株式会社スペースデータで働く魅力:「宇宙」を舞台に専門性を存分に発揮できる風土とは

ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、株式会社スペースデータにインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同社で働く魅力をご紹介します。

スペースデータは、IT業界において20代で上場を果たした実業家である佐藤航陽さんが宇宙開発を目的に創業した企業です。「宇宙を身近にする」という理念を基に、仮想の地球・宇宙を再現するデジタルツインや、すべての宇宙事業に共通するプラットフォーム(宇宙ステーションOS)など、これまでにない構想で宇宙開発の民主化に向けてアクションを起こしています。

現在、その壮大な計画に賛同し、宇宙事業に携わっていた方のみならず、各界から経験豊富なメンバーが集まっている状況です。専門性の高い人材が自分の能力を思う存分発揮できる環境があり、ときにはお互いをフォローしあいながら、宇宙という将来性があふれるフィールドで挑戦を続けています。また、働き方に関しても、国内という枠を飛び出して海外で活躍するメンバーが多いです。

今回は、執行役員グローバル戦略・宇宙利用担当の髙田さん、宇宙戦略本部本部長の坂本さん、政策戦略本部本部長の薮下さんに同社の事業や組織の魅力、またスペースデータならではのカルチャーについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社スペースデータの坂本 香子さん

坂本 香子さん

株式会社スペースデータの宇宙戦略本部本部長を務める。前職の宇宙航空研究開発機構(JAXA)では官民連携プログラム推進や経営企画など複数の部署で活躍し、2024年4月に入社。

株式会社スペースデータの髙田 敦さん

髙田 敦さん

株式会社スペースデータの執行役員およびグローバル戦略・宇宙利用担当を務める。商社時代に宇宙ステーション関連のプロジェクト統括や資金調達など数々の実績を重ね、2024年9月に入社。

株式会社スペースデータの薮下 成仁さん

薮下 成仁さん

株式会社スペースデータの政策戦略本部本部長を務める。大学卒業後にベトナム政府に入庁、その後は海外を中心に幅広い業界の政策立案・事業開発に貢献。2024年3月に業務委託として参画、その後正式に入社。

スペースデータの事業:宇宙を身近にする複数のプロジェクトを展開

株式会社スペースデータのロゴ

編集部

本日はスペースデータの組織の特徴やカルチャーについてメインで伺えればと考えていますが、まずは「何を目的にした会社か」というところから教えていただけますか。

髙田さん

「宇宙を民主化する」というミッションを設けているとおり、普通に生活している人にとっても宇宙が身近になるようにさまざまな事業を手掛けていますね。

私が初対面の人と話すときに、「宇宙の仕事をしているんです」と言っても、たいていは「すごいですね」で終わってしまいます。それだけ宇宙というのは日常から遠い存在なんですが、よく考えると衛星放送やGPSなどで利用するシーンは多いはずです。さらに、今はイーロン・マスクがスペースXでどんどん人工衛星を打ち上げていて、非常に話題になっています。

おそらく今後5年〜10年くらいすると、わたしたちの生活の中に宇宙が当たり前に入ってくる時代がやってくるはずです。インターネットの黎明期は「電話帳があるのに情報をウェブサイトに載せても意味がない」というような言い方をされたと思いますが、今では同一のプラットフォームのもとで誰もが検索して情報を得ています。宇宙に関しても、それと同じようなことが起きるわけですね。

そのときに、限られた人ではなく誰もが宇宙にアクセスできるような社会にするべく、インフラやエコシステムを創っており、その一環として「デジタルツイン」などの事業を進めている段階です。

編集部

プロジェクトのひとつであるデジタルツインはどういった事業なのでしょうか。

髙田さん

衛星データとAIによる自動生成、また3DCGの技術によってバーチャルの空間に地球および宇宙を再現することで、高精度のシミュレーションを可能にするという内容になっています。

ユースケースの一例として、国際連合の宇宙部と共同で開始したプロジェクトがあります。地球デジタルツインでいろいろな都市を再現し、災害や気候変動などのリスクを踏まえてシミュレートすることで、各国・各地域の防災対策の構築に役立てることができます。

■お話に出た国際連合「防災デジタルツインの構築」の詳細はこちら!(公式サイト)
https://spacedata.jp/case/un

スペースデータの組織:各分野のプロが集結して急拡大

株式会社スペースデータのオフィス
▲虎ノ門ヒルズビジネスタワー「CIC TOKYO」内にあるオフィス

編集部

ここから御社の組織について伺っていきます。どんなところがスペースデータの組織の特徴だと感じていますか。

坂本さん

一言でいうとすれば、宇宙という何でもありの「総合格闘技」のようなフィールドで戦えるメンバーが揃っています。

私は新卒でJAXAに入ったのですが、そこで感じたのは先端技術を政府とつなぐといういわゆる「事業系」の人がすごく多いということです。国家事業として産業化していくためにもちろん必要ではあるのですが、それだと世の中になかなか伝わっていかないんですね。

報道などを見ても、たまに「探査機のはやぶさが砂を持ち帰ったんだな」というようなことが伝わるくらいで、ビジネスとして大きくするための企業との接点、もっと宇宙事業の理解を進めるための一般の方々との接点があまり持てないでいた。ここにすごく課題を感じていました。

それを解決するためには、PRやマーケティングに力を入れてお子さんからシニア層まで伝わるよう発信しないといけないし、非宇宙の産業と連携して事業を創らないといけないし、宇宙には国境がないので日本政府だけでなく各国にアプローチして施策を打っていかないといけない。まさに総合力の勝負になるので、各分野に強みを持ったプロフェッショナルが集まってきている状況です。

編集部

多くのプロフェッショナルを代表して、薮下さんが入社した経緯をお教えいただけますでしょうか。

薮下さん

スペースデータにジョインしたきっかけは、あらゆる業界に網羅的に関わるビジネスをしたいと考えたとき、一番ふさわしいのがこの会社だと考えたからです。

そもそも、私は大学卒業後にベトナム政府でお仕事をさせていただいた後、多くの業界で政策立案や国際的な事業開発に携わってきましたが、宇宙事業についてはぜんぜん関心がなかったんですよ。アジアの土地開発事業に携わったとき、重要となる地形や土地の高さなどを人工衛星を使って調べる技術に触れて、すごく感動したということはありましたけども。

私がこれまでやってきた仕事は、国の政策とも絡み合うマクロ的な視点で物事を捉える機会が多く、しかも10以上の業界と関連するものでした。次のフィールドを探したとき、培った経験と価値観から同じように自分の能力を活かせるのが宇宙事業で、しかも国の意思決定に関わるようなスケール感を持っているのがスペースデータだったんです。

髙田さん

ちなみに、薮下は過去の経歴を見ると各国政府との繋がりが本当に多くて、国際的なエージェントなんじゃないかとメンバーが疑っているくらいです(笑)。

編集部

そうなんですね(笑)。設立は2017年と伺っていますが、急速に組織が拡大しているのは比較的最近だそうですね。

坂本さん

はい。2017年の設立からしばらくは代表である佐藤がデジタルツイン構想を進め、事業化の前の技術開発を続けておりました。2024年4月からは宇宙事業が本格的にスタートし、宇宙ステーションや宇宙ロボット、月面開発など、ITと宇宙をかけ合わせたプロジェクトを展開しています。

それに伴って組織も拡大していて、次々と各業界からジョインしています。今回のメンバーを見ても私が2024年4月に、薮下と髙田がその後に次々と入社しました。業務委託としてはもっと前から携わっているケースはありますけどね。

有機的に強みを発揮しながら、フォローも欠かさないカルチャー

編集部

御社のメンバーのプロフィールを拝見すると、元JAXAの坂本さん、商社で宇宙事業に携わってきた髙田さんほか、高い専門性を持つ方ばかりです。メンバーに共通する特徴はあるでしょうか。

坂本さん

薮下もそうですが、自分の専門分野に対するコネクションやコミュニケーションの深さは共通しているのかなと思います。言い方が適切かどうかわからないですが「全人類に対する人たらし」が集まっているイメージです。

例えば髙田であれば、商社時代にエンタメから宇宙まで幅広い業界の企業・団体と繋がりがあって、しかも単なる顔見知りではなく深い関係性を築いてきました。しかも、その上でネゴシエーションの場面ではしっかり案件を取っていく強さもあります。

髙田さん

代表の佐藤も言っていたのですが、生成AIに代表されるような左脳的な仕事は外部に代替可能な時代なので、これからは右脳的な人間味が必要になる仕事の重要性が増してきますよね。いろんな業務のレイヤーで自分らしさ、個性を活かせるのがスペースデータの魅力のひとつだと思います。言い方を換えると「変な人しかいない」ということなんですけどね。

そんな個性の集まりが、指示を受けるのではなくアメーバみたいに有機的に動き、自身の強みを発揮しています。「最近あの人の姿を見てないな」って思っていたら、突然すごい案件を取ってきたりしますからね。

薮下さん

とはいえ、チームとしてバラバラというわけでもないんですよ。人間ですから強みもあれば当然弱みもあるので、そこは別のメンバーがフォローしているんです。強みを掛け算で倍増させて、弱みは足し算で補い合っています。

私の場合、国の意思決定に関わるような事業開発であったり、予算調達を含めた政策立案の支援というところにストロングポイントがありますが、ミクロな業務や宇宙産業との繋がりという点ではフォローが必要なので、坂本さんをはじめいろんなメンバーが助けてくれています。

ワークスタイル:パフォーマンス重視で世界中のどこからでも働ける

株式会社スペースデータのメンバーが海外のさまざまなシーンで活躍している様子
▲インタビュイーの皆さんほか、スペースデータのメンバーは国境にとらわれず世界中で活躍されている

編集部

ここまででスペースデータの組織についてお聞きしたため、続いて皆さんのワークスタイルについて伺います。どんな働き方をしてほしいかというルールはありますか?

坂本さん

仕事さえできるのであればどこにいてもいいし、いつ働いてもいいという感じですね。いま取材をお受けしている虎ノ門に拠点はあるのですが、絶対出社しなくてはいけないということもなく、実際に世界を飛び回っているメンバーも多いです。

事例を挙げていくと、アドバイザーの重松(重松健さん:Laguarda.Low建築事務所共同代表)は基本ニューヨークにいて、東京に来たときにミーティングを実施しています。また、髙田も月の半分くらいは海外にいます。

髙田さん

現在関わっている案件の都合上、ヨーロッパや中東、アフリカなど各国の政府機関をかなりの頻度で訪ねています。かなりの期間、日本の家を空けてしまっているので、そろそろなくなりそうです(笑)。

株式会社スペースデータの髙田さんが海外でのイベントに参加したときの様子
▲髙田さんはグローバル戦略・宇宙利用担当として世界中を飛び回っている

編集部

そのような状況で、メンバー同士でコミュニケーションを取って仕事を進めていけるのでしょうか。

薮下さん

まったく問題ないです。出社でもリモートでも関係なくパフォーマンスを発揮できる人で構成されていますし、コミュニケーションに関しても「自分がこうしたい」という意志がベースにあるので、無駄なく議論してリソースを活用し合うことができています。

坂本さん

ひとつの事例を紹介すると、JAXAで火星探査計画や宇宙ステーションのロボット開発に携わっている加藤(加藤裕基さん:執行役員 OS戦略担当)のチームは、全員が副業として週1日だけ当社に参画しています。

そんなチームが、オープンソースで宇宙ステーション開発プラットフォームを提供するという規模の大きなSSOS(SpaceStation OS)というものを突然「開発しました」と言ってきたんです。普通の企業であれば開発まで数年くらいかかるんじゃないかというものを、圧倒的なスピード感でリリースまで進めました。

環境に関係なく、最小のリソースでも最大の成果を出せるように工夫しているというのは、ほとんどルールがないスペースデータの働き方の中で統一されている点かもしれません。

メッセージ:将来性あふれる宇宙事業でワクワクして働きたい人を歓迎!

株式会社スペースデータの取材に対応いただいたメンバー3名
▲インタビュイーの皆さん。常に笑顔が絶えないフランクな取材となった

編集部

最後に、皆さんからスペースデータに興味を持った読者の方々にメッセージをお願いいたします。

坂本さん

私たちは、各分野のプロフェッショナルが自分の才能をとことんまで発揮している組織です。そうすると普通なら軋轢が生まれてバランスが取れなくなってしまうはずですが、一部メンバーではなく全員が尖っているので、誰も手加減しないまま成長することができているんです。こんな組織は、国内のみならずアメリカでもヨーロッパでもなかなかないのではないかと手前味噌ながら思っています。

我々スペースデータは、事業の将来性に加えて技術力、ロビイング、PRなど複数の領域において、世界で唯一「スペースXに勝つ可能性のある事業を作れる会社」だと思っています。関心を持っていただけたなら、一度お声がけいただけたら嬉しいです。

薮下さん

スペースデータは、過去の経歴としてどんな分野のどんなシチュエーションで働いていたとしても、自分の経験を活かして夢を叶えられる場所だと思っています。

これは、決して大それたことを言っているわけではありません。宇宙の民主化を掲げる私たちは、いま「宇宙×デジタル」という要素を掛け合わせた事業を展開していて、そのフィールドはこれからどんどん広がります。例えばSDGsがさまざまな業界でキーワードとなったように、それがエンタメでもメディア事業でも何でもよいので地球以上の規模でやりたいことがある人なら、うちにフィットするはずです。

もちろん、現時点で明確な目的や専門性がないという方であっても、宇宙事業で自身の可能性を広げていくうちに、芽生えてくるものがきっとあるはずです。当社には成長していく上で非常に良い環境が整っているので、そうやってできた夢を思い切って達成してほしいです。

髙田さん

私が皆さんに伝えたいのは、「一緒にもっとワクワクしましょう」ということです。

薮下が言っていたとおり、宇宙というビジネスは地球にあるすべての産業が関わるものなんです。それが道路建設でもエネルギー関係でも、宇宙という舞台に当てはめるだけで新しい仕事が生まれます。いま働いていてあまり充実していないという人にとって、新たな舞台としてうってつけだと思いますね。

スペースデータは、メンバーみんながリーダーであり、それを支えるフォロワーでもあります。有名なことわざで「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め」(if you want to go fast, go alone; if you want to go far, go together)とありますが、私たちは「一緒でならより早くより遠くに行ける」組織なので、ぜひ一緒にワクワクしながら挑戦しましょう!

編集部

本日はありがとうございました!

編集後記

宇宙事業という領域かつメンバーやアドバイザーにビッグネームが並んでいるので少し緊張しながら臨みましたが、普段のフランクかつオープンなコミュニケーションが伺えるような楽しい雰囲気の取材となりました。お互いをプロフェッショナルとして信頼しているからこそ生まれるフリーダム(カオス)を、記事の中からも感じていただければと思います!

この記事のまとめ

グローバル環境の特徴
  • メンバーによってはニューヨークなど世界各地を拠点に活動可能
  • プロジェクトに応じて世界中を飛び回る機会が豊富(UAE、アフリカなど)
  • 政府機関との連携プロジェクトが多数存在
事業の特徴
  • 国連宇宙部との共同プロジェクトで災害支援システムを展開
  • 宇宙技術とデジタルを組み合わせた革新的なサービスを創出
  • 宇宙ステーション開発プラットフォーム「SpaceStationOS」を短期間で開発
組織文化
  • 多くの専門家が「アメーバ」のように有機的に連携する組織体制
  • フラットな組織で、全員が自律的に活動
  • 各メンバーの強みを最大限に活かせる環境を重視
働き方の特徴
  • リモートワークなど、必要に応じて柔軟な働き方が可能
  • 業務委託からの始動も可能で、段階的なキャリアステップを選択可能
  • 少数精鋭体制で全員が案件に関与し、大きな裁量権を持つ
求める人物像
  • 自分の専門分野で卓越した能力を持つ人材
  • 宇宙分野の知識がなくても、強い意志と専門性があれば歓迎
  • 型にはまらない柔軟な発想と挑戦する意欲を持つ人

株式会社スペースデータの基本情報

住所 本社:東京都港区虎ノ門 1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
ラボ:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 15階
事業内容 ・宇宙利用を促進するプラットフォーム提供
・宇宙開発企業への投資育成
設立 2017年1月
働き方 リモート・出社が個人で選択可能(パフォーマンス重視)
公式ページ https://spacedata.jp/
採用ページ https://spacedata.jp/recruit
募集職種 ・エンジニア
・ビジネスデベロップメント
取材・編集
大滝雄介のプロフィール写真

ミライのお仕事
編集部

大滝 雄介

企業の採用や働き方に関する取材を担当し、これまでに三井物産株式会社やヤマハ発動機株式会社、サイボウズ株式会社など、約650件の取材実績あり。編集歴は15年にわたり、出版社勤務時代には官公庁や健康保険組合の機関誌・パンフレットなどを企画段階から多数制作。