先進的な働き方や社内カルチャーで注目を集めている企業にインタビューを実施し、その魅力や特徴についてお届けする本企画。
今回は、サッカーやフットサルの大会やイベントを通じて日本のサッカー振興と企業の課題解決に挑戦する、スポーツマネジメント株式会社にお話を伺いました。同社は、スポーツを通じて企業の社員の健康増進や組織の活性化を図るなど、ユニークなアプローチで事業を展開しています。
スポーツマネジメント株式会社の企業理念と事業内容
スポーツマネジメント株式会社は、サッカーやフットサルを日本の文化として根付かせ、発展させるために、幅広い世代を対象とした大会やイベントの企画運営を行っている会社です。
同社は、日本のアマチュアサッカーの普及と競技力の強化を目指しています。企業のプロモーションやブランディング、採用広報の場としてサッカーイベントを活用するという新たなアプローチを取り入れています。これにより、企業だけでなく自治体とも協力し、サッカーでつながる「輪」を全国に拡大し続けています。
企業名 | スポーツマネジメント株式会社 |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区神宮前2-12-2ステージ神宮前Ⅱ 4F |
事業内容 | ・サッカー・フットサルイベントの企画制作・運営代行 ・サッカーマーケットでの販促や採用 ・スポーツクリエイティブ制作 ・各種事務局業務 ・サッカーチーム向け情報サイト運営 ・チームウェア・ユニフォーム制作販売 ・サッカー・フットサル業界に関する情報発信 |
設立 | 2000年6月28日 |
公式ページ | https://spo-mane.co.jp/ |
今回は、社員の約7割を20〜30代の若手社員が占める同社にて、入社から主要な担当者へと急成長するまでの育成方法や社内のサポート体制について、チームマネジメント事業部第2グループのリーダーである近藤一樹さんにお話を伺いました。
サッカーを通じた企業・地域連携:スポーツマネジメント株式会社の独自アプローチ
編集部
最初にスポーツマネジメントさんの事業内容について教えてください。
近藤さん
弊社は「日本にサッカーを文化として根付かせる」という想いのもと、サッカー大会の企画運営からサッカーを通じた企業の課題解決までをトータルで担う会社として、2000年に設立されました。
主な事業内容は、サッカーやフットサルチームのお客様向け事業と企業様向け事業の2つの軸で展開しています。
サッカーチーム向け事業では、サッカーやフットサル大会の企画運営、公式戦の事務局運営、チームのユニフォームやグッズなどの制作を行っています。
企業様向け事業では、サッカーやフットサルイベントを通じた商品やサービスのプロモーション、採用広報イベントなどの企画運営を主に行っています。
編集部
なぜ事業の軸をサッカーチームと企業のお客様の2つにされたのですか?
近藤さん
スポーツマネジメントの事業の方向性の1つは、サッカーチームに対するサービスの提案です。これは、アマチュアサッカー人口の増加や競技力の強化を目指し、サッカーを楽しんでもらい、チームの強化につなげてもらうための大会企画が主軸となります。
しかし、単にサッカーをする機会や楽しい場を設けるだけでは、サッカー業界の成長を促すには不十分です。そこで、企業や自治体が抱える採用や地方創生といった課題に対して、サッカーを通じた解決策を提案し、大会やイベントに参加・協力いただくというもう1つの軸を設けました。
企業や自治体のお客様には、大会やイベントを通じて選手はもちろん観客や保護者の方々に自社や商品・サービスについて知ってもらうことで、チームと企業・自治体が双方向にメリットのある関係で発展していけると考えたのです。
地域活性化への貢献:サッカーイベントによる経済効果
編集部
社会的にイベント自粛のムードが広がった期間がありましたが、スポーツマネジメントさんの事業にはその前後で変化などはありましたか?
近藤さん
自粛期間以前は、イベント企画全体の6割から7割が宿泊付きのサッカー・フットサルイベントだったのですが、自粛期間を経て、宿泊を伴わない日帰りイベントの需要が増えています。
一方で、企業様のPRや採用イベントとしてサッカー・フットサルイベントを活用してくださるケースが増えています。これは新しい傾向ですね。
編集部
やはりイベントがなかなか行えないという状況は、スポーツマネジメントさんにとっては苦しい時期だったのではないでしょうか?
近藤さん
そうですね。確かに弊社はイベント会社と旅行会社を兼ねているような会社ですので、イベント開催ができないことによる影響は大きかったと感じています。
一方で、社内に想定外に多くの時間が生まれたことで、業務やサービスの改善策を話し合ったり、新たなサービスを企画したりと、新しいことを考える時間に充てることができました。これは良い面でしたね。
編集部
なるほど。旅行会社も兼ねているとのことでしたが、宿泊付きイベントの企画運営の際は宿泊施設の予約なども行っているのですか?
近藤さん
はい。食事メニューにも希望を伝えるなど、細かい部分まで力を入れて準備しています。
参加者の皆さんはアスリートですから、身体のコンディションにもしっかりケアした内容であることは重要なポイントです。そのため、旅館やホテルの方々とお互いにこだわりを持って進めています。
編集部
イベントが自粛していた期間は、旅館やホテルの方々も大変だったでしょうから、そういった大人数で定期的に利用してくれるお客様がいることはとても心強いですね。
イベント開催で人が動くことによって、地方創生にも貢献していると感じます。
近藤さん
そういう風に感じてもらえることはとても光栄ですね。
サッカーやフットサルのイベントが地域振興に役立って、経済も活性化できたらいいなと思っています。オフシーズンもイベントを企画することで年間を通じて安定的に送客できるように考えながらやっています。
編集部
ありがとうございます。サッカーを軸に人や企業・地域がつながって大きな輪となっていっていることがすごく感じられました。
スポーツマネジメント株式会社の若手育成戦略:早期の独り立ちを促す仕組み
編集部
スポーツマネジメントさんで働く社員さんたちの年代構成を教えてください。
近藤さん
若手採用を強化していることもあって、現在(2023年7月取材時点)20代から30代の社員が全体の約7割を占めています。
編集部
社内での雰囲気として、普段からコミュニケーションが活発に行われているのでしょうか?
近藤さん
はい、非常に活発です。スポーツマネジメントの社員は、基本的にサッカーが好きで、日本でもっとサッカーが盛り上がってほしいという気持ちがメンバー間での共通認識となっているので、日頃から積極的に意見交換が行われています。
サッカーに対してみんな熱い想いを持って仕事をしているので、上下関係にとらわれずに率直な意見交換を行いますし、商品企画においても妥協しません。
お客様視点で常に良いサービスを考えているので、細部にまでこだわって企画を練り上げるという文化が根付いている会社だと思います。
自主性を重視した指導方針:先輩社員の「見守る」姿勢
編集部
若手採用を強化されていると、未経験の方も多く入社されると思います。スポーツマネジメントさんでは、そういった若手社員の方々をどのように育成されているのですか?
近藤さん
弊社の育成方法は、実際に経験させてそこから自分で学んでいくというのが基本スタイルです。
入社後は3ヵ月から半年の間、メンター兼教育担当の社員とペアで行動しますが、この伴走期間は比較的短く設定しています。
メンターが外れた後は、所属部署の上長がケアをしながら、チーム全体で育成に取り組みます。ここでも独り立ちまでの期間を短めに設定しています。
編集部
実際に仕事をしながら学び取っていくことを本人に任せるというのは難易度が高いように感じます。具体的にはどのような形で独り立ちまでをサポートするのですか?
近藤さん
例えば、新入社員には最初から実際に企画や制作を行う機会を与えます。サポート役がいるので、当初は常にその人に相談しながら進めようとします。
しかし、新入社員もサッカーには何らかの形で関わってきているので、「自分ならどうしたいか」「何がベストなのか」という視点に切り替えてもらい、自分で答えを見つけられるようにサポートします。
スポーツマネジメントには、「実際にやってみてもいい」という許容範囲が広いカルチャーがあるので、自分で立てた仮説を検証するために、ほとんどのことを自分でまず実践させてみます。
その結果の成否や改善点を考えるというプロセスを繰り返すことで、成長を促していく形が多いです。
編集部
先輩があえて距離を置いて見守ることで、自分で最適解を考えて行動に起こす力が育まれるのですね。
挑戦を推奨する社風:若手社員の大胆な取り組みを支える環境
▲スポーツマネジメント株式会社でのキャリアが2年目(2023年7月取材時点)に入ったばかりの得永さん
編集部
スポーツマネジメントさんで実際に活躍されている若手社員さんには、どのような方がいらっしゃるのですか?
近藤さん
中学生のサッカーチームの営業担当をしている得永という社員は、入社1年目で私設の中学生サッカーリーグをお客様と一緒に立ち上げました。
スポーツマネジメントの営業担当は、担当のお客様のご要望に対して企画立案からイベント告知・運営・振り返りまでトータルで担当します。そのため、日頃からお客様の様々な相談に乗る機会が多くあります。
得永は、中学生サッカーの私設リーグに関する相談を受け、当時そういったリーグがなかったにもかかわらず、お客様と対話しながら立ち上げて形にしていきました。
現在(2023年7月取材時点)は入社2年目に入ったところで、このリーグを軌道に乗せていく段階です。
編集部
入社1年目でそのような大きな仕事をされたんですね。他にも活躍されている若手社員さんはいらっしゃいますか?
近藤さん
はい、現在(2023年7月取材時点)入社5年目になる28歳の高野という社員がいます。彼は大学の同好会やサークルのサッカーチームの営業担当で、担当しているお客様の数が非常に多いのが特徴です。
高野は年齢的には若手ですが、ポジションとしてはすでに中堅メンバーに入っており、最も高い営業実績を持つ、営業部門を牽引しているメンバーです。
編集部
高野さんと先ほどの得永さんのお仕事内容は同じなのでしょうか?
近藤さん
営業担当としての基本的な仕事内容は同じですが、担当しているカテゴリーが異なります。そのため、それぞれの顧客層に適した商品やサービスの企画を行っています。
当事者意識の醸成:上司の意図的な「見守り」戦略
▲スポーツマネジメント株式会社のエース営業マンである高野さん
編集部
得永さんも高野さんも、入社からどんどん挑戦を重ねて成長されていると感じますが、その背景にはどのようなことがあると考えられますか?
近藤さん
得永に関しては、「経験を積んでほしい」という上司の思いが強かったので、伴走はしながらも基本的にはある程度責任を与えて、自分ごととして考え続けるような状況を作っていたという点があります。
例えば、お客様とのメールのやり取りに上司をCCで追加するなどの情報共有は得永自身が行い、上司は本当に困った時や迷った時にだけ相談に乗るというスタンスでサポートしていました。
高野に関しても基本的な方向性は同じですが、彼の場合はより厳しい環境でした。たくさんの失敗を経験させる一方で、周りはあえて助けの手を差し伸べず、とにかく自分の力で解決させるという状況でした。
かなりきつかったと思いますが、彼の強い性格がプラスに作用し、最後までほとんど助けを求めずに取り組んでいました。私たちも本当に困っているだろうと判断したタイミングでしか状況確認しませんでした。
失敗を恐れない文化:顧客との信頼関係を基盤にした成長支援
編集部
未経験者に裁量を与えて任せることが、お客様に対してリスクになることもあると思います。その点については、どのようにバランスを取られているのでしょうか?
近藤さん
おっしゃる通りです。社員を放任した結果、お客様にご迷惑をかけて信頼を失ってしまっては本末転倒です。
そういった事態を防ぐことも私たち先輩社員の役目です。スポーツマネジメントが会社としてお客様との間に信頼関係をしっかりと築けているからこそ、若手が様々なチャレンジをすることに対してお客様にもご理解いただけています。
経験豊富な社員も定期的にお客様と話す機会を設けることで、万が一の場合でもすぐにサポートに入れるように状況把握をしているというところも、お客様の理解と安心感につながっていると思います。
近藤さん
やはりサッカーチームの監督や指導者の方の大半は、弊社社員よりも年上の方になるので、そういった中でも臆せずしっかりコミュニケーションをとってほしいんです。
逆に若いうちしかそういった経験はできないと思うので、今しか感じられないやりづらさのようなものも乗り越えてほしいと思っています。
そういった意味では、お客様に叱責されることも1つの経験になると思っていて、お客様に叱られたりご指導いただいたりする場面を避けすぎない方がお互いの将来にとって良いだろうと考えています。
情熱が原動力:サッカーへの強い想いが活躍を後押し
編集部
スポーツマネジメントさんに入社される方の多くに見られる特徴などはありますか?
近藤さん
弊社に入社する人は、やはりサッカー界に対してとても熱い想いを持っている人が多いですね。高野や得永もそうですが、サッカー界に対して「もっとこうなればいいのに」という強い考えを持っています。
そういう人は、難しい仕事が来ても粘り強くやり遂げる努力ができるんです。
スポーツマネジメントでは、入社1、2年目の社員にも大きな仕事を任せ、「まずは自分で何とかするために行動してみなさい」と伝えることをずっとしてきました。私たちも先輩からそうやって育てられました。
それが今につながって、自分もこういう立場で中心メンバーとなるまで成長することができたんだと思います。
編集部
近藤さんご自身にとって、スポーツマネジメントさんに入社されて良かったと感じる点はどこにありますか?
近藤さん
僕は社会人1、2年目の頃、アメリカにある日系旅行代理店で働いていて、日本に戻ってきてスポーツマネジメントに入社しました。
日本のサッカー界は他の業界に比べて、規模が小さい分伸びしろもすごく大きい業界です。そんな業界であるからこそ、自分のやりたいことを考えて形にしやすいというメリットがあり、自分次第でチャレンジしやすいところがこの会社の良いところだと感じています。
編集部
これからまだまだ成長する余地が残っているからこそ、先ほどの得永さんのように入社間もない社員さんにも大きな可能性がある業界なんですね。
スポーツマネジメント株式会社が求める人材像:主体性と明るさを重視
編集部
採用に際し、スポーツマネジメントさんで大事にしていることや面接でチェックしている点はありますか?
近藤さん
弊社の採用姿勢としては、これまでの経歴を細かく確認するというよりも、人間性を重視しています。
面接でチェックするポイントは2つあります。「自ら考える力がある人」と「明るく笑顔で元気がいい人」です。
自分で考える力の重要性はこれまでもお話ししてきましたが、明るく笑顔で元気がいいという基準も非常に大切にしています。
これらの要素がないとお客様との対応が難しくなります。特にスポーツ業界では、明るくて元気のいい人が信頼されやすい傾向があるため、弊社の求める人材として必要不可欠な要素だと考えています。
編集部
それでは最後に、本記事を読んでスポーツマネジメントさんで働くことに興味を持たれた方へ、メッセージをお願いします。
近藤さん
私たちスポーツマネジメントは、まだ発展途上にある日本のサッカー業界を成長させる担い手として、強い使命感を持って事業拡大を目指しています。
サッカーを取り巻く状況に対して何らかの想いがある人やサッカーに対して熱い想いを持っている人と一緒に、サッカーを日本文化として根付かせていく活動をしていきたいと考えています。
私たちの活動やビジョンに共感いただけましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
編集部
スポーツマネジメントさんでは、「未来のサッカー界を自分の手で盛り上げていきたい」という想いを持った自考自走型の人材が活躍できると感じました。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
■取材協力
スポーツマネジメント株式会社:https://spo-mane.co.jp/
採用ページ:https://spo-mane.co.jp/?content=recruit