いて、社員の方について伺います。現在の従業員数は約40人とお聞きしました。年齢構成はどのような状況でしょうか。
坪内さん
30代が一番多く、20代、40代は数えるぐらいです。今は基本的に中途採用しかしていません。一定の経験を積まれた方を採用させていただいています。
編集部
メンバーの皆さんに共通する価値観などはございますか。
坪内さん
1つはミッションへの共感・共鳴ですね。これはメンバー全員に共通しています。「世界中どこでも成果が出せる人と組織を創出する」というミッションには、日本企業のグローバル化という社会課題を解決したいという思いが込められています。メンバーは全員、そのことを理解し共感してくれています。この部分の足並みがきちんと揃っていることが、弊社の特徴だと思います。
そしてもう1つは、ダイナミックな変化に対して柔軟性があることです。大きな変化に遭遇しても、これをエキサイティングだと捉えるメンバーが多いと思います。先ほども申し上げた通り、プロゴスの事業は過渡期にあり、ものすごいスピードで変化しています。
それに対して、メンバーは常に冷静かつ柔軟に対応してくれています。一緒に作って、一緒に壊して、また一緒に作ってということの繰り返しです。そういった変化をポジティブに捉えて、前向きに仕事をしてくれています。本当に頼もしいメンバーが揃っていると思います。
編集部
プロゴスさんには、若手の抜擢人事やチャレンジの推奨といった社風もあるのでしょうか。
坪内さん
もちろんあります。いろいろと変化している中では、さまざまな役割が必要となります。その役割を適切なメンバーに割り振るということは、日常的に行っていることです。
その中で、実力がありチャレンジに対して意欲のある方には、採用時の想定よりもチャレンジングな役割を担当してもらうケースがあります。そういった、チャレンジを推奨していきたいと思っています。
活躍する人の特徴は「学び続けることをやめない」こと
編集部
親会社のレアジョブさんにおられる阿津澤さんから見て、プロゴスさんはどんな会社だとお感じですか。
同席された株式会社レアジョブ人事部の阿津澤さん
私はレアジョブの人事部所属ですから、プロゴスのメンバーと一緒に仕事をすることはほとんどありません。ただ、同じフロアにいるので、雰囲気などは常に伝わってきています。先ほど坪内がお話したメンバー共通の価値観などは、横から見ている私としても同じように感じます。
編集部
プロゴスさんで活躍しているメンバーには、どんな特徴がありますか。
阿津澤さん
特徴は「学び続けることをやめない」ということだと思います。例えばお客様の人事戦略の解像度を高めるために、業界環境だけでなく、常に世の中全体の動きをキャッチアップして、客観的な視点を欠かさないようにしていると感じます。
そしてお客様の「どんな情報を得たいのか」や「何を課題と感じているのか」について、いつも考えていますね。そういったことが活躍しているメンバーの特徴だと思います。
必要なものを必要なタイミングで供給し、メンバーの成長を支援
編集部
メンバーの成長支援については、どんなことに取り組んでいますか。
坪内さん
プロゴスの特徴の1つは、非常に小回りが利く組織だということです。ですから、メンバーの成長支援についても、定期的な研修制度ではなく、「必要なものを必要なタイミングで、その都度行う」ということに重きを置いています。また、会社側が与えるだけでなく、お互いに学び合う姿勢もあります。
例えば、研修商材の勉強なども、その商材に詳しいメンバーが中心になって、自発的に研修内容の共有や事例を学ぶための会をその都度開催しています。
また、弊社とパートナーシップを結んでいる研修会社さんのトレーニングを、我々自身が体験する機会を設けています。そこで感じたメリット・デメリットを営業に活かすことで、より説得力のある提案を可能にしています。
編集部
小回りが利く組織という特徴を、うまく生かしているわけですね。
「オンボーディング」や「資格取得」の支援体制を整備
編集部
オンボーディングへの取り組みについては、どんな状況でしょうか。
坪内さん
2023年に入って、イネーブルメント(成果を出し続けるための仕組み作り)の一環として、オンボーディングの専任担当者を1名設置しました。採用段階から面談を行い、入社してから独り立ちするまでのサポート全般を行います。
社内的なオペレーションの詳細説明や、先輩とのコミュニケーションの仲介などですね。弊社は「入社したら、あとは自分で頑張ってね」という文化ではありません。スムーズにステップアップできるようにサポートします。この取り組みを、より仕組み化していきたいと思っています。
編集部
資格取得については、どんな支援を行っていますか。
坪内さん
従業員には、ビジネスパーソンとして必要な資格を推奨資格として設定しており、その取得を補助する制度があります。例えば法務や情報セキュリティなどに関する資格ですね。
法務やセキュリティについては、その必要性を理解していても専門的な知識習得はまだこれからという方が大半です。そこで推奨資格を取得するための学習費用や受験に必要なコストについて、その一部を会社が補助しています。
「腕に覚えのある方」を給与面・待遇面で確実に優遇
▲「実力のある方は給与面・待遇面で優遇する」と語るプロゴス代表取締役社長の坪内俊一さん
編集部
では最後に採用に関してお聞きします。プロゴスさんが求める人材とは、どんなタイプの方でしょうか。
坪内さん
私たちは、40人という規模の会社です。仕組みが出来上がっていて、それを回すというよりは、自分から新しいことにチャレンジする、他の人がやったことのないことに取り組む、そういうメンタリティを持った方が向いていると思います。また、そういう方に来ていただきたいとも思っています。
もちろん仕事の中には、定型的な処理を求められるものもあります。しかし弊社のメンバーはそういう仕事にも、日々創意工夫しながら、効率化しながら取り組んでいます。そういう社風だとご理解いただければと思います。
また、もう1つの重要な点として、「世界中どこでも成果が出せる人と組織を創出する」というミッションへの共感があります。メンバーは全員、この実現に向けて全力で取り組んでいます。ですから「日本企業のグローバルな活躍を何とか支援したい」というパッションをお持ちの方に、ぜひともご入社いただきたいと考えています、
編集部
ミッションを自らの使命だと感じられる方ですね。
坪内さん
そうです。プロゴスでは、年齢や性別などで序列が決まるようなことは一切ありません。実力があり成果を出した方であれば、すぐに重要な役割を担っていただくことになります。
もちろん給与や待遇面についても、実力がある方にとっては非常に高いレベルにあると自負しています。成果を出せば、その成果に応じた報酬を支給する、透明性の高い人事制度を整備しています。そういう意味で「腕に覚えのある方」には、ぜひとも弊社の話をお聞きいただきたいと思います。年齢は一切関係ありません。実力をお持ちの方でしたら、入社してすぐに活躍いただける余地が多々あります。
編集部
日本企業が世界に進出するサポートをすることに情熱を燃やせる方、そして高いレベルで自分の実力を発揮していきたい方に、プロゴスさんは向いているのではないかと感じました。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社プロゴス:https://www.progos.co.jp/
採用ページ:https://appeal.rarejob.co.jp/recruit/