一人ひとりが輝ける働き方を取り入れている企業を紹介する本企画。今回ご紹介するのは、企業や働く人のストーリーを切り口に、企業の魅力を世の中に届ける広報・PR支援に取り組む「株式会社PR Table」です。
2020年からオフィスをなくし、フルリモート前提の働く環境を整えた同社には、多彩なバックボーンを持ったメンバーが集まり、仕事をしています。『つよく、やさしく、かっこよく。』というバリューのもと、作り上げてきたカルチャーについてお話を伺いました。
株式会社PR Tableとは
株式会社PR Tableは、働く人や企業のストーリーが集まるPRプラットフォーム『talentbook』を運営し、デジタルPR施策を中心に、企業の採用ブランディングやPRをサポートしている会社です。2014年12月の創業以来、国内大手のベンチャーキャピタルから累計11億円の資金調達に成功し、「働く人の笑顔が“連鎖する”世界を作る」ことをビジョンに事業を展開しています。
会社名 | 株式会社PR Table |
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住所 | 東京都千代田区麹町4-8-1 ザモックアップ麹町312 |
事業内容 | 広報・PR支援サービス『talentbook』の提供、広報・PR活動支援 |
設立 | 2014年12月12日 |
公式ページ | https://prtable.com/ |
働き方 | 原則フルリモート フレックス |
フルリモートワーク体制を構築後、女性や子育て中の社員も増えたという株式会社PR Table。一体どんな組織づくりをしているのか、創業者である共同代表取締役の大堀航さんとPR室・室長の久保圭太さんにお話を伺いました。
PRを通じて働く人の笑顔が“連鎖する”世界を作りたい
▲PR Tableさんの企業理念(参考資料から引用)
編集部
まず最初に、PR Tableさんを創業するまでの経緯をお聞かせください。
大堀さん
株式会社PR Tableは、私と弟の大堀海が創業した会社です。大学時代にPRという世界に興味を持ち、株式会社オズマピーアールという総合PR会社に就職し、その後オンライン英会話サービスを展開するベンチャー企業・株式会社レアジョブに転職しました。レアジョブで広報チームの立ち上げや上場を経験し、今の会社を創業しました。
編集部
まさに、PR畑でキャリアを積まれた中での創業ですが、創業しようと思ったのはどんなきっかけだったのでしょうか?
大堀さん
自分自身がベンチャー企業での広報を経験する中で、企業が自分たちで情報発信できるサービスがあれば広報担当者の力になれるのではないかという想いが募り、弟と株式会社PR Tableを創業しました。当社のビジョンは、働く人の笑顔が“連鎖する”世界を作ることです。
ビジョンを叶えるためのミッションとして掲げたのが、笑顔が生まれる”きっかけ”を増やすこと。その手段として生まれたのが、企業の人的魅力を広めていく『talentbook』というPRプラットフォームサービスです。
「働く人」のストーリーから企業の魅力を伝える『talentbook』というサービス
▲株式会社PR Tableさんが運営するメディア『talentbook』には働く人のストーリーが日々アップされている
編集部
PR Tableさんのサービスである『talentbook』について、詳しく教えてください。
大堀さん
『talentbook』は企業で働く人のストーリーが集まるメディアです。企業の魅力を語る上で多様性やサステイナビリティなど様々なキーワードがありますが、こうしたカルチャーを伝えるための手段として、人の持つ物語に注目しました。
PRというと、よくプロモーションという意味合いで捉えられてしまうことも多いですが、我々が考えるPRとはパブリック・リレーションズ(Public Relations)です。会社と顧客や社会・メディア・投資家そして社員などとの信頼関係を構築していくことが私たちにとってのPRです。PR Tableでは、そのなかでも採用候補者や社員と企業とのタレントリレーションズ(Talent Relations)を事業領域としています。
編集部
タレントリレーションズとはどんなものなのでしょうか?
大堀さん
タレントとは未来の社員と今の社員、つまり「人」です。『talentbook』には、各企業で働く人のストーリーが集積されています。それぞれのストーリーを通じて、会社の人的魅力を広め、会社で働く環境としての魅力を伝えています。実際に、『talentbook』は大手企業をはじめとした多くの企業から、採用戦略を支援するパートナーとして選ばれ、自社の魅力を発信する場として活用いただいています。
編集部
確かに、企業の採用ページなどに書かれている「人を大切にしています」という言葉よりも、実際に働いている人がイキイキと働くストーリーの方がダイレクトに企業の魅力がわかるような気がします。
「つよく、やさしく、かっこよく。」というバリュー
▲女性や子育て中の社員も活躍するPR Tableさんでは「つよく、やさしく、かっこよく。」をバリューに掲げている
編集部
PR Tableが企業組織として大切にしているバリューについてお聞かせください。
大堀さん
「つよく、やさしく、かっこよく。」を企業のバリューに据えています。会社で働くメンバーひとりひとりが笑顔でいるために、個々人が働くことや環境に対して違和感を蓄積しないようにしていきたいと思っています。ちょっとした違和感は、モヤモヤを産み、思考力を奪い生産性も下がってしまいます。
バリューとして掲げる「つよく、やさしく、かっこいい」人は、違和感をそのままにせず「なぜ違和感を感じるのか」の理由を見つけて解消できる人です。その結果、事業や組織の成長に繋がるはずです。
編集部
違和感を無視するのではなく、逃げることなく正面から「なぜ違和感があるのか」「どうすれば解消できるのか」とポジティブに捉えられる姿勢は、人としての芯の強さがあってこそですよね。「つよく、やさしく、かっこいい」からこそ自分だけでなく、目の前にいる仲間やクライアントに寄り添えるのだなと感じました。
自分らしい生き方を実現できるフルリモートという働き方
▲PR Tableさんではフルリモートを活用し、自分らしい働き方ができる
編集部
PR Tableさんは完全フルリモートという働き方を選択されているそうですね。
大堀さん
2020年から渋谷区のオフィスを解約して働く環境をフルリモート体制に整えました。これにより、全国から年齢やライフスタイルも様々なメンバーが当社に加わりました。エリアに縛られないことで、優秀なメンバーがたくさん集まってくれるなど、思った以上にポジティブな結果につながっています。
久保さん
今では、東京や首都圏だけでなく関西・九州・沖縄などで働くメンバーが在籍しています。働く時間もコアタイムを12時から16時に設定し、あとはそれぞれのライフスタイルに合わせて選択できるようにしたことで、子育て中の女性は朝7時くらいから働き始めて、夕方ごろに仕事を終えるメンバーもいます。
編集部
フルリモートとなると対面で顔を合わせる機会は当然少なくなりますが、社員間のコミュニケーションなどで工夫されていることはありますか?
久保さん
当社の仕事はコンテンツに携わる業務が多いので、コンテンツ編集などの作業はリモートワークの方が生産性が高くなる側面があります。一方で、従業員数が増えてくると、組織としてのバリューや事業方針の共有をしっかりとする必要はあると感じています。
期が始まるキックオフなど年に1、2回はメンバーが実際に顔を合わせて話ができるオフサイトミーティングなどの機会を設けています。これには社員の9割くらいが参加してくれていますね。2022年10月には、有志で集まった14人のメンバーで2泊3日のワーケーションにも行ってきました。
▲2022年秋には茨城県ひたちなか市でワーケーション合宿も開催。オフラインでのコミュニケーションも重視しているPR Tableさん
フルリモート体制の導入で組織にも変化が!
編集部
多様な企業の人材採用戦略をPRから支援されているPR Tableさんですが、働いているメンバーの皆さんはどんな方が多いのでしょうか?
久保さん
現在サービスを提供するために集まってくれているのは約50人で、PRや広告にとどまらず、人材業界やIT業界、メディア業界など多彩な経験を持つメンバーです。平均年齢は30代半ば、男女比はちょうど半々くらいです。2020年からフルリモート体制に移行してからは、女性社員や子供のいる社員が増え、チーム構成も大きく変化しました。
編集部
チームを構成するメンバーの属性が大きく変わったとのことですが、具体的にはどの程度変わりましたか?
久保さん
2019年時点で男性が7割を占めていたのが、2023年現在、男女比1:1になりました。また、既婚者の割合は、全体の6割近くに。子育て中の社員も、全体の4割を占めています。
編集部
なぜここまで大きな変化があったのでしょうか?
久保さん
フルリモート体制を導入して、働く場所の自由度を高め、ビジョンを刷新したことがきっかけです。もちろん、リモートで働ける企業は当社以外にもたくさんあります。実際に入社の動機を聞いてみると、働き方だけでなく会社のビジョンに共感してくれている人も多いですね。
社会的価値に共感したメンバーが集結
▲ビジョンに共感して、多彩なメンバーが全国から集まっている
編集部
先ほど、会社のビジョンに共感して入社するメンバーが多いと教えてくださいました。みなさん、どんなところに共感を抱いていらっしゃるのでしょうか?
大堀さん
PR Tableは、働く人一人ひとりのストーリーを通じて、企業の課題解決や、働く場所探しの解像度をあげることを支援しています。当社で働きたいと言ってくれるメンバーの多くが、シンプルにこう言ったストーリーが好きといってくれています。
その上で、ご自身の持っているスキルをどう活かせるのかを考えてくれています。せっかく仕事をするのだから、社会に対しても価値のあることができるかどうかに重きを置いて仕事を選ぶ方々が増えてきている印象です。
編集部
実際にメンバーに加わった方にはどんな方がいらっしゃいますか?
久保さん
例えば、大手通信キャリアで代理店営業やECサービスの企画、運営などを経て出産を経験した女性社員は、母としての自分とキャリア双方を大切にしたいと考えた結果、当社を選んでくれました。前職では育児やライフスタイルに関わるwebメディアで編集、ディレクションを経験していたそうなのですが、より自分らしい働き方を考えるようになったといいます。
加えて、彼女はもともと「誰かの役に立ちたい」という強い想いを持っていました。働く人をストーリーにすることで、企業やその人の力になり、意思決定にも関われるかもしれない。そうした可能性を感じ、クライアントの事業の魅力を人材の想いやストーリーを通じて発信できる当社のサービスに共感してくれました。この辺りは、『talentbook』の当社ページにストーリーとして掲載しているので、ぜひ見てみてください。
編集部
事業理念への共感と自由な働き方や仕事環境への共感がキーポイントになっているんですね。自分自身のスキルを社会に還元していきたいという方が多いからこそ、会社全体にポジティブな循環が生まれているのだと感じました。
■お話に出ていた女性メンバーのストーリーはこちらから!
https://www.talent-book.jp/prtable/stories/49104
一緒に働きたいのはストーリーに魅力を感じられる人
編集部
最後に採用に関してお聞かせください。PR Tableさんで活躍するには、どんな資質やマインドが必要でしょうか?
大堀さん
一つ目は、「人のストーリーっていいよね」と思えるかどうかです。当社の『talentbook』には毎日たくさんの方々のストーリーが上がっているのですが、それを読んで「いいな」と思える方かどうかは重要です。
もう一つは、自分の働くスタイルをある程度確立できていて、自発的に自分のキャリアが選択できる人はマッチすると思います。フルリモートだからこそ、どう働くかは自分次第。それを楽しめる人は向いているのではないでしょうか?
久保さん
PR TableはPR(Public Relations)を軸とする会社です。だからこそ、一人ひとりが自分の対峙しているお客様や採用候補者としっかりと向き合える人かどうかも大切です。「つよく、やさしく、かっこよく。」というバリューに共感し体現できる人と一緒に働けたら嬉しいですね。
編集部
自分自身の軸を持ちながら、目の前の人や仕事に真っ直ぐに向き合えるからこそ、魅力的なストーリーを生み出し続けているPR Tableさんならではのカルチャーが伝わってくる言葉ですね!
本日はありがとうございました。
PR Tableさんが運営している『talentbook』には、様々な企業や人のストーリーが掲載されています。ぜひ、覗いてみてください。
■取材協力
株式会社PR Table:https://prtable.com/
採用ページ:https://prtable.com/career/
『talentbook』サイト:https://www.talent-book.jp/