ミライのお仕事『注目企業へのインタビュー』企画。今回は、社会福祉法人愛里巣(アリス)福祉会にインタビューしました。この記事では、転職を検討されている方に向けて、同法人で働く魅力をご紹介します。
愛里巣福祉会は、学校法人や人材サービスなど全国で幅広く事業を展開しているアリス学園グループの福祉分野を担っています。石川県金沢市・野々市市を中心に、お子さんや高齢者、障がい者などを支援すべく幼保連携認定こども園やグループホームの運営などを行っています。
パート職員から園長へのキャリアアップを実現した事例があるほか、全管理職の約6割を女性が占めるなど、性別や経歴にとらわれない柔軟な組織運営が特徴です。また、運営施設に子どもを預ける職員への保育料補助制度や給食費の免除など、育児と仕事の両立支援も充実しています。
今回は、福祉業界への転職を考えている方が知りたいポイントとして、社会福祉法人愛里巣福祉会の女性職員の働き方や成長支援の取り組みについて、理事長の竹澤さんにお話を聞かせていただきました。
愛里巣福祉会のキャリアパス:園長など女性管理職が多数活躍
▲「金沢泉丘こども園」の職員と子どもたち
編集部
最初に、愛里巣福祉会での女性職員のご活躍について伺いたいです。具体的なキャリアパスも含め、ご紹介いただけますか?
竹澤さん
一例として、当法人が運営するこども園の園長についてお話しします。
彼女はもともと別の仕事と並行しながらフルタイムに近いようなパート職員として働いてくれていました。その仕事ぶりが非常に魅力的だったので、こちらから「主幹教諭(※)になってほしい」とお声がけして、パートの立場ながら責任ある立場を任せたんです。そして、現在は正式に園長として活躍してくれています。
(※)主幹保育教諭。園長や副園長をサポートし、施設全体の運営にも携わる立場
また、私自身にも当てはまることなのですが、キャリアの途中で出産し、保育園や小学校の子どもを育てながら施設長などの管理職を務める者も複数います。その場合も産育休取得はもちろんのこと、1日6時間の育児短時間勤務を利用しながら仕事と私生活を両立していますね。
編集部
パートから正規職員になる、管理職の立場でも時短勤務を活用できるなど、福祉業界において女性が自身の希望に沿ったキャリアを構築しやすいように思ったのですが、いかがでしょうか。
竹澤さん
そう思いますね。管理職になったけども家族が体調を崩したので一度退職し、回復したので1〜2年後に戻ってきたというケースもありましたが、そのときも元の役割に近い形で雇用しています。
当法人は全体の8割を女性が占めており、管理職の男女比を見ても約6割を女性が占めています。個人の事情はいろいろなのですが、「こうあるべき」というキャリア面のこだわりがあるわけではないので、できるだけ幅広い働き方を提供できればと考えていますね。
副業も可能。趣味で収入を得るなど多様なワークスタイルを実現
▲障害者就労支援施設「ハッピータウンクオレ」の職員と利用者
編集部
幅広い働き方という点で、具体的な事例はあるでしょうか。
竹澤さん
私たちはパート・正規職員のどちらも副業可としていますので、別の場所で活躍している方もいらっしゃいますね。勤務後に自分の趣味も兼ねたカメラマンとして収入を得ていたり、実家の和菓子屋を手伝ったりと、いろんなパターンがあります。
副業は特に後ろめたいことではなくて、むしろいろんなバックグラウンドを持つ方が当法人で働いてくれることが嬉しいです。職場でも「新しくこの仕事も始めました」「そうなんだ。体調には気をつけてね!」と会話をするくらい自然なことなんです。
私たちは「人の幸せ」を願う法人なので、仮に愛里巣福祉会での仕事が合わなかったら別の場所で輝いてほしいですし、多くの選択肢を持てるというのは良いことだと考えています。
愛里巣福祉会の各種制度:保育料補助など育児と仕事の両立支援あり
編集部
先ほどは時短勤務のお話がありましたが、その他に育児と仕事を両立されている職員へどのような支援をされているのでしょうか。
竹澤さん
特徴的なものとしては、お子さんを私たち愛里巣福祉会の施設に預ける場合、保育料の8割を手当として支給し、給食費も免除されるという制度を整えています。
また、有休も取得しやすい雰囲気で年度ごとに使い切るのが当たり前ですし、時短勤務についても法律では3歳までしか適用されないのですが、体調や状況等により小学校まで延長できるようにしています。このあたりは事情に応じて臨機応変に対応していますね。
編集部
福祉業界への転職を考える子育て世代にとって、そのような制度があるのは大きなメリットですね。
出産やその他の事情で長期休暇を取得する場合、職員の方はどうしても子どもたちのことが気になったり、引き継ぎが大変だったりしてしまうと思います。そのあたりのフォローはどうされていますか?
竹澤さん
子ども園や高齢者施設など施設によって異なる点もありますが、当法人の特徴として豊富な経験を持つ人材が揃っているため、長期休暇で職場を離れるときもグループ全体でフォローすることが可能です。
例えば放課後児童クラブの責任者が育休に入るような場合、以前に施設長をしていた者が少し前からサポートに付いたり、高齢者施設の管理職が休む場合はグループ内の学校法人から非常勤の先生が来てくれたりという感じです。
こども園では国際教育プログラムの導入で成長支援。資格取得の補助や報奨金も
編集部
愛里巣福祉会では、職員の成長を支援するような取り組みはあるでしょうか。
竹澤さん
いろいろとありますが、例えばこども園であれば国際バカロレア(IB)(※)の認可申請を出していて、職員が自身のキャリアパスについて考えて研修等を受けられるような仕組みを作っているところです。
(※)国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラム。年齢に応じて4種類に分かれており、12歳以下の場合はPrimary Years Programme(PYP)が該当する。
日本の保育業界は、勉強して段階的にスキルアップして、次のキャリアを目指すというシステムが整っていない状況なんです。業界団体が積み木に関する研修を開催するなど実務的なものはいくつかあるのですが、基本的な教育理念、子どもの発達や成長の過程から学んでいくような機会は少ない。
そんな中で、私たちは国際バカロレアの認定校になるためにベースとなる考え方や授業の組み方、どういう研修を受けるかなど毎年明確に計画を立てています。海外から講師に来ていただきグループワークをする機会もあり、先生たちは常に新しい知識を身につけていける環境が整っています。
具体的には、子どもの活動において「ただお花を育ててみよう」というのではなく、「成長過程でこの段階に達するために植物に触れる機会を持とう」というように、教育的な意図を持って計画的に保育活動を組み立てるカリキュラムマネジメントの意識を持って保育に取り組んでいます。職員からも「日々スキルアップできている」「この職業の楽しさがわかった」という声が届いていますね。
編集部
保育も含めた福祉業界で働きたい人にとって、日々成長しているという実感を持てる環境はとても魅力的だと感じました。資格取得という点でも、サポートはされているのでしょうか。
竹澤さん
保育士や幼稚園教諭などの資格を目指す場合、通信教育の受講料を当法人が負担したり、受かったときには報奨金を出したりしています。また、場合によっては学習時間を仕事をしている時間としてみなすこともあります。この分野は資格取得がそのままキャリアに直結するので、十分にフォローするようにしていますね。
編集部
こども園のケースについて伺いましたが、グループホームなどその他の施設で勤める方についても同様の支援はあるのでしょうか。
竹澤さん
はい。介護の仕事に従事する場合は介護職員初任者研修・実務者研修を受講できるようにしていますし、その他にも必要となる講座があればオンライン研修や行政が実施する研修に参加可能です。
愛里巣福祉会の職場環境:高齢者施設では半分が外国籍の職員
▲外国籍の職員と子どもたち。日本や海外の遊びを教え合うことで文化交流にも繋がっている
編集部
愛里巣福祉会の特徴として、多国籍な職場環境が挙げられると思います。現在、どれくらい外国籍の方が働かれているのでしょうか?
竹澤さん
施設や時期によっても変わってきますが、放課後児童クラブに関しては職員のおよそ10%くらいが海外からの留学生です。また、高齢者施設では正規職員・契約職員・パート職員などすべての雇用形態を合わせて、全体の約半分が外国籍となっています。
具体的な国籍でいうと、インドネシアやミャンマーの方が多いですね。日本語のレベルもさまざまで、日常会話なら何とかという方もいれば、介護福祉士試験に合格するレベルの方もいます。同じ出身の先輩がフォローしてくれるので、問題なく働けています。
▲各施設で外国籍の職員が活躍。前向きな姿勢が明るい雰囲気を生み出している
編集部
そういった方々がいきいきと活躍されることで、周囲にどんな影響を与えているでしょうか?
竹澤さん
「日本で働きたい」という強い意志を持って来日された方々なので、非常に意欲的で明るい方が多く、大変なことがあっても前向きなので職場の雰囲気が明るくなっていますね。高齢者施設では、いつも笑顔で接してくれるので利用者の方々も元気をもらっているみたいです。ときには、職員の母国の料理を体験して文化交流する機会もあります。
また、子どもたちにとっては異なる言語や遊び方を通じて文化の広がりを体験できる貴重な機会となっているんです。言葉が通じなくても「話せないから終わり」ではなく、どのようにコミュニケーションを取るかを自然に覚えています。
愛里巣福祉会の風土:責任感と成長意欲が職員に根付いている
▲高齢者グループホーム「愛蓮」でのお花見の様子
編集部
続いて、愛里巣福祉会の組織風土について教えていただけますか?
竹澤さん
私たちは子どもたちの将来の時間、そして障がい者や高齢者の方々の大切な時間をお預かりしているので、責任を持って仕事に取り組み、職員として成長していくというのが法人のカルチャーとして一番大きい部分です。
あとは、とりあえずチャレンジしてみるという姿勢は職員に共通しており、より良いやり方があればそれを追求するというのは組織全体に根付いていますね。それは、先ほどお話しした国際バカロレアのプログラムへの前向きな姿勢からもおわかりいただけると思います。
編集部
職員の皆さんからは、仕事のやりがいについてどのような声が届いていますか?
竹澤さん
職員からよく聞くのは、「利用者さんと関わっていけることが本当に幸せで働きがいがある」というものです。子どもがちょっとしたことで喜んでくれて、気づくとあっという間に成長していく。また、高齢者の方々もふとした会話で楽しんでくれて、そのご家族から「この施設に入って元気になった」という声をいただけると、この仕事をしていてよかったと感じるようです。
愛里巣福祉会が求める人材と採用メッセージ
▲取材にご対応いただいた竹澤さん
編集部
最後に、愛里巣福祉会の採用に関して、「こんな人と働きたい」という想いをお聞かせください。
竹澤さん
私たちは、誰かのために頑張りたいという方、そして仕事を通して成長していきたい方と一緒に働きたいと考えています。「人のためになることをする」「成長を欠かさない」というのは、そのまま当法人の理念でもあるんです。
もう一つ付け加えるとすれば、チャレンジ精神がある方は歓迎しています。教育システムや高齢者を取り巻く環境など、世の中はどんどん変わっていきます。我々が今後発展していくためには、変化を嫌うのではなく変化に対応して挑戦していくことが大事ですから。
本日お話しした愛里巣福祉会の働き方や理念に共感してくれた方は、ぜひご応募ください!
編集部
子どもや障がい者、高齢者を支える福祉業界への転職を考える方は、愛里巣福祉会でなら自分らしいキャリアを歩めるのではないかと感じました。本日はありがとうございました!
編集後記
社会福祉法人愛里巣福祉会の働き方のまとめ
キャリアパス |
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働き方の特徴 |
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育児支援 |
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成長支援 |
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職場環境 |
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組織風土 |
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社会福祉法人愛里巣福祉会の基本情報
法人名 | 社会福祉法人愛里巣福祉会 |
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住所 | 石川県金沢市円光寺本町8番50号 |
事業内容 | ・幼保連携型認定こども園 ・放課後健全育成事業・児童館 ・就労移行支援・就労継続支援B型・共同生活援助・放課後等デイサービス ・保育所等訪問支援 ・相談支援事業 ・認知症対応型共同生活介護(高齢者グループホーム) |
設立 | 1975年12月 |
公式ページ | https://www.swc-alicefukushikai.com/ |
採用ページ | https://www.swc-alicefukushikai.com/blank-13 |
募集職種 | 施設長候補 |